川上弘美のレビュー一覧
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こういう乾いた恋愛ものはとても好き。語弊があるかも知れないけれど、江國香織さんの世界観とも共通するものがあるように感じた。
川上弘美さんの小説は私の場合、はまるものと世界が独特すぎてついていけないものに分かれる。この小説は完全に前者。
主人公は35歳のリリ。主婦で、夫の幸夫がローンで買ったマンションに暮らし、申し分ない生活をしている。だけど毎日が、なんとなく退屈だ。
幸夫は、リリの親友の春名と恋人関係にあり、リリもまた、マンション前の公園で知り合った9歳年下の暁と恋人関係にある。
こんなにせまい人間関係のなかで、さらにあるひとつのつながりがある。
リリはどことなく謎めいていて、感情をあまり -
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ネタバレ川上弘美さん2冊目。
修飾語が好き。
「ミドリ子にとってチダさんとのセックスは、真夜中ひっそりと起きて読む哀しい小説にようなものだった。読んでひそかに涙を流すとあんまり気持ちがいいのでやめられない、やめられないことが情けなくてさみしくせつないのだけれど、やめられないことがうれしくもある。」
「姉の吐き出していた空気がなくなり、姉の持ち物と姉自身も見えなくなってしまうと、しばらく家の中はまばらな感じになったが、やがてまばらなところは均された。知らぬ間に母と私は薄く家の中に広がり、姉の不在によってできた隙間は満たされた。」
「疑ってるんじゃないよ ぜんぜん信じてないだけだよ」
「誰かを好きに -
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ママが死んでしまったのでパパが出て行った。子供の頃からいてパパと呼んでいる人は実は叔父だった。
家族の物語。55歳になった都の思い出話。
心にはいつも死んだママがいる。
ママが死んでから同居をしないといって出て行ったパパがいる。弟の陵がいる。
パパと呼んでいるが実は叔父で子供の時からママと一緒にいるのでずっとパパと呼んでいた、家族だ。
一緒に暮らしている陵は弟で生まれた時を知っている。
ママの心はいつも満たされていて、家族の中心だったが若いのに癌で死んでしまった。
最後のピクニックでママがいった。
「もうすぐあたし、死ぬのね」
「もうそれ,飽きたから、やめて」
「せっかくその気になって -
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テーマは、家族と愛。愛は近親相姦と世間で呼ぶ類のものかもしれないけれど、卑猥な感じではなく、読んでいると、愛の変形系の一種としてナチュラルにスムーズに受け入れられる。主人公の都の両親は、実の兄妹で、都も弟の陵に恋愛感情を持つ。都の母親「ママ」はさばさばしていて冷たいところがあるけれど、どこか人を惹きつける魅力を持った女性。世間から見れば、都の家族は歪んで、ねじれている。いとこの奈穂子はアメリカ帰りの帰国子女で、都から見ればいつも笑顔なように見えて、少しも笑っていない無表情にも見える女の子。(「奈穂子は笑っていた。あるいは、無表情でいた。」)都の育ての父親は、時計コレクターで、都の弟の部屋には掛
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川上弘美作品は「センセイの鞄」や「どこから行っても遠い町」など読んできたけれど、一番テンポ良く読めた。まさに、ガールズトークを聞いているような。
夫と義母と自分で帰省した時のお風呂問題などなど、とりあげられるテーマがおもしろい。
そして新川亭で皆が注文するオムライスやビーフカツ、ポークソテーもおいしそう。
人と人との難儀な関係性については納得。
ちょっとした言動を気にしてしまったり、あれこれ憶測したり。夫婦間でもそうだし、会社の人間関係でも。
そして自分の悩みを人に聞いてもらいたい時、いざ言葉にしようとすると大したことではなく思えたり、言葉にすればするほど本当に悩んでいることから遠ざかっ -
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「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
面白かったです。
ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
表紙の感じに既視感が