川上弘美のレビュー一覧

  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    近すぎず離れすぎずの付き合いが出来る友人、知人がいるっていいな。数十年ぶりでも、共通項があれば会っていなかった時間も埋められるのかもしれない。

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    2024年12月29日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    とても面白かった。
    私も来世は西野くんみたいに色んな人と関係を持ちたい。
    そしてすてられたりして寂しそうに笑ってみたいなと思った。

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    2024年12月28日
  • 三度目の恋

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    ネタバレ

    とにかく女性を惹きつける天然プレイボーイ、年上の男性との恋、美味しそうな食べ物などこれまでの川上作品にも見られた要素が詰まった作品でしたが、現代編、江戸時代編、平安時代編とそれぞれ独立した3つの小説になりそうな物語を一つの作品として紡ぎあげていて、とても良かったです。

    現代パートの恋模様にちょっと引いて読んでいたのですが、過去パートでもっと本能に忠実な野生的な恋愛観が語られることで、現代パートの物語に説得力を持たせてくるところが面白かったです。

    平安時代編は光る君へを見た後だったので自分のなかで理解の解像度が高くなっていて、より面白く感じられたように思います。

    川上さん、結構年齢の離れた年上男性に恋するお話が好きですよね。

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    2024年12月27日
  • これでよろしくて?

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    私も、これでよろしくて?の皆さんに混ざりたい!
    身近にこんな会があればすぐにでも入会したいのに。
    どこかにないのでしょうか。

    普段見て見ぬふりをしている、他愛無いけどモヤっとする出来事を、曖昧で微妙なシーンを軽やかかつコミカルに表現されています。
    読後は心がすっと軽くなる作品。

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    2024年12月26日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    短編集。何話かダンベルおじさん(ブルーシートおじさんでもいいけどなんだか長いしイメージ違う)で繋がりを感じてうれしかった。
    人の心の奥深い部分に触れてるみたいな感覚だった。

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    2024年12月24日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    初読み作家さん。
    短編集。不思議なお話が多かったけど、置いてけぼりにされる事もなく、年末の忙殺を癒してくれる作品でした。特にクリスマスコンサートが好きでした。

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    2024年12月22日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    序章
    鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
     鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
     風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。

     ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
     赤坂憲雄の『ナウシカ考 風の谷の黙示録』を読み、宮崎駿は「おもしろいね。俺ってこんなもの書いていたんだ」と言った。他者からの深い考察が、作者に新たな気づきを与える。
     映画では「腐海は自然の象徴で、腐海こそが人類を救う」と謳ったのに、第7巻で「腐海や王蟲が、実は人間の文明が作り上げた人工的な生態系だった」ことが明らかになった。物語全体の構図がまるで変わってしまった。
     ナウシカは、本来、風の谷の500人のために闘った。そして、もののけ姫のアシタカは「個人的な理由で戦う主人公」となった。宮崎駿は、どんどんと変わっていく。

    杏 俳優
     時間の経過とともに死生観や価値観が大きく変わる。そういう時代に生きている。ナウシカは「母は決して癒されない悲しみがあることを教えてくれましたが、私を愛さなかった」という。母は絶対的な存在でなくていい。巨神兵は、ナウシカを母親と思い込んだ。そして王蟲はナウシカを守って死んだ後、「母は私を愛さなかったけれど、オーマは私を愛してくれた」とナウシカはいう。母と娘の関係が全く違うものがある。

    叶精二 映像研究家
     アニメーションが前提でない『風の谷のナウシカ』、コミック版。なるほど。
     連載中に、東西冷戦の終結、ユーゴースラビアの内戦など衝撃的な事件があり、影響を受けている。

    小泉悠 軍事アナリスト
     現実のウクライナとナウシカの世界、戦争の「ネイチャー」は変わらない。核戦争による世界の破滅は、ウクライナでは現実のものになるかもしれない。戦争を経験した世代、戦争を経験した世代を親に持った世代、戦争を知らない世代。世代によって、大きく戦争の捉え方が違ってくる。

     『宇宙戦艦ヤマト』『ウルトラマン』は、作り手の戦争体験が塗り込められている。
     庵野秀明は、『宇宙戦艦ヤマト』『連合艦隊』に影響を受け、『エヴァンゲリオン』を作っている。
    戦後の日本では、戦争の悲惨さや反戦が訴えられたが、戦争そのものを真正面から描きにくかった。それがサブカルチャーの一部がになった。日本人には「敗戦で自分たちの国は、一度滅びてしまった」という感覚がある。

     ナウシカによって、「滅びはやってくる可能性がある」「文明が滅びた後はこうなる」を知らされる。小泉は、戦争が、悲惨であるにもかかわらずかっこよさがある。「人間は本来、こんなひどいことをするはずはない」と小泉は言いたくもないという。宮崎駿は、兵器や飛行機の時として持つエロティックな美しさに魅了されているところがある。戦争の実相は、巨大な悲惨が人々を襲い、世界が破滅の淵に追いやられていくこともある。

