川上弘美のレビュー一覧

  • センセイの鞄

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    めっちゃ良かったです。良すぎて、下手な感想が書きにくい…。
    よく思うのが、恋愛が成就する、というのは、どういうことなのか、ということ。30も歳の離れたセンセイと、30代後半のツキコの場合、恋愛が成就するってどういう状態なのかな?って考えてしまったんですが、やっぱり、いくつになっても恋愛はいいものだし、自分の年齢も相手の年齢もそんなこと、どうでも良いことなのでしょう。

    と、月並みなことしか、書けないですが、とても良かったです。

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    2023年04月09日
  • 某

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    ネタバレ

    無機質な存在「某」がいろいろな人間の形に変化して、人間に近づいて行くのが面白かった。
    デッサンの時に強い感性を発揮するところからはじまり、悲しみに共感するようになったりして、なんともほろりとさせられます。
    川上弘美さんの文体がとても好きです。

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    2023年03月30日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    詩のようなちょっと余白のある川上弘美さんの文章が相当好きです。
    しかも不思議なお話が多いところも個人的にとても好みです。
    何度読んでもまた新たな感想が生まれそう。

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    2023年03月30日
  • これでよろしくて?

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    川上弘美の小説は、いきなり「?」な始まり方をする。元彼の母親?これでよろしくて?同好会?どこから出されてるの?その議題…どうにもこうにも食えない女達が次々登場。ドラマにしてくれないかなぁ〜と思った作品。

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    2023年03月30日
  • 神様 2011

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    川上弘美さんらしい柔らかで優しい文体の中に、まじらわず冷たく光る"あの事"の描写。みんな口々に放射線の話をしている。神様自体が可愛らしくて大好きな短編だが、こんな形でリメイクするとは思いもしなかった。
    変わってしまったんだなあ。もう戻もどらないのか、それとも人の力で元にもどせるのか。

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    2023年03月18日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    雑誌「クウネル」に連載していた短編集。
    柔らかくて不可思議で美味しそうな相変わらずの川上ワールドを堪能しましたとさ。
    お腹すいたー。

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    2023年03月11日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これはタイトルが猛烈に好きで中身も知らずに買った本。東京のどこかの町の、商店街を中心とした11の連作短編集だった。読む前から絶対に好きだと分かっていたけれど、最後まで読んでみてやはり大好きだった。
    ただ続いていく日常と積み重なっていく過去。この町で働く人、買い物に訪れる人、住居としている人。主人公が代わっていっても一様に温度の低さが心地よく、誰も無理をしていないように見える。
    この町の人々は、自分の心と孤独に向き合い、隣人に心をさらけ出したり隠してみたり、付かず離れず生きている。どこにでもいそうだけれどここにしかない、はかない繋がりがあって、それがどうしようもなく心を惹きつける。
    特に忘れられないのは「長い夜の紅茶」。姑の弥生さんの一言一言にドキッとさせられる。男にも家にも、どこにも縛られていない彼女の自由な瞳を見てみたい。どんな眼をしているんだろうとふと思うのだ。きっと眼がすべてを語っているんじゃないだろうか。
    女の友情を超えた関係性が生まれる「貝殻のある飾り窓」も切なくて好きだった。
    共感できることはほとんど無いのに、この本に出てくる人たちのことを、誰一人嫌いになれない。どれもこれも、分かりそうで分からない。人間の魅力ってそこにあるのかもしれないと思えてくる。

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    2023年01月10日
  • わたしの好きな季語

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     季語に纏わる話と、その季語を使用した一首を二ページでひとまとめにし、さらに春夏秋冬と新年に分別して見やすい。
     それにしてもなんとも自分が普段から使用している言葉に対しても、その自然風景や背景などが隠されていることに無頓着になっている今日この頃を思い知らされるとともに、著者はその繊細な、また、なかなか見落としがちな物事も見事に捉えて、しっかりと向き合い、言葉にしていることが、この一冊だけでよくわかる。
     またてんとう虫(春でなく夏)、西瓜(夏でなく、秋)など、現代との季節感の齟齬を感じざるを得ない言葉や、「日永」「薄暑」などなど普段使わないも、その響きと字面から魅了されるものもある。
    日本人がいかに自然と向き合い、共に生きてきたかもこれらの季語からよくよく身に染みる。

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    2022年11月13日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    近所ですれ違う、名前も話したこともない人たちの人生や考え方の想像が膨らむ。「あけみ」に最も感情移入した。

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    2022年10月23日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    購入済み

    豪華なアンソロジー

    まずは参加している作家陣の豪華さです。そして、ユーミンの楽曲のとのコラボということで、面白くないわけがありません。個人的には綿矢りささんの「青春のリグレット」が好きでした。読んだ後で、楽曲を聞きなおしたくなるような一冊でした。

    #泣ける #切ない

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    2022年08月14日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    少しだけ「普通」とは離れた感がある女性たちのお話。短編集なのだが、ひとつひとつの話にきっちり入り込めるし、時間も場所も忘れられる。どれもこれも、その辺のよくある話なのに(多分)川上さんの世界が存分に醸し出されていて、読み終わるのが寂しくなるくらいだった。失恋したりくっついたり立ち上がったり諦めたり。どの話の女性とも話をしてみたくなる。シワシワの黒豆が食べたくなる。ひとつだけ驚いたことが、私の旧姓は珍しい苗字なのだけど、その苗字が出てきて、その女性の話にやたら共感していたこと。私の大好きな川上さんの小説に自分の旧姓を見つけられるなんて、自分の中で勝手に宝物にした。

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    2022年04月17日
  • これでよろしくて?

