川上弘美のレビュー一覧
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安定のチャーミングエッセイ。
川上さんがインフルエンザにかかった二月の日記が面白い。どうしてこの人は淡々と、何事もないかのように面白いことが書けるのだろう。
おでんと煮込みうどんのおつゆ部分をつくる。作り終えたころに熱が高くなって、ばったり倒れこむ。
次の日 お昼、うどんのおつゆ部分に、買っておいたゆでうどんを一玉入れ、煮て、こどもとわけあう。食後すぐにばったり倒れこむ。夜、おでんをこどもとわけあう。すぐにばったり倒れこむ。
次の日 お昼、うどんのおつゆ部分に、買っておいたゆでうどんを一玉入れ、こどもとわけあう。ばったりと倒れこむ。夜、おでんをこどもとわけあう。ばったり倒れこむ。
次の日 -
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今月東京日記の新刊が出るとのことで、川上さんの本はだいたい読んでいるけどエッセイは手にとっていなかったことに気づき早速まとめて読み始めました。
今よりずっと若かった頃に川上弘美さんにはまりましたが、今の方がより川上さんの言葉が身に沁みる、というかすとんと落ちて、くすりくすりと笑える。言葉選びの、一文字の、ひらがな遣いの深みによりはまってます。
椰子椰子とは違い本物の日記。
どの話もくすっと笑えるエピソードだらけで大好きだけど、よそゆきのブラジャーはなお好きだった。病院に行くからよそゆきのブラジャーをするって、可愛いしわかる。川上さんって可愛いおとなだなぁ。
もっと好きになってく。 -
Posted by ブクログ
川上弘美を読みたくなったな。最近谷口ジローをいろいろ読んでいるけれど,オリジナル原作からそうでないものまで。そうしていると描き手の魂が画に宿っているのを感じる。漫画で原作はだれだれで画はだれだれとなると,けっこうわりと2人が同じ重みで扱われるように思う。ところがそれが映画だと,脚本や原作が別の誰かで監督がだれだれ,となっている場合でもやはりその映画の監督はだれだれというところに焦点があたり,均等な重みで認識されているとは思わない。
何が言いたいのかというと,谷口ジロー作品は原作がだれだれ,であったとしても谷口ジローのオリジナル原作作品のような魂を感じ取れる,ということ。キンドルで読んだが,紙 -
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ネタバレ2011年3月11日東日本大震災。
直後、「被災地に対して、自分のできることをする」が流行った。
正しいと思う、でも、選択肢は多くなかったと思う。
被災地で身体を使い救援にあたるか、多めのお金を出すか。
実質的にはこの二つしかなかったと思うんだけど、なぜか芸術系のひとたちの「被災地の人を歌で励ます」的なものが流行って、関東の片隅で、自分は、首を傾げながらも、銭湯に行ったり計画停電に備えたり、自分としてはかなり多めの募金を振り込んだりしていたのだった。
「結果として励ますことになる」なら良いのだけれど。
川上弘美はもちろん違う。
励ましでもなく、説教でもない。
川上弘美の「神様2011」は