川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて読む作家さんかなー?と思ったら、「このあたりの人たち」を既に読んでいて、すごく好みだったことを思い出した。
柴崎友香さんにどこか通じる、柔らかくて暖かくて、ノスタルジックな文体がとても心地よくて好み。
余白のような時間を感じさせてくれる、静かで素敵な短編集。
酷暑のホテルステイのお供として持って行ったら、本当にぴったりだった。
朝のプールサイドや、夜のテラスでゆったりとページをめくる時間が、とても贅沢で穏やかな気持ちにさせてくれる。
大きな感情の起伏はないのに、いつの間にか惹きつけられて、永遠に読んでいられるような優しい時間を過ごさせてくれる作品だった。 -
Posted by ブクログ
これは面白い! と思わず膝を打った。
専業主婦の菜月の、日々の様々なもやもやした思いがつづられる。
それは嫁姑問題を中心に、愛する夫との関係だったり、義妹などの親族のことだったり、昔の職場の同僚だったり。不思議なことに、そのどれもが共感できるような気がするのだ。
ただ、本作は2009年の作品。それ故か、「ツマがオットを立てる」描写が令和の現在の数倍は強いことの理解が必要かも。
そして、偶然参加することになる「これでよろしくて?同好会」も大変面白い。様々な年齢層の女性5人が集まって、特定の議題について自由に意見を述べる謎の会合だ。主に性や人間関係の話題が多く、それをあけすけに話す女性たちの会 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直この作品に意味を求めようとすることはナンセンスかもしれないと思う作品だった。意味より感覚で楽しむべきものなのだろう。しかし、完全にファンタジーに捉えるのもどうなのだろうか、そうしてしまうと少し何かを放棄した気分になってしまう。そんな難しくも美しい世界観の小説だった。ただ一応少しばかりの考察はしなければいけないという、よく分からない使命感から考察するだけしてみた。
「蛇を踏む」での蛇とはなんだったのか。自分的には関係や繋がりを求める欲求の対象なのかと思った。蛇が化ける先は母や祖母、妻であってどれも繋がりの上にあるものであるし、性行為した相手が蛇になる描写からもそう考えられる。蛇の交尾は互いに -
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巻末、ご自身が何十年かけてつくってきた句(一年に一句ずつ)について川上さんが思い出を語るコーナーがよかった。その自選自評コーナーと、あとがきを読み、メインの句集部分はパラパラと。
自分が句を読まないせいもあるのだけど、やはり解説がなければ、句を味わうのは難しい。でも難しいといいつつ、著者の句は「状況描写→季語」(または逆の順番)というシンプルな構成の句が圧倒的に多く、しかも若い作家さんのように気を衒った単語や表現を は選ばないので、これまでに読んだ多くの句集よりは圧倒的に「味わえた」満足感がある。(単純に、好きな作家さんの句集だからーーということかもしれないけど。)
季語に詳しくなりたいな -
Posted by ブクログ
短編集だが、全体を通して、現実と昔話に出てくるような神話の世界が混じったような、独特の世界観で描かれている。
1話目の一緒に散歩に行く「くま」をはじめ、どの作品にもちょっと不思議な登場人物が現れるて、読んでから、あれは神様だったのかしら?と思うような。イメージとしては八百万の神のようなものかもしれない。
個人的には壺から出てくるモテ女子・コスミスミコと家庭のとりこみごとでニンゲンフシンに陥っていた気の毒な少年・えび男くんが印象に残った。
川上弘美さんの作品は、かなり前に『センセイの鞄』を読んで以来。私は『神様』世界観が結構好みだったので、もっと他の作品も読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
まるで光源氏のようなナーちゃんと
まるで紫の上のような莉子
わずか2歳で恋に落ちて貫いた
ありきたりの夫婦になっていく中
ナーちゃんはまるで平安時代の人のように
よそにも恋する人がいるのです
そんな頃莉子は
小学校の頃出会った
不思議な高丘さんに
再び出会い
魔法を教えてもらう
やがて夢の中で
莉子は花魁への道を進むことになる
現在と江戸時代と平安時代とを
莉子と高丘さんは
行ったり来たりして
成長していく
なんともたおやかな素敵な物語
伊勢物語がモチーフとなっている
すべての時代の女性の恋愛事情が
この一冊に込められている
夢のような読書時間でした