川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川上弘美さんの本は最近よく読んでいますが、エッセイが読みやすいです。
「ゆっくりさよならをとなえる」「大好きな本」「あるようなないような」「なんとなくな日々」に続いて5冊目のエッセイになります。
1編が3,4ページと短くて50編ほど収められています。
場所についての言及をこれまで避けていたのですが、今回は場所にこだわろうということで地名がたくさん出てきています。
川上弘美さんは放心できる自分の場所を持っているということです。
法律的には自分の土地や建物を所有していなくても、ここはわたしの場所なのである、と言います。
そういう場所は誰にでもあると思います。
わたしが放心できるお気に入りの場所は山の中にいくつかあります。
公園では子どものいない人間と母子連れの人たちの間には意思の疎通はないと言います。
川上弘美さんが子供を預かって公演に行くと、今まで言葉を交わしたことのない赤ちゃん連れの女性が笑顔で話しかけてきたということです。
そして、いろいろな「お母さん」がいるということを川上さんは語っています。
駒場の東大が隠れた花見の名所だと書かれています。
本郷の三四郎池の近くに桜の季節に行きましたが、その桜も見事でした。
本屋さんに行った際に、人は最初にどのコーナーに立ち寄るだろうか、川上弘美さんは料理本コーナーだそうです。
やはり主婦です。
「お説教」についての考察があります。
40を過ぎた頃からお説教をされる頻度が減ったそうです。
お説教は嫌だと川上弘美さんは言います。
憂鬱から逃れる方法として、長電話ともうひとつ、電車に乗って淋しさを味わうというものがあるということです。
丸ノ内線に荻窪から乗ってみたいと思いました。
「行きつけの店」についての考察がありました。
頻度と親愛度がポイントです。
10年に一度ほどの行きつけもあるということです。
東京タワーに怖がりに行くそうです。
川上弘美さんは高所恐怖症だそうです。
わたしと同じです。
川上弘美さんの二人の息子のことも書かれています。
4年前に中学生と高校生の息子がいたということです。
子育ての最中に素晴らしい小説やエッセイを書かれていたわけです。
人はいくつもの名を持っているということです。
川上弘美さんを「川上」「弘美」「かあさん」その他のあだ名で呼ぶ人がいます。
その人をどんなふうに呼ぶかはとても意味のあることです。
関係が変化して呼び名が変わる場合もあります。
自分をどう呼ぶかも面白いことです。
取引先相手には「ワタクシ」と言い、私的には「おれ」と言い分けたりします。
1週間以上の旅に出るときには川上弘美さんは旅ノートを作るそうです。
ノート1冊使うそうです。
北海道が好きだそうです。
わたしも旅の記録は付けます。
1冊1000円ほどのB5版のハードカバーを活用しています。
記録は想い出になります。
帰ったあとの想い出の整理にも役立ちます。 -
Posted by ブクログ
短編が4つ入っています。
最初は「物語が、始まる」で、男の雛形(人形ではないらしい)を手に入れて女性と、その人間のようになっていく雛形の、奇妙な恋愛物語。
2つめは「トカゲ」で、幸福のトカゲを飼う事になったマンションの奥さんたちの話から、最後は一種狂気じみたオカルトのような世界になります。
3つめは「婆」。何となく立ち寄ることになってしまった、婆の家。不思議な穴が奇妙な世界観を醸し出しています。
最後は、「墓を探す」。あまり親密でない姉妹が、先祖の墓を探すことになります。ご先祖様がとりついているような姉と、不思議な世界を経験しながら墓を探す。物語は、墓にたどり着く前で終わっていますが、墓にたどり着いたときにはどうなるのだろう、と考えると、一種ブラックな感じもします。
いずれも、何気ない日常に始まって、不思議な世界へと読者を導きます。
川上弘美さん独特の感性、表現(特に擬態音的なもの)も健在です。
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Posted by ブクログ
相変わらずの”うそばなし”です。
川上さんの作品を読むたびに「これは何だ?」とか「何故読むのか?」という疑問が浮かび上がってしまうのです。身に付いて役に立つわけでも無し(まあ、大抵の小説はそうですけど)、生きる勇気を与えてくれる訳でもなく。
で、考えた末に出した結論が「旅みたいなもんだ」と。
日常から離れて、川上さんの作る不思議な世界を旅する。遊ぶ。それが楽しければ良いじゃないかと。多くの旅なんてそんなものだし、何故旅するかなんて考えることなく、普通に行ってるし。
ただ、この世界は、論理も通じない不可思議な世界なのに、なぜか異様な実存感がある。それが川上さんの凄い所だと思います。 -
Posted by ブクログ
「夢十夜」「冥途」みたいなカンジ。薄暗く、ジメジメしてるんだけど、好奇心が勝って思わずドキドキのぞいてしまう。すべてオチがありません。後味すっきりしないな。とても女性的な小説です。
なんか首のあたりがムズムズします。こういう作家さんてあまり読んだことがないから感想もいいにくいなあ。最初の話「北斎」は海から上がって何百年もたってしまい、戻り方を忘れたかなしい男の話。最後の「海馬」も何百年も海から上がって久しい女の話。陸にあがった理由は二人ともセックスです。
なんか対象的なのでとても印象に残っています。女のほうは海に帰れるんだけどね。でもこの小説の主人公たちはみんな空虚で何考えてるのかわかりませんでした。でもずるずる読みすすんでしまった。謎な読書をしてしまいました。