川上弘美のレビュー一覧

  • 龍宮

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    「夢十夜」「冥途」みたいなカンジ。薄暗く、ジメジメしてるんだけど、好奇心が勝って思わずドキドキのぞいてしまう。すべてオチがありません。後味すっきりしないな。とても女性的な小説です。
    なんか首のあたりがムズムズします。こういう作家さんてあまり読んだことがないから感想もいいにくいなあ。最初の話「北斎」は海から上がって何百年もたってしまい、戻り方を忘れたかなしい男の話。最後の「海馬」も何百年も海から上がって久しい女の話。陸にあがった理由は二人ともセックスです。
    なんか対象的なのでとても印象に残っています。女のほうは海に帰れるんだけどね。でもこの小説の主人公たちはみんな空虚で何考えてるのかわかりません

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    2014年02月19日
  • 物語が、始まる

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    現実と非現実の境界線があまりにも曖昧で、どっちが本当の世界かわからなくなる。読み手を異世界へ誘うのが非常に巧い作家。ひとつひとつの言葉や単語にとてもそそられる。表題作に出てくる雛形こそ、天性の小悪魔だと思う。雄だけど。そうして彼に出会った人たちの物語は、延々と始まりをむかえるのだ。

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    2009年10月07日
  • 此処 彼処

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    川上さんのゆるい文章のリズムの隙間に「ほんわか」の素がつまっています。特筆すべきことのない暮らしでも彼女にかかれば味わい深し。

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    2009年10月07日
  • 此処 彼処

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    川上さんは可愛いなぁと再確認する一冊。
    普段あまりエッセイは読まないのでありますが、小説でストーリーを追ったり凝った美しい文章を追ったりするのが疲れてくると、ゆるゆると読めるものを欲するようになります。
    「此処彼処」は場所に関するエッセイで、あの町この町にまつわる川上さんの思い出話をたくさん聞かせていただいた気分になれる本でした。
    あっという間に読める。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    表題作は今ひとつながらも、「墓に入る」がとても秀逸です。ああ、文学! と思いました。思想があるなぁと。
     女の人には珍しい感じの文学だと思います。前述の三人の文学はとてもやわらかくて身近な物語だけれど、川上弘美が「墓に入る」で書いていたのは世界の構造みたいなもので、それがとても意外でした。女の人でそういう文学を書く人はとても少ない気がします。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    幻想譚を集めた短編集。というか、この人の書く話はそのほとんどが幻想譚。その中でも、「物語が、始まる」(表題作)には胸が締め付けられた。主人公の女性がある日から、男の雛型を拾って育て始める。やがて成長して立派な男になる雛型。女性は雛型を愛するようになるが。が。ここからが痛い。つらい。悲しい。今はちょっと読めない。状況が自分に重なるんだなぁ。(2006,1,21現在のわたし)

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    2009年10月04日
  • 此処 彼処

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    川上さんの文章は和風(あくまでも私が受けた印象です)で静かで心が落ち着く。どの章も終わりの部分が特に好きです。

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    2009年10月04日
  • 100万分の1回のねこ

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    書店で懐かしい猫ちゃんの表紙の本に
    出会い手に取った一冊

    『100万回生きたねこ』のトリビュート作品集で好きな作家さんも描いていて、1篇1篇が短くて寝る前に読むのに良かったです

    猫は見当たらなかったけど、町田康さんの『百万円もらった男』が一番印象に残っています
    女もお金も失い仕事も無く、自分の才能を100万円と引き換えてしまった男の末路…セツナイ…

    綿矢りささんの『黒ねこ』も怖いお話だけど終わりが可愛いかった


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    2026年07月14日
  • 真鶴

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    行きたかった真鶴の道草書店で購入。
    脱字なのかと会話の文の後の続きの文章を読んで思ってたが、あまりに多いからそういう文なのだと分かった。
    夢現を行ったりきたり…読み進めるのが辛かった。

    主人公の心情の変化…最後には現実世界に立ち直ったのか。なんだかこの世を直視しない方が幸せそうだけど。

    うーん、まだよくわからない。
    しばらく消化します

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    2026年07月18日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    出会った本。普段あんまり読まない雰囲気だが短編集だからさくさく読めたし、読んでいて楽しく一気に読めた。
    恋愛は、まあした方がいい気がするけれど、タイミングを間違うとまあストレスになるなと思った。
    淋しいなと卒業がお気に入り。
    フルーツトマトみたいな火曜日という表現が好き。

