川上弘美のレビュー一覧

  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    ネタバレ

    あぁもう大好きだ!
    現実とファンタジーが入り交じった不思議な世界の日常を綴った物語。

    この世界にもお金という概念はあるし、家族や親族もいるし会社勤めの友達もいる。人間と他の生物との境界も明確のようだ。

    でも自分の子供たちをきちんとたたんで押入れにしまったり、甥の引っ越し先の大家が鳥だったり、自身が冬眠したりする。夫がいても悪びれず片思いしていたり、新しい恋人ができてうかれたりしている。

    わたしたちの暮らす現実の常識が、ここでは通用したりしなかったり…という、ユーモアとリアリティの狭間の世界。
    そんなアンバランスな日常が至って普通の来事として淡々と綴られていて、読むのが本当に楽しかった!

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    2012年08月26日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    再読。
    ゆるっと掻い摘んで読むつもりがどうにも止められず、
    結局最後までガッツリと読み込んでしまう事に。
    面白いなぁ、良いなぁ、なんて、いちいち脳内でつぶやきながら。
    刺激され、意識が一瞬本から離れ、ふと思い耽ってはまた戻る…なんて事を繰り返しながら。
    エッセイを繰り返し読むという事はあまりしないのですけれど、
    この本はやっぱり特別でした。

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    2015年04月06日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    読み終わった!
    読み終わって今、、、なんだか色々考えるのが心地よくもあり、少し落ち着かなくて、心にさざ波がたってる感じ。

    川上弘美さんの本を読むのは『センセイの鞄』『蛇を踏む』に続いて3冊目ですが、やっぱりこの人の文章好きだな、と思います。
    現実に起きること、それに引き起こされる主人公の感情、そこから広がる思考の世界。
    その境界が曖昧でともすると、いつも夢のなかにいるような不思議な文章なのに、スッと心に落ちてきます。

    きっと多くの人が持ってる世界とのズレ、疎外感みたいな感情をすごく上手く喚起させられる気がします。

    翠君と周囲の魅力的な登場人物たち。
    もう少し読後感を味わったら誰かとあれこ

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    2012年07月25日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    ・ポジティブで美しいエッセイは好き。
    ・最後が良い。表題作をめくる前のドキドキ感といったらない。
    ・というかまさか、川上弘美が大女とはしらなかった。
    ・紹介されてる本とか、何気なく出てくる本に興味が沸いた。読んでみよう。

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    2012年07月21日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    これ、笑ってしまった。大のお気に入りです。「大発見をする。ごきぶりは、モーツァルトをかけると、出てくる。マーヴィン・ゲイをかけると、ひっこむ。」こんなこと書ける作家、そんじょそこらにいないと断言します。 『とひょう。』はとってもあぶない感じがする。夏目漱石の『夢十夜』とは まったく趣を異にしています。でも、怖いのです。

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    2012年07月01日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    読み終わったあとは寂しい気分になった。ゆっくりと流れる時間に癒された。川上弘美のエッセイは、日常的なことも美しく書いている。だから、私ももう少し頑張って、日常生活の中に潜むそのような出来事を探してみよう、という気になる。身の回りで色々なことが起きすぎて疲れたときに読むと、まだまだ人生捨てたもんじゃないな、と感じる本。紹介されていた本を読んでみようと思う。

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    2012年03月27日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    川上さんが「引き込まれる」感覚を素敵な文章で綴ってます。普段全く関心の無いような本もグイグイ「引き込まれ」てしまうのです。
    あなたをそこまで夢中にさせたのなら逢ってみましょうか‥ღ
    小説を読む魅力を共有したい!と思わせてしまう書評集です。

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    2011年10月22日
  • 此処 彼処

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    ネタバレ

    川上弘美さんの昔を少し知ることが出来る本。
    「カラスの鳴き声が聞こえてくる。寒い。淋しい。蛸よ蛸。祈りに似たもの。でも祈りではないもの。やがて本当の覚醒がやってくる。なめらかに夜が明けはじめる。」

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    2011年09月14日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    ネタバレ

    カワカミさんの、嘘みたいなほんとの日常シリーズ2作目です
    116pの男の子2人の会話にいつも声を出して笑ってしまう
    ことあるごとに読み返してしまう、独特の可笑しみがたくさん含まれている1冊です

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    2011年09月01日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    このシリーズはみんな好きです。
    マンガみたいに、
    なんにも考えずにぱらぱら読めて、
    大事にちょっとずつ読みたいのに、
    ついついイッキ読みしてしまう。

