川上弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「蛇を踏む」「消える」「惜夜記」の三作品。
どれも非常に独特な作品でした。
どのように読むのがいいのかしばらく分からないままだったのですが、「あ、これ変な時間に寝た時に見る夢みたいだな」と思ってからはその感覚にスイッチすることで、なんとなくこの世界に溶け込めたような気がしました。
不気味さも奇妙さもありながらどこかしら生命の神秘的な面も感じられて、無秩序のようでいてどこか傾倒していってしまいそうな世界観。
作者の方は相当不思議な方なのかなと思っていたら、あとがきでは平易な言葉で「うそばなし」のことを書いてあり拍子抜けしてしまいました。
どこまでも掴みどころない作品でした。
しばらく心にモヤ -
Posted by ブクログ
休日のちょっとした遠出の電車と喫茶店とで読みきった。
川上さんの文章、気持ちがすかすかして好き。別れる話がなんとなく多い気がしてつっかかったけれど、別れなかったとしても別れたとしても、川上さんの描く人たちはみんな清々してて好き。あと、ちょっと不思議でほんわかしてて、切ないのに、傷を知らないふりして、涼しい顔するのも好き。川上弘美の読後感が好きなのかもしれない。
少し不憫なこととか、ありえないことが起きても、まあしょうがないよねって受け止める。恋をしてじたばたして、恋にならなくてざわざわしても、そのあとはさっぱりしてる。どの短編のみんなもきっと、この先をずーっと進んでいけばどこかでハッピー -
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ネタバレ12編のアンソロジー。
どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
その中でも特に好みだった2つについて書きたい。
『藁の夫』
2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。
『逆毛のトメ』
シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚か -
Posted by ブクログ
ニシノユキヒコが主人公(?)ながら、ニシノユキヒコの心情は一切記されておらず、ニシノと交流したさまざまな女性たちの視点で、ニシノが語られます。
1番最後に配された「水銀体温計」で、ニシノの少し屈折した女性への態度の背景が明かされ、その一つ前の章「ぶどう」で、唐突に訪れた彼の冒険の終わりが綴られます。姉への気持ちを明確にするのが怖かった、ということなのでしょうか?ただ、思えば、1番最初の「パフェー」で成仏しきれず他の女の元へ行くあたり、もうその浮ついた性分はもう自制の効く類のものではなく、生まれついた性質なのでしょうか。
ニシノと女の儚い関係の中の穏やかな熱情に、なんだかやつされるような想いがし -
Posted by ブクログ
幸せなのにさみしい。
主人公の多くの「私」には名前が出てこない。それがよけいに自分に語られ、問いかけられているようだった。
心のままの感情を持ってしまうことへの辛さ、心細さとか、人との絡まる感情は、どうにも消化できない。
多くは「ままならぬ関係」だったりするが、それでもふふっと笑えたり、不確かなものだって存在するんだと、人の心の儚さが、ずしっと刺さった。
無機質でお人形さんみたいに感じる登場人物…そういう、ゆめうつつのところが、それはそれで好きなんだと思う。笹蒲鉾を持ってタマヨさんに会いに行った「私」は、私でもあった。空想の中で会いたい人に会いに行く、つい移入してしまう。
「夜の子供」「冷た -
Posted by ブクログ
読者開始日:2021年12月25日
読書終了日:2021年12月28日
所感
【蛇を踏む】
不思議な作品だった。
ニシ子、願信寺坊主、サナダ、家に蛇が住み着いた3名の日々は、それ以前まで不満、もしくは退屈を抱えていたのだろうか。
そうすると見えてくる蛇の正体。
「カリギュラ効果」だと思う。
ダメだと言われる、怖いと思うほど、やってみたい、見てみたいと思う裏腹な心。
どんな人にでも経験があると思う。
坊主はよくわからないが、サナダは退屈な毎日、ニシ子は満たされない心を抱えていて、蛇を自ら作り出したと言ってもいい。
存在を無くしたい、極端になりたい、蕩けたい、堕落したい。
でも心の底では堕ちたくな -
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