川上弘美のレビュー一覧

  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    白昼夢のような世界観と語り口がクセになりました。
    「二人でお茶を」「いいラクダを得る」「無人島から」が特に印象に残りました

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    2026年09月06日
  • スナックふたり

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    楽しい読書時間だった。
    さすが手練れの川上弘美。
    手抜き感あるくらいの軽さの導入で、なんだこれ?と思わせて、肩の力を抜いた状態のまま自由奔放に「スナックふたり」の世界が展開する。

    この肩の力が抜けた感じがいいんだなー。

    読んでると、お酒が飲みたくなる。滅多に飲まないお酒を昨日飲んだのは、きっとこの本のせい。

    これ、すぐにドラマになるでしょう!NHK BSで(笑)
    主役二人は今のところ、「団地の二人」の小林聡美と小泉今日子しか思い浮かばないんですけど!

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    2026年09月04日
  • スナックふたり

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    川上弘美さんって酒場とそこに集うひとの距離感を描くのが本当に上手ですよね。季節のお通し、やくたいもない会話、ふしぎと心地よい温度感。
    そしてそんな場所では、此岸と彼岸が交差し、ひととゆうれいがフラットに交流してしまう。江戸時代の甕の話 好きだったな。

    ドラマ化しても映える話だと思う。司と逸子、誰に演ってほしいかなあ。

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    2026年08月31日
  • スナックふたり

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    「スナックふたり」という名前のスナック
    司と逸子、ふたりがママをしている
    司と逸子、年齢不詳、性別不明、ふたりの関係も不明。
    自然と役割分担は決まっていて、息の合った二人である。

    たいていは商店街の人たちの常連客がやってくる。
    それぞれにあだ名をつけて、こっそりキノコにも例えてノートに記録してある。
    たまに一見さんもやってくる。

    常連客にしても一見さんにしても、ふたりの客あしらいは見事である。
    絶妙な掛け合いで一瞬にしてお客の居場所をつくる感じ。
    そんなさりげない会話の中から、それぞれのその人の人生、来し方が垣間見えるのである。

    なんてことのない時間を過ごし客は満足して帰っていく。
    スナ

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    2026年08月31日
  • スナックふたり

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    久しぶりの川上弘美さん。持ち味の不思議な独特さ。今回は一人称のような語り口なのに、よくよく読んでみると「司が」「逸子が」と、三人称なんだよね……。
    途中からゆうれいの話とわかってきたけれど、ラストまでの持っていき方がどうやったらこんな展開、いろんなゆうれいを描けるのだろうかとびっくり。やっぱりすごい。
    物語の内容(味)というより、弘美さんの物語はいつも雰囲気(風味)を味わう感覚で読んでいたので、今回は味もしっかりと噛み締めて読み終えることができた美味しい物語でした。

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    2026年08月27日
  • スナックふたり

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    「スナックふたり」に集う人々と
    この世に未練を残して去って行った者たちの
    ふれあいがほのぼのしていて
    余計な力が抜けてくる。
    来るもの拒まず、去るもの追わず。
    まあ、長く生きていれば
    理解のできない不思議なこともあるよねー。
    そんなふうに
    何でも受け入れてしまえるママふたりと
    賑やかでお節介な客たちが互いに助け合い
    持ちつ持たれつ
    寄り添っている感じにやさしくなれる。

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    2026年08月27日
  • スナックふたり

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    ネタバレ

    何の前情報もなく、川上さんの新刊!って手に取ったらまさか幽霊系の話だと思わず読み進めたけど最後までそれ系だったのにはびっくりした。ところどころに言い回しや表現が川上弘美らしさが散らばりまくっててやっぱ好きだなーと。MISIAのアイノカタチの賭けの結果知りたい!のんとなくだけど続編あったら嬉しいなと思うような作風

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    2026年08月20日
  • 100万分の1回のねこ

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    作品紹介・あらすじ

    谷川俊太郎、江國香織、川上弘美、角田光代らによる、佐野洋子『100万回生きたねこ』への、13人の作家によるトリビュート短篇集

    江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
    岩瀬成子「竹」
    くどうなおこ「インタビューあんたねこ」
    井上荒野「ある古本屋の妻の話」
    角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
    町田康「百万円もらった男」
    今江祥智「三月十三日の夜」
    唯野未歩子「あにいもうと」
    山田詠美「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」
    綿矢りさ「黒ねこ」
    川上弘美「幕間」
    広瀬弦「博士とねこ」
    谷川俊太郎「虎白カップル譚」

    *****

    佐野洋子「100万回

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    2026年08月20日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    ネタバレ

    小学生の仄田りらと鳴海絵。

    りらは図鑑を読んだり生き物が好きで、自分が納得するまで考えられることができるけど、たまに周りが見えなくなるときがある。

    絵は友達が何人もいて、離婚した父とたまに会ったり、児童文学作家の母の作品を読むのは躊躇しているけど、母や祖母の礼子さん家族と日々過ごしている。

    りらが学校で3人組からいじめられてつらい思いをしていること、それを知っていながらも見て見ぬふりをしていた絵は、りらの力になりたいと強く思って、2人は夜の高校に集まっていた。

    りらのお父さんの仄田鷹彦、絵のお母さんの鳴海さよもそこにはいて、大ねずみのグリクレルの温かい料理、2人が大切だと思う探し物をし

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    2026年08月08日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    職場の方のおすすめ本!
    川上弘美さんの作品を初めて読んだ。
    心が温まるかというと別にそうではなく、傷つくのでもなく、夢の中の話を読んでいるようだった。
    淡いパステルカラーの世界…