    川上弘美 作家
     ナウシカは不思議な人。自分を傷つけるクシャナ、敵国の人々、深井の動植物など自分の周囲に来たものを全部守ろうとする。ナウシカは、物語の中でみんなを繋ぐ絆になっている。ちょっとした破綻、なんでこんな文章がという驚きや作者自体が制御できないものが雑音としてあっても、ノイズがあることは避けられない。それも受け入れることだ。

     精一杯生きること、自らの死を認めることは、両立する。原発の使用済み核燃料は10万年も危険な放射能を出し続ける。その間、人類が確実に存続し、責任もって保管し続けられると考えること自体がおかしい。「滅びはあり得ない」と信じ込もうとしているのではないか。
     ボーヴォワールは「人おのおのは死にますが、人類は死ぬべきものではないことを我々は知っています」というが。川上弘美は「人類の未来を自然に委ねる」という選択をする。確かに、『風の谷のナウシカ』は、単純な物差しで測れるようなシロモノではないのだね。

    福岡伸一 生物学者
     老いるからこそ、死ぬからこそ人は美しい。環境の全体のバランスを考え、人間に害を及ぼしかねない存在とも共存していく。ナウシカは人類のことを「大地を傷つけ、奪い取り、汚し、焼き尽くすだけの、もっとも醜いいきもの」としている。

    竹宮恵子 漫画家
     物語が始まった時「これから何かが違う世界が始まるんだ」ナウシカはあまり言葉で説明しない。ナウシカの世界でも、たとえ人工的に作られたものでも、生命は常に変化し、創造主の意図を超えていくとして描かれた。素晴らしきディストピアの拒絶があり、それでも自分の意思で生きようとする。

    鈴木涼美 文筆家
     『娼婦の本棚』を書いた著者は、夜の街=腐海に生きている。腐海に生きる蟲たちは美しい。闇があって光がある。悪の方に魅力を感じる。ナウシカは生に執着せず、死の恐怖がない。

    河野真太郎 英文学者
     ナウシカは戦う力と、腐海の真実に気づく科学的知識を持ち、包み込むような母性とカリスマ性のない混ぜになった女性。族長の父は「男であったら何もいうことはない」という。
     クシャナは、母親が、王家の陰謀の犠牲、家父長制の犠牲になって心を病んだことへの怒りを動機に、父王や兄王子たちと戦ってきた人。女性性を捨て、男性性を獲得しなければならなかった。
     ナウシカの物語は、「自然を守ればそれでいい」という考え方とは、異なる思想。

    大木毅 現代史家
     戦争では多くの住民が飢えや病気で死んでいく。ナウシカは「なんという戦争、いかがわしい正義すらかけらもないなんて」という。戦争はそのような残虐性を持っている。

    赤坂憲雄 民俗学者
     ゴジラは1954年に発表された。ゴジラの映画には、科学やテクノロジーへの信頼がある。ゴジラを最終的に葬るのは、一人の科学者の自己犠牲。それは宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』の主人公の姿と重なる。ナウシカは、最先端テクノロジーが暴走し、地球環境を破壊してから1000年後の世界。科学や文明への信頼が裏切られていく時代を予感しながら作られている。「何が起こるか分からない」という不気味さ、不安の中に置かれている。ナウシカの世界が、とてもリアルに感じられる時代へ運ばれつつある。
     ナウシカの物語は、宮崎さんの巨大な無意識が充満している。それが最大の魅力。宮崎駿はいう「こういうふうにしたい、じゃなくて、こうなっちゃう、ものを作る主体というより、ただ後ろ方くっついていっただけ」

     権力に善意は期待できず、権力そのものを無化する仕掛けを作り出すしかないという作品。
     王という存在は必然ではない。首長というのは、部族の人々に隷属を求める権力ではなく、むしろ、言葉によって自分の権力を絶えず無化していくことを求められ、それを理念や義務として積極的に引き受ける。ナウシカは、人々に命令を下すことはなく、権力を持たず、深い思索に裏打ちされた言葉だけで人々を励まし、なだめ、導き、ひたすら調停者としての役割を果たそうとする。宮崎駿は「虫愛づる君」に、自らの知性と探究心で腐海の謎を解き明かす役割を与えた。
     民主主義は、権力の毒や腐敗を知る人が作り出した暫定的なシステムである。愚かにして美しい人間を完全にコントロールはできない。ナウシカの物語は、それぞれがれっきとした価値を持つ声たちによる真のポリフォニー(多声音楽)が本質なのだ。いやはや。ナウシカを読み解く力の深いことよ。

