川上弘美のレビュー一覧

  • 真鶴

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    いま私がもっとも関心を寄せている作家・髙村薫さんが、「川上弘美に出会えたことが大きかった」と語っているのをどこかで読み、それがきっかけで、この作品を手に取りました。この『真鶴』という小説は、独特のリズムをもつ文章で、人の心の深いところへ、静かに、まるでさまようように潜っていきます。そうして、人が生きていくということの核心に、なんとかして触れようとする。その結果、人が生きていくうえで、ある種の支えになるような言葉の連なりが生まれ、他にはない種類の小説になっているのではないかと感じました。

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    2025年07月21日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    これは何度も美味しい小説ですね。
    一読目
    世界観とか想像するのに忙しすぎて脳内パニック。すごい世界観、驚いた、このサイズの本にこんなスケールの話が収まるの?しかもこの柔らかな雰囲気のSFって、何が何だか、、ぶっ飛ばされました。

    もう一回読んで、三読目くらいからようやく文章楽しめるのかな、、、

    いやぁすごかった、こんなみたことも聞いたこともない世界観だけど解像度高く情景が想像できてしまった、なんちゅう文章力。

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    2025年06月30日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    短編集かと思って読み始めたら、とても不思議な世界に遭遇したような感覚で引き込まれて読み進めた。独特のふんわりした中にも鋭い感性が溢れた文章で、最初はきつねにつままれたような感覚で読んだが、
    最後まで読み、解説を読んだら作者の深い人間感というか世界観に感銘を受けた。

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    2025年06月29日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    ネタバレ

    魔性の男とその周りの女性たちとの話。
    高校生の頃から死に際までニシノという1人の男について書かれているけれどずっと掴みどころがなくて、掴むものがないようなそれこそ空っぽともとれた。それでも一つ一つの話で女性たちと関係をつくろうとしていくのは素敵なのに似たようなことが無限に起きてる。
    現実にいたらクズ男なのだけれどどこか憎めないのがニシノという男。
    面白いかどうかは分からないけれど、私はニシノのような男が出てくる少女漫画とか好きですし、悲恋も好きなので満足感がありました。

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    2025年06月16日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    この小説を読んで、YouTubeで動画見ました!
    素敵な寝台列車でした!
    私もいつか未来の旦那さんと泊まってみたいなと思いました!

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    2025年06月13日
  • ハヅキさんのこと

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    とっても短い短編を集めた短編集。登場人物がみんなひょうひょうとしていてつかみ所がない。川上弘美の小説はいつもそう感じる。「森」50歳になってから好きだった幼なじみに再開する話が好きだった。それぞれの視点から描かれる浮気を疑う連作の「疑惑」もいい

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    2025年06月11日
  • センセイの鞄

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたくて機会を逃し続けていたので今年の目標に「センセイの鞄」を入れてようやく読めました。
    センセイとツキコさんがカタカナで呼び合うのが印象的でした。ツキコさんが「センセイ」と呼ぶ時、小島孝や石野先生が「松本先生」と呼ぶのとは異なる温度を感じました。息子さんが「父春綱が生前お世話になったそうで」と話した瞬間は、センセイが他の人になってしまったような、ふたりの時間が本当に終わったような気持ちで悲しかったです。ツキコさんの泣く様子が目に浮かびました。
    冒頭、サトルさんのお店で会っていた頃のやりとりも楽しかったですし、中盤のパチンコへ行くあたりからの展開も良かったです。「干潟ー夢」の章は、

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    2025年06月07日
  • 大きな鳥にさらわれないよう

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    小さなエピソードがモザイクみたいに重なって、最後には一枚の大きな絵が浮かび上がってくるような構成がすごくよかった。

    物語が円を描くようなつくりになってて、読み終わったあとにもう一回最初から読みたい、と自然に思えた。

    自然に生まれたわけじゃない人間や、クローン、母という存在に管理される世界。現代の延長線にありそうなテーマを通して、自分たちの価値観や常識がどれだけ不安定なものなのかを突きつけられる感じがした。

    そもそも「人間を人間たらしめる条件」ってなんなんだ、と立ち止まって考えさせられる作品だった。


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    2025年06月03日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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    いろんな、好き、についての物語。

    好き、って何だったっけ。
    恋愛だけでなくて、友達とか、腐れ縁とか、離れがたいもの、執着してしまうもの、気が付いたらそばにあるもの。
    好き、にはたくさんの形があって、それを標本のように集めてみたら、少しは、好き、が分かるだろうか。

    でも、たくさんの好きを抱えていたら、そのうち抱えきれなくなってしまいそうだから、本当に捨てられない、最後に残ったものだけを、好き、と呼んでみようと思う。

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    2025年05月28日
  • 明日、晴れますように 続七夜物語

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    ジャンルで言えば異世界ファンタジーなのだが471pある本書で「夜」の世界に行くのは300pあたりである、和製ファンタジーって異世界に行くまでめちゃくちゃ長いがちよね。グリクレルにまた会いたくて七夜物語のちょっとした後日談かな?ぐらいの気持ちで読み始めたのだが哀しくも清々しい読後感に包まれる良い小説だった。川上弘美先生のキャラクター達は本当にお別れになるのが寂しくなる。

