川上弘美のレビュー一覧

  • 神様

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    登場する生き物達が愛らしく、ときおり怖い。
    各話20p弱の短編集だが、情報をあまり入れない中で非常に共感力が高く上手い作品だった。
    「別れ」とは寂しいものだったと再認識させられ、若干のコンセプトも感じる。

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    2025年12月20日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    最初の1行が秀逸だと思ってる。
    本の表紙を見て本を手に取るのと一緒で、最初の1行を読んだだけで、心がときめいてしまう作家さんだ。

    「鍵」
    うしろ姿に胸がときめいたのは、生まれてはじめてのことだった。
    「大聖堂」
    リンゴン、リンゴン、と聞こえるのは、二号室の人の目覚ましの音だ
    「ずっと雨が降っていたような気がしたけれど」
    とろりとした繊細なブラウスだった。
    「二人でお茶を」
    今日のあたくしの服、ちょっと痛い、って言われたの。それってどういう意味?
    「銀座午後2時 歌舞伎町あたり」
    どうして私は今、こんなところにいるんだろう
    「なくしたものは」
    起きたらすぐおまじないを唱える
    「儀式」
    私の一日

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    2025年12月20日
  • 真鶴

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    寝る前から読み始め、次の日のお昼頃には読み終えた。
    真鶴、まなづる。
    良い響き。
    神奈川県に真鶴半島という場所がある事をGoogleに教えてもらった。
    文章から真鶴の海の香りを感じ、瀬戸内海の海の香りも感じた。二つの海の香りは全く違く感じた。

    ついてくるもの、とは何だったんだろう。
    この物語からたくさん、"距離感"というものを感じた。
    京と娘の百、礼、青茲。
    皆、距離を感じた。
    京と礼の、近づきたいのに近づかせてくれない押し問答は読んでて途中とても辛くなってしまった。
    主人公京と1番距離が最終的に近かったのは多分、ついてくるもの、だっただろう。
    友達、になったんだと思う。

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    2025年12月18日
  • 蛇を踏む

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    ある日蛇を踏んでしまった。帰宅したら見知らぬ女が居てそれは蛇だった〜表題作含め3篇の不思議な話。不思議すぎて置いてけぼり感ありながらもシュールさも感じる。とにかく不思議なおはなしだった。

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    2025年12月17日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    2025.12.14
    どの短編も好きだけど特に好きなのは
    ルル秋桜
    憎い二人
    土曜日には映画を見に
    廊下

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    2025年12月14日
  • 三度目の恋

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    「幾重もの時間を生き、人びとと縁を結び、幾重もの感情を知り、それらが終わった今、わたしは心の底から、何かを愛したいと思えてならないのです。その愛は、狭いものではなく、かといって広すぎるものでもなく、ぼうっとともった春の灯のようであってくれればいい。その灯がわたしを照らさなくとも、わたしが愛した何かを照らしてくれさえすればいい。そうしたら、わたしは愛するものを優しく見つめることでしょう。ただただ、柔らかく見つめていることでしょう。この余生が終わるまで、ずっと」

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    2025年12月09日
  • 蛇を踏む

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    解説が、本作の様な手法の先駆者である松浦寿輝氏で強く納得。
    表題作と『消える』は、もう一歩踏み込めば空間系ホラーとも言える構成で、輪郭の曖昧な物や生物が日常生活に冷やりと這い寄る様は個人的に好み。あとがきで述べられてる程、うそばかりでもない作品だと思った、
    『惜夜記』は作者の頭にいつも流れている物を文字にした散文みたいな物だろうか。

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    2025年12月04日
  • 伊勢物語

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    私はお能を嗜んでいるので、お能の曲の出典として伊勢物語には馴染んでいる。
    あとがきに訳者の川上さんも書いているけれど、ひとつひとつの話はごく短く、けれど和歌によってお話の世界が広くなる。和歌には世界観を二重、三重にする仕掛けがある。
    さらにそこから能の作者は想像を膨らませてたくさんの曲を作ってきた。物語そのまま取り入れているときもあるし、背景に手を加えてよりドラマチックにしているものもある。短いお話だけに、よりインスピレーションを刺激されたんだろうな。
    たくさんある伊勢物語の翻訳本のなかでも、小説家ならではの和歌の翻訳が、とても効いている本だと思った。

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    2025年12月03日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    好き嫌いが別れそうな本だったけど、私は好き。人類が滅亡の危機に晒されながらも、なんとかその命を絶やさないよう、いろんな策を考え行動する様を描いてるところは、手塚治虫の火の鳥に似てるな〜と思った。

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    2025年11月17日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    どの作品もさくっと読めるけど、登場人物の人生と重ねて考えられる余韻があった。私はななつ星に誰とどんなときに乗りたいだろうと考えた。

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    2025年11月09日
  • 伊勢物語

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    ネタバレ

    漫画「応天の門」にどハマりし、宝塚歌劇団「応天の門」「花の業平」も観に行ったのを期にちゃんと原典読もうと思いました。
    ちょうど、川上弘美さんの現代訳出てることだし!と。積んでしまってましたが。。。

