川上弘美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ川上弘美さんの第二句集。
俳句を始めて30年になるという。
今回はその、30年間の「自選一年一句」という章があり、私が好きだと思っていた句が載っていたのが嬉しかった。
この本のタイトル「王将の前で待ってて」であるが、収録されている俳句の一部である。全部は、
「王将の前で待っててななかまど」
「王将」は将棋のことではなく、餃子の有名な中華料理のチェーン店のことだろうなと思う。
(多分)異性に「王将の前で待ってて」と、待ち合わせ場所を指定しているのだろう。
しかし、最後の「ななかまど」を読んだ瞬間、・・・分からん。
色々考えてみた。
「ななかまど」を検索すると、燃えにくい木で、七度、かまどに -
Posted by ブクログ
『示準化石とは、ある地質時代に特有の化石のことで、たいがい、すでに滅びている生物の化石であるとされる。人類は今のままではやがて滅びてしまう、という嘆きではまったくなく、なぜならどんな生物種も、いつかは滅びるものだからであり、それは悲劇でもなんでもない。むしろ、化石として残ることのできる幸運、種としてわずかな時(地球時間でいえば人類の繁栄している時間はごくごく短い)でも存在できたことの幸運をこそ、言祝[ことほ]がなければと思う』―『自選一年一句』
俳句のようなものを詠んでいると、写生を越えた何かをつい詠み込みたくなる。そしてそれがすっと言葉にできた時の達成感。どこまでも自己満足な達成感だし、他 -
-