川上弘美のレビュー一覧

  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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     恋多きニシノユキヒコ、しかし愛した女性とは必ず別れてしまうニシノユキヒコ。彼の恋愛遍歴……いやいや、恋と人生を巡る冒険、を描く10の短編。
     すごく優しいんだけど悲しくて、不可解で切なくて、恋愛というものに対して疑問ばかり抱いてしまうような内容だったけれど。ひとを愛するってこういう(不可解で曖昧な)ものなのかも、と思いました。文庫版に付いている藤野千夜さんの解説は素晴らしいです。

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    2022年03月06日
  • 此処 彼処

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    一年間、毎週新聞に掲載されたエッセィ。
    地名を具体的に出すという趣旨で綴られており、タイトルも最初と最後が「此処」と「彼処」以外は全て地名。

    いつもながらの川上節で、読んでいて楽しい。
    あとがきで具体的な名前を出すと、自分をはっきり書いたような気がするが、全然そんなことはない、と書いてあるのも興味ぶかい。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    相変わらずの”うそばなし”です。
    川上さんの作品を読むたびに「これは何だ?」とか「何故読むのか?」という疑問が浮かび上がってしまうのです。身に付いて役に立つわけでも無し(まあ、大抵の小説はそうですけど)、生きる勇気を与えてくれる訳でもなく。
    で、考えた末に出した結論が「旅みたいなもんだ」と。
    日常から離れて、川上さんの作る不思議な世界を旅する。遊ぶ。それが楽しければ良いじゃないかと。多くの旅なんてそんなものだし、何故旅するかなんて考えることなく、普通に行ってるし。
    ただ、この世界は、論理も通じない不可思議な世界なのに、なぜか異様な実存感がある。それが川上さんの凄い所だと思います。

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    2016年08月16日
  • 龍宮

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    「夢十夜」「冥途」みたいなカンジ。薄暗く、ジメジメしてるんだけど、好奇心が勝って思わずドキドキのぞいてしまう。すべてオチがありません。後味すっきりしないな。とても女性的な小説です。
    なんか首のあたりがムズムズします。こういう作家さんてあまり読んだことがないから感想もいいにくいなあ。最初の話「北斎」は海から上がって何百年もたってしまい、戻り方を忘れたかなしい男の話。最後の「海馬」も何百年も海から上がって久しい女の話。陸にあがった理由は二人ともセックスです。
    なんか対象的なのでとても印象に残っています。女のほうは海に帰れるんだけどね。でもこの小説の主人公たちはみんな空虚で何考えてるのかわかりません

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    2014年02月19日
  • 物語が、始まる

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    現実と非現実の境界線があまりにも曖昧で、どっちが本当の世界かわからなくなる。読み手を異世界へ誘うのが非常に巧い作家。ひとつひとつの言葉や単語にとてもそそられる。表題作に出てくる雛形こそ、天性の小悪魔だと思う。雄だけど。そうして彼に出会った人たちの物語は、延々と始まりをむかえるのだ。

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    2009年10月07日
  • 此処 彼処

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    川上さんのゆるい文章のリズムの隙間に「ほんわか」の素がつまっています。特筆すべきことのない暮らしでも彼女にかかれば味わい深し。

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    2009年10月07日
  • 此処 彼処

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    川上さんは可愛いなぁと再確認する一冊。
    普段あまりエッセイは読まないのでありますが、小説でストーリーを追ったり凝った美しい文章を追ったりするのが疲れてくると、ゆるゆると読めるものを欲するようになります。
    「此処彼処」は場所に関するエッセイで、あの町この町にまつわる川上さんの思い出話をたくさん聞かせていただいた気分になれる本でした。
    あっという間に読める。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    表題作は今ひとつながらも、「墓に入る」がとても秀逸です。ああ、文学! と思いました。思想があるなぁと。
     女の人には珍しい感じの文学だと思います。前述の三人の文学はとてもやわらかくて身近な物語だけれど、川上弘美が「墓に入る」で書いていたのは世界の構造みたいなもので、それがとても意外でした。女の人でそういう文学を書く人はとても少ない気がします。

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    2009年10月04日
  • 物語が、始まる

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    幻想譚を集めた短編集。というか、この人の書く話はそのほとんどが幻想譚。その中でも、「物語が、始まる」(表題作)には胸が締め付けられた。主人公の女性がある日から、男の雛型を拾って育て始める。やがて成長して立派な男になる雛型。女性は雛型を愛するようになるが。が。ここからが痛い。つらい。悲しい。今はちょっと読めない。状況が自分に重なるんだなぁ。(2006,1,21現在のわたし)

