川上弘美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこれってもしかしてエッセイ?と何度も思った。主人公・朝見のイメージがあまりにも川上さんぽいので。
小説家の朝見、"飛んだ"ことが3回もあるアン、作詞家のカズ。幼馴染みが四十年ぶりに再会。
3人とも六十代とは思えない程若い。3人で呑みに行っても噛み合わないようで、でも3人とも大人だからかとてもフラットにラフに付き合える。彼らの距離感がとても良かった。
それに3人とも離婚を経験しているせいか、恋愛に対してどこか冷めている感じが良かった。それは年齢のせいだけではないと思う。
私も六十代になった時、こんな感じで幼馴染みと再会してラフな距離感で付き合える友達がほしいと思った。
「カ -
Posted by ブクログ
空気自体は澄んでいるくせに周りには水滴の靄がかかっていてなかなか遠くまで見渡せない。真っ直ぐ進んでいるつもりなのになぜか遠回りになってしまう。何だろう、そんな感覚。
川上さんの無二の感性と願いがこめられた素敵な作品でした。
ただ、夜の校舎での顛末だけがどうしても違和感があって共感できなかったのだけが残念だった。ここのエピソードは他の作品(「七夜物語」?)とリンクしているのかな?それを知っていればまた受け止め方も変わったのかな?
読み終わってみれば、とても壮大な物語。りらと絵のようなつながりにとても憧れる。タイトルがとても素敵。「川上弘美」っていう字面までがなんだか素敵に見えてしまうのが不思議 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他者と自分の境、自分であること、他人であることとは一体なんなのだろう。
これまで読んできた川上弘美作品のなかでもかなり独特で、読み終わるのにだいぶ時間がかかった。
霧の中をゆっくり小舟で進むような物語で、時に掴めない表現のかさなりになんだか眠くなったりもした。
しかし不思議と退屈さはなく、真鶴に引かれるようにして通い続ける主人公のようにつらつらと読み続けた。
特に最後の方は波にひかれるように読み切ってしまった。
喪失に折り合いを付ける、というのはとても時間のかかることで、相手が自分の中に食い込めば食い込んでいるほど難儀で、相手がいない以上明確な回答はどこにも存在せず、存在しないゆえに輪郭を -
Posted by ブクログ
純文学作家の発想
ひとつづつ評していく。
川上弘美。未来SF。
発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
妙にSFが現実路線のわりには -
Posted by ブクログ
酒井駒子さんの挿絵が美しかった七夜物語…
こちらは、ちょっと雰囲気がちがうな…と思ったらヒグチユウコさんの装画。
どちらも素敵です。
そしてやはり、川上弘美さんの子ども心の表現がなんとも愛おしい。
「大人になったら、子どもの時のことは、わすれちゃうのかな」という絵くん
「わからない。子どもの時にあったできごとは、きっとわすれないよね。でも、今の自分の気持ちは、おぼえてるかどうか、わからない。だって、大人になったら、ちがう気持ちになってるかもしれなくて、そうすると、もっと前の気持ちをいつまでもおぼえてて、いちいちそのことを思い出してたら、気持ちが決まるのに、すごく時間がかかっちゃうじゃない?」 -
-
Posted by ブクログ
佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。インパクトの強い緑色の瞳をしたオスのトラ猫が表紙の絵本です。おそらく子どもの頃にも読んだことがあったと思うんですが内容はほとんど記憶になく、大人になって改めて読んでグッときました。
1977年に発売されて以来、今なお多くの人に読まれ続けている大ロングセラーであるこの絵本への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。
佐野洋子さんの息子さんで絵本作家の広瀬弦さんや元旦那さまの谷川俊太郎さんも執筆されています。結構著名な作家陣ばかりですが、私は読むのは初めましてな作家さんが多かったですね。
どういうこと?と理解が追いつかないお話もあれば、ちょっと不思