川上弘美のレビュー一覧

  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    お仕事小説であり、恋愛小説であり、人間ドラマでもある。面白いバランスの作品だった。

    主人公は、中野商店という古道具屋でアルバイトをしているヒトミ。経営者の中野さんはけっこう適当で、仕事中たびたび出かけて行っては、不倫相手のサキ子と会っている。
    ヒトミは同僚アルバイトのタケオと、付き合っているのかいないのか、微妙な関係が続いている。
    中野さんの姉であるマサヨさんは芸術家で、中野商店の面々と程よい距離感で絡んでいる。
    そして月日が過ぎ…というお話。

    雰囲気は緩いのだけど、実はものすごく深い。
    人と人の関係(とくに恋愛)のままならなさ。若いからこそお互い意地を張ってすれ違って、そこから数年過ぎた

    0
    2016年08月09日
  • これでよろしくて?

    Posted by ブクログ

    2016.6.22

    『夫を好きだから、夫にまだ関心があるから、夫の身内との関係がぎくしゃくする』

    ヤキモチ焼きな私にとって、これほど救われる言葉はこれまでなかった。
    今のパートナーとの関係が、随分ラクになりました。

    日常の、"家族"を軸とした人との関係の間に起こる気持ちを、主人公・菜月の目線で丁寧に言語化されています。
    そして、やや非現実的な"これでよろしくて?同好会"。友達でもない、知り合いでもない人たちだから、友達には言えないようなことも話せたり。自分について話しているわけではないのに、自分にも心当たりがあって。そうやって、人の意見を聞いたり、

    0
    2016年06月22日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    川上弘美さん大好きです
    この本の中では [ほねとたね]が好きでした
    日常の なんでもないようなことが川上弘美さんのフィルターを通すと 読んでいて 面白いです

    0
    2016年04月01日
  • センセイの鞄

    Posted by ブクログ

    2016/3/10

    この本はやっぱりいいね。
    ずいぶんと久しぶりの再読。
    とてもいいね。

    川上弘美はこれ以外はどうも合わないけれど、これだけはやっぱりいいね。

    2020/2/15

    どうしてこの本だけこんなに焼けているんだろう?
    昭和初期の本かと見間違えるわ。

    センセイのの
    立ち居振る舞いや、潔さに惹かれる。
    月子さん側から見たセンセイだけれど、センセイ側のお話が見えてくるのは、自分がもう少し大人になってからかなぁ。

    0
    2016年03月12日
  • これでよろしくて?

    Posted by ブクログ

    久々に川上弘美さんの本を読みました。
    【パスタマシンの幽霊】のレビューで、川上弘美さんの文章は美しい!と書きました。
    この本でもやっぱりそう感じます。
    そして優しい!読んでいて、安心できるというか、心を任せられるというか…
    川上さん、どこへでも連れて行って~!というような気持になるというか~(笑)

    上原菜月は夫と二人で暮らす専業主婦。
    偶然、元カレの母、土井母と再開する。
    土井母が菜月を誘ったのが『これでよろしくて?同好会』
    興味をそそられ菜月が参加してみると、そこに集う面々は老若女女。
    そうの老若男女ではなく、老若女女!!

    同好会では議題があって、書記がいて…
    でも、堅苦しいものではなく

    0
    2016年04月20日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原文を読めるだけの素養がないので、現代訳で読めるのはありがたい。『土左日記』堀江敏幸氏の「貫之による緒言」と「貫之による結言」に紀貫之の土佐日記への想いが甦ってくるようです。それにしても、平安期の人々はよく泣いていたことを改めて知りました。1000年も昔の日本人の感情とはどのようなものであったのかと興味が湧いてきます。私たちが感じないものに感じ、見えないものを見、聴き取れないものを聴いていたのだろうかと想像が膨らみます。ただ、死生観は違っても、男女の仲は変わらなかったようにも想えます。

    0
    2016年02月11日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

    Posted by ブクログ

    森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
    古典文学のエキスパートで

    0
    2016年02月10日
  • 溺レる

    Posted by ブクログ

    ちょっと翳りのある、どこかいびつさのある男女関係を描いた短編集。どの話もどろりとした関係性のはずなのに、湿っぽさは感じられない。どの“わたし”もどこか醒めた目で自分と男のやりとりを見ているように思えた。
    「この人の書く文章が好きなので、読んでみて欲しい」と友人から贈られた一冊。確かに自分では選ばないタイプの本なので、新鮮だった。

    0
    2016年01月21日
  • センセイの鞄 1巻

    Posted by ブクログ

    食べ物にまつわるシーンが美味しそうに書かれているのはやっぱりこの作者ならではかな。独特な擬音語にクセを感じる。
    小説を完全になぞった感じだが、絵にされると初老のセンセイの絵面が正直ちょっときつかった。けれども物語に魅力があるせいか、そんな歳の差を感じないほどやはりきゅんきゅんしてしまった。

    0
    2016年01月17日
  • 七夜物語(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレを極力避け、
    雰囲気と文傾向、シナリオ構成についての感想をば。

    絵本であれば「おしいれのぼうけん」
    児童文学であるならば「ナルニア国物語」を感じさせるストーリー展開。
    また、川上さんの作品がそれまでそうだったように、
    登場人物の性格を示す文章は、
    まるで日記を読んでいるかのように想像しやすく、
    読んでいてとても楽しい。

