川上弘美のレビュー一覧

  • 大きな鳥にさらわれないよう

    Posted by ブクログ

    「滅びゆく世界を慈しみ深く描いた未来の神話」と文庫の帯にはあって、いい得て妙だと思いました。

    語り手を変えながら物語が続くのですが、私は途中、このディストピア物語が一体どこまで続くのか、不安になりました。それでも巧みな書きぶりで、どんどん読み進むことができ、最後2つの物語で、全体の枠組みを開示してくれます。

    とはいえ、明るいものではありません。「あなたたち、いつかこの世界にいたあなたたち人間よ。どうかあなたたちが、みずからを救うことができますように。」このレマの祈りは、この小説を読む私たちに向けられたものでしょう。

    そしてそれでも今の人類は滅んでいく。「エリのつくった町のことを、レマはま

    0
    2025年08月07日
  • 某

    Posted by ブクログ

    不思議な本だった。本屋で一目惚れして購入。あらすじ見ただけだとどういうジャンルな話かわからなかったが、SFに近いジャンルだった。心内文が地の文として多く、話し手が変わってもカッコでわけていないため少々読みにくかったが、こういう表現も、「誰でもない者」が語り手であるが故なのかなと思いました。

    0
    2025年07月24日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ユーミンデビュー50年を記念して、6人の作家による短編書き下ろし。ユーミンの曲名と歌詞からイメージした短編はそれぞれ作者の個性が出てます

    0
    2025年07月21日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

    Posted by ブクログ

    人とは何か、どんな姿をしていても人間なのか、そもそも人間と決めることに意味はあるのかわからなくなっていく。そして人間は生きていく意味があるのか。
    変に賢いからそういうふうに考える。小鳥のようにただ子孫を残すなどの純粋なもので満たされているほうが幸せかもしれない。ディストピアともユートピアとも読める不思議な本だった。

    0
    2025年07月20日
  • 森へ行きましょう

    Posted by ブクログ

    人生は、選択に満ちている。
    その時最良だと思っても思わなくても、とにかく前へ進むために何かを選び、選ばされる。

    選ばなかった道。
    あったかもしれない未来。

    でも、出会うべき人には出会い、何か一つの場所へと収斂していくような気もする。
    振り返ってみて、自分が幸福だと思えるかどうか。
    どんな人生をたどっていても、それもまた自分の心持ちひとつなのだ。

    0
    2025年07月13日
  • わたしの好きな季語

    Posted by ブクログ

    わたしの好きな季語を私も選んで何か書いてみたくなる
    ひとつの季語に思うことは人それぞれなんだろうなぁ 
    著者の俳句を読んでみたい

    0
    2025年07月12日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

    Posted by ブクログ

    気持ち悪さがあるが、すぐにそれ以上にそれを上回るその気持ち良さ。よく分からない世界をどんどん読み進められるけど、もう少し理解したいので再読する。

    0
    2025年07月07日
  • わたしの好きな季語

    Posted by ブクログ

    海苔とか、わかめとか、飯蛸、馬刀、そらまめ、豆飯、鯖、濁酒、きのこ狩り、切干、河豚、おでん、七草……なんだか食べものについて話しているページが来るたびに妙にうきうきしてしまってなんだか悔しい(笑)

    薄暑を「きらきらしい季節」と表すあたりに小説家としてのすごみを感じつつも、食べものの話がしきりに挟まれていて(「濁酒」を読んで、こんなていねいな食生活がしたい!と強くおもった)、「ああ、この人も同じ人間なのね」となじみを感じた。「歌留多」の節は首がとれんほどに頷いた!

    こうも感性を枯らさずに人間は生きられるのか、と思うと、少しばかりこの先にも希望がもてる。自分は意外にも、夏が好きらしい。夏生まれ

    0
    2025年07月04日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

    Posted by ブクログ

    ちゃんとしているけど、どこかに変な芯があってどうしようもない人間を描く川上弘美のよさが味わえる作品だった
    思ったより良かった

    0
    2025年07月01日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

    Posted by ブクログ

    哺乳類が好きかどうかで、人は分かれるよな、と思う。
    特に女性は、子どもを産むと哺乳類好きに変わる人が多い気がする。
    だから、しっくりこなくなる。
    その点、川上弘美には安心感がある。

    0
    2025年06月28日
  • わたしの好きな季語

    Posted by ブクログ

    季語だけじゃなくて、川上弘美自身の生活にちょっと触れられた気がした。川上弘美みたいに生きたいと思った。

    0
    2025年06月27日
  • わたしの好きな季語

    Posted by ブクログ

    想像したとおり、言葉やちょっとした小話が面白くてあっという間に読んでしまった。
    季節を感じてことばにする、文字に含まれた意味を解く…歳時記や、季語についてもっと詳しく知りたくなった!

