川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川上弘美は元理科教師。ウニを捕まえるのが得意。喫茶店のナポリタンが好き。恋愛小説が好き。でも恋愛は不幸だと思っている。
この本は川上弘美の色々な面がわかる。サービス精神が強く、好奇心旺盛で、引きこもり、夢と現実の間は曖昧。
本が好きですぐ本の話ばかりする。
彼女の思考の愉快さは「べたべた」を読んで納得。
好きな句に「人参は赤い大根は白い遠い山」をあげているのがなんだか嬉しい。
あとがきに連載が終了時のあの跳躍の理由に触れている。「淋しくなる」とてもシンプルな理由だった。
扉座、横内謙介の芝居中に本を読み終えるのが惜しくてわざとページをゆっくりめくる。物語と別れがたくわざとページをゆっくりとめく -
Posted by ブクログ
何度も読みたいエッセイ本ってあまりないですが、これは貴重な一冊。
この人の、歩きながら真剣にぼーっとしている感じがたまらなく愛らしい。
「真剣なぼーっ」の中には実は空想・思考がフルカラーでたゆたっているんだけれど、普通はそういうたゆたう思考はそのまま流れていってしまう。浅い眠りの夢みたいに。
それをこともなげに言葉にして世界に呼び出してきちゃう強さがまた・・・嗚呼愛らしい。
「立春」という言葉を聴いて、「さまざまな小さい生き物でみっしり埋め尽くされた一枚の絵のようなものにちがいない」と確信する、このみずみずしさ。
春生まれだったら、なんかうれしいな。 -
Posted by ブクログ
恋愛小説のような
怪奇小説のような
官能小説のような
家族の物語のような
いろんな要素が含まれていて、ちょっとキュンとして、それでいてこわい。
たとえばマキさんとアキラさん。ミドリ子の目玉の回転。オトヒコさんの出芽。すずもとすずろう。
驚くのは、ただ単に要素が集まっているだけじゃなくて、それらが複雑に折り重なっていて、混ざりあっているということ。
だからこわいはずなのに哀しいし、せつないし、ドキドキする。
そして文章が絶妙。言葉の選び方がああもうってなってしまう。
不思議な話です。
少しずつ形を変えていく、いろいろなものや出来事が描かれています。変わらないものはなにもなくて、どんど -
Posted by ブクログ
電車内で読む。
独り、ニヤニヤしたり膝を打ったりほぉーっと感嘆したり…たぶん傍で見てたら、かなりヘン。
でも、降りるギリギリまで止められない。
まずは装丁のもぐら、里芋型の顔をして、ランドセル背負って手押し車を押しながら、
じっとこっちを見ている。
“私”はこのもぐらと一緒に写真を撮る。
このもぐら、小学6年生くらいの背丈でどこか人間じみている。
で、もぐらの気に障りそうな言葉が「唯物史観」「石鹸シャンプー」「ガラスの破片」など。
“私”は、気を遣いながらもぐらと話す。
話すうち、もぐらが妊娠していることを知り、あまり立ち入ったことは訊かないようにしよう、と“私”は思う。
…と、こんな世界