川上弘美のレビュー一覧

  • 龍宮

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    人と人に紛れ込んだ何かを描いたコンセプト短編集。作者独特の節が特に強く、棲み分けると幻想小説の類なのか。
    作品の感触は妙に生々しく、理解の要らない自由さを感じる。

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    2026年02月02日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    どの話も好きだけれど特に好きな2つを。
    まずは川上弘美さんの「アクティビティーは太極拳」から。
    何となく合わないと感じていた母と娘が、コロナ禍の最中、距離はありながらも同じ風景を共有し、長い旅の時間を過ごす贅沢さとほんの少しの切なさに胸がいっぱいになる。
    違う場所で暮らし、たまに顔を合わせるとやっぱり合わないと感じながらもその関係の面白さに気付いていく様子がとても丁寧に描かれていてとても気に入った。

    桜木紫乃さんの「ほら、みて」はどこかでも読んだことがあったと思うのだけれど2度目もやっぱり素敵だった。
    自分の両親もこうであってほしいと、こうなってくれるのならば、ななつ星の 旅をプレゼントして

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    2026年01月19日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    事実ベースで書く作家さんだ、と思った。
    「大聖堂」「なくしたものは」「お金は大切」「廊下」が好きだ。
    「お金は大切」がベストかなあ。とっても好きだ。

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    2026年01月18日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    久しぶりの川上弘美さん。超短編なので読みやすかった。ふんわりとした柔らかい文体。やっぱり好きだなと思った。

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    2026年01月14日
  • 某

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    不思議な物語だった。SFチックに、単調に進んでいく。文夫までは、医師や看護師の意見も含めスラスラと読めたけど、マリになって病院を抜け出してからが少し読むスピードが落ちた。とはいえ文体は読みやすく、すぐに読み終えた。みのりが、鏡に映った自分を見て考えたことなど、私が小さい頃に考えていたような世界を文章にした感じだった。自己愛、アイデンティティ。

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    2026年01月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    ネタバレ

    すてきなアンソロジー。豪華寝台列車「ななつ星」が舞台なので、登場人物はわたしよりも年上の大人な人たちがメインですが、想像しながら読めました。大人の素敵な旅、かと思えばいろいろな面もあったり。
    ちなみにすてきな装幀・装画デザインはクラフト・エヴィング商會さんです☆

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    2026年01月08日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    川上弘美は「センセイの鞄」を読んでみたいなぁとぼんやり思っていたのだけど、古本屋でこの本が目に入って手に取るとなんだか表紙も好み。タイトルに入ってる古道具っていうのもいいな。ということで読んでみることに。
    これは恋愛小説になるのかな?
    だけどガッツリ恋愛ではなかったのが良かった。
    登場人物それぞれの恋、生活。
    ねっとりしてなくて、軽くもない。
    ふとした表現が綺麗で胸が動く。
    この本、中高生のときに読んでたら大好きになってたと思う。
    大きくストーリーが動くわけではなく、雰囲気を楽しむ感じ。
    思ってたより良かったな。
    めちゃくちゃ個人的だけど、これ読んでる時に、たまたま友達におすすめされて「今ちょ

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    2026年01月06日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    連作短編集。恋愛テーマが多い。
    あまりファンタジー要素もなく読みやすかった。
    でもちょっと不穏。

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    2026年01月02日
  • いとしい

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    恋愛もの。最初良かったけど段々よくわからなくなっちゃったな。
    とはいえ他のもどんどん読みたい。ファンです。

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    2026年01月02日
  • 蛇を踏む

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    不思議な話の連続でよく理解できず進んでいくこともあったけど、世界観に引き込まれて一気に読んでしまった。

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    2025年12月29日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    未来、人類は絶滅衰退から逃れるために新たな遺伝子を持ち、進化と循環を繰り返す道を選んだ。作られた新しい人類の世界、新しい人類の暮らしの物語。

    一般的なSFとは違う読み心地で、とにかく静かなお話。
    進化のスピードはとんでもなく速いのに、人間たちは怒鳴りもせず取り乱しもせず、どこか淡々としていておだやかで。そのギャップが薄ら怖い。
    作中の人間の生活ぶり、進化や衰退の過程はテクノロジーや環境のもう引き返せない変化が静かに進んでいる現実と、そのことに気付いているのに気付かないふりをして日常生活を送っている私達の姿が重なって見えて、今を生きる私達に差し迫った危機への警鐘のようにも感じた。