    0
    2025年06月25日
  • 七夜物語(中)

    Posted by ブクログ

    さよと仄田くんの冒険がだんだん核心へと迫っていく。
    若い頃のさよの両親に出会ったエピソードが
    なんだか良かった。
    下巻ではどんな結末が待っているのか。

    0
    2025年06月23日
  • 某

    Posted by ブクログ

    今までの記憶が全然なく、名前も性別も年齢も分からないまま、突然この世に現れた某は、担当医の蔵利彦氏の元でアイデンティティーの確立のため治療を始める。
    女子高生、男子高生、高校の事務員…次々と別の誰かに変化して演じ分けていき、ついには病院を脱走してしまい、外の世界で自分と同じような存在の仲間に出会うことになります。

    何とも小難しい設定なのに、登場人物たち(人間ではないのだけれど)それぞれが飄々としていて面白い。
    日本のみならず世界を飛び回り、病院でお世話になった蔵医師や水沢看護師はどんどん年老いてゆくのに、某のような「誰でもない者」たちは100年ほど生きていたり、時間軸が人間とはずいぶんずれて

    0
    2025年06月08日
  • 某

    Posted by ブクログ

    不思議な小説だった。SFのような哲学のような。結局よくわからないまま終わった事柄もいくつかある。余韻を味わう感じの物語。

    "誰でもない者"という、見た目は人間そっくりの生命体が老若男女・国籍問わず姿かたちを変化させながら日々を過ごしていく。前の姿での記憶ははっきりととは限らないが受け継がれる。そうして何人かの人間への擬態を経て、しだいに愛着や家族、共感といった感覚を身につけていく様子は、一人の人間が赤ちゃんから大人へと成長していくのと似ている。

    個人的には前半までが物語のピーク半分過ぎたあたりからは失速した感じ。にしても展開が読めないし、"誰でもない者&quo

    0
    2025年06月06日
  • 東京日記4 不良になりました。

    Posted by ブクログ

    ありそうで、なさそうな。なさそうで、ありそうな。
    でも実際には気付かず素通りしていそうなエピソードの数々。
    別次元の話ではないのに、なんだか不思議な情景に思えるのも、また不思議。

    0
    2025年05月28日
  • 神様

    Posted by ブクログ

    教材研究のため、表題作の「神様」だけ読んだ。
    語り手の「わたし」は、たまたま三つ隣の部屋に引っ越してきた「くま」から、近所の河原までハイキングに誘われる。「くま」は、川で取った魚を干物にして、「わたし」にプレゼントし、別れ際に親しい者同士で行う故郷の習慣だと言って抱擁を交わした。「わたし」は、そんな「くま」と過ごした一日を「悪くない一日だった」と思う。

    「わたし」と「くま」の間には、「くま」が「わたし」の父のまたいとこにあたる人物にかつてお世話になったという関係があった。「わたし」にとってその関係は、「あるか無しかわからぬような繋がり」だったが、「くま」はその関係を「縁(えにし)」というやや

    0
    2025年05月13日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

    Posted by ブクログ

    切ない。はっきりしない。ゴールが見えない。もやもや。
    そんな雰囲気がかえって心地よい小説。
    早朝の霧がかった、しんと静かな湿った道路を歩く時のあの気持ち。心の真ん中にぽっかりとあく孤独の穴。これを生涯抱えて生きることに呆然とする一方で、どこか満たされているようにも感じる不思議。
    Reading through the entire book what we got at the very last was just “魂が「するっと近くに寄った気がした」”。What sort of purity is that.
    でも何よりも心強い一言。老いてなお誰かとそんな関係性を、何よりその感性を持てるの

    0
    2025年05月11日
  • これでよろしくて?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     川上弘美さん・・・(申し訳ないのですが)聞いたことはある・・くらいで、よく知らない作家さんでしたが、芥川賞を取ったこともある作家さんなのですね。
     お義母さんとの言葉にできない感情のやりとり、お義母さんと義妹、お義母さんと義弟のお嫁さんとの関係を見る目など実に繊細。そればかりを考えているとおかしくなりそうだが、ちょっと年上の利害関係のないお姉さまたちに話を聞いてもらったり、いろんな事件を経ると関係が少しずつ変わっていくことに気づく。
     わが身を振り返っても、昔けむたくて仕方なかった人たちも30年たつと亡くなったり、元気がなくなったり・・病気になるほど悩むことなんてなかったんだなと今にして思う

    0
    2025年05月05日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

    Posted by ブクログ

    「七夜物語」の続編。
    大人になったさよと仄田くんに出会えた!
    大人になった仄田くんは小学生の頃よりしっかりしたなぁ。大人になったのね、仄田くん!と思いました。
    夜の世界のことを覚えていないさよと仄田くんが悲しかった。
    2人の子供である絵とりら。それぞれの親の性質を受け継いでいる感じがしました。

    0
    2025年05月04日