    もう、ナウシカの物語は、実に多面的な見方ができる。いろんな問いかけがあり、考えるきっかけになるいい本である。なぜか、頭の中の芯を熱くする。

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    2024年12月22日
  • 神様

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    本を読んでいてこんなにほかほかな気持ちになったのは久しぶり。人間ではない存在を当たり前に受け入れている世界、一緒にごはんを食べたり、その存在について他者と話したりする。いいな、羨ましいな、そんな世界

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    2026年09月08日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小集。全作書き下ろし。ユーミンの名曲タイトルから6人の女性作家が新たに奏でる小説のハーモニー。令和4年7月1日発行。

    小池真理子 「あの日にかえりたい」(1975年)
    桐野夏生 「DESTINY」(1979年)
    江國香織 「夕涼み」(1982年)
    綿矢りさ 「青春のリグレット」(1985年)
    柚木麻子 「冬の終り」(1992年)
    川上弘美 「春よ、来い」(1994年)

    ユーミン世代ではないので、リアルに記憶にあるのは「春よ、来い」くらい。といっても、歌詞なんて気にしてなかった年頃だったので、いまいちよく分かっていない。本当は、曲を聞いて、歌詞を読んでからこの本を読もうと思っていたのだけど、まぁ、積読になってしまっていたので、ひとまず読んでみた。
    ユーミン世代のお姉さまたちに読んでもらって、感想と解説を求めようと思う。
    NHKのドラマでもやっていたのは知ってたけど、見逃したんよね。

    以下、各小説ごとの感想。
    「あの日にかえりたい」
    1970年代に東京の大学に出てきた女子学生。恋?と友情のあいだで迷い、友情のために嘘をついたのに、気付かれて疎遠になってしまう。でも、年賀状のやり取りは続く。あの日、嘘をつかなければ、ずーっと大人になった今の2人の友情の形は違ったのかな。

    「DESTINY」
    30歳を過ぎた真面目だけど、マザコンなのでは?という男性の恋。きっとこういう誠実で真面目で、仕事も安定してるけど、恋愛下手な男性っていると思う。女性も然り。

    「夕涼み」
    結婚して子どももいる姉が、年の離れた妹の結婚をお祝いしつつ、結婚後に起こる、女性が抱える悩み、窮屈さ、夫婦関係の悩み・・・。そんな思いを妹がしなくてもよい結婚を姉は願う。敢えて海外で見た女性たちの様子を例えのように出しているのが、美しいというか、生々しくない。海外でも日本でも、女性が抱えるものは同じなのね。ちょっと切ない。切ないけど、この姉の願いが多くの人に広がって、何かが変わっていくといいな。

    「青春のリグレット」
    自分の方が相手を好きで好きでたまらなくて結婚した方が幸せなのか。それとも、相手の方が自分のことを好きで好きで大切にしてくれて結婚した方が幸せなのか。
    私も思い当たる恋愛があり、んー、と考えてしまった。

    「冬の終り」
    地方の寂れた?スーパーのフードコートで働く女性。時々シフトが一緒になる女性のことが気になる(恋愛ではない)。ある時ユーミンの曲が店内でかかったとき、その女性と心が通じ合ったような、近づいたような気がして、スーパーの他のおばちゃんたちと深入りしないでおこうと思いながらも、行動は深入りしていて、ちょっとクスッとしてしまった。いいね、女の友情。これは女の友情だと私は思う!柚木麻子さんはこういう話うまいな~。

    「春よ、来い」
    実は一番よく分からなかった話。でも、私なりに解釈した。
    知らない誰かのために、自分に与えられた特別な能力を使って、知らない誰かの幸せを願う。
    きっと私たちの世界って、どこのだれか知らないけど、心のなかで「頑張れ!」と応援したくなったり、「この子の優しさがこの子を幸せにしますように」とそっと願いたくなったり、そういう小さな小さな誰かに対する優しい気持ちが集まって、巡りめぐって、自分にも幸運がやってきているのかもしれないと思う。

    さて、近いうちに、ユーミンの曲を聞いてみよう。

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    2024年12月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    こういうタイプの本は、ほぼ読んだ事がなかったのですが、列車の旅を題材にしていたのが、気になり手にとりました
    ななつ星に乗った気分で、それぞれの旅を経験させてもらいました

    お値段もそこそこで、この先乗れることもないであろう列車ですが、様々な主人公を体験でき、切ない気持ちになりました

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    2024年12月03日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    マンガのナウシカは、最後の方の記憶がなく、途中までしか読んでいないかもしれない。
    改めて読み直そうと思う。
    読んでいても読んでいなくても面白かったが、自分はここまで考えながら読めなかったから、途中までしか読んでないのだろうと思った。

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    2024年12月01日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    よかった
    ストーリー的には平坦な部分が多かったが、最後の島に行ってからはおもしろかった
    ひとつひとつが曖昧な感じが良かった
    川上弘美さんの他の作品もよみたい

