朝井リョウのレビュー一覧

  • どうしても生きてる

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    何かが分かったからといって、事態が大きく動くわけでも、物語のような劇的な結末が待っているわけでもない。そんな現実の重みを、静かに思い知らされる。

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    2026年07月10日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    表題作、友達同士の価値観の違いを描いた話だったけれど、渡邊くんと雪子の距離感は心にくるものがあった。

    身体が近付く描写が好きだった。性描写のシーンは虚しくて美しかった。渡邊くんと身体が交わっていく、お互いがお互いを愛おしく思っている、でも雪子は頭の中では音楽と向き合っている、そのコントラストが綺麗だった。決して渡邊くんを粗末に扱っているわけではないと感じる。なぜか、渡邊くんに集中していないとは受け取れないあたたかさがあった。

    薫との価値観の違いは節々に描かれていたけれど、渡邊くんとの長い関わりがあるからこそ浮かび上がる違和感を自覚するシーンが苦しかったし、その寂しさが尊かった。

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    2026年07月09日
  • 世にも奇妙な君物語

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    ネタバレ

    これを読んで朝井リョウがなぜ私の心を掴むのかわかった気がした。
    私はぞくぞくする展開が好きなのかもしれない。という気づきと、朝井リョウの扱う題材が人間の内にあるひそかな感情にスポットを当てたものであるということ。

    『立て!金次郎!』は途中までいい話としてのめり込んだ。孝次郎の頑張る姿に共感し、園児にきちんと花を持たせる展開に歓喜した。もうこれでいいよ。この後展開がなくても十分だよ、と思わされつつも、最後に強烈なホラーを突きつけてきた。『13.5文字しか集中して読めな』と同様、わかりやすいホラーはありがたい。
    『脇役バトルロワイヤル』は急に朝井リョウのギャクセンが炸裂した。事象に名前をつけるや

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    2026年07月08日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    題名のインパクトに負けて読んだ。
    大学生の自分、今この本に出会えてよかったと思う。
    手段と目的の逆転、生きがいではなく死にがいを求めてしまう、変わるもの、変わらないもの。
    受け入れることもまた一つの手段である。
    時系列が少し入れ替わってるこの感じ好きかもしれない。もう一度読み直したくなる。パラパラ見ただけだが、細かな伏線が張り巡らされている。これ系は最初は少し面白みを感じないけれど、読んでるうちに抜け出せなくなる。“読みがい”がある。
    確かに自分も誰かのために何かをやっていないと、何かをやっている自分でないと落ち着かない。これは人間共通なのではとも思うけど。

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    2026年07月07日
  • 世にも奇妙な君物語

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    世にも奇妙な物語を書く事が、朝井リョウさんの最高のストレス解消法であることから生み出された短編集。
    朝井リョウさん、多彩すぎます。
    「シェアハウさない」•••一見中の良さそうな4人だが、お酒を過剰に避けるなど、何か違和感が拭えない生活。
    その先に待ち受けているこの家の衝撃の真実に一話目からブッ飛びました。
    「リア充」•••コミュニケーション能力促進法により、抜き打ち試験がなされる日本。SNSでなんでも見せびらかす現代社会への皮肉がピリッと効いていました!
    不合格となった時の罰則(スポーツバーで知らない客とハイタッチ100回、先輩の家での鍋パに強制参加等)が面白かったです笑
    「立て!金次郎」••

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    2026年07月07日
  • そして誰もゆとらなくなった

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    三部作と知らずに、この本から読んだんですよ。テンポいいし、言葉のチョイスがとても好み。ただ、本人も書いてるけど、まぁウ〇コの話ばっかり!前半は面白く読んでたんですが、段々この人大丈夫?こんなに生活に支障きたしてるのに病院行かないの?もっとちゃんと調べて治療したらなんとかならないの?…なんて思い始めてしまって。笑いながら心配しちゃった。
    インザメガチャーチで出てくるオーディション番組のオタクは、本人とその身近にもいらっしゃって、あの解像度なんだなぁと思うなど。

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    2026年09月05日
  • もういちど生まれる

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    作者の爆笑エッセイを読み、ラジオを聞いて朝井リョウさん像があるにも関わらず、作品を読んでも作者は見当たらない。そこにはちゃんと登場人物がいる。
    何よりも好きなのは、自分が主人公になったと錯覚するほどの心理描写文。その時々の気持ちによって、風景を見てどのように感じるのか全然違う「それ」を見事に書いて閉じ込めているようで好き。
    短編小説だけど、登場人物同士に関係性があって、ある小説では「クール」な女性として描かれている子が、主人公になった小説では葛藤を抱いていたり…それぞれ世界をどのように見ているのかを経験できる作品で好き。

    1番心に刺さったのは「もういちど生まれる」。
    ストーリー性がいいのはも

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    2026年07月03日
  • どうしても生きてる

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    面白かった!
    やっぱり短編集は最初の話が一番面白い気がする
    登場人物の精神描写がとにかくリアルで良い

    病んでる人は読んだほうがいい、共感できるところがたくさんあると思う

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    2026年07月01日
  • 少女は卒業しない

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    一つの学校での生活を切り取っている。
    青春。
    恋、友情、後悔、さまざまな想いが書かれていて、頭の中で映像が流れてくる。

