川上弘美のレビュー一覧

  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    伊勢物語、きちんと読むの初めて。
    川上弘美さんの日本語は美しいな。
    和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
    物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
    しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…

    三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。

    最後125段
    「生きるとは
     なんと
     驚きに満ちたことだったか」
    ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか


    もりみーの竹取物語もすごく面白い。
    もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
    しかしなんておもしろい話なんだ

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    2022年09月27日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    川上弘美さんの本は不思議。
    短編で、明らかな小説なはずなのに、途中エッセイなのかと思ってしまう瞬間が何度もある。
    もう一度読み返すと、やはり小説。ファンタジーでもないのに世界観が少しふわふわしていて面白い。

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    2022年09月26日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    雑多なものが所狭しと詰め込まれた空間って、
    無条件にときめいてしまうたちなので、
    古道具屋という舞台設定にまず惹かれた。

    だからさあ、が口癖の適当店主中野さん、
    中野さんのお姉さんで芸術家のマサヨさん、
    少々ぼんやりしたアルバイトの男の子タケオ、
    中野さんの愛人?らしき“銀行”ことサキ子さん、

    古道具屋関係の人達は
    ちょっと浮世離れしているというか、
    変わっている。
    変わっている、というのが第一印象だ。

    でも、物語を読み進めると、
    彼らの人間くささを知ることになる。
    このリアリティと非現実感のバランスが絶妙だ。

    ヒトミとタケオのじれったい恋愛に、
    もしくはマサヨさんの大人の恋愛観に、

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    2022年09月19日
  • 蛇を踏む

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    【2022年56冊目】
    作者いわく「うそばなし」が詰まった三篇。タイトルの「蛇を踏む」は終始さっぱり意味がわからなくて、最後まで狐につままれたような心情で読み切りました。

    「消える」も不思議な話ではありましたが、雰囲気的にはこちらの方が好みでした。

    「惜夜記」はさらに短いうそばなしが細切れに詰まっており、独特の世界観で広げられる話を楽しんで拝読しました。表現の幅があるだけではここまで書ききれない、「うそばなし」の引き出しが豊富な作者だからこその、話の数々でした。

    時間を置いてまた読みます。

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    2022年09月14日
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 2

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    先月に続いて2を購入。

    原作を読んだのはいつだったか。センセイと月子さんの島への旅行はうっすら覚えていたかどうか。
    月子さんの気持ちはしっかりセンセイにむかって、でも、
    「その気持ちを箱に仕舞うことにする。袋縫いした絹の布にきれいに包んでおしいれの奥に置かれたあの大きな霧箱にしまったんだ。」
    「恋情とかなんとかどうでもいいや」なんて心の揺れもあり、結局、センセイに寄り添っていく。
    最後は、原作よりも至極あっさりとした印象。

    センセイが老人であることを、谷口さんはしっかり描いている。でもこの恋物語にはため息が出た。

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    2022年08月31日
  • 真鶴

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    川上弘美さんの文体が美しい。いるはずもないものを語るとき、そこにはリアリティがあった。
    「ーーみなひとしく日を受けている。目をつむり、両のまぶたいっぱいに日を受けるーー」
    主人公の京は全身に、目に見える世界に光を感じて、失踪した夫に想いを馳せる。ついてくる女はもういない。

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    2022年08月31日
  • 某

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    ネタバレ

    読む前の印象は、もっと怖くて仄暗いお話なのかな~‥と思いましたが、そんな事はなくてちょっぴり不思議なお話でした。

    一見、突拍子もない摩訶不思議な話しに思えるけど、この物語を前世の記憶を少しだけ持っている人達の話と置き換えて読んでみると、非常にしっくりくる‥

    何度も何度も変化(輪廻転生)を繰り返しながら
    生とは?死とは?