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    2025年12月24日
  • 溺レる

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    適切な表現ではないと思うが、境界知能に近しい主体性・生活能力の欠如した女性達の依存的な恋愛を収めたコンセプト短編集。
    表題通り内容は感傷的かつ抽象度高め、作中人物に知を感じられず通読が少し大変だった。
    一方、『神虫』『無明』など形而上的なアプローチが光る作品もあり、人は選ぶが文学的引力を持った一冊だった。

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    2025年12月24日
  • 神様 2011

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    神様:悲しい熊被害がたくさん報道された2025。熊はどんな事を考え町におりてくるんだろう、登山者を見ているんだろう。互いに敬意を持って共生できたらな、と思うのは綺麗事のような気もするけど、適度な距離で共生できたらな。
    神様2011:311で変わった様子が描かれる。あとがきではウランについて言及される。
    人類が存続していく限り様々な技術を駆使しそれを私たちは享受する一方で、自然に反する事象は山程ある。自然との向き合い方

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    2025年12月18日
  • 某

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    途中めげそうになったものの、終盤で怒涛の展開具合に気づいたらのめり込んでしまっていたのが個人的ハイライト

    内容はSF調かなと思います。
    終始、世界観は普段過ごしている日常から若干軸がズレており、それが不思議ではあるものの、軸がズレているなりに人の営みに溶け込もうとする者達。
    作品を読んでいると、もはや上記の『者達』と表現するのも相応しいのだろうか?とも思ってしまいます。一単語として形容すべき存在なのかな主人公なるものはと思います。

    読んでいないと、このレビューもなんじゃこりゃといった感じですが、恐らく読むとなんとなく共有できると信じたいです。

    常に頭に『?』を浮かべながら読んでいくのが、

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    2025年12月17日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編の話がいくつも入っている小説。全て恋愛を主題とした話ではあるけれども、それぞれ展開や状況が違っていて、別人視点の恋愛話をいくつもみているような面白い本だった。また話の内容が恋愛といっても高校生が読むようなキュンキュン系ではなくて、もっと大人な話?が多かった。なんというか現実味が強いというか、グロい話がいくつかあったので、ドラマのような話を期待して読むとちょっと違うと思うかもしれない。
    しかしながらこういう本を読んでみたかった自分もいるため、総じて面白い作品だったと思う。

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    2025年12月10日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    ゆるゆるとした中野商店の日常って感じなのだけど、少しずつ恋と事件とあって、最後は切なくて胸がきゅーっとなっちゃった。
    特に主人公ののらりくらりしてそうで生きるの下手そうな感じ、すごい分かるわ〜

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    2025年12月08日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    キリスト教に詳しければもっとピンときたのかもしれない。生殖とかとかワードが出てきて、やや電車で読むのはハードルが高い

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    2025年11月22日
  • 王将の前で待つてて

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    川上弘美の俳句は、何と言うか、子どものようだ。
    素直、まっすぐ、一本調子…。
    海の底深く潜らず、海面にゆらゆらと浮かんで空を見上げているような…。
    まるで付け足しのような季語、とか。

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    2025年11月12日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ネタバレ

    モテ男ニシノユキヒコの女性遍歴を、女性たちの側から語る本作。

    男の側からすると、くっそぅー、あんなに沢山いい思いをしやがって、と一瞬思う。ただ、読中からその思いは消え、おかしみ、あるいは哀しみの情へと変化してゆく。

    ・・・
    この主人公ニシノ氏は人を愛せない。

    いや、もちろん、愛していると口にはする。でもそう感じられない。優しいし、偉そうでなく、夜の営みもお上手、ガツガツしていない。

    ウォーターベッドやビーズクッションのように優しく気持ちよく包んでくるけど、どこか相手に対しての真摯さが感じられない。

    それを本人も、そして相手の女性側も理解してゆき、最後に別れを切り出される。

    ・・・

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    2025年11月08日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    中年を過ぎつつある中で、これまでの自分を振り返ってみる。
    今だから分かること、これまでの時間の積み重ねが教えてくれること。今、自分の感じていること。
    歳を重ねていくと、自分の人生を振り返ってみたくなる時がやって来るのだろうか。
    若い頃よりもずっと死に近い場所にいることで、思うことがあるのだろうか。

    エッセイではないけれど、川上弘美にもそういう時が訪れたのだろう。
    何もないことの積み重ねが人生であり、何もないことは、何もないことではない、のでもある。まるで禅問答のように。

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    2025年11月08日