川上弘美のレビュー一覧

  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    圧倒的な空想と人類観
    淡々とした(神話的とも評される)書き口で遠き日の人類を描く どちらかと言うとマクロな情景の描き方、読点の使い方(間のとり方)、情報の開示の仕方が魅力的
    世界観 世界観 世界観

    「ねえ、人は、どこから来たの」p.20

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    2025年09月07日
  • 神様

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    ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞を受賞した短篇集。デビュー作の「神様」と続篇の「草上の昼食」が特にお気に入りです。多くを語ることで、本書のもつ神々しさが損なわれかねないので、感想は敢えて一言で。現実と夢の境界のような不思議で美しい作品に出会えて幸せな読書体験でした。

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    2025年08月27日
  • 物語が、始まる

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    茫洋とした、悪夢ではないのだけど、見ている間全くもって気が休まらない夢、そんなお話。
    毎度のことだけど、この人の文章にはただひたすら、打ちのめされる。
    わからない言葉ではないのだけど、わからない。
    わからなくて、こわくて、惹き込まれるだけ。

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    2025年08月26日
  • 神様

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    デビュー作「神様」と合わせて9つの短編小説。200ページ足らずの薄い本だけど、長いとか短いとか薄いとか厚いとか関係ない世界が広がっています。それが何かは分からないけど何かを言い当ているような、そんな切実さがあるような気がしました。

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    2025年08月09日
  • 神様

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    ネタバレ

    「神様」というインパクトのあるタイトル。
    自分ではなかなか手に取らないタイトルと表紙デザインで、この機会がなければ読まずに人生を終えていた気がします。

    表題作である「神様」とその続きである「草上の昼食」。ゆめうつつのような物語に童心に返ったよう。「くまにさそわれて散歩に出る」、まるで幼い頃に読んだ絵本みたい。くまと散歩に出かけて、ご飯を食べてひと眠り。
    面白い!スリルがある!といった強い感情をもたらすのではなく、ひとときの安らぎを感じさせてくれる作品だなと思いました。

    子守唄を歌いたかったくまの顔、見てみたかったです。

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    2025年08月07日
  • 三度目の恋

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       昔の章
    すべての女をとりこにする魅力的な男、ナーちゃんと結婚した主人公、梨子。
    常に他の女性の影が消えない夫との暮らし

    夢の中では別の女として生きます。
    貧農の家から10歳で売られ、江戸吉原の、かむろ
    になります。
    廓での生活が、食べ物、着るもの人間関係などなど、かなり詳しくて興味深い。
    夢の中では、かむろとして、生き、話してはいるものの、気持ちは現代の梨子のままなのです。

       昔昔の章
    現実の世界で梨子は、ナーちゃんの子供を産みます。

    夢の中、今度は源氏物語より少し前の時代へ。
    10歳で、貴族の姫さんに仕える女官である、女房として働きます。
    そして姫さんは婿取りをして…
    平安貴

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    2025年07月31日
  • 真鶴

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    いま私がもっとも関心を寄せている作家・髙村薫さんが、「川上弘美に出会えたことが大きかった」と語っているのをどこかで読み、それがきっかけで、この作品を手に取りました。この『真鶴』という小説は、独特のリズムをもつ文章で、人の心の深いところへ、静かに、まるでさまようように潜っていきます。そうして、人が生きていくということの核心に、なんとかして触れようとする。その結果、人が生きていくうえで、ある種の支えになるような言葉の連なりが生まれ、他にはない種類の小説になっているのではないかと感じました。

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    2025年07月21日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    これは何度も美味しい小説ですね。
    一読目
    世界観とか想像するのに忙しすぎて脳内パニック。すごい世界観、驚いた、このサイズの本にこんなスケールの話が収まるの?しかもこの柔らかな雰囲気のSFって、何が何だか、、ぶっ飛ばされました。

    もう一回読んで、三読目くらいからようやく文章楽しめるのかな、、、

    いやぁすごかった、こんなみたことも聞いたこともない世界観だけど解像度高く情景が想像できてしまった、なんちゅう文章力。

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    2025年06月30日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    短編集かと思って読み始めたら、とても不思議な世界に遭遇したような感覚で引き込まれて読み進めた。独特のふんわりした中にも鋭い感性が溢れた文章で、最初はきつねにつままれたような感覚で読んだが、
    最後まで読み、解説を読んだら作者の深い人間感というか世界観に感銘を受けた。

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    2025年06月29日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ネタバレ

    魔性の男とその周りの女性たちとの話。
    高校生の頃から死に際までニシノという1人の男について書かれているけれどずっと掴みどころがなくて、掴むものがないようなそれこそ空っぽともとれた。それでも一つ一つの話で女性たちと関係をつくろうとしていくのは素敵なのに似たようなことが無限に起きてる。
    現実にいたらクズ男なのだけれどどこか憎めないのがニシノという男。
    面白いかどうかは分からないけれど、私はニシノのような男が出てくる少女漫画とか好きですし、悲恋も好きなので満足感がありました。

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    2025年06月16日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    この小説を読んで、YouTubeで動画見ました!
    素敵な寝台列車でした!
    私もいつか未来の旦那さんと泊まってみたいなと思いました!

