川上弘美のレビュー一覧
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川上弘美さんのエッセイ集。
この人のゆるゆるとしているけどゆるぎない感じ。
なにげないけど、にじみ出ているもの。
そんな『感じ』にすごくシンパシーを感じます。
中にドラえもんとのび太に関するエッセイがあって、
自分が若くて少し傲慢だったころは
のび太の依存心が好きではなかった。
でも大人になると、できることできないこともわかってくる。
ドラえもんと名前を呼んで、道具でひと時の夢を見て癒されて、さあ頑張るかとまた現実に帰ってくる。
そんな気持ちがわかるようになったし、だれか疲れた時にドラえもんのようにひと時のやすらぎを
与えることができる。
そんな人になりたいなっていう気持ち。
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Posted by ブクログ
1人の作家を読み続ける傾向のある私はいつも最後の作品になると寂しくなる。。
この作品が川上小説の最後になってしまった。。
実はもう一作、幻冬舎から『いとしい』って作品が出ているんだけど、これが取り寄せ不可で今のところこれが最後の作品になってしまったの。。
この物語は4編からなる短編集で『うそはなし』の中でもちょっとまた異質な感じだった。。
表題作の『物語が、始まる』は絶対にない話でありながら、この広い世界のどこかで、こんな経験をしている人がいなくもなさそうだし、『トカゲ』は読み始めの最初の印象が最後にはがらっと変わるジェットコースター風だったし、『婆』の不思議は体験してみたい不思議だった。。
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Posted by ブクログ
「ルツ」という女性が様々な平行世界で、どんな選択をしてどういう生き方をしているかを、それぞれ描いているという物語。
誰しもが「あの時こうしていたら」と、生きていく中で思ったことがあると思うけど、それが物語の中で行われていて、すごく満足感のある話だった。
最終的にはそれぞれが、幸せというものを発見して噛み締めていた。
中には、「それで本当に幸せって言えるの?」と思えるような結末もあったけど、それぞれ自分が選択した人生だから、っていうのが答えなのかな?
小説を書いた世界線の話、身近な人間を参考に物語を広げて書いているっていうのが面白そうすぎて私も書いてみたいな、と少し思った笑
でもそう簡単に上手く -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作『七夜物語』の主人公鳴海さよと仄田鷹彦の二人は、冒険のあとそれぞれの人生を送り、大人になった。
そしてさよの息子の絵(かい)と仄田君の娘(りら)は小学4年生、同じ学校のクラスメートである。
りらは、クラスの女子三人組にいじめられている。
父親の仄田くんもそうだったように、頭はいいのに空気を読まない、少し変わったところがあるからだ。
絵はりらがいじめられている事に気付いても、しばらくは何もしなかった。
どうしたらいいのかわからなかったし、そのことについて考えるのも気が重かったからだ。
ふたりが冒険に出るきっかけはそういうことだったのだけど、そこに至るまでの絵の日々、りらの思いなどが丁寧に