川上弘美のレビュー一覧

  • 三度目の恋

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    伊勢物語と絡み合いながら夢で時空を超えていく物語。強烈な面白さではなくて、じわじわと引き込まれてついつい読んでしまった。

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    2024年09月12日
  • わたしの好きな季語

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    思い違いをしていたり知らなかったり,季語の意外性や言葉の響きの奥ゆかしげな佇まいに感心しきり.興味深く非常に勉強になる本.

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    2024年09月10日
  • わたしの好きな季語

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    これは春の季語だったのか〜など季節感がごっそり抜けた自分にがっかりしつつ、新鮮な感覚で読める。
    時折挟まれた薄紙に描かれた、鈴木千佳子のトボケたイラストも可愛らしい。

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    2024年09月03日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    りらと絵がいとしくてたまらない。
    りらはちょっと変わった女の子。蛇や昆虫が大好きで夢中になるとまわりがみえなくなる。
    絵は普通の感覚の男の子。でも誰よりも(りらのパパの次くらいに)りらのことを理解している、しようとしている。
    ふたりとも聡明。どこにでもいそうでいない子どもたち。
    途中、メイという大学生も加わっての会話が楽しい。
    ”おかゆ”(犬)がいじめられるシーンは私も胸が苦しくなったよ。なんならりらがクラスの女子3人にいじめられるよりも。
    最後の頁まで読んでびっくり。りらおばあちゃんと絵おじいちゃんになっているでないか!
    りらはロボット工学の研究家になり、絵は写真集を出していた。
    ふたりは結

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    2024年09月03日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    ネタバレ

    弘美ワールドと、山口マオ氏の絵がとても合っていて心地良い。
    現実を生きていて、不思議な世界を妄想する事が出来て、“人間”は面白く、大変で、わからない。
    時々こうして弘美ワールドに浸かりたくなる。
    頭で考えた事は全て妄想なのか!!(覚書)
    ぼんやり思っていたことを言葉にしてくれる“本”達。
    やめることが出来ない。

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    2024年08月28日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    おもしろい本を読み終わった時、もう終わるのかー。この登場人物たちのその後が知りたい。
    といつも思うのだけど、それが叶った。

    くちぶえ部の2人の複雑な関係に対して、りらと絵の単純な関係が居心地悪いような、安心するような。

    こどもの気持ちが丁寧に書かれすぎて、途中、ちょっと飽きてしまったけど、(犬の話はよかった)

    とにかく、グリクレルにもう一度会えて嬉しかった。
    さよと怜子さんはやっぱりいいい。仄田くんも。

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    2024年08月21日
  • 真鶴

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    ネタバレ

    夢か現か、その境界が曖昧というか...どちらも主人公にとっては本当なのだと思う。
    人との距離感をぴたりと表現しておきながら、登場人物同士はぴたりと合わない寂しさ。
    それでも/だからこそ、誰かを強く想うのかな。自分にそんな気持ちあったっけ?と振り返った。

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    2024年08月18日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    小学生の幼なじみ男女2人の語りで、物語は進む。『七夜物語』の主人公たちの子どもの成長譚を描く続編。

    次から次へと本を読んでいるので、すぐに読んだかどうかすら忘れてしまう今日このごろ、七夜〜の内容もすっかり抜け落ちている状態で読み始めた。と、「グリクレル」という単語が出てきたとき、主人公の父親のように記憶の奥のほうにある何かが引っかかってきた。

    いじめや家族関係のあり方などの問題を絡めたこの作品は、小学生らしい彼らのつぶやきのなかに丁寧な思考と哲学的な問答もあって、じんわりと心に沁みてくる。
    登場人物のその後にさらりと触れる、エピローグ的な最終章もよかった。

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    2024年08月14日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    最近「推し活」という言葉を私もよく聞くようになりました。私の世代で「ファン」という言葉がありましたが、どうもそれ以上の熱気を帯びた活動のようです。

    私はそれほど熱を帯びた「推し」はありませんが、好きな作家さんというのは、なんとなく出来上がっています。そのお一人で、川上弘美さんの作品をここ数日で480ページの長編を読み終えました。

    今回の主人公は小学4年生の少年と少女で、2人共に外側からは大きな問題だろうことを、静かに日常の中で流しつつ、ファンタジーな出来事にも遭遇して、成長していく姿がとても美しく、優しい物語です。

    特に少女は学校でいじめを受けるのですが、主人公の少年少女が、いじめに対し

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    2024年08月13日
  • 七夜物語(下)

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    上中下、最後まで飽きることはなかった。
    子供の豊かな感受性で語られる情景。
    さよは呼び捨てで仄田くんは二人称で書かれているのは説明できないけど効果的だった。
    響く内容が多く、大人はもちろん、子供こそ読んだらいいと思った。

