川上弘美のレビュー一覧

  • 某

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    不思議な本だった。本屋で一目惚れして購入。あらすじ見ただけだとどういうジャンルな話かわからなかったが、SFに近いジャンルだった。心内文が地の文として多く、話し手が変わってもカッコでわけていないため少々読みにくかったが、こういう表現も、「誰でもない者」が語り手であるが故なのかなと思いました。

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    2025年07月24日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンデビュー50年を記念して、6人の作家による短編書き下ろし。ユーミンの曲名と歌詞からイメージした短編はそれぞれ作者の個性が出てます

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    2025年07月21日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    人とは何か、どんな姿をしていても人間なのか、そもそも人間と決めることに意味はあるのかわからなくなっていく。そして人間は生きていく意味があるのか。
    変に賢いからそういうふうに考える。小鳥のようにただ子孫を残すなどの純粋なもので満たされているほうが幸せかもしれない。ディストピアともユートピアとも読める不思議な本だった。

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    2025年07月20日
  • 森へ行きましょう

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    人生は、選択に満ちている。
    その時最良だと思っても思わなくても、とにかく前へ進むために何かを選び、選ばされる。

    選ばなかった道。
    あったかもしれない未来。

    でも、出会うべき人には出会い、何か一つの場所へと収斂していくような気もする。
    振り返ってみて、自分が幸福だと思えるかどうか。
    どんな人生をたどっていても、それもまた自分の心持ちひとつなのだ。

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    2025年07月13日
  • わたしの好きな季語

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    わたしの好きな季語を私も選んで何か書いてみたくなる
    ひとつの季語に思うことは人それぞれなんだろうなぁ 
    著者の俳句を読んでみたい

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    2025年07月12日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    気持ち悪さがあるが、すぐにそれ以上にそれを上回るその気持ち良さ。よく分からない世界をどんどん読み進められるけど、もう少し理解したいので再読する。

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    2025年07月07日
  • わたしの好きな季語

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    海苔とか、わかめとか、飯蛸、馬刀、そらまめ、豆飯、鯖、濁酒、きのこ狩り、切干、河豚、おでん、七草……なんだか食べものについて話しているページが来るたびに妙にうきうきしてしまってなんだか悔しい(笑)

    薄暑を「きらきらしい季節」と表すあたりに小説家としてのすごみを感じつつも、食べものの話がしきりに挟まれていて(「濁酒」を読んで、こんなていねいな食生活がしたい!と強くおもった)、「ああ、この人も同じ人間なのね」となじみを感じた。「歌留多」の節は首がとれんほどに頷いた!

    こうも感性を枯らさずに人間は生きられるのか、と思うと、少しばかりこの先にも希望がもてる。自分は意外にも、夏が好きらしい。夏生まれ

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    2025年07月04日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    ちゃんとしているけど、どこかに変な芯があってどうしようもない人間を描く川上弘美のよさが味わえる作品だった
    思ったより良かった

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    2025年07月01日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    哺乳類が好きかどうかで、人は分かれるよな、と思う。
    特に女性は、子どもを産むと哺乳類好きに変わる人が多い気がする。
    だから、しっくりこなくなる。
    その点、川上弘美には安心感がある。

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    2025年06月28日
  • わたしの好きな季語

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    季語だけじゃなくて、川上弘美自身の生活にちょっと触れられた気がした。川上弘美みたいに生きたいと思った。

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    2025年06月27日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    読んでいるうちに、自分が今いる世界を信じられなくなってきてしまった。わたしが今いるのは、何回目の世界で、誰によって創られたもので、わたしを見守る上位的存在はいるのか…。影響されやすい性格なのでそんなことを考えてしまう。
    破滅の道をたどるというのに人はなぜ、人を憎み、争い、それでも愛すのか。人間というものを考えるときに根本となるものをテーマにしてると思う。読みながら、こんなに人間の営みを俯瞰して見ることができて、このディストピアのシステムを構想し、お話の中で機能させることができた川上弘美はなんて頭がいいのだろうと何度も唸った。そりゃブッカー賞候補にも上がるなあ。
    人間は愚かな存在だけど、それでも

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    2025年06月27日
  • わたしの好きな季語

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    想像したとおり、言葉やちょっとした小話が面白くてあっという間に読んでしまった。
    季節を感じてことばにする、文字に含まれた意味を解く…歳時記や、季語についてもっと詳しく知りたくなった!