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    2025年06月13日
  • ハヅキさんのこと

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    とっても短い短編を集めた短編集。登場人物がみんなひょうひょうとしていてつかみ所がない。川上弘美の小説はいつもそう感じる。「森」50歳になってから好きだった幼なじみに再開する話が好きだった。それぞれの視点から描かれる浮気を疑う連作の「疑惑」もいい

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    2025年06月11日
  • センセイの鞄

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたくて機会を逃し続けていたので今年の目標に「センセイの鞄」を入れてようやく読めました。
    センセイとツキコさんがカタカナで呼び合うのが印象的でした。ツキコさんが「センセイ」と呼ぶ時、小島孝や石野先生が「松本先生」と呼ぶのとは異なる温度を感じました。息子さんが「父春綱が生前お世話になったそうで」と話した瞬間は、センセイが他の人になってしまったような、ふたりの時間が本当に終わったような気持ちで悲しかったです。ツキコさんの泣く様子が目に浮かびました。
    冒頭、サトルさんのお店で会っていた頃のやりとりも楽しかったですし、中盤のパチンコへ行くあたりからの展開も良かったです。「干潟ー夢」の章は、

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    2025年06月07日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    いろんな、好き、についての物語。

    好き、って何だったっけ。
    恋愛だけでなくて、友達とか、腐れ縁とか、離れがたいもの、執着してしまうもの、気が付いたらそばにあるもの。
    好き、にはたくさんの形があって、それを標本のように集めてみたら、少しは、好き、が分かるだろうか。

    でも、たくさんの好きを抱えていたら、そのうち抱えきれなくなってしまいそうだから、本当に捨てられない、最後に残ったものだけを、好き、と呼んでみようと思う。

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    2025年05月28日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    ジャンルで言えば異世界ファンタジーなのだが471pある本書で「夜」の世界に行くのは300pあたりである、和製ファンタジーって異世界に行くまでめちゃくちゃ長いがちよね。グリクレルにまた会いたくて七夜物語のちょっとした後日談かな?ぐらいの気持ちで読み始めたのだが哀しくも清々しい読後感に包まれる良い小説だった。川上弘美先生のキャラクター達は本当にお別れになるのが寂しくなる。

    あとがきで笑った、ピーツピジジジジ、鈴木博士の研究をみて以来野山でカラ系の声を少しばかり聞き分けられるようになったのだが、私が近づいた途端警戒鳴きをさせることが多々有りちょっと傷つく

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    2025年05月18日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    生と性と死をめぐる、命についての神話。

    命は水(aqua)の中で生まれ、水の中へ返り、水の中を巡って、再び生まれる。
    肉体は土(terra)に埋められ、分解され、心はまだ生者のそばにいるけれど、やがて死を理解して、肉体のある土へ帰って行くだろう。
    それなのに、命はまるで空気(aer)から生まれるように、突然体の中へやって来る。その異物感、自己愛。動物としてのニンゲン。
    動物であるから、男と女が共にいる。その間には、火(ignis)がある。燃える炎、消えかけたりくすぶったり一息に燃えがったり。同じところを巡り巡る。
    そして世界(mundus)が、立ち現れる。何千年も繰り返される、物語。

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    2025年05月17日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    面白かった!
    ニシノユキヒコと関係のあった女性たちの視点で書かれた連作
    恋愛でイカれてる女の人の小説が好きなのだけど、どの人も彼の女ったらしっぷりにやられて良い感じに狂わされていて、とても私好みだった。
    単に"悪い男"の本かなとも思ったけど、ニシノくんもニシノくんでなんか可哀想…と思ってしまうところもあり、ともすればやっぱりそこがいかにも"悪い男"でもあり…
    こんな男に一度はかどわかされてみたいわね〜

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    2025年05月05日
  • 100万分の1回のねこ

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    有名作家による絵本「100万回いきた猫」のトリビュート作品集。
    人それぞれの作品が詰まっていて面白い。
    一冊の絵本からこんなに物語が生まれるんだなぁと感心。

    この本から一人の気になる作家さんとの出会いがありました。
    井上荒野さん。
    他の作品も読んでみたくなりました。
    トリビュート作品って、こういう出会いがあるのも魅力ですね。

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    2025年05月05日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    ちょっぴり生きづらい人たちのお話。生きやすく生きられるならとっくにそうしてるんだけど、今の生きづらい生活もちょっぴり愛おしい。窮屈なのがかえって心地いい。そんな人たちのお話。

    「ずっと雨が降っていたような気がしたけど」「銀座 午後二時 歌舞伎座あたり」「儀式」「二百十日」「土曜日には映画を見に」がとくに好き。サブカルチャーとはこういう作品だと僕は思う。孤独を孤独のままに受け止めてくれるもの。いつも僕はそういうけど多分この本みたいなことなんだと思う。どれもマジックみたいなお話だった。どのへんがマジックか、実はあんまりピンときてないんだけど、「マジック」って言葉が頭のなかに浮かんでる。だからマジ

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    2025年05月03日
  • 七夜物語(下)

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    あっという間に読み終えてしまった「七夜物語」。
    よかったです。
    夜の世界の一緒に冒険することによって距離が近づいたさよと仄田くん。
    最後の戦いで仄田くんがさよのことを思いやる場面が最初の頃と比べて本当に成長したね、仄田くん!という感じでした。
    そんな2人が冒険を終えて、夜の世界のことを忘れてしまったことが寂しいなと思いました。
    続編の「明日晴れますように」も楽しみです。

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    2025年04月26日