    問いかけながら

    変わっていく事、変わらない事。

    色んな人格になり、色んな人生を経験する事で、自身も知らない間に少しずつ成長していく‥

    「愛するって何?」
    「相手の為に生きたいって思える事だよ」

    死を恐れなかったひかりが、愛する事を知って変化する事を恐れた事も、変化

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    2022年08月27日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ハードカバーの本を20年近く前に買って、度々読み返している。
    この小説のすごいところ(というか作者のすごいところ?)は、ストーリーのその場に自分もいるような感覚で読めるところだと思っている。
    気まずい空気とか、じわじわと寂しさが込み上げる場面とか、その場の暑さとか湿度だとか、
    登場人物が感じているものをリアルに自分も感じられる文体が魅力。
    20年前はニシノさんみたいな男性は嫌だなって思いながら読んでいたけど、年を重ねふと自分がニシノさんみたいな生き方をしているかも、と気付くから人間って不思議だなと思う。

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    2022年08月06日
  • センセイの鞄(谷口ジローコレクション) : 1

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    去年、世田谷文学館の谷口ジロー展で、谷口さんがこの作品を書いていることを知ったが、販売コーナーには無かった。結果、谷口ジローコレクションの配本を待つことになった。
    川上弘美さんの原作を読んだのは、いつだったか。帯に川上さんの一文「こういう話だったんだ!描いていただいて、ほんとうに知ったような心地です。」がある。
    本当にそう言う感じ。老境のセンセイと月子さんが淡々と吞んでいる漫画。偶にキノコ狩りやお花見があるけれど。
    急いで読んじゃいけないんだよと心に言い聞かせながら、頁をめくる。
    気がつくと、月子さんの気持ちにセンセイが占めているのが何とも言えず、沁みるなあ。
    この後は、8月配本の続巻を待つば

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    2022年07月30日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    16歳の少年が少しづつ大人へと成長していく物語。
    川上さんのこういう淡々とした世界観がなんだか好き。前半はちょっと変わった家族構成だけど普通の高校生の日常と後半は五島列島の島に渡り自分の周りのいろんなことを見つめなおしながら少しづつ大人へと向かっていく翠。
    普通に生きるのって簡単なようで簡単じゃないんだよなぁ。

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    2022年07月29日
  • わたしの好きな季語

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    面白かった
    季節
    それを表す言葉の
    美しさや佇まい
    大切にして
    生きていきたいなぁと
    思いはするけど
    楽な方へ流れてしまう
    川上弘美さん3冊目
    ようやくしっくり来た感じ
    しだみ独立書店フェス
    本ひとしずくにて購入

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    2022年07月10日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    ネタバレ

    2007年11月17日発売と2作目。

    少し慣れたかな。4/5は本当のこととあるけど、本当かな。だとするとスゴイ。

    『十二月某日

    おおみそか。

    年賀状を書きながら、来年の目標を考える。二つ、

    思いつく。

    一つは、「よくうがいをする」。

    もう一つは、「くつしたを裏返しにはかない」。 とても難しい目標だけれど、守れるよう頑張ろ うと、強く決意する。』

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    2022年06月13日
  • 蛇を踏む

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    「蛇を踏む」「消える」「惜夜記」の三作品。
    どれも非常に独特な作品でした。
    どのように読むのがいいのかしばらく分からないままだったのですが、「あ、これ変な時間に寝た時に見る夢みたいだな」と思ってからはその感覚にスイッチすることで、なんとなくこの世界に溶け込めたような気がしました。

    不気味さも奇妙さもありながらどこかしら生命の神秘的な面も感じられて、無秩序のようでいてどこか傾倒していってしまいそうな世界観。

    作者の方は相当不思議な方なのかなと思っていたら、あとがきでは平易な言葉で「うそばなし」のことを書いてあり拍子抜けしてしまいました。
    どこまでも掴みどころない作品でした。
    しばらく心にモヤ

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    2022年05月15日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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     休日のちょっとした遠出の電車と喫茶店とで読みきった。
     川上さんの文章、気持ちがすかすかして好き。別れる話がなんとなく多い気がしてつっかかったけれど、別れなかったとしても別れたとしても、川上さんの描く人たちはみんな清々してて好き。あと、ちょっと不思議でほんわかしてて、切ないのに、傷を知らないふりして、涼しい顔するのも好き。川上弘美の読後感が好きなのかもしれない。
     少し不憫なこととか、ありえないことが起きても、まあしょうがないよねって受け止める。恋をしてじたばたして、恋にならなくてざわざわしても、そのあとはさっぱりしてる。どの短編のみんなもきっと、この先をずーっと進んでいけばどこかでハッピー

