川上弘美のレビュー一覧

  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    初読みの作家さん。最初は、日常の出来事をつらつら書いてるだけ⁇と思った。昔は苦手だったなぁと。誰も殺されないし謎もないし探偵もいない。でも最近は歳のせいかf^_^;意外とこういうのも好きになってきた。特に言い回しがステキだなと。水をはきだすホースのようにしゅるしゅると話をする、とか、そういう言い回し。人物描写もなんか独特。中野さんという店主やその姉、中野さんの愛人、中でもタケオは良かった。喧嘩して怒ったタケオが空メールを送った意味はなんだったのか。あっけない最後も含みがあって良いかなー☆推し本です☆

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    2019年08月31日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
    面白かったです。
    ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
    「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
    多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
    岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
    表紙の感じに既視感が

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    2019年08月30日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    中野商店の人たちが、あたたかく、個性あふれる人ばかり。
    ふつうの企業に勤める人間模様とは少し違う、
    縛り合わない関係、楽で居心地のいい関係を見ているようで、ほっこりする気持ちになった。

    うまく生きることができないというタケオの成長が、自分と重なった。
    うまく生きるってなんだろう、と思うけれど。
    不器用で、素直で、自分に正直なタケオがとてもいいキャラクターだった。

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    2019年08月30日
  • ハヅキさんのこと

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    解説にあった、
    「一気に読むより、一ページずつ、一本ずつじっくりゆっくり読むにふさわしい本だと思う。」

    川上弘美さんの作品はどれもそう。この作品も、一つ一つ大切に読んだ。

    日常のなんでもなさを切り取ったお話が好き。
    でも「疑惑」が実は一番面白かったかな。

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    2019年08月21日
  • 森へ行きましょう

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    パラレルワールドの設定で、交互にルツと瑠津が出てくる。
    登場人物も入り乱れる。

    川上弘美さんの味のある世界観、噛み締めたくなるような文章が好きで読み始めたが、
    この作品はあっさり読めるもの。
    ただ、さすが、書き留めたくなる言葉がたくさんあった。

    女の人生、簡単に分けてしまうと、
    結婚して子供がいる人生と、独身の人生。
    どちらも理解できる、どちらの道を進んでも、
    迷いもあるし、別の生き方をしていたらと考えてしまう。
    今28歳の自分が読んで共感できる部分と、これから歳を重ねて理解できる部分とあるんだろうな。
    歳を重ねても、大きくは変わっていないのかもしれない。歳を重ねてもわからないこと、歳を重

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    2019年08月12日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    何もガムシャラでなくてもいいんじゃないか。
    迷ったり、スッキリ解決しきれなかったり、これまでもこれからもいろいろあるよね、生きてれば。
    そんなことをぼそっとつぶやいてみたくなる。
    不安定さも、もやもやも、あったかみも含めて。 

    寂しげに思えたタイトルだけど、なんとなく、それも込みのもう少し違った感覚でわかるような気がした。
    気に入ったフレーズもいくつか。
    ゆるくほっとさせてもらえる作品だった。

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    2019年08月10日
  • 龍宮

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    人間と人ではないものとの交流を描いた、幻想的な8編を収めた短編集。

    川上弘美の作品を読むたびに、異世界にずるりと引きずり込まれる感覚が心地よい。しっとりとしているのに陰湿ではなく、艶めいているのに淡々としていて、深い海の底をゆったりと漂っているような気分になる。
    まだまだ未読のものがあるので、少しずつ読んでいこう。

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    2019年07月31日
  • 夜の公園

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    不浄な妄想は、小説の世界くらい。実現はしないのだが、想像力を楽しむ権利は、侵されない。だから、登場人物に全く気持ちを重ねられない一面がありながら、だけど、そんな世界観を楽しむ自分がいる。味わっている、自分に気付かされる。こうした世界を不潔、と言ってしまう価値観の狭隘なことよ。ステキな、物語だった。

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    2019年04月21日
  • センセイの鞄 2巻

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    ネタバレ

    やっぱりいい。谷口ジローの画風と合ってるし、原作を丁寧に描いているのがわかる。最後にパレードという天狗の話が入ってた。こんなのあったのか。巻末の対談もよかった。小説を漫画にするときの苦労が偲ばれる。

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    2019年04月02日
  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    ネタバレ

    都心から私鉄で20分ほどにある小さな町。その町の商店街を舞台にした11の物語は、それぞれがゆる~く繋がりながら、人と人が暮らすなかで起こる、小さな心の動きをさりげなく描く。

    何か特別なことが起こるわけでもなく、それぞれの物語の終わりはなんとも中途半端で、だからこそ、わたしたちの日常は、決して物語のように切り取られて完結するものではなく、平凡に続いていくことに思い至る。

    前の物語で脇役だった人物が、あとの物語で主人公になるとき、最初に見えていた景色が違う色彩を帯び、立体的になる。最後まで読むとまた、最初に戻って読みたくなるようなそんな配置もgood。解説の松家仁之さんの文章も秀逸。

    どの物

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    2019年03月13日
  • センセイの鞄

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    これ、名作じゃないか?
    何で柄本明とキョンキョンなんかで映画化したんだ!!
    誰が見てもミスキャストだろ!

