川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1人の作家を読み続ける傾向のある私はいつも最後の作品になると寂しくなる。。
この作品が川上小説の最後になってしまった。。
実はもう一作、幻冬舎から『いとしい』って作品が出ているんだけど、これが取り寄せ不可で今のところこれが最後の作品になってしまったの。。
この物語は4編からなる短編集で『うそはなし』の中でもちょっとまた異質な感じだった。。
表題作の『物語が、始まる』は絶対にない話でありながら、この広い世界のどこかで、こんな経験をしている人がいなくもなさそうだし、『トカゲ』は読み始めの最初の印象が最後にはがらっと変わるジェットコースター風だったし、『婆』の不思議は体験してみたい不思議だった。。
特に『婆』はこんなおばあちゃんに手招きされたら私も『私』のようにフラフラとそれまで知らない婆の家にあがりこんでしまいそうだ。。
川上作品の魅力は不思議の共有だと思う。。
不思議の中に見え隠れするなさそうでありそうな事や、気がついても口に出来ないバカバカしい事を自分以外にも考えたり感じたりしてるのだな、と云う人に言えない不思議感の共有ではないかと思う。。
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Posted by ブクログ
30年以上続くスナックに幽霊が次々と客として訪れる話。正しくは「幽霊」ではなく「ゆうれい」。怖がらせるのではなく居場所を求めてやってくる。そんなゆうれい達とのエピソードもそれぞれ心温まるが、何より司と逸子のママ2人と常連さん達が自然と受け入れていく空気感が素敵な一冊だった。
何気なく始まり、深まりそうで深まらない、すぐ横道にそれる会話が繰り返される。それが空気感や温度感を作っていく。それを司も逸子も常連さん達も肌で感じ、意識もしながら心地よい空間が保たれていく。
スナックにはほとんど行ったことはないけど、自分に合った心地よさの居場所と思えたら通ってしまうなあ。そんな場所を見つけに行くのも楽しそう。