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    2011年08月03日
  • 此処 彼処

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    川上さんの場所に関するエッセイ。
    書く人によってはエッセイって途中で読み飽きちゃったりする場合もあるけど、川上さんのエッセイはどのエピソードも面白く読み飽きない。
    一気に読まないように、大切に読むように、自分に言い聞かせて我慢しながら大事によんだ。油断するとどんどん読み進めて、この楽しさがあっという間に終ってしまうから。
    一話一話が、時にほのぼのと、時にはらはらと、時にどきどきと、どれも心地よいテンポで書き進められている。これからもずっと大事に手元に置いて思いつく度に読み返す予定。

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    2011年06月11日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    川上弘美さんが大好きな本を紹介した本。
    どの本もとても的確に書評されていて、
    きっとこの本を読んだらこういう気持ちになるだろうな
    とか書評を読みながら、まだその本を読んでいないのに
    想像することが出来る。
    実際この本に記載されている本を読んで、
    川上さんの書評の正確さに驚いた。
    読みたい本がまた増えて嬉しい。

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    2011年06月10日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    ちょうど10年前の日記。
    以前読んだのは、5年前。
    心当たりのある場所や人が登場するのだけれど、今回あらためて知った場所や人があって、自分の状況の変化を感じた。
    ほんとかなぁと思いつつ、川上さんのまわりでは起こっていそうと思いつつ。ついくすりと笑ってしまう、すてきな日々だわ。

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    2011年06月09日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    一月一日から始まる日記。へんてこな、春夏秋冬。

    短いエピソードが日記となってつらつら連なる。

    季節の変わり目に長めのエピソードが挟まっている。印象深く主人公の記憶に残ったのだろう。

    不思議な日々を飄々とやりすごす。不思議を普通にとらえてやりすごす。しかし季節はこちらの世界と同じように流れているようだ。

    半分くらい川上さんの夢の話だという。こんなふうな夢が見られるのならば眠るのが楽しそうだと思った。

    うそにっきを毎日記してみようかと色めき立つ。夢はすぐに忘れてしまうから、夢日記はつけたことがない。

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    2011年05月16日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    2011.03.21. 川上さんのエッセイに、まちがいはないです。カエル蒸しの日。もぐらじめりの日。言葉のセンスが絶妙。こんな風に生きたい。51歳!とは!!

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    2011年03月22日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    『少しだけぜんそくになる。一昨年、生まれて初めてぜんそくになったときにはびっくりしたけれど、それがぜんそくという名のものだとわかってからは、だいじょうぶだ。』

    ひらがなの川上弘美を読む。自分の思う川上弘美にはひらがなの川上弘美とカタカナの川上弘美が二人いて、例えば「蛇を踏む」はカタカナ。というか、川上弘美といえばカタカナの川上弘美が主で、むしろひらがなの川上弘美は少ない。例えば俳句を詠む川上弘美はひらがな。あとは「椰子・椰子」はひらがなかな。

    エッセイならひらがなになってもよさそうなものだけれど、それが意外とカタカナ。日経に連載した日記のようなものも実にカタカナ。これは日本経済新聞というメ

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    2011年03月05日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    読んでいる間はほっこりする。
    読み終わってからしばらく、お風呂に入っていたりご飯を食べていたりすると急に東京日記のことを思い出し、少し物悲しくなる。

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    2011年03月01日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    やっぱり好きなんです。ふんふん鼻歌交じりで読みました。わたしは川上さんの脳内きめつけがとても好きです。ああでもないこうでもないというもやもや鬱々ではなく、存分に世界を楽しむことが出来るわくわく回路を持っているからだと思います。わくわく出来るように導き、納得して驚く。そういうのってひとり遊びの延長みたいで楽しくなってくるんです。そしてそれを川上さんは伝染させます。わくわく回路の伝染。こんなにも幸運な読書はなかなか無いのが実情です。

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    2011年03月02日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

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    シュールで大好き。夢ってこういうの見るよね(こういうの見ない人もいるか)。川上さんらしさ満載の人間じゃない話というか。で、きちんとエロさもありあり。でも湿ってない乾燥してるざらざらしてる質感で。
    どちらかというと私は川上さんの最近小説のほうが人間が描かれてる感じがして読みやすくて好きなんだけど、でも、独特のこの感じ、この感じと読み進めちゃいました。
    ジャンとルイは好き。ぺたぺたさんは私は追い出してしまうかもw
    ちなみに母に読む?って渡したらその場で一気によんでしまいました(笑)

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    2011年01月11日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    東京日記1が面白かったのでこちらも。
    相変わらずほんわかと独特のおかしみが全開。
    ずーっと続いてほしいシリーズ。

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    2010年11月04日