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    2024年08月10日
  • 神様 2011

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    2011年3月11日14時46分、宮城県牡鹿半島沖130キロメートルを震源とする大地震が発生しました。

    金曜日の午後というその時間に目の前で起きた衝撃的な光景は今もはっきりと覚えています。しかし、その大地震の本当の恐怖はその後時間を空けた後にやってきました。場所によっては波高10メートル以上と言われた巨大な津波の襲来です。個人の携帯やスマホで録画された生々しい襲来の様子を映した映像には言葉を奪われました。そして、さらに恐怖が襲いかかります。それこそが、東京電力の福島第一原子力発電所で発生した全電源喪失による大規模な原発事故でした。少し離れた場所から撮影した、水素爆発によって建屋が壊れて

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    2024年08月07日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    「続」表記は知りつつ「子供の日常と心情を丁寧に描いた3年生編・続編4年生編とかかな」と読んでいたら、後半でただの続編でなく子世代編だった→何ともとは冒険ファンタジーだった→大幅に時間がスキップして着地、と順繰りに衝撃が来ました。なかなかない読書体験だった。

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    2024年08月01日
  • 某

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    私達が当り前として受け入れている、正しくは受け入れさせられているというべき、成長において追うべき過程をひとつひとつ丁寧に確認していく物語。ありえない不思議な設定の中、どこか心当たりがある感じ。人は係わりの中で、何者にかになっていく。

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    2024年07月24日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    そうか、そうか、そうだった!と思い出す。

    いや、ほとんど忘れてるけど。

    悪くない、けどファンタジーはやっぱり苦手(^◇^;)

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    2024年07月24日
  • 真鶴

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    2007年の芸術選奨文部科学大臣省受賞作品。読んでいる間、主人公「京」の視点になった。読んでいる側なのに、憑依されて読まされているかのような感覚。

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    2024年07月18日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    読みやすい恋愛小説だなぁ。
    最初の感想はこうでした。
    でも、段々とその中にあるものが、じわりじわりと染み込んできました。

    恋愛小説のなかには『え?こんな風になる??こんな事しちゃうのかぁ』と思うような、人物の心理描写がありました。ある人にとっては、それに共感ししっくりくるのだと思いますが、私にとっては恐怖でしかないような。

    この小説も、最初はそんな印象でした。
    でも、じわりじわりと染み込んでくると、その中にあるものがとても分かるのです。

    恋愛って、やるせないし愛おしいし。苦しいし楽しいし。そうだよねぇ、と。

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    2024年07月17日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    疎遠になってもまた近づいたり、 恋じゃなくても会いたいねと言い合ったり、 そんなことができるようになるなら、 60代って良いかも。

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    2025年12月04日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    少し常識と比べたら変わった境遇だったり、体験だったり、なんとなく謎な人とか宇宙人とか小さい人とか幽霊だったりが出てくるちょっと不思議なテイストの21編の短編集。みんなもやっとしたものを抱えながらも、「まあいいか」とそれでも前を向いていくような、寂しさや悲しみに寄り添う温かさを感じました。特に『信長、よーじや、阿闍梨餅』がいちばん面白かった。
    1話1話が短いので思い出した時に少しずつ読み返したくなりそう。

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    2024年06月30日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    非現実だと気づいた瞬間スッとその世界に入り込んでしまう

    着地点が想像できずふわふわと読み進められて心地良かったです

    一編が短いのに登場人物がどういう人なのか分かりやすく書かれているから読みやすくて楽しめた

    川上弘美先生の本は初めて読みました、一見ミステリーのようなタイトルなのにゆるいかわいい表紙でどんな本なのだろうと買ってみたのですが見事にハマりました。
    他の本も読みます。

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    2024年06月29日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ニシノユキヒコの恋と冒険、「恋と冒険」なんて楽しいことが起きそうなタイトルなのに、この本はずーっと物悲しい。明るいし、愛や愛になりそうなもので溢れているけど、物悲しい。
    そして悲しくて寂しいのだけど、カラッと乾いて心地よくて、不思議な小説だなと思う。

    まずニシノユキヒコの最期から始まり、その次に中学生の頃の彼を知ることになるので、とにかくニシノユキヒコは寂しい人だなと思うことになる。そこから彼がどんな恋愛をしていくか見ていくと、彼の冷たいところにより恋愛が成就していかないのがものすごく悲しい。彼が冷たいのが理由だとしても、彼が可哀想で、「わーん」と泣きたくなる。

    女の子たちが、何をニシノユ

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    2024年06月20日