川上弘美のレビュー一覧

  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    未読既読入り交じっていたけれど、男性作家が選ぶ作品とはやはり色が違って面白い。くすっと笑ってしまえるあたり、やはり太宰の魅力。

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    2018年02月11日
  • 水声

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    川上弘美さん特有の艶っぽい文体で綴られるひとつの愛と絆のかたち。ともすればドロドロとしてしまいそうなのに、上品さを保っている。世間一般の価値観ではありえない関係なのに『こういうのもアリかもなぁ。人生の正しさなんてあるようでないんだよなぁ』と、読み進めるうちに素直に彼らを肯定してしまう。その感覚が心地良かった。

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    2018年01月20日
  • 水声

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    きれいな物語だった。川上弘美さんの小説が好きなのは、解説で江國香織さんが書かれているように、そこにゆるやかな肯定があるからかもしれない。
    許さないことや否定することが流行っている中で、そのゆるやかな肯定が懐かしく温かく優しく感じられる。

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    2018年01月16日
  • 龍宮

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     読んでいて感情が高ぶったり、あるいは落ち込んだりしない。
     どこまで読み進めても感情はずっと平坦なまま。
     そんな感じ。
     そしてそんな平坦さが意外と心地よい。
     何食わぬ顔付きでそれとなく読み手を自分の世界に誘う。
     ただ、最後の「海馬」は非常に切なく、心が強く揺さぶられた。

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    2018年01月06日
  • これでよろしくて?

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    「これでよろしくて?同好会」。おばさまを中心に女の人たちが集まっては夫婦や家族の問題についてごはんを食べながら話し合う場。話し合うと言ってもゆるく、でも実はなかなか鋭い納得の洞察があったりして、すごーく面白い。
    ひょんなことからこの会に参加するようになる菜月は30代の専業主婦(子どもはまだなし)。そこそこ幸せだけど、夫や姑とその家族のこととかなんとなくのもやもやを抱えていて。この会に参加して即何かが解決するわけではないけど、菜月の中で少しずつ整理されてゆっくりと前に進み出せた・・のかな。
    ストーリー性はあまりないんだけど、同好会の話し合いがいちいち面白すぎる!おばさまの的を得た物言いも良い。経

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    2017年12月13日
  • 溺レる

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    再読でも好きでした。何かから逃げ続けている男女の、ふわふわとしていながらも、寂しい官能を感じる短編集でした。いくらアイヨクに溺れても、相手との間の空気を改めて知るような、満たされないふたり。人ではないものになって、百年とか五百年を過ごしても、寂しさは続くのかもしれません。食べる場面も、悲しくて寂しくてとても好きです。亀って鳴くのかな。解説も好きでした。「つまらない女」にひっかかったら最後、もう帰れないのである。

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    2017年11月20日
  • 東京日記2 ほかに踊りを知らない。

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    ネタバレ

    前作もゆる~い面白さがあったが、今回もよかった!
    (東京音頭以外の)踊りを知らない
    次を読みたい!

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    2017年11月04日
  • 東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

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    ネタバレ

    なんとも、独特のゆる~い雰囲気の文章。面白い物の見方をしていて、この人は日常をこんな風に切り取って感じられるんだ、と感じた。
    シリーズになってるみたいなので、ほかも読みたい。

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    2017年11月04日
  • 龍宮

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    川上さんを読むたびに思うのです。私はこんな作品は嫌いなはずだと。
    不思議な幻想譚です。ファンタジー。登場するのは人間になった蛸、膝ほどの大きさの14歳の姿の曾祖母、ケーンと鳴く老人、台所に出没する小さな荒神。。いずれも人にあらざるもの。私はこうした幻想作品にはあまり手を出さないはずなのです。
    それでも川上さんの世界に入り込めます。それは、そうした不思議な世界がおどろおどろしくでもなく、少女趣味的なファンタジックでもなく、ごくありふれた事象の様に描かれているせいかも知れません。フワフワと心地よく川上ワールドを漂えば、それはそれで心地よいのです。

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    2017年10月30日
  • 光ってみえるもの、あれは

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    川上さんは、何時も不思議な話を書く人ですが、その中でも"有り得ざる者”や”有り得ざる事"が出てくる「蛇を踏む」などの作品と、ちょっと変わった人々を主人公にする「センセイの鞄」のような作品があるようです。
    これは、そういう意味では「センセイの鞄」の系列です。
    例によって、なんだかフンワリした感覚に浸ってしまいます。所々ではニマニマと笑い出してしまいます。そして、時に切なくなります。
    他の人の評価を見ると、やはり極端に割れてしまいます。リアリティを求めてしまうとダメでしょうね。こんな高校生は居ないし、周りの人物も変過ぎます。川上さんの作品は小説と言うより"物語&

