川上弘美のレビュー一覧

  • スナックふたり

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    川上さんらしさがゆるゆると心地良く、でもたまにピリッとスパイシーだったりの、人間とユーレイが交差できる不思議なスナックのお話。

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    2026年08月23日
  • 某

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    誰でもないものにしかなれないもの、それはもしかしたら自分なのではないかと思った。冗談とか障害とかではなく性格が100個ある、自分の中の男も女も誰かを愛する気持ちも自分のことしか大事じゃない側面も幼稚さも冷静さも何もかも孕んでいて、変わることしかできなかったり変わることができなくなったりする。そういう自分に少しずつ執着していくのが自分の在り方なんじゃないかなあ。

    わたしは誰かのために生きたいと思ったことがあります。誰かのために生きれたら死んだっていいなって思います。その自分にしがみついているのがずっと続いてる。

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    2026年08月20日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    何が面白いのかよくわからないのだけれど ついつい 何回も読んでしまう。「憎い 二人」「ぼくの死体をよろしくたのむ」「土曜日には映画を見に」この3つが特にお気に入り。何気ない会話に面白みが含まれている。読んだ後はなぜか気持ちがほのぼのとしてしまうのだ。不思議…。

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    2026年08月16日
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ

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    ネタバレ

    人物にしてもエピソードにしても掴みどころがありそうでない、エッセイのようにも感じる作風で、リアルを書いてるだけのようにも感じる。不思議と心地よい本だった。
    登場人物が詩的な面を持っているため、自分の持っていない知識が多くネタに共感できない場面もあったし、序盤のつらつらと過去を語る部分で辛くなったが、気付くと世界観に引き込まれていた。

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    2026年08月15日
  • 三度目の恋

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    私(梨子)は、幼い頃から恋をしていたナーちゃんと婚約をし結婚するのですが、見た目も美しく魅力的なナーちゃんには、次々と女の人が近寄ってくるようです。

    沈み込んでいる梨子はある時、その昔小学校の用務員室にいた高丘さんという男性に再会し、高丘さんに教えてもらった「魔法」で、江戸吉原や平安の時代に行き、果てしない旅をしながらさまざまな愛を知るのです。

    「伊勢物語」をモチーフにした夢物語は、やわらかな筆致で読みやすく、昔々の恋物語を存分に堪能することができます。

    江戸時代の女性たちのしいたげられたつつましい暮らしや、平安の姫さまにつかええる女房としての働きぶりなどが体験できて、今の時代と比べてみ

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    2026年08月13日
  • スナックふたり

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    川上弘美さんが書くゆうれいは、みんないいゆうれいばかり。あっちに行く覚悟をもって、スナックふたりにやってくる。

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    2026年07月30日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    初めて読む作家さんかなー?と思ったら、「このあたりの人たち」を既に読んでいて、すごく好みだったことを思い出した。
    柴崎友香さんにどこか通じる、柔らかくて暖かくて、ノスタルジックな文体がとても心地よくて好み。
    余白のような時間を感じさせてくれる、静かで素敵な短編集。

    酷暑のホテルステイのお供として持って行ったら、本当にぴったりだった。
    朝のプールサイドや、夜のテラスでゆったりとページをめくる時間が、とても贅沢で穏やかな気持ちにさせてくれる。
    大きな感情の起伏はないのに、いつの間にか惹きつけられて、永遠に読んでいられるような優しい時間を過ごさせてくれる作品だった。

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    2026年07月26日
  • 神様

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    この本に出てくる人魚のように、川上弘美さんの作品には人を惹きつけて離さない魅力がある。

    その証拠に、川上さんの本をすぐにでも読んで、その世界にまた浸りたくなっている自分がいる。

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    2026年07月24日
  • これでよろしくて?

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    これは面白い! と思わず膝を打った。

    専業主婦の菜月の、日々の様々なもやもやした思いがつづられる。
    それは嫁姑問題を中心に、愛する夫との関係だったり、義妹などの親族のことだったり、昔の職場の同僚だったり。不思議なことに、そのどれもが共感できるような気がするのだ。
    ただ、本作は2009年の作品。それ故か、「ツマがオットを立てる」描写が令和の現在の数倍は強いことの理解が必要かも。

    そして、偶然参加することになる「これでよろしくて?同好会」も大変面白い。様々な年齢層の女性5人が集まって、特定の議題について自由に意見を述べる謎の会合だ。主に性や人間関係の話題が多く、それをあけすけに話す女性たちの会

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    2026年07月17日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    ずっと薄ら幸せそうで、薄ら哀しいそんな作品だった。「公式の関係」でない人達の常に不確かで、でも確かな日常の一部が並べられていた。不確かなものの中にある確かなものを信じるってとても大きな「愛」だと思った。川上弘美さんの作品を沢山読んで更にこの本の理解度をあげたい。川上節良かった