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    2022年05月08日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    ネタバレ

    12編のアンソロジー。
    どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
    その中でも特に好みだった2つについて書きたい。

    『藁の夫』
    2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。

    『逆毛のトメ』
    シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚か

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    2022年04月21日
  • 龍宮

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    あなたは、ほんとうはここにいないものでしょう。
    人と人にあらざるものとの8つの短編集。
    人間界に馴染めず異生物になって現れたり、不思議な昔話だったり、夢の中の物語のような気がした。人と人以外のものたちとの絡みが不思議な世界観でした。
    ぼんやりしたいとき、すっと頭に入ってきて違和感がなかったです。
    淡々としているが、女性の艶めかしい空気を感じる作品でもあった。「センセイの鞄」を彷彿させる「狐塚」、「荒神」が特によかったです。荒神は一番現実味がありズキッときました。人以外の動物や生物が、人間の本質を遠目に見てるように感じました。

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    2022年04月09日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    『ね、今日はどうだった。
    たいがい毎日、母は聞く。
    うん、ふつう。
    というのが、僕の返事だ』。

    人は他者とコミュニケーションを取る手段の一つとして、その他者の感じたこと、思ったこと、そんな心の内を本人に問いかけることがあります。と言ってもこれは難しいことを言っているわけではありません。美味しいものを食べに一緒にレストランへと行った時、感動を味わうために一緒に映画を見に行った時、そして非日常を求めて一緒に旅に出かけた時、『どうだった』と、相手の感情を確かめたくなるのは自然な感情だと思います。そんな時にその相手が『うん、ふつう』と答えたとしたらどうでしょうか?えっ、楽しくなかったの

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    2022年04月06日
  • 溺レる

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    あなたは、いきなり『死んでからもうずいぶんになる』という書き出しの小説に接したとしたら、その先にどんな世界を感じるでしょうか?

    どんな小説に於いても冒頭の一文というものはとても大切です。その作品世界に入っていくことができるかどうかを試す試金石とも言えるのがこの冒頭の一文です。私は今までに500冊以上の小説ばかりを読んできましたが、そんな中でも未だに一番強く印象に残っているのが、綿矢りささん「蹴りたい背中」の冒頭の一文です。『さびしさは鳴る』と始まるその一文。そんな一文をもって私の心はすっかり綿矢さんの作品世界に囚われてしまいました。芥川賞を受賞された作家さんの表現の魅力というものをこんなとこ

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    2022年04月04日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    『恋とは、いったい何だろう。わたしが恋をしていたのは、ニシノさんという、ひとまわりも年うえのひとだった』。

    『恋』とは何かという質問はなかなかに難しいものだと思います。それを”特定の相手のことを好きだと感じ、大切に思ったり、一緒にいたいと思う感情”のことです、と説明されても、はあ、としか言いようがありません。私は中学生の時にクラスのある女の子に『恋』をしました。いわゆる初恋というものです。好きで好きでたまらない、でも相手がどう思っているかなんて全くわからない、そして他のクラスメイトには決して知られてはならないこの想い。なんとも悶々とした日々を過ごしたことを覚えています。結局、その想いは叶う

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    2022年04月02日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ニシノユキヒコが主人公(?)ながら、ニシノユキヒコの心情は一切記されておらず、ニシノと交流したさまざまな女性たちの視点で、ニシノが語られます。
    1番最後に配された「水銀体温計」で、ニシノの少し屈折した女性への態度の背景が明かされ、その一つ前の章「ぶどう」で、唐突に訪れた彼の冒険の終わりが綴られます。姉への気持ちを明確にするのが怖かった、ということなのでしょうか?ただ、思えば、1番最初の「パフェー」で成仏しきれず他の女の元へ行くあたり、もうその浮ついた性分はもう自制の効く類のものではなく、生まれついた性質なのでしょうか。
    ニシノと女の儚い関係の中の穏やかな熱情に、なんだかやつされるような想いがし

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    2022年02月20日