川上弘美のレビュー一覧

  • センセイの鞄

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    キャピキャピしたり情熱的な恋愛ではなく、2人の間にゆったりとした時間が流れていて、読んでいて気持ちよかった~^^
    時々まどろっこしくも感じるけど、それすらも愛おしい時間なんでしょうね♪

    国語教師なだけあって、センセイの言葉運びが美しい!
    何度読んでも飽きない1冊(o^^o)

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    2017年03月29日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    たまに読みたくなる川上弘美。これは他の本より分かりやすくて、身近な世界のようで、よい。とはいえ、不思議な人はたくさん出てくるけど、不思議な人って見方をすれば私の周りだって不思議な人ばかりかも。ヒトミさんのたんたんとした感じ、よい。ラストもとてもよい!

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    2017年02月19日
  • 溺レる

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    川上弘美さんてこんな詩的でエロい小説を書くのだなあと意外に思った。独特のちょっと古風な文体、言葉の使い方、それから頻繁に出てくる和食の描写。日本酒が飲みたくなる。全体的に上品な和の薫りがする。そして狂気が漂ってる。
    「百年」が一番好き。心中した男女の、生き残った側ではなく、死んだ幽霊の側から見た世界。という設定が面白い。個人的に『坊っちゃん』が好きなので、ところどころに出てくる「清」のエピソードにぐっときた。

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    2017年01月27日
  • 物語が、始まる

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    川上弘美さんの小説のなかなら「蛇を踏む」以来の奇妙な作品群。
    はっきり言うとすごく変。笑
    けど癖になるし、妙に惹かれてしまう。

    雛型と人間の恋「物語が、始まる」、幸運の座敷とかげと主婦たちの日々「とかげ」、迷い込んだ奇妙な猫屋敷「婆」、姉妹が父親の本家の墓を探しておかしな世界に迷い込む「墓を探す」。
    さらっと説明しただけでも奇妙さが溢れてしまう短編集。
    最初2つのお話は読み物としても面白く、「物語が、始まる」は切なさもあり、「とかげ」は妙にエロティック。
    だけど後半2つのお話は、ぼんやり読んでいると物語に置いてきぼりを食らう感じが。何がどうなってこうなっているのか…考えてもどうしようもない類

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    2016年12月12日
  • いとしい

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    この空気がとても好きです。ふわふわととりとめなくつかみどころがないようで、しっかりと世界に絡めとられている、その感じが決して嫌ではなく、心地よいです。人を好きになるって、こわいことなのかもなと思いました。叶う思いも、叶わない思いも、あっていいのかも。誰かをいとしいと思うことは、幸せな反面、とてもつらいかもしれないけと、それでもやっぱり、誰かを好きになるのだろうなと思いました。

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    2019年03月09日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    書評集となると、紹介された本をメモしながら読むものなのだが。これだけは、文章の中に漂う空気を破りたくなく、メモなどせず一気に読んだ。

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    2020年12月01日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    あまり感情の起伏のない主人公だなぁと思いながら淡々と読んでいたので、ラストの「悲しかったよ」でびっくりしてもらい泣きしそうになった
    ヒトミちゃん、悲しかったの?!分かりにくいよ!!っていう。
    この人の小説の、そういうところがわりと好き。自分の感情なんてそんなに出すつもりはないし他人に分かってもらおうとも思いません、でも間違いなくそこにあるしだからほんのたまに、自分ではどうしようもなく漏れでてしまうことがあるんです、という孤高なところ。

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    2016年12月02日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
    どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
    読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
    なものを除いて)
    初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
    もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
    多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
    要因だろうと思います。
    中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
    恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
    が垣間見える部分。
    堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
    家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
    土佐日記の紀行文としての情

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    2016年10月02日
  • 夜の公園

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    むかし読んだ本を、再読。
    以前より、登場人物の年齢に近づいたせいか、心情の細部が少し、よりリアルに感じられるようになった。

    現代的な恋愛小説。
    ふわふわと、もがき流されて、気がつけば、「どうして今、ここに自分がいるのだろう?」と呟いてしまう感覚。

    起きている事実は、不倫、なのだが、定型では語れない、つかみどころのない空気がこの小説の魅力。

    読み終えて、横で寝ている夫の寝顔を見ながら、「はて、私はどうしてここにいるのかな?」と思わないでもない。

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    2016年08月31日
  • これでよろしくて?