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    2019年03月05日
  • これでよろしくて?

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    あとがきに、わかりやすいわかりにくさではなく、わかりにくいということが容易にはわからないようになってる本。と、あるけどまさにそんな一冊。

    一冊丸々ガールズトーク?井戸端会議?みたいので終始するんだけど、一回一回あーーーーーわかるよ、それ、わかる!なんかわかる!
    っていう議題。笑笑ほんと、些細なことなんだわ。すごく嫌でもなく、めちゃクチャハラタツわけでもないけど、なーんかチクチクきになるよね。それ。わかるよ。

    っていう日々の積み重ねの諸事。笑笑

    それを一つ一つみんなで考えて、まるで結論は出ないんだけど、言って、言われてスッキリするっていう、そんなとりとめもない女たちの会話が、なぜか読んでて

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    2019年02月28日
  • 森へ行きましょう

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    相変わらず不思議な小説を書く人です。
    ルツという女性が生まれて50才になるまで、どの道を選ぶかで並列世界を各々のルツの人生が変化していくという本でした。結構こんがらがるかなと思ったのですが、エピソード読んで行くうちに、人生が全く違っているので別の人として認識出来たので問題ありませんでした。さらに奥深い所は、ルツだけではなく他の人が選んだ人生にによって、大幅に変わっている人生もあり、無限の並行世界があるという事が感じられる事でしょうか。

    自分の人生振り返っても、どこか時点での選択を変えると人生が違っていたのかな?と思うと怖いような、面白いような・・・

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    2019年01月31日
  • 猫を拾いに(新潮文庫)

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     真ん中くらいまでは、結論がなくて何ともないただの描写じゃないのかと思っていましたが。「そういうことは、なんとなく、わかるものなのだ」という、村上春樹みたいな文章あたりから、その結論の無さが好ましくなってきました。
     「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくる」なんていうちょっとくさい文章もなんだか許せてしまいます。
     川上さんはあまり読んだことはありませんがちょっと気を付けて読んでみようと思いました。

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    2019年01月04日
  • 龍宮

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    奇異なファンタジーというか、異種との交流が何とも違和感はあったが、いつの間にかひきこまれるように。

    題名のつけ方も素敵。

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    2019年01月02日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    ほとんど本当というのに書きぶりや視点が面白すぎて大好きなシリーズ。
    飄々としている。
    新刊出てたの知らなかった!

    重ための本を読んでいたので合間に。すぐ読めちゃう。

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    2018年11月20日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    んー、この訥々とした語り口、ふっつりと切れるような内田百?にも通ずる終わり方、とても好き。人物もみんな活き活きと描かれていて魅力的。

    …なんだけど最終話がどうしても違和感なんだよなあ。うーん、惜しいったらありゃしない。ま、好きずきだけどね。

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    2018年10月15日
  • 森へ行きましょう

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    人生の岐路の分、色んなルツの一生があって、どの人生もそんなに悪くないなぁと思いました。パラレルワールドのお話で、結婚して子供を産んだ留津、結婚しなかったルツ、色んな自分の人生があって迷いながら生きることは、まるで森の中で迷いながら歩いてるのと似ているようです。面白かったです!

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    2023年11月21日
  • 七夜物語(中)

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    面白かったです。
    夜の世界の人々?がさよと仄田くんに投げかける問いが哲学的です。
    ウバの「それで、何もできないから、おまえは、おまえたち全体のことに、何の責任も持たなくていいと、こう言うのですね」という言葉にドキッとしました。
    今回もわくわくと読みながら、考えさせられます。最終巻、楽しみます。

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    2018年08月12日
  • 七夜物語(上)

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    面白かったです。
    川上弘美さんの優しくて、でもちょっとひりひりするお話と、酒井駒子さんの素敵な絵がぴったりです。
    児童書のようなファンタジーなのですが、大人が読んでも充分面白くて引き込まれます。
    さよと仄田くんは試練を乗り越えられるのか、続きも楽しみです。

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    2018年08月11日