川上弘美のレビュー一覧

  • なんとなくな日々(新潮文庫)

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    なんとなくな毎日を送っている。
    なんとなくなのに、言葉にすればカタチとなって残るから不思議だ。
    なんとなくな毎日は流れてしまうけれど、カタチに残せばたちまち きらめき出す。
    川上氏の、言葉の選び方が好き。
    辞書を引くこともあるけれど、川上氏に選ばれた言葉を理解して意識の中に埋めたい。

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    2024年06月20日
  • 森へ行きましょう

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    500頁の長編なのだが、面白くて3,4日で読んでしまう。
    弘美には珍しく幻想要素の殆どない小説。
    恋愛小説と言っていいかどうかは微妙だが、2人の留津=ルツの
    人生の物語

    川上弘美22冊目

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    2024年06月02日
  • わたしの好きな季語

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    帯より。
    「季語がよびさます忘れえぬ瞬間。
      散歩道にほころぶ梅を愛で、
      茄子とみょうがで濁酒。
      ぬくぬくと朝寝をむさぼり、
      ががんぼを一人いとおしむ。
    行きつけだった居酒屋から、東京の四季おりおり、 
    少し人見知りな 作家の日常まで。
    川上弘美がもっと近くなる 俳句エッセー96篇。」

    季語の学びの本ですね。でも、ただ意味の説明ではなく、俳句エッセーになっていて、面白いです。
    (川上弘美さんは、随分前に読んだ「センセイの鞄」がとても好きです。その時に、しみじみとこの本好きだなぁ〜と感じました。)

    こちらの「わたしの好きな季語」は、決して数は多くはありませんが、季節ごと、そして

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    2024年05月26日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    丁寧に作られたパフェを食べているようだった。
    おやこんな展開、おやこんな設定、おやこんな描写…と新鮮な驚きが続き、驚きつつもどれも心地よい驚きだった。

    「風が吹いて、何かの匂いをはこんできた。それはきっと、失われたたくさんのものの、きれいなきれいな匂いだ。」
    娘を胸に抱いたときの温かさや重み、娘のつむじの優しい香りは、いつかわたしがそれを思い出せなくなっても、風に吹かれて心地よいと感じたときに、風と一緒に運ばれているのだろう。

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    2024年05月25日
  • 真鶴

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    最初から最後までこの空気がたもたれていることが、まずはとんでもない。それぞれの存在と、それからその不在とが、遠近とか濃淡でしかないような、あいまいさがすごい。そうした物語の世界は幻のようだけれど、実際にぼくたちのいだいている認識というものを突き詰めていくとそれはすごくあやふやなもので、そういうなかで明瞭に立ち現われる死という事実は、それが行政的なものに過ぎないからこそ、明瞭であるように思われるのかもしれない。

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    2024年05月15日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    「冷たいのがすき」がすき。言葉の細かいところにこだわる人が多く出てきたと思う。私もそういう性分だという自覚があるので親しみがもてた。

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    2024年04月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    ほろ苦さが秀悦

    ドラマでこの本の存在を知りました。

    豪華な作家陣と、歌詞そのものから情景が浮かびやすいユーミンの曲がどんなストーリーになるのか気になり、一気読みしました。
    多くのストーリーでのユーミンの歌詞の世界で表現されているほろ苦さが秀悦でした。

    もっとマイナーな曲を元にした第2弾が出ないかとひっそり期待。

    #エモい #共感する

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    2024年04月08日
  • 某

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    いつもながら設定が斬新でした。特に最終章の光と言う物語がいい。ひかりは曖昧に生きていたけれど、みのりを恋する事を選ぶ事で変化が出来なくり恋と言う感情を知り、曖昧な性格に彩りが生まれたところが好き。ひかりは恋をして自分らしく生きたんだと思う。

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    2024年04月07日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    この本を読んで、抽選で当たる狭き門の「ななつ星」豪華列車に乗車して夢のような時間を過ごしてみたいと思いました。
    幾らなのか?庶民には手が届かない列車でしたが、YouTubeで雰囲気を味わうのもいいなぁと思いました。

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    2024年04月06日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    18の短編集から成る本作。

    どの物語もユニークで不思議で完璧。

    特に良かったのは、"いいラクダを得る"。
    アラビア語を履修している5人組が創設した、流行と逆のことをする逆行サークルを巡るお話。
    若いラクダという意味の名前のバクル先生。ラクダのこぶという意味のバクル先生の母親のヒンド。バクル先生の双子の娘は、アラワとリム。山のヤギと白いカモシカという意味。
    偶蹄目がキーになっていてなんだかおもしろい。


    "スミレ"も良かった。
    技術が向上し、特定の施設の中では精神年齢が見た目年齢に反映されるようになった世界。(設定にすこしナオコーラさん味がある)

