川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京日記もこれで5冊目。今回もたくさん笑わせてもらいました。
川上弘美さんは相変わらず武蔵野地区に住んでいらっしゃって、ご近所なので親近感わくこの東京日記シリーズが大好きです。
今回特に笑ったのは、
沼の生きもの――おそらく井之頭公園の池のことを指してるのかしら。緑色の沼代表、泥沼代表、底なし沼代表、沼以下代表などなど笑
近所のカップル――え、ほんと? とつっこみたくなる話笑。毎週乗る同じバスに奇抜な男女がいていつのまにかカップルになっていて破局した感を川上さんが見てるというなんともシュールな日記
カメムシの人生――また夢を見る。消える魔球を、次々に打たなければならない。もし打ちそこねたら、カ -
Posted by ブクログ
川上弘美版「はてしない物語」とでもいうべき、オーソドックスなファンタジーでした。オーソドックスではあるけれど、行間に潜む妙な艶っぽさはやっぱり川上弘美らしくて、「ファンタジー」よりも「幻想」や「異世界」という言葉の方が似つかわしいようだ。川上弘美が冒険ファンタジーを書くとこうなる、という感じだろうか。
エンデの描く冒険者は勇ましく、勇気を求めて戦う者だった。
対して川上弘美の描く冒険の主人公は優しくて、彼らがいちばんに求めていたのは「愛」だったのではないだろうか。これが最大の違いだろう。
その違いがはたして時代性なのか、作者の個人的な感性なのか、何に由来するのかはわからない。
なんにせよ、エ