    長編ではあるのだが、
    章によってそれぞれ物語が紐解かれていくので
    少しずつ読み進める方にやさしい構成になっている。

    これから読書を習慣づけたい方にとっては
    入門編としても非常に優秀。

    0
    2015年12月18日
  • 七夜物語(下)

    Posted by ブクログ

    児童文学、に位置付けられるのだと思うけれど、十分に楽しめた。
    一番良かったのは解説で、上中下三冊を読んでいるうちにふわりふわりと感じていたことと、これまでの読書体験の中で、あるいは自分の物語の読み方として、一部言葉にしていたこととが、より高い位置から見渡した視点で紡がれていた。10ページにも満たないこの解説が付いているだけで、印象が、多分星一つ分くらい増している。
    本編は、特別何かが起こるわけでもなくて、特別難しい課題に迫られているわけでもなくて、どちらかと言えばのんびりと、物語が語られていて、自分の読み方で本編だけを読んでいたら、可もなく不可もなく、という印象で終わっていたと思う。
    すべてを

    0
    2015年12月13日
  • 神様 2011

    Posted by ブクログ

    神様2011

    この本は、著者のデビュー作である「神様」を、福島原発事故を体験してしまった「神様2011」として書き換えた小説です。
    先に当時の「神様」も収録されていて、そのあとに「神様2011」が続く構成です。

    そもそもこの「神様」に出てくるクマは普通のクマだけど、だからこそ、大地の象徴というか、自然の代表というか、神の中でも八百万の神のようなイメージでいました。
    その神とわたしの平凡な日常が、「あの日」を境に物々しいものに変わってしまうのです・・・防護服を着、被ばく線量を気にする日常です。

    人間が手に負えない、手を出してはいけない領域に手を出し、結果としてのどかな日常は永久に戻ってこな

    0
    2015年12月04日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    古道具屋さんという、外から見るとわかるようなわからないようなあいまいで不思議な空間。
    死傷事件、別れ話、怨念の丼に、淫靡な会話等々出てきても、愛憎ドロドロ方向には向かわない。それどころか肩の力の抜けた空気がポワンと回っているよう。
    散らばったちょっとしたおかしみもまた楽し。

    なんというか、みんなかわいい人たちだなぁ。
    つっかえながらも、それぞれ自分らしく歩いてゆく。
    数年後彼らがどうなっているのか、ちょっとのぞいてみたい気がした。

    0
    2020年05月23日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    現代では、古典に近いような言葉が溢れて、その世界観がいい。
    普段は胸の奥にしまってあるけれど、時折噴き出してくる何か、それは善悪ではカバーしきれない何か根源的なもの。それ補思い出させてくれる。
    ちょっと怖いけどね。

    0
    2015年11月03日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昔新品で購入しました。
    川上さんのやわらかい文体がとても好きです。
    エッセイでより如実に表れます。
    ゆっくりとお酒が飲みたくなります(飲めないけど)。

    0
    2015年10月29日
  • なめらかで熱くて甘苦しくて(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    淡々と現実を語るようで現実離れしていて、この足は地についているのか本当に不思議な気持ちになる。川上さんの物語には、優しいようなすこし怖いような形容できない複雑な気持ちが詰まっていて、わたしはそれを一生うまく言い表せないんだけどずっと読んでいたいなあ。terraが好きです。無理に悲しまずに淡々と過ぎて、切なさが残る。それを噛みしめて本を閉じ眠りたい。

    0
    2015年10月26日
  • 神様 2011

    Posted by ブクログ

    古本屋で見つけて、図らずも初の川上弘美。
    短編『神様』は1993年発表。そして2011年3月末に、『神様2011』を発表されたそうです。
    その2作とあとがきを収めたこの本には、連作としての意図がはっきりあるわけですが、単体の『神様』も良かった。くまの律儀さとか、寂しさとか。(なんて言っちゃうと陳腐ですが)
    そんな『神様』が、「2011」が付いてセットで読まれることによって全然違った意味を放ってしまうという、周到な本。もともとの『神様』読者だったらどう思うだろう、いやそれより、そもそもこれを書こうと思い付いた作者の「静かな怒り(あとがきより)」を思うと。

    0
    2015年10月19日
  • 龍宮

    Posted by ブクログ

    『神様』のあの感じ。

    川上弘美の、好きだなあと感じた成分がぎゅっと詰まっておりたいへん楽しく読めました。

    曾祖母のオトさま、が好き。

    0
    2015年08月26日
  • 椰子・椰子(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    な、なんじゃこりゃぁ…
    アパートの管理人がハトだったり、出かける前に子どもを折りたたんで押し入れにしまったり、ニホンカモシカと目を合わせてはいけないルールが渋谷にあったり…
    主人公の「わたし」は冬眠とかしてるし…
    なんじゃこりゃぁ…
    明らかに現実的ではないのに、なぜか「普通の日記」に思えてしまう、妙な説得力…いや、納得力?
    こんな日常があったら面白いのに。

    0
    2015年07月14日
  • 七夜物語(下)

    Posted by ブクログ

    朝日新聞に連載されていた作品の文庫版。酒井駒子の挿絵が印象的。
    童話のような語り口で話が進む。内容も、少年と少女の冒険ファンタジーといったところで、これまでの著者の作風とは少し異なる。常に、大事なことを優しい言葉で伝えてくれる作家だが、それが遺憾なく発揮されている。
    (2015.7)

    0
    2015年07月13日