    あとがきで笑った、ピーツピジジジジ、鈴木博士の研究をみて以来野山でカラ系の声を少しばかり聞き分けられるようになったのだが、私が近づいた途端警戒鳴きをさせることが多々有りちょっと傷つく

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    2025年05月18日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

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    生と性と死をめぐる、命についての神話。

    命は水(aqua)の中で生まれ、水の中へ返り、水の中を巡って、再び生まれる。
    肉体は土(terra)に埋められ、分解され、心はまだ生者のそばにいるけれど、やがて死を理解して、肉体のある土へ帰って行くだろう。
    それなのに、命はまるで空気(aer)から生まれるように、突然体の中へやって来る。その異物感、自己愛。動物としてのニンゲン。
    動物であるから、男と女が共にいる。その間には、火(ignis)がある。燃える炎、消えかけたりくすぶったり一息に燃えがったり。同じところを巡り巡る。
    そして世界(mundus)が、立ち現れる。何千年も繰り返される、物語。

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    2025年05月17日
  • ニシノユキヒコの恋と冒険

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    面白かった!
    ニシノユキヒコと関係のあった女性たちの視点で書かれた連作
    恋愛でイカれてる女の人の小説が好きなのだけど、どの人も彼の女ったらしっぷりにやられて良い感じに狂わされていて、とても私好みだった。
    単に"悪い男"の本かなとも思ったけど、ニシノくんもニシノくんでなんか可哀想…と思ってしまうところもあり、ともすればやっぱりそこがいかにも"悪い男"でもあり…
    こんな男に一度はかどわかされてみたいわね〜

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    2025年05月05日
  • 100万分の1回のねこ

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    有名作家による絵本「100万回いきた猫」のトリビュート作品集。
    人それぞれの作品が詰まっていて面白い。
    一冊の絵本からこんなに物語が生まれるんだなぁと感心。

    この本から一人の気になる作家さんとの出会いがありました。
    井上荒野さん。
    他の作品も読んでみたくなりました。
    トリビュート作品って、こういう出会いがあるのも魅力ですね。

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    2025年05月05日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    ちょっぴり生きづらい人たちのお話。生きやすく生きられるならとっくにそうしてるんだけど、今の生きづらい生活もちょっぴり愛おしい。窮屈なのがかえって心地いい。そんな人たちのお話。

    「ずっと雨が降っていたような気がしたけど」「銀座 午後二時 歌舞伎座あたり」「儀式」「二百十日」「土曜日には映画を見に」がとくに好き。サブカルチャーとはこういう作品だと僕は思う。孤独を孤独のままに受け止めてくれるもの。いつも僕はそういうけど多分この本みたいなことなんだと思う。どれもマジックみたいなお話だった。どのへんがマジックか、実はあんまりピンときてないんだけど、「マジック」って言葉が頭のなかに浮かんでる。だからマジ

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    2025年05月03日
  • 七夜物語(下)

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    あっという間に読み終えてしまった「七夜物語」。
    よかったです。
    夜の世界の一緒に冒険することによって距離が近づいたさよと仄田くん。
    最後の戦いで仄田くんがさよのことを思いやる場面が最初の頃と比べて本当に成長したね、仄田くん!という感じでした。
    そんな2人が冒険を終えて、夜の世界のことを忘れてしまったことが寂しいなと思いました。
    続編の「明日晴れますように」も楽しみです。

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    2025年04月26日
  • 七夜物語(中)

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    少し成長した仄田くん。
    おっ!と思う場面も増えました。
    さよは割と大人っぽいところがあったので安心して読めました。
    夜の世界で若かりし頃の両親に出会ったさよと、自分そっくりの「情けない子」に向き合った仄田くん。
    読みながらこれは元の世界で2人が向き合わなければいけないことと関係しているのかなぁと思いました。
    さよが久しぶりに父親に会う場面は好きでした。
    ウバが2人に問いかけたことは私たちにも問われているような気がしました。

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    2025年04月26日
  • 七夜物語(上)

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    グリクレルが怖くて悪いネズミかと思っていたらそうではなくて一安心。
    仄田くんはもっと冷静で思慮深い子だと勝手に思っていたのでちょっとがっかり。
    さよが小学四年生にしては大人。
    主人公は小学生だけど、大人向けのファンタジーな気がします。
    最終巻を迎えるまでにさよと仄田くんがどれだけ成長するか楽しみです。

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    2025年04月20日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    JR九州の豪華寝台列車ななつ星の旅のアンソロジー。
    読んでいてどんな列車なのかと調べてみたら本当に豪華で本当にめっちゃ素敵

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    2025年04月17日
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)

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    川上弘美の作品は、高校の現国の授業以来、「神様」以来だ。神様も、不思議ですべてを語らない感じが好きだったのだが、この作品も多くを語らない不思議な世界観が好きだ。短編集ということもありすんなりと読めてしまった。特に天罰を下す人間(?)の話と3人の女性が旅館で2人の男性に出会う話が良いと思った。また彼女の作品を読みたいと思えた。

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    2025年04月04日
  • 神様

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    本作は九つの短編集で構成されており、著者のデビュー作である。『神様』のように実在の動物もいれば、『河童』のように実在しないものをモチーフにしたもの、さらに、『夏休み』に登場する、具体的にどんなものかわからない、読者の想像にまかせるなど、多種多様なファンタジー小説である。

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    2025年03月31日