川上弘美のレビュー一覧

  • 光ってみえるもの、あれは

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    川上さんは、何時も不思議な話を書く人ですが、その中でも"有り得ざる者”や”有り得ざる事"が出てくる「蛇を踏む」などの作品と、ちょっと変わった人々を主人公にする「センセイの鞄」のような作品があるようです。
    これは、そういう意味では「センセイの鞄」の系列です。
    例によって、なんだかフンワリした感覚に浸ってしまいます。所々ではニマニマと笑い出してしまいます。そして、時に切なくなります。
    他の人の評価を見ると、やはり極端に割れてしまいます。リアリティを求めてしまうとダメでしょうね。こんな高校生は居ないし、周りの人物も変過ぎます。川上さんの作品は小説と言うより"物語&

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    2017年10月30日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    冒頭の短編「海石(いくり)」で強烈に引き込まれた後は、目くるめく川上ワールドの奔流に絡め取られて、気付いたら最後まで一気に読んでしまいました。勿体無いことした…。

    こういう中毒性がある短編は、秋の夜長に、大事に大事に、一編一編、噛みしめるように読んでいくのが一番満喫できると思うんですよね……。

    勿体無いことした…………。

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    2017年11月15日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    不思議な川上弘美さんの日記風、フィクションエッセイ(?)
    3.11のあった時なのですね。
    フィクションエッセイだけど、その時はやっぱり胸が痛くなりました。

    それにしても、どうやらこの日記の間に、
    健康診断で要再検査があり、手術までされているのです。
    大丈夫かしら?

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    2017年10月11日
  • 水声

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    ストーリーや設定だけを説明しようとすると
    なんだか、納得というか、なぜかなと不思議な気持ちになるけど
    淡々と静かに受け入れてしまう川上さんの小説
    ちょっと心が疲れちゃうけど、嫌いじゃないんだよね

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    2017年10月08日
  • 物語が、始まる

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    短編4作を収録しています。

    「物語が、始まる」は、主人公の女性が公園の砂場で男の「雛型」を拾い、育てる話です。やがて「三郎」と名付けられた雛型と彼女との間で少し奇妙なラヴ・ストーリーが展開されていきます。

    「トカゲ」は、マナベさんという近所の主婦から、幸運の「座敷トカゲ」を授かったカメガイさんの話です。トカゲはヒラノウチさんの家に預けられ、急速に成長していきます。

    「婆」は、主人公の女性が一人の老婆に手招きされ、彼女の家で奇妙な時間を過ごす話です。最後の「墓を探す」は、寺田なな子が、父親の霊に促された姉のはる子に付き添って、先祖の墓を探す話です。

    著者の作品には、どこか現実感の欠如した

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    2017年09月20日
  • 水声

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    ネタバレ

    不自然といわれるものの自然さを描くときにこの作者は生き生きとするように感じる。気持ちの動きを普通に感じさせる力。

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    2017年09月14日
  • 水声

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    「昔」の描写にとてつもない郷愁を感じるのはなんなんだろう。
    どこか遠くにある自分の懐かしいものを見せられているような気持ち。
    どんな話なのかと言われるとうまくまとめて伝えることができにくいのだけど。
    きょうだいの性愛が含まれていても
    「そういうものもあるだろう」
    という、なんというかストンとくるものがあるのは川上さんの書き方ゆえなのか。

    「昔の話ができるのは、一緒に昔を見た人がそばにいるからだ」

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    2017年09月11日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    花澤香菜ちゃんが読んでたって言っていたから購入した、たぶん。独特な世界観についていけなくてはじめて読み始めた当時は積んでしまっていたけれど、数年経って読んでみたらすんなり入ってきた。色んな恋の深みを体験できて楽しくてすこし寂しい。

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    2017年08月19日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    これはなかなか良かったなー。人物がみんな愛すべき人たちだったのが良かった。主人公と男の子のあたりは歯がゆかったけど、店主と愛人のあたりはなんかおかしみがあって、そこになんか人生のおもしろさが垣間見えた気がした。ラストも好き。

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    2017年08月09日
  • 七夜物語(中)

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    中巻では、4つめの夜の世界と、5つめの夜の世界が書かれている。

    だんだんと冒険は難易度を増していく。
    そして、さよと仄田くんも、冒険を通して少しずつ成長していく。
    この物語の冒険は、さよと仄田くんの心にいろいろな感情を芽生えさせる。
    幼いながらも、芽生えた感情と真摯に向き合い、答えを見つけようとする姿は、見ていて眩しい。

    残り2つの夜を、この二人がどうやって乗り越えていくのか。
    最後の2夜を覗いてきます♪

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    2017年08月05日
  • 七夜物語(下)

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    すてきな物語。

    あまりにも美しい子どもたちの、もう一つの姿。
    光と影との戦い。
    それが意味するものは、深い。
    でも、もし自分に10歳の子どもがいたら、ぜひ一緒に読みたい物語だ。

    人間とその世の中の曖昧さ、混沌とした部分をも、前向きに受け入れていこう、というメッセージを感じた。

    新聞に連載されていたころ、夫とせっせと読んだ小説だった。
    仄田くんが「地球物理学者」になったくだりに、二人して妙にうけたのを思い出した。

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    2017年07月29日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    セシリアとの手紙のやりとりが楽しい。
    ただし、東京日記で抜き書きするほど好きなのは、やはり1巻です。

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    2017年07月21日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    めっちゃいいです。
    心がとても癒やされます。
    ざらざらした棘が丸く優しくなります。
    短編小説の天才、川上弘美さん、これからもがんばれ!!