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    2026年08月03日
  • 某

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    生きることに距離を置いて人間を俯瞰していた生き物が、不可抗力でじぶんも生きることになっちゃったときの反応が興味深かった

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    2026年08月14日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    レイヤーもつくらない足跡も残さない独立したものとしての感情が言葉にもイメージにもならない形でふわふわと浮遊する母たちが無機質で変わらぬものとして安心する
    志向性、偏向をもたず全てのマス目を均質に埋めていく必然的な存在と、一定の志向性によって偶発的な模様を描く存在とで母と人間が対比されてたけど
    母の方がいいなあと思う
    偶発があるからこそ比較できてしまい、同質異質の区別が生じ、愛着嫌悪につながる
    実直にランダムに全てを埋める作業を営めればと思うが、ランダムにうめたように見えたマス目のさらに背景が顕になると、そのマスが何かしらの輪郭をもってしまう
    見えないけど確実に背景が存在して自分が偏向しているこ

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    2026年07月18日
  • 三度目の恋

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    ネタバレ

    とても面白かった。どんどん、引き込まれていく物語だった。連続ドラマで観たいような。読んでて絵が浮かんだ。どの時代の物語も素敵。そして読後感としては、あー私はなるちゃんよりも高丘さんがいいなぁ、高丘さんみたいな存在が本当欲しいなぁ、と!理想的な関係性。澁澤龍彦の『高丘親王航海記』大好きなので、うわあ、くすこ!親王!といちいち1人で読んでて舞い上がった。

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    2026年07月16日
  • ハヅキさんのこと

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    十年振りくらいに再読。たった数ページのお話なのに、それぞれの世界観に自然と引き込まれてしまう
    それでいて去り際は潔く、いつのまにか目の前からふっと消えている…そんな白昼夢めいた不思議な引力が、河上作品にはある

    琺瑯、ぱちん、かすみ草、吸う、が特に好きだった

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    2026年07月06日
  • 蛇を踏む

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    名前と表紙で衝動買いした本
    面白かった
    夢の中にいるみたいな感覚になる本

    どんな話?って聞かれても相手が納得の行く、ピンと来る説明は絶対に出来ない本だと思う

    一言で言うと本当に「夢の中」が1番近い感覚な気がする
    現実っぽいところもあるのに有り得ないところばかり

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    2026年06月29日
  • 水声

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    川上弘美はいつも夢のような景色の中に、
    とても空恐ろしいものが入り込んでくるが、
    今回はなんだかずっとずっと怖かった。
    でもなんだかずっとずっと切なくて、
    うれしかったり悲しかったりした。

    これまで読んだ作品で、
    ここまで具体的な現実の出来事が挟まれることはなかったが、
    戦争、戦後、事件、事故、災害の大きな傷つきのなか、
    私たちはみな生きている。
    綺麗事ではないのだ。

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    2026年06月27日
  • センセイの鞄

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    性別や年齢に関係なく、個人として尊重している感じがとても好き。センセイもツキコもマイペースなのがいい。センセイは先に歩いていっちゃうし、ツキコも先に帰っちゃうし。そもそも約束もせずに居酒屋で会って手酌で呑む自由さがいい。相手に尽くしたり合わせたりしないところが最高に心地よい。

    私はおそらく月子の性格と似ているので、行動に一々共感するし、先生の優しさやふてぶてしさにも共感するし、どちらにも似ているのかもしれない。
    小島くんは真面目だし優しくていい人だと思うけど、マッチングアプリで出会って安全に仲を進めたい教科書男って感じなので、深みを感じないというか、ほのかな下心が気持ち悪くさえある。不器用な

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    2026年06月26日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ネタバレ

    豪華作家がユーミンの曲をイメージして描くショートストーリーです。
    自分はユーミン世代ではないので、知らない曲もありました。
    なんかストーリー的にしっくりこないなと思うのもあったのですが、読んだ後に曲を聴いてみると「メチャクチャ良いじゃん」でした。
    ユーミン世代や、ユーミンの曲をすでに知っている方はそのまま読んで楽しいと思いますし、自分と同じように曲を知らない方は、読んでから聴いた方がいいような気がします。
    聴いてから読む派の方の意見も聞きたいですね。

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    2026年06月25日
  • 蛇を踏む

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    「背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのであった」。「惜夜記」の書き出し。何と凄い表現か。
    第115回芥川賞受賞作「蛇を踏む」含む3篇収録。物語は奇想天外。内容は意味不明。寓話的でありながら、著者の言葉を借りれば「教訓を引き出せない」物語。ゆえに身を委ねて川上弘美ワールドに浸るのが正解。
    3つとも面白いが個人的な好みは「惜夜記」。川上弘美版千一夜といったところか。

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    2026年06月04日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    装丁だけでなく本文にも祖父江さんの楽しい仕掛けが込められている川上さんの東京日記シリーズ。

    帯に「けっこうホントの日記です。」と書かれてあるように、5分の4はホントのカワカミさんの日記のような短編の卵たち?少しの脚色がどこなのか…なんてどうでもよく、粛々と内に外に伸び縮みする川上さんの毎日から生まれる言葉が愛らしい。

    ある春の日に、花茣蓙を手に入れたという友達に誘われて公園に花見へと出掛け、桜と柳の美しい公園でお弁当やお酒を開ける長閑な一日。沢山の花びらが舞い散る中、交代で花茣蓙を担ぎ合いながら駅まで歩く帰り道。もう過ぎゆこうとしている春の幸福な後ろ姿を見送るようで心が静かに和らいだ。

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    2026年05月21日