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    誰もがきっと、このようなガールズトーク、話したい議題を持ち寄ってあーだこーだと言いたいだけの、そんな場が必要だと思った。生き生きした会話のやり取りは聞いている(読んでいる)だけで楽しい。

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    2022年02月28日
  • 水声

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    幽霊の小説だと思った。
    幽霊の小説、というのはオバケが出てきてどうこう
    ということで済む話ではない。
    "幽霊"とはどういうことか?
    "幽霊が出現する"という現象とは何か?についての小説。
    物語のうねりを直列的に眺めるかたちではなく、
    その部屋およびその部屋にまつわるある時間に巣食う"幽霊"についてを、あらゆる角度とあらゆる時間から暴いていく。

    1ページ目から最後のページまでずっと歪な不気味さがある。
    この小説を思い出すことが怖い。
    この小説を怖がる時、読者のそばに幽霊がもう立っている。

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    2022年01月25日
  • 神様 2011

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    熊に誘われて散歩に出るわたし。デビュー作『神様』に「あのこと」が起こった2011年に、書き直した『神様2011』。
    「あのこと」により、私たちに生活、日常は大きく変わった。それでも生きていかなくてはならない。日常は続いていく。川上さんは、静に激しく怒っている。自分自身に向かって。『神様』には、熊の神様が『神様2011』には、ウランの神様が描かれている。そして、現在も大きな出来事により日常が変わっている。『神様2021』を読んでみたい。50ページ弱の短い作品ですが、何度も何度も読み返しました。

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    2022年01月24日
  • センセイの鞄

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    ツキコの方に年の近い私。
    読めば読むほどツキコとセンセイの日々をずっと読み続けていたくなる。
    自分がお酒を飲まないので、飲み屋でつまみをつつきながら、とっくりをかたむけてみたい、と思った。
    センセイははじめからずっと、ツキコの傍にいるようだ。

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    2022年01月08日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    夢心地のふわふわした中、
    少しだけ鼻がつんとしたり
    微かに寂しくなったり。
    なんか好きで、川上さんワールドを
    たゆたいたくなる。

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    2022年01月04日
  • 溺レる

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    退廃的な生活。ダメな女。道を間違った男。変な人たち。こどものようなおとな。意味のない日々。
    自分はなにをがんばっているんだろう?自分もこうなりたい、ほんとうは。ひとには言えないけど。

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    2021年11月12日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    ネタバレ

    一編、10ページ程の短編集。
    地球に住まう誰かのお話です。

    「夏の奈良、という言葉にちょっと嬉しくなって
     あたしも旅支度を始めた。」
    「エアコンの強くきいた店内に入ると、汗が急に引
     いた。汗は引いたが、反対に外の暑さがどっとま
     とめてやってくる感じだ。」
              ※『ラジオの夏(p9〜p17)』

    あれ。私も恋人も一緒に夏の奈良に行って「鹿くせぇ」と言ったことある気がするぞ。


    「黒田課長の性器を思い出そうとしたが、どうして
     もうまくゆかなかった。忘れたのではなく、望遠
     鏡を逆さから覗くような感じで、黒田課長のこと
     がものすごく遠く非現実的にしか思えないの
     だ。」
           ※『びんちょうまぐろ(p18〜p25)

    黒田課長の性器は思い出せないけど、なんか愛しいような感じのものじゃなかったろうか。


    「深刻ぶるのってヘボいよ、アン子。」
            ※『山羊のいる草原(p77〜p85)

    へぇ。すみません。


    いつの間にか私のお話になっています。
    日常の場面でも、非日常の場面でも、そこに登場する人の感情の流れや起伏に無理がなく、身に覚えがあるからかもしれません。

    嬉しいことに、今紹介した文章は全て本の前半に載っているものです。
    ガッタンゴットン、まだまだ私の話は続いていきます

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    2021年11月06日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    ネタバレ

    川上弘美さんの文章を前にすると、私は為す術がなくなります。
    人物の感情を推し量るとか、場面を分析してみるとか、いわゆる「読解」をしてみても良いのに、存外その「読解」が嫌いではない質なのに、ダメなのです。

    空気に呑まれるというのが、適切な表現かもしれない。
    本を閉じて、自分の世界に戻っていくのが、いつももったいなく感じるので、私は現実に満足していないんだなと思い知らされたりもします。

    川上さんの紡ぐ言葉は、除夜の鐘のようにボワワワーンと体の芯に響きます。
    評価とか感想とか書けないので、今回の読書で一番響いた一節を紹介します。

    「若いって、いいな。ヤマグチさんの話を聞いていると、いつも私は思う。若いこと、それ自体がいいというわけでもないのだけれど。ただ、この世界に、まだ知らないことがたくさんある、そしてまだ知らぬその事々をいつか制覇してやるつもりがある、という心弾みが、うらやましいのだ。」

    そうだよな。そうなんだよ。

    ずっと生きて、ずっと物語を書いて欲しいな、川上さん。

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    2021年11月03日
  • 七夜物語(下)

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    久しぶりに児童書を読みました 
    2人の子どもが物語に入り込んでいく話。川上弘美さんのドキッとする文章であっという間の冒険を私もしたような楽しいひとときでした
    懐かしく それでいて大切なことを考えさせられる良作でした。 挿画の酒井駒子さんの儚げな絵も素敵でした

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    2021年10月14日