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    2009年10月04日
  • 此処 彼処

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    川上さんの文章は和風(あくまでも私が受けた印象です)で静かで心が落ち着く。どの章も終わりの部分が特に好きです。

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    2009年10月04日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    変愛、と銘打つだけあって、なんだか読後感が…

    いろんな作家さんの個性も垣間見える作品だったが、やっぱり村田沙耶香さんの作品の不気味さは突出してるな…

    再読したい本ではなかった

    いい悪いではなくて、好みじゃないってことですね…

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    2026年05月28日
  • 100万分の1回のねこ

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    『100万回生きたねこ』にちなんで13人の作家が綴った短篇集。角田光代と綿矢りさの作品が光って見えた。もちろん佐野洋子の絵本も読んだ。

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    2026年05月07日
  • 溺レる

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    8つの話の入った短編集。いずれも女性が主人公で、男性との関係が一人称で語られる。

    全体的に退廃的な話ばかりで、物語としては自分の好みではなかった。どれも感情が排除された淡々とした文章で語られていて、感情移入の余地もなく。

    かといって、文章自体がつまらないわけではなく、言葉の選び方や組み合わせには、はっとするようなものがある(川上節と言ってもいいと思うが)。自分にとっては、物語というよりも純粋に文章を楽しむ作品であった(つまり、こういうのを純文学というのか)。

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    2026年05月06日
  • あるようなないような

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    P-85 「晴れますように」、この作品が一番好きです。
    芥川賞受賞、そりゃあ確かに素晴らしい事ですが、自らなんども言われるとなぁ・・・・興ざめと云いますか!だがしかし夏目漱石の「文鳥」再読を思い立たせてくれたのには感謝申し上げる

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    2026年05月01日
  • 某

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    名前も性別も分からない状態で突然現れた主人公、女子高生、男子高校生、青年と姿を変えて…というSF?ファンタジー?な小説
    読み進めていくと"何者でもない者"から徐々に何か、人間性のようなものを稼得していく

    凄く面白かった!という話ではなくて淡々とした話なのだけど、じわじわこの主人公の人生にハマっていく、見ていたくなる本だった
    星3.5くらい、哲学が好きな人は好きだと思う!

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    2026年04月20日
  • 溺レる

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    何か淵の見えない男と女の恋愛というのか愛欲というのか。女は弱く、けれど強かに男に尽くす。
    エロティックな、でもそれは柔らかさや不透明な何かを帯びているからこそ惹かれる後ろめたさでもあり。
    タイトルの意味がよく伝わってくる短編集。

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    2026年04月06日
  • 夜の公園

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    読んだのは、『正欲』で自分の頭の上のハエも追えないくせに正義ぶってる人たちがバカっぽくてw
    欲望に素直に従っている人が出てくる小説を無性に読みたくなったから(^^ゞ

    ま、あの人たちは自分の頭の上のハエも追えないくせに正義ぶっているというよりは、自分の頭の上のハエを追えないからこそ、世間が言う「正しさ」に縋ることで、自分を守ってもらえると勘違いしているだけなんだろうけどね。

    で、それはそれとして。
    チョイスしたのが、『白い薔薇の淵まで(中山可穂著)』、『限りなく透明に近いブルー(村上龍)』の2冊とこれなんだけど、『白』と『ブルー』はお話として全然ツマンなかったこともありw、これもダメかなぁー

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    2026年03月14日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    読み出してしばらくこの本の世界観がつかめなかった。そういった説明が少ない。でも、作者の中にきっちりとした世界ができてるとは感じられた。
    この話が言うように、人間はくだらないことを続けている。遠い将来、人間はどうなるのだろう? クローンが生まれるのか? 新人類は出てくるのか?

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    2026年02月08日
  • 神様

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    夢見ているみたいな話ばかりだな、と思っていたら、あとがきにもそんな感じの事が書いてあった。現実じゃないけど、かといって全てが夢ではない気もして、不思議なトリップできた。

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    2026年02月03日
  • 龍宮

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    人と人に紛れ込んだ何かを描いたコンセプト短編集。作者独特の節が特に強く、棲み分けると幻想小説の類なのか。
    作品の感触は妙に生々しく、理解の要らない自由さを感じる。

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    2026年02月02日