川上弘美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
川上弘美の書くものがたいそう好きなので(よろしい)、そんな弘美さんのたいそう好きな本を、読み漁りたいと思ったのです。弘美さん。ああ、この人は、どう言葉を捉えて、日々を、歩いたり料理の味見をしたり、感動したり、しているんだろう。例えが、本当に豊かなのは、小説家だからなのかしら。岸本佐知子と川上弘美を繰り返し読んでいるので、もうふたりともがむくむく世界を作っていて訳がわからなくなっている。読むという快感、生の喜び。本を読むことに、どれほど喜んでいるのかがわかる。しみじみとした、丁寧な、豊かな、厳しい、文章の中に溢れんばかりの無邪気な感動に触れたからか、読みたい本の頁の角を折り曲げていたら、ほとんど
-
Posted by ブクログ
あたしは共感能力が低いので、情景を読む(という言い方が正しいのかどうかはわからないけど)ということが苦手です。
小学校の時の国語の時間、「情景っていうのはたんなる風景の描写ではなく、 登場人物の気持ちがあらわれたものだ」と習ったけれど、あたしには、言語化されていない気持ちというものがどうもよくわからないのです(言語化されていても、当然、すべてがわかるわけではないけれど)。
そして、これは情景とは違うのかもしれないけれども、事実の描写からその裏側を読む、というのも苦手です。
例えば、「それから平山水絵は、泣くかわりに、笑いはじめた」(p.353)という描写。
そんな文章で終わられてしまうと、 -
Posted by ブクログ
いくつかの短編は、ドキドキするほど自分のことが書いてある…と思い、
自分のこの恋も、もしかしてこの小説の登場人物たちみたいに終わっちゃったりするのかなとか、
本気で心配しちゃうくらい、気持ちの中で重なるところが大きくて、
小説は小説なんだろうけど、どうにも繊細にあたしの胸をついてくるものだから、
読みやすいんだけど、数編読むと疲れて先に進めないのでした。
今はいくつかの短編にビビっと反応して、
きっとまた違う恋をしたら違う短編にビビっと反応して。
川上弘美さん、もてるんだろうな。
良い恋も悪い恋も、たくさんして来たに違いない。
良い恋も悪い恋も、どれもたぶん良い恋なんだ。