川上弘美のレビュー一覧

  • どこから行っても遠い町(新潮文庫)

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    住んでた町の商店街の居酒屋、軽食屋、魚屋の回想。最後の章では、えっそうきたか、それも面白い締めくくり。

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    2021年11月12日
  • ざらざら(新潮文庫)

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    ずっと、楽しみだったものが終わってしまう、一歩手前の切なさを思い起こさせる。
    日曜日の午後2時から日が暮れるまでの時間帯。
    きっとこの瞬間、時が経ってから思い出すんだろうなと思いながら、誰かと一緒にすごす今を愛おしむ気持ちが詰まっている。

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    2021年11月09日
  • 真鶴

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    芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。
    文学らしい文学。純文学と呼ぶに相応しい。

    過去形と現在形が入り混じる独特の文体に、始めは戸惑ったが、次第に慣れてきた。短いセンテンスは詩の旋律のよう。

    12年前に失踪した夫に囚われ続ける京(けい)。娘の百(もも)と母と女3世代の暮らしはどこか危うい。
    夫の日記に書かれた「真鶴」に旅をする時に「ついてくるもの」が…。その正体は⁈

    先が気になる、というよりは【目が離せない】小説。
    現実と幻想、愛と情欲、遠くと近さ、そこには区別があるのか⁈ ひらがな表記のこだわりや、美しい日本語の動詞や形容詞もとても魅力的。

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    2021年10月01日
  • 森へ行きましょう

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    ネタバレ

    人生を森に例えた小説。
    主に二つの人生の小話を代わる代わる見せられる。通している登場人物が、設定が少し変わって登場するので、そこが面白みに繋がるとともに、さーっと読んでいるとわずかな混乱が引き起こされる。

    最後一個前のルツの話は良かったなあ。
    相手を知り尽くす必要はない、というところと。
    だれもが森に迷い込むけど、今度は一緒の森に行こうねっていうあのシーンは白眉でしたね。
    最後の最後で、ちくりと毒があるけどね!
    いきなり誰だよ!

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    2021年09月30日
  • 某

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    究極の自分探し。
    アルファやシグマ等の「仲間」が出てきたあたりで飽きてしまった。
    意外と「特殊な」みのりがあっさりしている

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    2021年09月17日
  • 七夜物語(下)

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    不思議な小説だった。
    児童文学なのだろうか、魔法のような現実ではない空想の世界が、現実とも空想とも言い切れない形で描かれている。当たり前のように不可思議なことがおこりつつ、リアリティが維持されていて、ファンタジーの世界と切り離しきれない感じが不思議だった。

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    2021年09月12日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    「若さ」とは何かを教えてくれる。まぶしいねぇ。「ふつう」っていったいどういうことなのか。自分の普通と他人の普通は決して同じではない。自由でありながら不自由だったりする。このあたりを大人は「あきらめ」と「分別」で対応していくのだけど。
    高校生のころ、分別くさい大人にだけはなりたくなかったもんね。でもあきらめきった老人になっちまったけど。

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    2021年08月23日
  • 森へ行きましょう

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    人生、パラレルワールド、選び取らなかった未来、これまで歩んできた道、それらを「森へ行きましょう」で昇華させる川上氏。うつくしいです。
    ルツか留津かはじめは見分けがつかないけれど、時が進むにつれてルツか留津か、はっきりと区別がつくようになる。はじめはちょっとずつのズレだったのに。昔のことの記憶が曖昧になっていく感じも、まるでルツたちと同じ時間を過ごすようだった。

    追記
    時間が経ってじんわりと俊郎のことばを思い出すことがふえた。すべてを知らなくて良い、一緒にいたいと思ってくれている、結婚してくれている、嫌いではないでしょう、それで良いよ、そうだよね。

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    2021年08月21日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    本質を捉えられるようで手からするりと抜けていくような不思議な、川上弘美さん独特の世界観。

    主人公・翠は考えすぎるきらいがあるが、本質は他人へ踏み込んでいない、興味を持っていないように感じる。
    自分だけの狭ーい世界で満足しているような。
    きっとガールフレンドの水江は隣に翠がいても「一人ぼっち」に感じたろうな。

    そんな主人公こそが独りにならないのは、少しずつ普通じゃない周りの人間のお陰かな。そして彼らに大事に愛されているから、彼は彼らしくいられるという事、気がついていると良いな。

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    2021年08月21日
  • わたしの好きな季語

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    この夏我が家に突如訪れた俳句ブーム。歳時記は、勢いで買ったり、実は夫が持っていたのをチラ見したりはしたものの、かじりついて読み潰すような情熱は持てずにいる(句作をしようとしてないから当然かもしれない)。
    この本はなにか雑誌の連載の書籍化のようで、見開き一ページで川上弘美が季語をひとつとりあげてミニエッセイと例句の紹介してくれており、お手軽に季語と俳句作品に触れられて良かった。誰かのフィルターを通して語られた方が近寄りやすい。

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    2021年08月20日
  • わたしの好きな季語

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    ネタバレ

    まず、ブックデザインが好き。
    カバーデザイン、カバーをとった本のデザイン、
    折々に挟まれた、トレーシングペーパーのデザインが
    そこはかとなく「和」のテイストを感じられ。

    季語も知らないものが多く、
    それに伴う作者の語り、エピソードも好き。

    眺めても、読んでも味わいのある本。
    手元に置いて、四季折々、開いていきたい。

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    2021年08月09日
  • 森へ行きましょう