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    2025年06月25日
  • 七夜物語(中)

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    さよと仄田くんの冒険がだんだん核心へと迫っていく。
    若い頃のさよの両親に出会ったエピソードが
    なんだか良かった。
    下巻ではどんな結末が待っているのか。

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    2025年06月23日
  • 某

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    今までの記憶が全然なく、名前も性別も年齢も分からないまま、突然この世に現れた某は、担当医の蔵利彦氏の元でアイデンティティーの確立のため治療を始める。
    女子高生、男子高生、高校の事務員…次々と別の誰かに変化して演じ分けていき、ついには病院を脱走してしまい、外の世界で自分と同じような存在の仲間に出会うことになります。

    何とも小難しい設定なのに、登場人物たち(人間ではないのだけれど)それぞれが飄々としていて面白い。
    日本のみならず世界を飛び回り、病院でお世話になった蔵医師や水沢看護師はどんどん年老いてゆくのに、某のような「誰でもない者」たちは100年ほど生きていたり、時間軸が人間とはずいぶんずれて

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    2025年06月08日
  • 某

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    不思議な小説だった。SFのような哲学のような。結局よくわからないまま終わった事柄もいくつかある。余韻を味わう感じの物語。

    "誰でもない者"という、見た目は人間そっくりの生命体が老若男女・国籍問わず姿かたちを変化させながら日々を過ごしていく。前の姿での記憶ははっきりととは限らないが受け継がれる。そうして何人かの人間への擬態を経て、しだいに愛着や家族、共感といった感覚を身につけていく様子は、一人の人間が赤ちゃんから大人へと成長していくのと似ている。

    個人的には前半までが物語のピーク半分過ぎたあたりからは失速した感じ。にしても展開が読めないし、"誰でもない者&quo

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    2025年06月06日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    タイトルと表紙のインパクトにつられて買った。

    最初はなんだかふわっとして不思議な世界観が今までには読んだことのない感じで、好きなタイプの本じゃないかもと思った。でも読んでるうちに、これは理解するとか共感するとかではなく、雰囲気を楽しむ、身構えずに私もふわっと読むと楽しめることに気づいた。
    「逆行サークル」の話は年齢が近いこともあり、どちらかというと共感だったかも。

    印象的な言葉が多く、おもしろい設定なんだけど全体的にきれいなお話が詰まっている。

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    2025年06月04日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    ありそうで、なさそうな。なさそうで、ありそうな。
    でも実際には気付かず素通りしていそうなエピソードの数々。
    別次元の話ではないのに、なんだか不思議な情景に思えるのも、また不思議。

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    2025年05月28日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    ネタバレ

    人為的に作られた環境で人はどう生きていくのか。繋がりがあるようなないような集落が衰退したり生命維持方法が進化したりするディストピア。

    時系列を理解するのにちょっと苦労しましたがそれもまたこの作品の良さなのかと感じました。

    SFをこのタッチで表現できる稀有な作家さん。2回読んでもまだまだ理解できないけど素晴らしい魅力を持った作品です。

    2025年の国際ブッカー賞最終候補ノミネート作品。こちらは 残念ながら受賞には至りませんでしたが受賞作のBanu Mushtaqさんの『Heart Lamp』もできれば読んでみたいです。

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    2025年05月27日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    人間の行く末の話
    静寂に包まれた空間で大きな母に語られ
    人類滅亡を理解する
    わたしたちは変わらなかった
    愛し合い憎しみ合い争い合い何回も繰り返しても同じで何十万年も

    だけど世界はゆっくりと循環する
    変化を伴った形で生み出され
    葬られ
    分解され
    そしてまた世界に還元される

    国際ブッカー賞逃したことを残念に思う。

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    2025年05月27日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    ある小さな商店街にすむ人たちの日々。

    ただ誰かと知り合うだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決め続けてきたのだ。

    幸せになったり、不幸せになったり。
    生きている限り、新しいことは起こる。

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    2025年05月22日