川上弘美のレビュー一覧

  • 神様 2011

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     2011年3月11日に東日本大震災が起こり、川上弘美は3月中にこの小説を書き、自ら出版社に持ち込んだ。掲載されたのは「群像」2011年6月号だから、5月初旬発売で原稿の締切はおよそ4月20日あたり。刊行された小説として福島の原発事故をとりあげた最も早いもののひとつだった。本書にはこの時に発表された「神様 2011」の前に「神様」というタイトルの短編がおさめられている。並置されていると言うのが正しい。ぼくは2012年になったくらいか、当時勤めていた会社の同僚女性に本書を、短いし読みやすいだろうなと考えて、貸した。神戸の出身で阪神淡路大震災を経験していて、東日本大震災のすぐあとに東京へ引っ越して

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    2019年01月23日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    「好きな本があるよ、いい本があるよ、みんなもよかったら読んでね!」という、あとがきにあった川上弘美さんの声がたくさん聞こえてきた、面白い書評集でした。
    好きな人がおすすめとして語ってくださるのを聞くのは楽しいです。小川洋子さんしかり、この川上弘美さんしかり。読み友さんたちも勿論。
    どれもこれも面白そう…と思いましたが、今すぐにでも、と思ったのは、「むずかしい愛」、ジム・クレイス「死んでいる」、ジャネット・ウィンターソン「オレンジだけが果物じゃない」、倉橋由美子「老人のための残酷童話」、町田康「告白」、古井由吉「辻」、酒井順子「枕草子REMIX」、久世光彦「謎の母」です。
    心に残った一文は「(中

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    2018年12月19日
  • 溺レる

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    女流文学賞、伊藤整賞W受賞。短編集。どれも男と女の話。『さやさや』『溺レる』がお気に入り。この人はもの喰ってる描写がいいなぁ。実に旨そうで実に巧妙に取り入れてある。

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    2018年11月20日
  • あるようなないような

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    川上弘美さんのエッセイはぼんやりと読むのにとても良いです。
    こちらも面白かったです。
    選ぶ言葉が素敵…「元気出ない回路」「十一月散歩」「偽ギリシャ」、偽の誕生日というのも面白かったです。
    「元気出ない回路」に迷い込んでしまったとき、わたしも本を読むかなぁと思いました。
    十一月なので十一月散歩にわたしも出掛けたいです。
    読書案内も良かった。川上さんの好きな本の本も持っているので読みます。

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    2018年11月13日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    とても面白かったです。このテンションが丁度良くて好きです。
    小さな短編がいくつも、でもこれまで読んできた川上さんの短編集と地続きの世界が嬉しかったです。修三ちゃんも、多分山口さんと同じ村?のまるいさんも。
    お話は表題作が一番好きでした。これから世界はほろびていくのだろう、でもこんなゆるゆるとした諦念なら良いかなと思います。そして、本当にこんな風になるんだろうな、と感じました。

    「でも、恋をすると、誰でもちょっぴりずつ不幸になるよ。」これは…!と思いました。
    壇蜜さんの解説も嬉しいです。「つっつけ、不幸。つんつん。」

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    2018年10月30日
  • 水声

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    面白かったです。
    あわあわとした、姉と弟の日々。
    パパ、ママ、そして姉である主人公の都と、弟の陵。別々に立っているようで、とても濃密に絡まっていました。
    戦中戦後や昭和の事件、昭和天皇の崩御、そして地下鉄サリン事件や地震も出てきて、姉弟のこれまでの時間の経過が描かれるのが印象的でした。降りたいときに降りることは、できない。でも、降りたくないときに降ろさせられる。生きるって難儀です。
    好きだった、という告白はとても残酷で甘美な気がします。姉弟というものは思ったよりも近いかもしれません。
    不思議と嫌悪感は全くありませんでした。
    あわあわと、ぼやぼやと過ぎて行きました。

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    2018年10月15日
  • 森へ行きましょう

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    女って。。 結局どちらのるつの人生がいいのか。途中、鏡に映った別のるつも登場。パラレルワールドであり、群像劇でもある。
    川上弘美さんにしては一般的な社会を描いている。おもしろかった。

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    2026年02月25日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    ネタバレ

    川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
    ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
    友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
    不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
    みんな呑気でおおらかで。
    愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

    大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
    「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
    別れ際にそう言った彼。
    途方もない年数は叶うわけはな

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    2018年09月09日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    書かれてからそんなに経ってないはずなのに、昔からある物語のような気がしました。
    伊勢物語をモチーフにした短編もありましたが、それのせいだけではないような。
    なめらかで熱くて甘苦しい、情念とか、人間の業をふつふつと感じます。でも描写は淡々としていて、そこがとても好きです。

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    2018年09月05日
  • 七夜物語(下)

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    とても良い世界でした。面白かったです。
    優しい語り口と、童話のようなストーリーの中に、立ち止まって考えてしまうような言葉がすっと入ってきます。
    完璧に見えるものはほんとうは完璧じゃない。
    夜の世界から帰ってきたさよと仄田くんは成長したのだと思います。ふたりのその後はもう重ならないのかな。
    少し寂しさも感じる、けれども良い物語を読みました。

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    2018年08月16日
  • 夜の公園

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    ゴーヤチャンプルーを作った翌日にたまたま手にとって読んでしまった。ゴーヤ炒めをスパムで作るとか通ではないか。
    しまった、ゴーヤ料理するたびこの物語を思い出してしまうよ。

