川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1人の作家を読み続ける傾向のある私はいつも最後の作品になると寂しくなる。。
この作品が川上小説の最後になってしまった。。
実はもう一作、幻冬舎から『いとしい』って作品が出ているんだけど、これが取り寄せ不可で今のところこれが最後の作品になってしまったの。。
この物語は4編からなる短編集で『うそはなし』の中でもちょっとまた異質な感じだった。。
表題作の『物語が、始まる』は絶対にない話でありながら、この広い世界のどこかで、こんな経験をしている人がいなくもなさそうだし、『トカゲ』は読み始めの最初の印象が最後にはがらっと変わるジェットコースター風だったし、『婆』の不思議は体験してみたい不思議だった。。
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Posted by ブクログ
レイヤーもつくらない足跡も残さない独立したものとしての感情が言葉にもイメージにもならない形でふわふわと浮遊する母たちが無機質で変わらぬものとして安心する
志向性、偏向をもたず全てのマス目を均質に埋めていく必然的な存在と、一定の志向性によって偶発的な模様を描く存在とで母と人間が対比されてたけど
母の方がいいなあと思う
偶発があるからこそ比較できてしまい、同質異質の区別が生じ、愛着嫌悪につながる
実直にランダムに全てを埋める作業を営めればと思うが、ランダムにうめたように見えたマス目のさらに背景が顕になると、そのマスが何かしらの輪郭をもってしまう
見えないけど確実に背景が存在して自分が偏向しているこ -
Posted by ブクログ
性別や年齢に関係なく、個人として尊重している感じがとても好き。センセイもツキコもマイペースなのがいい。センセイは先に歩いていっちゃうし、ツキコも先に帰っちゃうし。そもそも約束もせずに居酒屋で会って手酌で呑む自由さがいい。相手に尽くしたり合わせたりしないところが最高に心地よい。
私はおそらく月子の性格と似ているので、行動に一々共感するし、先生の優しさやふてぶてしさにも共感するし、どちらにも似ているのかもしれない。
小島くんは真面目だし優しくていい人だと思うけど、マッチングアプリで出会って安全に仲を進めたい教科書男って感じなので、深みを感じないというか、ほのかな下心が気持ち悪くさえある。不器用な -
Posted by ブクログ
装丁だけでなく本文にも祖父江さんの楽しい仕掛けが込められている川上さんの東京日記シリーズ。
帯に「けっこうホントの日記です。」と書かれてあるように、5分の4はホントのカワカミさんの日記のような短編の卵たち?少しの脚色がどこなのか…なんてどうでもよく、粛々と内に外に伸び縮みする川上さんの毎日から生まれる言葉が愛らしい。
ある春の日に、花茣蓙を手に入れたという友達に誘われて公園に花見へと出掛け、桜と柳の美しい公園でお弁当やお酒を開ける長閑な一日。沢山の花びらが舞い散る中、交代で花茣蓙を担ぎ合いながら駅まで歩く帰り道。もう過ぎゆこうとしている春の幸福な後ろ姿を見送るようで心が静かに和らいだ。