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    2024年04月06日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    川上弘美さんは比喩の効いた文章が最高なんだ!と知人に勧められ 本棚に眠っていたのを 再読。
    短編小説だよねーと 読み進めて いや ちょっと待って。商店街の店 それぞれの話、その街の人々の話、緩く繋がってた。「好きな人が死ぬと、すこし自分も死ぬのよ」最後のほうに出てきたこのセリフ ジーンときた。全編 謎めいて それでいて 哀しみあって けど ふわっとする。いい読書 しました。

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    2024年03月24日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    歳を重ねるといろいろなものが見えるようになって心は成長し、身体は衰えていくと思っていた時期がある。どうやらそんなものではないと今は感じている。

    大きな事件があるわけではなくて、エッセイのような本。60を超えた幼馴染が近づいたり離れたりしながらコロナ禍を生きている。歳を重ねたからこそのものの捉え方は決してスマートなわけではない。でも相変わらずいろんなことを考えながら人は生きるのだなとしみじみ思う。
    静かで、暖かくて、どこか切ない物語だった。

    「どうしようもなく誰かと一緒にいたい、という相手を自分が求めないことがさみしいのだった。」

    「他者の思考に自分がのみこまれてゆく心地よさと抵抗感と恐ろ

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    2024年03月23日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    不思議な読み心地の本でした
    後半につれて好きな話が多かったです
    『ルル秋桜』『土曜日には映画を見に』『無人島から』『廊下』が特に好きでした
    日常から少しずれた人たちがたくさん出てきて、熱烈な愛ではないけど、誰かを思う大切な気持ちがたくさん描かれている柔らかな短編集です

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    2024年03月17日
  • センセイの鞄

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    お酒が出る本を探して出会いました。

    年齢差がある恋の話ですが、酒好きとしてはその出会い、その空気感に憧れます。
    後半少しだけ違和感を感じる部分はありましたが、お酒を飲みながら読み終えたこと嬉しく思います。

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    2024年03月16日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    試験前で読書を控えていた先月、ちまちま家にある"センセイの鞄"を読み、川上弘美欲が高まってしまった。

    21の短編から成るこちらの作品は、どれも川上さん節が強く、みょうちくりんで魅力的な小説ばかりで心が満たされた…!
    このくらいなら書けそうだと思わせてくる。だけど、絶対に書けないユニークな表現や世界観たち。高等テクや…!


    お気に入りは"誕生日の夜"。
    いつも通りナナの部屋で、のぞみとナナにお祝いされる誕生日。にぎやかな誕生日にするため、知り合いや、知りあいの知りあいもどんどん招待した結果、昌子たちや、のぞみの恋人の国枝くんとその友達、見知らぬおばあさ

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    2024年03月12日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンのこの曲はこんな感じだ!という固定観念のムダさを ページの隅々から感じました。作家さんの想像力は やっぱりすごい。個人的に「春よ、来い」が好き。ライブ会場に足を運ぶ人々は 縁もゆかりもないけれど、誰かを必ず想っているんだなぁ〜と思う。だから ライブ後は しあわせ気分が満ち満ちに!贅沢な短編集で満足。ユーミンバンザイ!!(笑)

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    2024年03月08日
  • 神様

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    川上弘美さんの本はいつも温かい気持ちにさせてくれる。
    自然にファンタジーの世界に導いてくれる短編集。
    「花野」「星の光は昔の光」「離さない」「春立つ」が特に良かった。

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    2024年03月02日
  • 夜の公園

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    ネタバレ

    親しい友だちの夫と不倫をするという
    すごく嫌な物語のはずなのに、禍々しい気持ちにならずにわりと爽やかに読めた、不思議。

    それぞれ4人の視点で読み進めていく

    みんな結局好きや嫌いの線引きが曖昧な気がする
    この人のここが好きだったと思うのに
    いや、この人のどこが好きだったのか
    お互い不倫しまくりなのに
    修羅場なんぞなく、それはそれで寂しさを感じる

    結局最後は親友同士だけがお互いを忘れずにいる
    この友情とはなんぞや

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    2024年02月21日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    18篇から成る色々な「思慕」のお話。恋なのか愛なのか、そういうものとはまた違う相手への感情ってありますね。簡単に名前の付けられない思い。様々なシチュエーションで、何気ない生活の狭間からだったり、ちょっと不気味だったり、異次元に踏み込んでたりと、豊富な世界観で贅沢に楽しめる作品でした。

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    2024年02月17日
  • 東京日記7 館内すべてお雛さま。

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    ネタバレ

    脱力系、自虐ネタに、ホントのような嘘のそうな出来ごと(カラスが頭に止まったりすのだろうか)、大笑いするようなことではない、中途半端なとこでとまる生ぬるい感じも絶妙で、読み合わるとフワフワした、こんな視点で生活してみたいものだと思う。

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    2024年02月09日