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    2026年07月11日
  • センセイの鞄

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    ネタバレ

    平易な、簡素な文体によって、ひたすら柔らかく落ち着いた優しい空間に浸れるのがすごく幸せだった。
    エッセイみたいな文体だ。
    すごく優しく、すごく切ない。

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    2026年07月04日
  • センセイの鞄

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    第37回谷崎潤一郎賞受賞作。

    年齢差のある男女が、ゆっくりと距離を縮めていく姿を描いた恋愛小説。昭和の奥ゆかしさを感じさせる、静かで穏やかな恋が印象的だった。

    言葉数の少ない洗練された文体ながら、風景や感情が無駄なく描かれており、自然と情景が浮かんでくる。派手な展開はないが、その静けさが作品全体の空気を作り上げている。

    一方で、終始穏やかなトーンで進むため大きく感情を揺さぶられることはなかった。静かな余韻を味わう作品として楽しめたが、恋愛のその先にある「人の生き方」まで、あと少し踏み込んで描いてほしかった。

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    2026年07月01日
  • 100万分の1回のねこ

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    吾輩も猫である と同じように、百万回生きた猫を受けて著名作家さんがそれぞれ短編小説を書いたものを編纂した本です。
    広瀬弦さんの博士と猫がゾワっとしました。1番原作の意図に近しいものを感じました。

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    2026年06月15日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    子どもの頃は、大人って、もっと大人だと思ってた。
    でも違った。
    だから、解説にある「人は生きるなかで、少しずつ、どこかから、はみだしてゆくものだ」というのが腑に落ちた。

    道ですれ違うだけの人たち、電車から見える家々に住む人たち、その一人一人が違う人生を生きていることを改めて認識させられた気がする。
    誰もかれもが人生の核心も正解もわからず生きていて、自分もそのひとりだと思うと、なんだか途方に暮れそう。

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    2026年06月14日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    変愛、と銘打つだけあって、なんだか読後感が…

    いろんな作家さんの個性も垣間見える作品だったが、やっぱり村田沙耶香さんの作品の不気味さは突出してるな…

    再読したい本ではなかった

    いい悪いではなくて、好みじゃないってことですね…

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    2026年05月28日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    書きすぎないけど、文字や行動の後ろのきもちをほんのり感じさせるお話たちでした。恋愛小説をあまり読まないけど、変な居心地の悪さを感じないで読めた。表しきれない関係性とかきもちってあるよなぁ。わたしにとっては似た気持ち知ってる、その気持ちはどんなもの?というのが、ふんわりおりまざる短編集だった。

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    2026年05月13日
  • 100万分の1回のねこ

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    『100万回生きたねこ』にちなんで13人の作家が綴った短篇集。角田光代と綿矢りさの作品が光って見えた。もちろん佐野洋子の絵本も読んだ。

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    2026年05月07日
  • 溺レる

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    8つの話の入った短編集。いずれも女性が主人公で、男性との関係が一人称で語られる。

    全体的に退廃的な話ばかりで、物語としては自分の好みではなかった。どれも感情が排除された淡々とした文章で語られていて、感情移入の余地もなく。

    かといって、文章自体がつまらないわけではなく、言葉の選び方や組み合わせには、はっとするようなものがある(川上節と言ってもいいと思うが)。自分にとっては、物語というよりも純粋に文章を楽しむ作品であった(つまり、こういうのを純文学というのか)。

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    2026年05月06日
  • あるようなないような

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    P-85 「晴れますように」、この作品が一番好きです。
    芥川賞受賞、そりゃあ確かに素晴らしい事ですが、自らなんども言われるとなぁ・・・・興ざめと云いますか!だがしかし夏目漱石の「文鳥」再読を思い立たせてくれたのには感謝申し上げる

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    2026年05月01日
  • 某

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    名前も性別も分からない状態で突然現れた主人公、女子高生、男子高校生、青年と姿を変えて…というSF?ファンタジー?な小説
    読み進めていくと"何者でもない者"から徐々に何か、人間性のようなものを稼得していく

    凄く面白かった!という話ではなくて淡々とした話なのだけど、じわじわこの主人公の人生にハマっていく、見ていたくなる本だった
    星3.5くらい、哲学が好きな人は好きだと思う!

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    2026年04月20日