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    あの時違う選択をしていれば、そんな人生がどこかで続いていて… そんな妄想が広がっている。
    どちらの人生も違うようでどこか似ていて、でも結局は自分のこれまでを自分でどう意味づけるかなんだな。

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    2021年08月06日
  • 東京日記3 ナマズの幸運。

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    ネタバレ

    2011年発刊の10年前の本。10年前から脱力系をやっているのだ。

    『インフルエンザの注射に行く。この医院には中村先生の日と原田先生の日があるのだけれど、そしてぜんそくの薬をもらうために毎月一回、三年以上は通っているのだけれど、いまだに中村先生と原田先生のちがいが判らない。

    もしかしたら、同一人物がその日の気分によって名前を変えているのだけかもしれないと疑う。』

    『大発見をする。ごきぶりは、モーツァルトをかけると、出てくる。マーヴィン・ゲイをかけると、ひっこむ。』

    『歯医者さんから帰ってきたこどもが、
    「今日ね、先生に『うちの母は、まだ少しずつ成長してるんです』って教えたんだ。」と報告

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    2021年08月03日
  • 真鶴

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    本当によかった
    日が差し光り輝くものへの愛おしさ

    自分が子供になったり大人になったり頑なになったり薄くなったり、母に対して痛みをくわえてしまっていることとか、でもそれは自分でもどうしようもないことだったり 形の定まらなさ

    どうしても満たされなくて何かを求め続けていて 本当に相手を愛しているのには間違いないのだけれど 相手ではなく結局自分を見ているのだけだということとか

    最初から最後まで何かドラマ展開があるわけではなくただ淡々と移りゆく日常とか心情とか関係性とか細かく掬い取られてゆく
    今目の前にあるもの 感じられることが本当のことでそれを確かめながら生きていくしかない それは一見不安定で不

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    2021年07月26日
  • 水声

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    ただただ美しい言葉の羅列が並び、そこには静謐とした雰囲気が纏っていた。禁断の行いでありながら、それを問題視にしているわけでもなく、ごく当たり前の状況、出来事として綴られている。個人的に川上弘美さんはファンタジー要素が多い印象があったけど、今作ではそれは薄らいでいて好みだった。「真鶴」と同等か、それ以上の傑作。

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    2021年07月14日
  • わたしの好きな季語

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    川上弘美さんは理系の人だと思っていたが、理系の人は俳句や詩を構築するのがうまいのではないだろうか?と勝手に思っている。
    俳句には季語というものがあり、それを織り込んで俳句を作らなければならないので難しそうに感じているが、それが定型の美しさを生むのだろうか。
    この本は、季語を元にしたエッセイ。句作をしなくても楽しむことができる本。その季語を使った有名な俳句も知ることができる。
    ご本人の俳句も控えめながら掲載されているが、句作16年目という句集「機嫌のいい犬」を読んでみたくなった。
    どんな言葉が飛び出してくるだろう。

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    2021年06月20日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    錚々たる方々の訳した古典文学!
    竹取物語がモリミーの手にかかると、翁や貴公子たちの下心がスケスケで困惑するかぐや姫が目に浮かんでしまう。
    和歌の訳がまたニヤニヤ。
    むかし男ありけり、の伊勢物語はこんなに長いお話だったのかと驚いた。恋愛だけでなく友情や仕えた親王とのやり取りが印象的だった。
    男としか出てこないので、これが業平のことなのか、時期はいつなのかとモヤモヤもするけれど、一遍の凝縮ぶりに愕然とする。
    堤中納言物語はいろんなテイストの話が襲いかかってきて気が抜けない。
    和歌の訳が絶妙!
    有名な虫めづる姫君の女房たちの嫌らしさときたら、普通に和歌を訳しただけでは伝わってこないかも。
    土佐日記、

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    2021年06月06日
  • いとしい

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    とりとめもなく奇妙で不思議な人や事柄がたくさん出てきて、頭が混乱しそうになった。といっても最後は「いとしい」に辿り着くだろうと読みすすめる。
    最初はお伽話のようなおかしな笑いの場面もあるが、だんだんこわい話になってゆく。毎晩現れ、目の前でいとなみをするアキラとマキさんのユーレイ。一回につき2万円で関係を持つチダさんとミドリ子。玄関に猫を置いてゆくストーカー。兄妹の愛。愛する男性が膜におおわれ休眠してしまう話とか。なぜこうもいくつもでてくるのだろう。ストーリーの筋は、と考えたところ読み込めない。これは雰囲気を堪能しようと思った。やはり文章にひきつけられる。
    泣けたのは、ユリエがオトヒコさんを、「

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    2021年06月04日
  • 森へ行きましょう

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    物語ももちろん良いが小説の技巧が凝っていて面白い。ミステリー感がある。ちょっとしたきっかけで人生は大きく変わるのだなと。

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    2021年05月23日
  • 夜の公園

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    川上弘美さん。私が人生で一番尊敬している先生が好きな作家さん。そろそろ読んでみようと思って手にとった。
    四人の男女の、恋愛を中心にしたお話。
    前半から、すごくたんたんと出来事と感情がつづられていていた印象。ぜんぜん説明が少なくて、わからないところはまっすぐわからない、という感じ。
    ただ、ときおりすごく強い力でわたしの経験と感情をひっぱられる予感がした。しかし、そもそもしっかりと心を動かすには、私の人生経験が合わないんだろうなという印象。
    すごく理解できる人はすごく泣いてしまいそうと思った。
    まだわたしには早かったかも。

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    2021年04月30日