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    2017年07月19日
  • 七夜物語(中)

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    新聞連載されていたころ、毎日楽しみに読んだ作品だ。
    古書店で見かけて、読みたくなった。
    上巻が手に入らなくて、中巻から、となってしまったけれど。
    でも、連載がまとまると、やはり集中して読むことができて、印象が変わるものだなあ、と思う。

    中巻は第四の夜と、第五の夜。
    第四の夜には、さよと仄田くんは、別々の世界にいる。
    そこでさよは若い日の両親に出会い、仄田くんはこちらの世界の自分とは全く違う、完全無欠な男の子になっている。
    二人とも、それぞれ、自分の中の荒れ狂う気持ちに気づいていく。
    第五の夜では、さよと仄田くんのウバたちとの戦いが描かれる。
    こちらの世界のモノたちに命を与え、育てる一方で、イ

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    2017年07月17日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    ネタバレ

    面白かった~。なんてことない日常も著者の手にかかれば
    クスッと笑えるなんともいえないユーモアが漂う。
    でも、いつのまにか離婚していたんだ…
    松葉杖に名前をつけて(まっちゃん・性別男、年齢36歳 趣味、競艇他にももっとプロフィールあり)
    会話してみたり、”暑いですね””ああ、暑いよな”というやりとりのみで終わる。ふふふって笑ってしまうよ。
    つくりばなしが事実か判別がつかないけど、あとがきを読むとほんんどがほんとのことらしい。
    東京日記6も読もうと心に決める。←ちょっと川上弘美風に締めてみた。

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    2017年06月24日
  • ハヅキさんのこと

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    内容(「BOOK」データベースより)
    かりん、という琺瑯の響き。温泉につかったあと、すっぴん風に描く眉。立ち飲みで味わう「今日のサービス珈琲」。四十八歳、既婚者で「中途半端」な私が夢中になった深い愛―さりげない日常、男と女の心のふれあいやすれ違いなど、著者独自の空気が穏やかに立ち上がる。虚と実のあわいを描いた掌篇小説集。

    何処がどうという訳では無いのだけれども、この淡々とした文章でさらりと書かれた短編が沢山入っています。もっと膨らませて沢山本出せそうだなあと凡人は思ってしまいますが、出し惜しみせず書けるのは才能の成せるわざか。
    どの話も落ちは無いし、哀しくもうれしくもない話ではありますが、な

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    2017年06月09日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    ネタバレ

    私は川上弘美女史と同い年ですが、「二年ぶりに、スターバックスに入る。」こともなく、というか一度も入ったことがなく、「乗り物でいつもおこなう数独を取り出し、粛々と解く。」こともなく、というか数独が何を意味しているか検索するまで知りませんでした。やっぱり作家はエライ!と思いました。

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    2017年05月27日
  • 東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。

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    あいかわらず面白い!ww
    ホントに変!!www

    まわりに変な人が多いとか言ってるけど
    ホントは川上さんがヘンなんだと思ってますw
    まあ、百歩譲って「類友」かな?w

    もっともっと、ずーっと浸って読んでいたかったな~~!

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    2017年05月23日
  • これでよろしくて?

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    17/04/15 (28)
    ガールズトークは答えを導いてほしいわけではない。ただ単純に話を聞いてほしいだけ。話を聞いてもらっているうちに自分で答えが分かるもの。分かる、というか気づくというか。ほんとは初めから答えは自分のなかにある。気づかないように見ないようにしているだけで。

    わかったつもりでいて全然ほんとうはわかっていないこと。気づいてしまったら痛みを伴うこと。人生て、なんて複雑で単純で深くて浅いんだろうね。


    ・「ぷんぷんですか」
    「ぷんぷんの最上級ね」
    「ああ、今夜は家に帰りたくないです」
    わたしは訴えた。すると土井母はひとさし指を振りながら、
    「でも帰らなきゃならないのよね。帰ると

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    2017年04月27日
  • ゆっくりさよならをとなえる(新潮文庫)

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    川上さんの文章は、エッセイでも柔らかくやさしいのですね。
    ほろ酔いのときや、おふろに入りながらよみたい温度感。
    独特な感性に、共感したり唸ったりできます。

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    2017年03月31日