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    2026年07月12日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    僕の大好きな貴志祐介の『新世界より』を思い出した。ディストピア的な世界観、ノスタルジーのある雰囲気、超能力、性的な要素、様々な生物の要素が散りばめられている作風など共通点が非常に多いと感じた。
    この小説は登場人物の姿形があまり描写されない上に名前も数字だったりと覚えにくかったり、物語が進むにつれ前の章の謎が明かされる構成なので一度読んだだけで全てを理解するのは難しかった。
    なので読み終わってすぐに作品のメッセージ性を読み解くのは難しかったが世界観や文章などに浸れただけでも満足する読後感を得られた。
    絶対にもう一度読み返したい作品。

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    2026年07月12日
  • 東京日記 6 さよなら、ながいくん。

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    結構外国に行っている!英語も習い始めたとのこと。著者が少しずつ変わってきているのが読めて面白い。もちろん、感性はそのまま。

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    2026年06月25日
  • 神様

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    居心地のよい空間。
    みたいな文章で、大好きだし、気持ちよく読めるのに、読んだ端から内容忘れていくような感覚になる。
    なので、いつも新鮮な気持ちで手に取れる本。

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    2026年06月15日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    川上弘美氏の国際ブッカー賞最終候補作品。
    冒頭の『形見』だけでは幻想的な短編作品のよう。しかし、一見無関係のような物語を読み進むにつれてパーツが組み合わさり壮大な世界の全容が見えてくる。この物語はSFであり神話であり、人類の滅亡と抗いと新生、愛と愚かさ、人間を網羅した現代的な寓話である。
    このような物語を構想し設計し書き上げる川上弘美氏の才能恐るべし。

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    2026年06月15日
  • 某

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    ネタバレ

    変わること、成長すること、これらの概念は異なると受け取った。
    変わるとは、過去と現在あるいは現在と未来で大きく変わり、不連続であること
    成長とは、その変化が1日単位では分からないほど緩やかで、地続きであること

    そして、生きることへの定義。
    日々刻々と変わってゆくこと。
    他の誰でもない自分として、いずれ死ぬことを自身で肯定すること。

    それを“誰でもない者”というたった一つの視点から客観的に物語ることが斬新。
    川上弘美にしか出来ない表現だと思った。

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    2026年06月01日
  • 蛇を踏む

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    ネタバレ

    正直この作品に意味を求めようとすることはナンセンスかもしれないと思う作品だった。意味より感覚で楽しむべきものなのだろう。しかし、完全にファンタジーに捉えるのもどうなのだろうか、そうしてしまうと少し何かを放棄した気分になってしまう。そんな難しくも美しい世界観の小説だった。ただ一応少しばかりの考察はしなければいけないという、よく分からない使命感から考察するだけしてみた。
    「蛇を踏む」での蛇とはなんだったのか。自分的には関係や繋がりを求める欲求の対象なのかと思った。蛇が化ける先は母や祖母、妻であってどれも繋がりの上にあるものであるし、性行為した相手が蛇になる描写からもそう考えられる。蛇の交尾は互いに

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    2026年05月29日
  • 王将の前で待つてて

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    巻末、ご自身が何十年かけてつくってきた句(一年に一句ずつ)について川上さんが思い出を語るコーナーがよかった。その自選自評コーナーと、あとがきを読み、メインの句集部分はパラパラと。

    自分が句を読まないせいもあるのだけど、やはり解説がなければ、句を味わうのは難しい。でも難しいといいつつ、著者の句は「状況描写→季語」(または逆の順番)というシンプルな構成の句が圧倒的に多く、しかも若い作家さんのように気を衒った単語や表現を は選ばないので、これまでに読んだ多くの句集よりは圧倒的に「味わえた」満足感がある。(単純に、好きな作家さんの句集だからーーということかもしれないけど。)

    季語に詳しくなりたいな

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    2026年05月19日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    なくしたものは:なくしたきれいな気持ちみたいな匂い
    お金は大切:十二万円のナポリタン、一晩中ワルツを踊る
    ルル秋桜:缶に集めたきれいな死体
    無人島から:「うん、それもある。でも、自分の子じゃなくてもみはるのことは、きっと好き」

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    2026年05月06日
  • 神様

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    寝る前に読んだからかぷかぷかした気持ちになりました。ちょうどありそうでないような、それぞれの物語の夢と現実の狭間の塩梅がとても良かったです。

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    2026年04月22日
  • 某

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    生きるとは何か、人間とは何か、というような哲学的な問いを投げかけてくる。
    しかし、物語は淡々と日常的に進められて、主人公が変身していき、不思議な時間軸の中を見せる。
    人間についてなのか、はたまた地球における生命体という大枠についてなのか。
    大胆な設定で、先が読めないが、静かにこの近未来?の世界に引き込まれていく。
    自分が何者なのか、自分の中に違う自分がいるような気がしたことがある人は少なくないだろう。
    そんな感覚が普通であることを疑似体験できる。

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    2026年04月17日