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    2024年11月25日
  • 夜の公園

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    何事も突き詰めると苦しさが待っている。
    やんわりしておくのがベストなんじゃないかと思う。道徳とか秩序とか常識がわかっているふりをして、やんわり、壊れないように。
    人、人の心は揺らぐものだから。
    若い時には私にはわからなかった。
    今だからそうやって過ごしている。生きている。

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    2024年11月25日
  • 100万分の1回のねこ

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    どれも読み応えあり!
    特に気になった作品について
    少しだけメモ↓

    「ある古本屋の妻の話」
    曖昧なままグレーなまま
    それでも日々
    何とか誤魔化しつつ
    前に向かって進んでいく

    「博士とねこ」
    短いながらもぴりりとした作品
    佐野洋子さんのエッセンスが
    1番効いてる気がする

    「虎白カップル譚」
    谷川俊太郎さんの作品
    最後の一文がぐっとくる

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    2024年11月23日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    記録によると4回目らしい。次の本がくるまでに1,5日くらいで読みきれる本を探してなんとなくこれ、薄いから。川上さんのエッセイが好きになったきっかけの本。

    18年ぶりの再読だったけど同じようにいいなぁと思えて安心した。25年前、インターネットもさほど普及していない時代に本を求めて遠くまで足をのばす著者の姿がほほえましく、簡単に手に入らない時代が懐かしくもある。書評も何篇か含まれているが、ひとが本をどんな風に読んでどんなところが好きだと感じるのかを知るのはとても面白い。

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    2024年11月22日
  • 神様

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    川上弘美さんは執筆活動の初期にこんな作品を発表していたんですね。かなり実生活に寄せたファンタジー。ありそうでないテイストです。ファンタジー要素について、主人公や取り巻く人たちがそんなに驚かず受け入れている微妙なバランスで保たれている感じがします。どの作品も話の中に入りたくなるような優しい要素があります。特に「クリスマス」のコスミスミコの壺が欲しくなりました。逆に怖いのは人魚ですね。「花野」は亡くなった人を思い出して切なくなります。
    良作短編集と感じました。

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    2024年11月17日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    短編なので1つ読み終わる度に何度も読み直しました
    日々生活していく中でのザワザワを引き取って助けてくれるような感覚になります
    人間関係だったり、時間の流れだったり、日々なんとなく通り過ぎてる感情にきづいたり
    読み返す度心の中がじわっと暖かくなります
    たぶんこれからも何度も読み返すとおもいます

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    2024年11月17日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
    「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
    その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得なかった「彼女の孤独や哀しみやささやかな矜持や希望」あきらめ、恨み、失望は、編者あとがきで岸本さんが書いているように「私たちみんなが心の奥に抱えているもの」なのだと思えた。少なくとも、わたしは同じようなものを抱えていた。改めてそれらを見つめることになる。さらにその語り合い、解釈を通して「なにか肝心なものが欠けた存在」では、と思いはじめる元夫、名無しの“男”の人生に自分を省みて、思い出し落ち込み、わたしも「少し涙ぐむ」。
    そして、もういない人を語りあうこと、あるいは不在になったときに語られることについても考える。別の方向からの印象を聞き、ぶつかり合いすり合わされることで、新しい印象が浮かび上がる。それは勿論“正解”ではないのだけど、新たな、あなた、わたしが描き出される。何処までいっても憶測でしかないそれを、真実とその人自体だと思い込む、そうせざる得ないことは、実はとても恐ろしいことなのではと思い至る。しかし、人も含めた世界はそうやってしか捉えることが出来ないのなら、それは真摯に語られるべきだ。この小説のように。そんなことを少しこじつけて思う。とても素晴らしかったけれど、予想していなかった怖い思いもした短編小説だった。太宰治の娘だということはさっき知った。「電気馬」も読んでみたい。

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    2024年11月13日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    エッセイ風の小説で、読者はこんな生活はなんだかオシャレだなと思わせる仕掛けがあちこちにある。
    しかしこの程度のことでも現実には起きない。
    あっ、だから小説なのだ。

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    2024年11月06日
  • 三度目の恋

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    三度目の恋というタイトルから、初恋の人と結婚した梨子が夢の中で江戸時代の吉原の遊女として、平安時代の女房として、時を超えても同じ男と恋をしていて、現代でも結ばれたという話なのかと思って読み進めましたが、そんな単純な話では無かった〜。

    現代の梨子の意識と昔の女の意識との境目がなく、ぼんやりとつながったりたゆたんでいるような表現が川上弘美先生らしくて、好きな雰囲気でした。

    今、大河ドラマでは光る君へで平安時代、来年はべらぼうで江戸の吉原が出てくる予定。こんな世界なのかなと小説で補習&予習できた感じでした。

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    2024年11月03日