川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあぁもう大好きだ!
現実とファンタジーが入り交じった不思議な世界の日常を綴った物語。
この世界にもお金という概念はあるし、家族や親族もいるし会社勤めの友達もいる。人間と他の生物との境界も明確のようだ。
でも自分の子供たちをきちんとたたんで押入れにしまったり、甥の引っ越し先の大家が鳥だったり、自身が冬眠したりする。夫がいても悪びれず片思いしていたり、新しい恋人ができてうかれたりしている。
わたしたちの暮らす現実の常識が、ここでは通用したりしなかったり…という、ユーモアとリアリティの狭間の世界。
そんなアンバランスな日常が至って普通の来事として淡々と綴られていて、読むのが本当に楽しかった!
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Posted by ブクログ
読み終わった!
読み終わって今、、、なんだか色々考えるのが心地よくもあり、少し落ち着かなくて、心にさざ波がたってる感じ。
川上弘美さんの本を読むのは『センセイの鞄』『蛇を踏む』に続いて3冊目ですが、やっぱりこの人の文章好きだな、と思います。
現実に起きること、それに引き起こされる主人公の感情、そこから広がる思考の世界。
その境界が曖昧でともすると、いつも夢のなかにいるような不思議な文章なのに、スッと心に落ちてきます。
きっと多くの人が持ってる世界とのズレ、疎外感みたいな感情をすごく上手く喚起させられる気がします。
翠君と周囲の魅力的な登場人物たち。
もう少し読後感を味わったら誰かとあれこ -
Posted by ブクログ
『少しだけぜんそくになる。一昨年、生まれて初めてぜんそくになったときにはびっくりしたけれど、それがぜんそくという名のものだとわかってからは、だいじょうぶだ。』
ひらがなの川上弘美を読む。自分の思う川上弘美にはひらがなの川上弘美とカタカナの川上弘美が二人いて、例えば「蛇を踏む」はカタカナ。というか、川上弘美といえばカタカナの川上弘美が主で、むしろひらがなの川上弘美は少ない。例えば俳句を詠む川上弘美はひらがな。あとは「椰子・椰子」はひらがなかな。
エッセイならひらがなになってもよさそうなものだけれど、それが意外とカタカナ。日経に連載した日記のようなものも実にカタカナ。これは日本経済新聞というメ