川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新聞連載されていたころ、毎日楽しみに読んだ作品だ。
古書店で見かけて、読みたくなった。
上巻が手に入らなくて、中巻から、となってしまったけれど。
でも、連載がまとまると、やはり集中して読むことができて、印象が変わるものだなあ、と思う。
中巻は第四の夜と、第五の夜。
第四の夜には、さよと仄田くんは、別々の世界にいる。
そこでさよは若い日の両親に出会い、仄田くんはこちらの世界の自分とは全く違う、完全無欠な男の子になっている。
二人とも、それぞれ、自分の中の荒れ狂う気持ちに気づいていく。
第五の夜では、さよと仄田くんのウバたちとの戦いが描かれる。
こちらの世界のモノたちに命を与え、育てる一方で、イ -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
かりん、という琺瑯の響き。温泉につかったあと、すっぴん風に描く眉。立ち飲みで味わう「今日のサービス珈琲」。四十八歳、既婚者で「中途半端」な私が夢中になった深い愛―さりげない日常、男と女の心のふれあいやすれ違いなど、著者独自の空気が穏やかに立ち上がる。虚と実のあわいを描いた掌篇小説集。
何処がどうという訳では無いのだけれども、この淡々とした文章でさらりと書かれた短編が沢山入っています。もっと膨らませて沢山本出せそうだなあと凡人は思ってしまいますが、出し惜しみせず書けるのは才能の成せるわざか。
どの話も落ちは無いし、哀しくもうれしくもない話ではありますが、な -
Posted by ブクログ
17/04/15 (28)
ガールズトークは答えを導いてほしいわけではない。ただ単純に話を聞いてほしいだけ。話を聞いてもらっているうちに自分で答えが分かるもの。分かる、というか気づくというか。ほんとは初めから答えは自分のなかにある。気づかないように見ないようにしているだけで。
わかったつもりでいて全然ほんとうはわかっていないこと。気づいてしまったら痛みを伴うこと。人生て、なんて複雑で単純で深くて浅いんだろうね。
・「ぷんぷんですか」
「ぷんぷんの最上級ね」
「ああ、今夜は家に帰りたくないです」
わたしは訴えた。すると土井母はひとさし指を振りながら、
「でも帰らなきゃならないのよね。帰ると -
Posted by ブクログ
川上弘美さんの小説のなかなら「蛇を踏む」以来の奇妙な作品群。
はっきり言うとすごく変。笑
けど癖になるし、妙に惹かれてしまう。
雛型と人間の恋「物語が、始まる」、幸運の座敷とかげと主婦たちの日々「とかげ」、迷い込んだ奇妙な猫屋敷「婆」、姉妹が父親の本家の墓を探しておかしな世界に迷い込む「墓を探す」。
さらっと説明しただけでも奇妙さが溢れてしまう短編集。
最初2つのお話は読み物としても面白く、「物語が、始まる」は切なさもあり、「とかげ」は妙にエロティック。
だけど後半2つのお話は、ぼんやり読んでいると物語に置いてきぼりを食らう感じが。何がどうなってこうなっているのか…考えてもどうしようもない類