川上弘美のレビュー一覧
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ネタバレ前作の七夜物語は、新聞連載で欠かさず読んだ。
さよと仄田くんはくっつかないのか‥しかも夜の冒険を覚えていないのか‥。と、ちょっと切ない気持ちで読み終えたのを覚えている。
さて続編、仄田くんの娘りらと、さよの息子絵が主人公。前半は、小学生2人の学校生活や家庭での話をメインに、子どもの内面をこれでもかと掘り下げてくる。自分が子どもの頃何をどんなふうに考えていたとか、ほとんどが忘却の彼方なんだけど、作者の川上さんは覚えているのかな、っていうぐらい、とてもリアルに思えた。
絵は学校生活をわりと謳歌してるけど、仄田くんに似てちょっと変わり種のりらは、イジメに遭っている。2人は仲良しなのに、りらの境遇を -
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子どもを産んでから、「私が可愛がってもらった曽祖母や祖母と、この子が会うことはないんだな」とふと思い、じゃあ私(や私と同世代のいとこたち)が死んだ時点で、曽祖母や祖母を知ってる人っていなくなるんだ!!とはたと気づくことがあった。
曽祖母から見れば私の子どもはたった4世代しか離れてなくて、なのにほんの数年前まで生きていた曽祖母を、私の娘は全く知らないし、知ることはないのだ!!
私には曽祖母や祖母との思い出がこんなにあるにも関わらず、私が死んだらもう誰も彼女たちのことを知る人は誰もいなくなるのだ。
人生ってなんてあっけないんだろう、歴史に名を残さない大多数の人々は、こうやってあっけなく忘れられるの -
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『「うん、そうだよね。でも、わかりやすくちゃ、だめなの?」ぼくは大ねずみに聞いてみた。最初は、大ねずみのことがこわかったけれど、今はもう、どっちでもよかった。いろんなことがあって、つかれてるからかもしれない。「だめとかいいとか決めるってことが、そもそもわかりやすいことじゃないのかい?」かあさんが、大ねずみのその言葉を聞いて、わらった』―『二人の夜』
ああ、なるほど。これは続編だったのか、と届いた本の表紙を見て理解する。本棚には横長の新聞の切り抜きの束がある。もちろん、単行本もあるが初の新聞連載ということで一日一日読み継ぐ愉しさを味わった名残だ。本当は、連載された後に単行本となったものを読む方 -
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現代語訳の伊勢物語。俵万智さんの「恋する伊勢物語」いわゆる解説本を読んだら、やはり伊勢物語を読みたくなり読み始めた。
解説本を先に読んでいたおかげで、内容はすんなりはいる。
現代語訳なので「昔、男ありけり」が「男がいた」なのは少し味気なく感じるけど、通して読みやすい。
やはり業平はイケメンである。
数行でも言葉少なくても濃密な内容に感じるのは、日本語の言葉の持つ奥深さだろうか。
和歌とはこうも心に残るものかと改めて思う。
平安末期に書かれたものに、書き写すごとに人々が加筆しながら残されたもの。
何が史実で何が虚構か?はっきさせることなく読み手が思いを馳せながら読むのが伊勢物語の魅力なのだろ -
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ネタバレ短文だけど、とっておきの一文が来る感じ。小説と詩の間みたいな文章だった。展開もロマンチックで、一話は短いものの、満足度が凄い。後味が残るから、すぐ次に行かずに、暫く余韻を感じていたいと思えた。
お気に入りの話は二百十日、土曜日には映画を見に。
p200
弱いってことは、とても強いことなんだな。
p216
好物じゃないネタの回転寿司のお皿が流れ去る、みたいな感じだな
p238
あのころ、わたしは小西さんと知りあったばかりで、小西さんとセックスしたり共に生活したりするさまを、ほんのぽっちりも想像できなかった。小西さんはでぶで汗かきでオタクで全然魅力的ではなかった。
でもわたしは、小西さん -
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一つ一つの章の、作者の様々な場所に関わる記憶を、人生の縁とも捉えられるエッセイ。はじめて場所のことを書かれたとのこと(2005年)。
場所が全て違うからか、新鮮で、状況をイメージ出来て面白かった。まるで、目の前で語られているように感じてしまった。
大変おこがましいが、自分もそうだと思った章、どきっとしたり、意外だった章、息子さんとのやり取りではほっこりしたり。新婚旅行のお話が印象に残っています。10円を一枚一枚投入した、電話ボックスとか。記憶の隅にあるその場所は今でも覚えている。
自分の居場所について、改めて考えた。
大切な時が、大切だったと知るのは、いつだってその時が、遠く過ぎ去ってから。ほ -