    それぞれの配役、ドラマにするとしたら誰かな。
    春名は黒木メイサ、リリは比嘉愛未?う~ん、どうでしょう。

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    2018年09月07日
  • 夜の公園

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    面白かったです。
    川上弘美さんは、不思議でおかしなうそばなしも好きなのですが、恋愛小説も悲しいおかしみがあって好きです。
    川上弘美さんの恋愛小説は、寄る辺ない、という気持ちになります。
    ちょっと人寂しくなる感じ。
    この小説は、他の作家さんが書かれるともしかしたらすごくドロドロしたものになりそうなのですが、川上弘美さんはどこまでも静かでした。
    終盤の幸夫の、「瞬間なのだ。憎しみも、愛着も、よろこびも、哀しみも。離れてしまえば薄い。薄くなる。」というのはすごくすとんと心に落ちました。
    物語の中で、登場人物たちが「どうしてここにいるんだろう」と思うのが何度も出てくるのですが、わたしもわからないな、と

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    2018年07月08日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    ネタバレ

    恋っていう名前のものじゃなかった。でも、知らんふりは、できないものだった。
    知らんふりできなかった想いは「あたし」の中に確かにずっと残ってる。

    雑誌『クウネル』に連載された22の短編集第2弾。
    今回も様々な「あたし」達の揺れ動く想いに、私の気持ちも揺さぶられっぱなし。
    第1弾から続く修三ちゃんとアン子の親友コンビに加え、初登場の誠子さんと山口さんコンビもとてもいい。
    この二組は長編にしてほしい。

    この他印象的だったのは『海石』。川上さんの不思議ワールド全開の話で初っぱなからやられた。
    どうして「陸のいきもの」は相手を好きになると混じり合わないようにしてしまうのだろう。
    「海のいきもの」のよ

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    2018年07月06日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    ネタバレ

    雑誌『クウネル』に連載された23話の短編集。
    改めて思う。私、このシリーズ好きだな、と。
    どの話も可愛くてほのぼのしていてラストはちょっといい気分になれて、このままずっと読んでいたくなる。

    『オルゴール』の主人公のつぶやき「やっぱり、恋をしたいな」に象徴されるように、様々な恋の話が繰り広げられる。
    中でも『コーヒーメーカー』『山羊のいる草原』の修三ちゃんとアン子の二人のやり取りは大好き。前回読んだ『猫を拾いに』(シリーズ第3弾)で出てきたおかまの修三ちゃんは第1弾から出てたんだね。
    恋人とうまくいかずうじうじ悩むアン子に向かってバッサリ言いきる修三ちゃん、私も叱って!

    『春の絵』の小学4年

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    2018年07月05日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    好き、恋、愛、いろいろあるなかで、楽しくて桃色なことばかりじゃなくて、それこそ心が「ざらざら」することは少なからずあって。
    失恋とか今までの関係が変わっていってしまうやるせなさの中にいるときに、しっとりと読んだら、ざらざらした気持ちが少しは落ち着きそうな、そんな本。

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    2018年06月22日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    面白かったです。「ざらざら」に引き続きとても好きな世界でした。
    恋ってままならないけど、良いものです。
    「結婚てうまくできそうにない」と、修三ちゃん好きだ、は今も変わらず思うことです。
    ケチャップごはん、わたしもやってみよう。
    ふわふわ読みましたが、ずっと浸っていたい世界です。
    とても心地好いです。

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    2018年06月12日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いいなぁ。
    川上さんのこの世界観はクセになりそう。
    ふわふわして優しくて。

    川上さんの夢日記が元になった物語。
    川上さんの紡ぐ「うそばなし」は現実離れしているのにとても自然体で、読んでいてすんなり受け止められるから不思議。
    「解説」の南伸坊さん曰く「奇妙で、トボけていて、ヘンなんだけれども、とてもホントウらしいところが魅力」
    まるで夢の中にいるかのような安らかさ。
    思わず微笑んでしまう位、おおらかに気持ちのいい読書を楽しめた。

    おどおどして転ぶばかりじゃ人生渡っていけない、とわたしは心に期した。「好き好き大好き」と叫ぶなり、わたしは恋人にローキックを浴びせかけた。ーーこのフレーズが好きすぎ

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    2018年06月01日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    はしばみ色ってどんな色だろうって調べたし、やっぱり胸ばっかり見られたら嫌かなぁ、とも考えた。
    高い波はこない。でもずっと、気持ちよく揺蕩っていられる。
    そんな川上さんの本が、好きです。

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    2018年04月15日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    この小さなお話たちの漂わせる空気がとても好きです。
    ふわふわと、しんみりと、恋したり恋を失ったり、それでも生活したり。あんなに愛したのに、今では少しも心を動かされない相手、わたしにも居るなぁと、わたしもしんみりしました。
    まるで、誰かの話を隣で聞いているようです。
    おかまの修三ちゃんがやっぱりとても好きで、わたしもこんな友だちに出会いたいです。
    綺麗な青に卵の、かわいい表紙も好きです。

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    2018年04月04日
  • なんとなくな日々(新潮文庫)

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    とても楽しく読みました。
    「なんとなくな日々」というタイトルがぴったりな、川上弘美さんのなんとなくな日常。素敵なタイトルです。
    なんとなくでも、くすっと笑ってしまう日々です。
    こちらも、ふらっと旅に出たい気分になりました。
    川上弘美さんの世界も心地好くて好きです。心が穏やかになりました。

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    2018年02月23日