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    2017年10月30日
  • いとしい

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    川上さんらしい作品です。
    何と言うか、おとぎ話のような登場人物の実在感の無さ。それで居て、存在感はしっかり有るのです。
    前半は普通に始まります。実の父親は早く死に、今は春画を描く義父と暮らす幼い姉妹。その義父も事故で亡くなり、母と時折訪問するその愛人との思春期。そして姉妹も大人になり。。。このあたりから、川上さんらしい奇妙な”変身物語”が始まります。繭に包まれ、やがて発芽する姉の恋人。恋人の下に現れる義父のモデルだった男女の幽霊。。。
    この何とも言えない、取りとめも無く、つかみ所も無い物語は何なのでしょうかね。私は普通ならこういった話は苦手なはずなのですが、何故か川上作品には惹かれてしま

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    2017年10月30日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    冒頭の短編「海石(いくり)」で強烈に引き込まれた後は、目くるめく川上ワールドの奔流に絡め取られて、気付いたら最後まで一気に読んでしまいました。勿体無いことした…。

    こういう中毒性がある短編は、秋の夜長に、大事に大事に、一編一編、噛みしめるように読んでいくのが一番満喫できると思うんですよね……。

    勿体無いことした…………。

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    2017年11月15日
  • 東京日記4 不良になりました。

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    不思議な川上弘美さんの日記風、フィクションエッセイ(?)
    3.11のあった時なのですね。
    フィクションエッセイだけど、その時はやっぱり胸が痛くなりました。

    それにしても、どうやらこの日記の間に、
    健康診断で要再検査があり、手術までされているのです。
    大丈夫かしら?

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    2017年10月11日
  • 水声

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    ストーリーや設定だけを説明しようとすると
    なんだか、納得というか、なぜかなと不思議な気持ちになるけど
    淡々と静かに受け入れてしまう川上さんの小説
    ちょっと心が疲れちゃうけど、嫌いじゃないんだよね

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    2017年10月08日
  • 物語が、始まる

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    短編4作を収録しています。

    「物語が、始まる」は、主人公の女性が公園の砂場で男の「雛型」を拾い、育てる話です。やがて「三郎」と名付けられた雛型と彼女との間で少し奇妙なラヴ・ストーリーが展開されていきます。

    「トカゲ」は、マナベさんという近所の主婦から、幸運の「座敷トカゲ」を授かったカメガイさんの話です。トカゲはヒラノウチさんの家に預けられ、急速に成長していきます。

    「婆」は、主人公の女性が一人の老婆に手招きされ、彼女の家で奇妙な時間を過ごす話です。最後の「墓を探す」は、寺田なな子が、父親の霊に促された姉のはる子に付き添って、先祖の墓を探す話です。

    著者の作品には、どこか現実感の欠如した

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    2017年09月20日
  • 水声

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    ネタバレ

    不自然といわれるものの自然さを描くときにこの作者は生き生きとするように感じる。気持ちの動きを普通に感じさせる力。

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    2017年09月14日
  • 水声

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    「昔」の描写にとてつもない郷愁を感じるのはなんなんだろう。
    どこか遠くにある自分の懐かしいものを見せられているような気持ち。
    どんな話なのかと言われるとうまくまとめて伝えることができにくいのだけど。
    きょうだいの性愛が含まれていても
    「そういうものもあるだろう」
    という、なんというかストンとくるものがあるのは川上さんの書き方ゆえなのか。

    「昔の話ができるのは、一緒に昔を見た人がそばにいるからだ」

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    2017年09月11日
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)

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    花澤香菜ちゃんが読んでたって言っていたから購入した、たぶん。独特な世界観についていけなくてはじめて読み始めた当時は積んでしまっていたけれど、数年経って読んでみたらすんなり入ってきた。色んな恋の深みを体験できて楽しくてすこし寂しい。

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    2017年08月19日
  • 古道具 中野商店(新潮文庫)

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    これはなかなか良かったなー。人物がみんな愛すべき人たちだったのが良かった。主人公と男の子のあたりは歯がゆかったけど、店主と愛人のあたりはなんかおかしみがあって、そこになんか人生のおもしろさが垣間見えた気がした。ラストも好き。

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    2017年08月09日
  • 七夜物語(中)

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    中巻では、4つめの夜の世界と、5つめの夜の世界が書かれている。

    だんだんと冒険は難易度を増していく。
    そして、さよと仄田くんも、冒険を通して少しずつ成長していく。
    この物語の冒険は、さよと仄田くんの心にいろいろな感情を芽生えさせる。
    幼いながらも、芽生えた感情と真摯に向き合い、答えを見つけようとする姿は、見ていて眩しい。

    残り2つの夜を、この二人がどうやって乗り越えていくのか。
    最後の2夜を覗いてきます♪

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    2017年08月05日