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    初めて読んだ時も面白かったけれど、結婚しても数年経ってから読むと面白さが倍増した。
    こんな風に「生産的なことはしない」集まりが、自分にもあったらいいのにって本気で羨ましい。
    ママンとの攻防は、解説にもあったけど、日常を必死に生き抜く我々にとっては大スペクタクルで、手に汗握らずしては読めない物語だった。

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    2016年08月25日
  • 川上弘美書評集 大好きな本

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    川上弘美さんの小説は残念ながら好きでも嫌いでもないのですが、私の好きな本がたくさん載ってたので、趣味が合いそうと思って購入しました。書評というより、ひとりごとのような、詩のような、感覚的な文章 ですが、本選びのセンスが好きです。

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    2016年08月15日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    お仕事小説であり、恋愛小説であり、人間ドラマでもある。面白いバランスの作品だった。

    主人公は、中野商店という古道具屋でアルバイトをしているヒトミ。経営者の中野さんはけっこう適当で、仕事中たびたび出かけて行っては、不倫相手のサキ子と会っている。
    ヒトミは同僚アルバイトのタケオと、付き合っているのかいないのか、微妙な関係が続いている。
    中野さんの姉であるマサヨさんは芸術家で、中野商店の面々と程よい距離感で絡んでいる。
    そして月日が過ぎ…というお話。

    雰囲気は緩いのだけど、実はものすごく深い。
    人と人の関係(とくに恋愛)のままならなさ。若いからこそお互い意地を張ってすれ違って、そこから数年過ぎた

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    2016年08月09日
  • これでよろしくて?

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    2016.6.22

    『夫を好きだから、夫にまだ関心があるから、夫の身内との関係がぎくしゃくする』

    ヤキモチ焼きな私にとって、これほど救われる言葉はこれまでなかった。
    今のパートナーとの関係が、随分ラクになりました。

    日常の、"家族"を軸とした人との関係の間に起こる気持ちを、主人公・菜月の目線で丁寧に言語化されています。
    そして、やや非現実的な"これでよろしくて?同好会"。友達でもない、知り合いでもない人たちだから、友達には言えないようなことも話せたり。自分について話しているわけではないのに、自分にも心当たりがあって。そうやって、人の意見を聞いたり、

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    2016年06月22日
  • おめでとう(新潮文庫)

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    キメの細かい砂のようなサラサラとした文章と、空気感。
    やわらかさとサバサバした感じの両方があるよう。
    そしてちょっとひょうきん。
    やっぱり好きだな、川上さん。
    人との距離感の描かれ方や、言葉のすき間にチラッと見え隠れするさみしさも。

    幽霊にたたられて復讐する「どうにもこうにも」、ちょっと異界の「運命の恋人」、未来の話「おめでとう」を含め
    私の読んできた川上さんらしさの感じられる短編集だった。
    心地よかった。

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    2016年05月18日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    川上弘美さん大好きです
    この本の中では [ほねとたね]が好きでした
    日常の なんでもないようなことが川上弘美さんのフィルターを通すと 読んでいて 面白いです

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    2016年04月01日
  • センセイの鞄

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    2016/3/10

    この本はやっぱりいいね。
    ずいぶんと久しぶりの再読。
    とてもいいね。

    川上弘美はこれ以外はどうも合わないけれど、これだけはやっぱりいいね。

    2020/2/15

    どうしてこの本だけこんなに焼けているんだろう?
    昭和初期の本かと見間違えるわ。

    センセイのの
    立ち居振る舞いや、潔さに惹かれる。
    月子さん側から見たセンセイだけれど、センセイ側のお話が見えてくるのは、自分がもう少し大人になってからかなぁ。

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    2016年03月12日
  • これでよろしくて?

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    久々に川上弘美さんの本を読みました。
    【パスタマシンの幽霊】のレビューで、川上弘美さんの文章は美しい!と書きました。
    この本でもやっぱりそう感じます。
    そして優しい!読んでいて、安心できるというか、心を任せられるというか…
    川上さん、どこへでも連れて行って~!というような気持になるというか~(笑)

    上原菜月は夫と二人で暮らす専業主婦。
    偶然、元カレの母、土井母と再開する。
    土井母が菜月を誘ったのが『これでよろしくて?同好会』
    興味をそそられ菜月が参加してみると、そこに集う面々は老若女女。
    そうの老若男女ではなく、老若女女!!

    同好会では議題があって、書記がいて…
    でも、堅苦しいものではなく

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    2016年04月20日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    ネタバレ

    原文を読めるだけの素養がないので、現代訳で読めるのはありがたい。『土左日記』堀江敏幸氏の「貫之による緒言」と「貫之による結言」に紀貫之の土佐日記への想いが甦ってくるようです。それにしても、平安期の人々はよく泣いていたことを改めて知りました。1000年も昔の日本人の感情とはどのようなものであったのかと興味が湧いてきます。私たちが感じないものに感じ、見えないものを見、聴き取れないものを聴いていたのだろうかと想像が膨らみます。ただ、死生観は違っても、男女の仲は変わらなかったようにも想えます。

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    2016年02月11日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
    古典文学のエキスパートで

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    2016年02月10日
  • 溺レる

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    ちょっと翳りのある、どこかいびつさのある男女関係を描いた短編集。どの話もどろりとした関係性のはずなのに、湿っぽさは感じられない。どの“わたし”もどこか醒めた目で自分と男のやりとりを見ているように思えた。
    「この人の書く文章が好きなので、読んでみて欲しい」と友人から贈られた一冊。確かに自分では選ばないタイプの本なので、新鮮だった。

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    2016年01月21日