    古文の授業で、六段「芥川」とかはやってたのですがまとめてしっかり読むのは初めてです。
    面白かったです。たしかに、和歌以外の地の文?は状況描写のみ。
    川上さんのすらりとした訳も良いなぁと思います。

    愛だの恋だのいってる歌ばかりかと思いきや、紀有常との友情の歌もよかったです。
    そんな中にあるからなのか、百一段の和歌にしびれました。こんなギリギリな和歌で描く話あったのか。
    誰でも彼でもすんなり顔を見ら

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    2025年11月03日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    好きだなー
    小説を書く予定はないけど、もし小説家になるとしたらこんな小説が書きたいと思う。
    不倫が多すぎる気はするが。

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    2025年10月26日
  • 東京日記7 館内すべてお雛さま。

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    日常の中の不思議。
    コロナ禍でも、やっぱり不思議な日常が続いていく。
    それが、安心と嬉しいと楽しいを連れてくる。

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    2025年10月24日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    自分の中で、その本に対する感想がまとまらない時は、気持ちが自分の中でまとまるまで、その本のレビューや解説を見ないことにしている。
    この本も、読んでいる間中ずっとふわふわした非日常感を感じたり、常識の通じない異国に来てしまったような心許なさを感じたりした。
    でもそれが嫌な気持ちではない、というのが不思議なところ。
    短編の語り手たちの多くが身の回りの世界をよく理解できてない感覚と、読み手である自分が、この物語をうまく掴めていない感覚がすごくリンクする。
    二回読み返した、お気に入りの本になりそう。

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    2025年10月16日
  • 東京日記 6 さよなら、ながいくん。

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    くすりと笑えて、ほんわかする、川上弘美の日常。
    めぐりめぐって、私もいつかながいくんに会えるかもしれないし。
    そのうち私も、冷蔵庫と会話を交わすようになるかもしれないし。
    日常の中の、気に留めないほど小さな日常の話。

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    2025年10月16日
  • わたしの好きな季語

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    俳句における季語。
    多分、本当は季語だけではないのだろうけれど、言葉ひとつに込められた多くの情景が、あんなに短い俳句という形式を成立させている。
    その情景は、厳密に言えば、一人一人違うものだろう。
    でも、重なる部分もあって。
    自分にとっては当たり前すぎて語られなかった情景が、それぞれの言葉の中にはあるはずだ。
    それをよくよく吟味して、俳句は作られる。
    ああ、俳句って面白いな、と思った。
    そしてここには、それぞれの季語に対する、川上弘美の情景が語られている。

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    2025年10月16日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    カワカミ的登場人物がたくさん登場して、カワカミ的言葉でカワカミ的表現がされていて、あ〜〜川上弘美好きだ〜という気持ちになった。
    この短編集を読んで、川上弘美の描く女同士の距離感とか関係性がすごく好きかもしれないと気づいた。『ざらざら』に収録されている「桃サンド」とか、たまらなく好きだったかも。本作収録の「いまだ覚めず」は女同士の関係が不思議な世界観の中に描かれていて、「こういうのだよ、こういうの…!」と電車のなかでにやにやしながら読んだ。この話の世界は色褪せていて、懐かしい感じがして、でもすこし怖くて、ほんとうに好きだ。表題作「おめでとう」は、純粋に語られる愛とさみしさに不覚にも涙が誘われてし

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    2025年10月08日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    やわらかな言葉で終わりゆく世界が静かに描かれおり、気づいたらこの不穏で、不思議な、滅びゆく世界に深く没入している自分に気づき....うっかり数日で読破。

    読みながら国立科学博物館の展示の一つである宇宙や地球や人のなりたち・進化をアニメーションで映した「地球史ナビゲーター」の映像がリンクし頭の中をくるくる駆け巡る。
    あの暗い部屋でゆるやかに繰り返される宇宙と世界と人の物語をぐるぐる・ぼんやり観た時の感覚とこの本の読後感が非常に似ていた。

    私たちはなに?
    私たちはどこからどこへ?
    愛とは?
    人とは?

    そんな答えのない問いを繰り返しながら我々は結局、愛して憎んで闘ってを輪廻の如く繰り返し続け今

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    2025年10月06日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    最初は世界観に慣れず「??」と
    なりながら読み進めていたが
    徐々に見えてくる世界観や
    短編集?と思ってたら絶妙にリンクしてるお話で
    どんどん引き込まれていきました。

    一文ずつ短く淡々と描かれているのが
    滅びゆく世界観を表してるようで
    どこか怖さがありつつ、優しい温かさも感じた。

    人類滅亡の話なのに
    読み終わったあと、
    これは希望のお話なのだと感じた。
    叶わないと諦めてもなおも希望を抱き
    小さな祈りを捧げる、そんなお話。

    祈りは人が生きている限り続くんですね。

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    2025年10月03日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
    テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
    列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む

    5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
    恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる

    個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
    人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
    「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の

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    2025年09月30日