    ベスト3
    エンドロールが始まる
    在校生代表
    四拍子をもう一度

    中でも在校生代表がぶっちぎりの1位
    このような小説もまた出してほしいな〜

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    2026年06月29日
  • ままならないから私とあなた

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    人にはそれぞれ価値観があって、どちらが正しいと決めることはできない。
    何かを知った時に、自分がいかに見たいものだけ見て、聴きたいことだけ聴いているかが分かる瞬間がある。
    人と人との関係を考えさせられる小説。

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    2026年06月29日
  • スペードの3

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    まず、作者は男性にも関わらず女性特有のめんどくささや嫌な部分を鮮やかに書いていることに脱帽です。
    ちょっとしたどんでん返しもありつつ、1番最後は誰もを認めて受け入れてくれるような優しいラスト(と私は解釈しました)に心がじんわりと温かくなりました。

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    2026年06月27日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    今の自分に合っていたのか、人生本になった。何が苦しいって訳じゃないけど、どうしようもなく苦しい人生を言語化してくれて、同じようなことを考えている人がいることをしれたこと、分かって貰えたというだけでそっと寄り添ってくれたような安心感があった。

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    2026年06月27日
  • 何様(新潮文庫)

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    面白かった。『何者』の続編だが個人的にはこちらのほうが好み。働きながら自分の感情や人生に折り合いをつけることは生易しいことではない。でもちゃんと希望が描かれており、何度も読み直したくなる。

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    2026年06月25日
  • 何様(新潮文庫)

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    「水曜日の南階段はきれい」
    秒速5センチメートルさながらの恋愛物語。面白い。
    「それでは二人組を作ってください」
    理香が理香すぎてなんか悲しくなった。
    「逆算」
    沢先輩がいい男すぎて、よい。
    「君だけの絶対」
    ピボットを生かした人との関わり方、いいね。
    「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」
    不倫を正当化するな。
    「何様」
    本気の1秒←なんて素敵な考え方なんだ。

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    2026年06月25日
  • スター

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    ネタバレ

    誰かにとって何が正しいのかは分からない、と考えていた。自分にとって、これは違う、それはおかしいと感じることでも、なるべく「それは違うんじゃない?」と否定することを避けてきたことに少し誇らしさを感じる。

    しかし反面、自分が「良いこと」だと思うことの説明ができるかどうかと言われたら微妙だ。
    どうせ直感で、なんとなく、などという枕詞から始まって、その時作り上げた言葉で語る自分の姿が容易に想像できる。気持ち悪い。
    こうならないためにも、自分が良いと思うその理由、価値判断基準をよく考えたいと思う。

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    2026年06月22日
  • 武道館

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    8年ほど前の作品、アイドル像は少しは変わったのだろうか…。
    長年生活に寄り添ってくれていたアイドルが活動終了し、なんとなく心に空白ができて、何かで埋めたいなとこの本を読みました。

    朝井リョウさんの作品は何作目だろう。(もちろん作品の雰囲気には一貫性があるけれど)毎回主人公が自分史を語っているように、ほんとうにすんなりと心に入ってくる文章だと思う。

    アイコもアオイも幸せそうで良かった。
    こういう結末にしてくれた朝井さんに感謝します。
    余談ですが、ケーキの描写がとても美味しそうで、さすが!と思いました。

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    2026年06月21日
  • スペードの3

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    さすが朝井リョウという作品
    人生で不幸な経験がなければダメなのか、誇れるものがない人間は自信を持つことができないのか、思い当たる節があり、ハッとさせる作品

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    2026年06月19日
  • GOAT Summer 2025

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    GOATの中で今のところ1番好き!
    やっぱり「悪」というあまりポジティブでは無い題材というだけで胸が踊る!
    マイナスなイメージの強い題材で、いったいどんなお話が読めるのかとドキドキしながら毎ページめくった。
    そして毎度のことながら、指心地が最高、これだけでも買う価値がある!

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    2026年06月18日
  • 何様(新潮文庫)

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    一般的な「正しさ」のレールに乗らず、一般的には「はみ出している」のかもしれない人の生き方やその背景にある生い立ちや感情を細部まで言語化してストーリーにする朝井リョウさんの作品で、引き込まれるし面白い。
    人間の折り合いのつけられない、どろっとした思いも、人間らしさだなぁと思う。
    ところどころで、わかるなぁと思いつつも、そんなに気にしなくていいんだよ、自分の好きなように生きていいんだよとか思う瞬間もあった。
    「何様」がポジティブな内容で意外性があった。
    仕事がんばろう、と思いました。

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    2026年06月04日
  • 何様(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「あんたもさ、子どもができたって言われてから今まで、うれしいって本気で思った一秒くらい、あったでしょ?すぐ別の気持ちに呑み込まれたのかもしれないけどさ、でも、その一秒だって誠実のうちだと思うよ」

    「っていうか、いきなり百パーなんて無理じゃん!誠実への一歩目も、誠実のうちに入れてあげてよ〜」


    何者で出てきたキャラクターやその周りの人たちの過去とそれからの話、といえどれも単体でも十分楽しめる短編集だった。

    この作品を通して朝井リョウ先生の、どこにでもいる人の、日常の中で人に話せない、伝えにくいけど本人にとっては無視できない感情を掬い取るのが本当にうまいなあと思った。

    ・中高生が気軽に口に

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    2026年06月04日