朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ桐島が「装置」に徹底している点に感銘を受けた。
同じクラスで、異なるカーストに属する登場人物たちのエピソードが展開する中、最終盤で「桐島」を主人公とした章が当然あるのだろう、そこで桐島の心情が事細かに露わにされ、それまでの物語の見え方が大きく転換するのだろうと予想していた。
しかし、桐島は本を閉じるまで登場せず、それどころか彼の人物像の全貌が浮き上がることはなかった。
与えられた情報は、クラスの一軍で、バレー部のキャプテンで、不動のリベロで、だけど部内で軋轢が生まれ去ったという客観的事実のみ。彼が日々何を思い、どのような葛藤を抱え、部活を辞めた後どのような学生生活を送っているのか、桐島の心の -
Posted by ブクログ
お礼を言いたい。
大好きな三宅香帆さんが面白いと紹介していたので手に取った。
読み始めたのは1ヶ月ほど前で、最初の20ページほどで、自虐しつつリア充感満載だな。いけ好かん。
と思い放置してしまった。
その間に保育園児の我が子が病気で入院することに。
暇つぶし用に持っていくのに重たい内容の本はなぁ...と軽めのこちらをセレクト。
我が子の心配から心病みそうになったが、こちらの作品の端々で肩が震える事震える事!そして鼻息が荒くなる事!!(良い意味)
自分が笑えたことで我が子にも明るく接することができました。
ありがとう!これまでの朝井さん!
続編も心が病みかけた時に読もう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人生で初めて小説を読んだ。その一冊がこれでよかったと思う。
一番刺さったのは「視野は広い方がいいのか、狭い方がいいのか」という問いだった。自分は就活中、視野を広げすぎて動けなくなった。カバーすべき範囲が多すぎて間に合う気がせず、面接が怖かった。すみかのように視野を狭めた方が人は動ける、というのは実感としてよく分かる。自分が長期インターンに没頭したのも、暇だと考えてしまうからだった。
ただ、狭めることが正解だとも言い切れない。視野を広げないと見えない世界もある。読みながら考えたのは、広い/狭いのどちらかを選ぶことではなく、視野の広さを自分で操作できるかどうかが本当の変数なんじゃないか、という -
Posted by ブクログ
とても好きなジャンルの小説でした。終盤のヒートアップする会話シーンがとくに良かった。
あくまで思いやりを背景にした他人への正しさの遂行でも、誰かにとっては迷惑の可能性があって、
そうならないよう予防戦を張って接したとしても、自分の想像には限界があるから結局可能性は残るし、だったら初めから干渉しない方がいいとも思うので、何が正解かわからない。
仮に自分の思う正しさが間違いなら、
目指すところは完全中立、意思なし寡黙人間なのか?と思ってしまった。
でも「明日死なないため」に、人には"つながり"が必要であって、自分が逃げれば自分が死んじゃう。そこが難しい。完全に他者を理解すること -
Posted by ブクログ
勝手に物語を作り上げ、熱くなり、団結し、援助、課金を続ける信者と、それによって拡大し続ける元来生きるうえでは無価値かもしれない業界…つまり推し活だとか新興宗教だとかホス狂だとか。これを絶対的悪だ・搾取している と言い切る事ができるだろうか?自分で選んだフリができて且つ何でもいいから価値を信じて踊らされたい人が一定数いるからこそ機能してしまうなら、これはもう人間の本質が生み出した自然発生的なものなんじゃないだろうか。
ひとつのテーマへのアイロニー、社会構造の的確な言語化、登場人物それぞれの悩みの根本を捉えた心理描写。朝井さんの本はどれもこの3つが揃っていて、つい読む手が止まらなくなる。物語が他 -
Posted by ブクログ
十数年ぶりの小説、何を読もうかと本屋をしばらく彷徨っていたら目に飛び込んできて、とりあえず購入。
「長編小説」との文字を見て、読書初心者の私は読み切れるか不安だったが、何かの縁かと思い。
結果大当たりだった。すごく面白く読めた。
今まで「人は何をするにも理由がある」と、相手の背景をとりあえずは想像して生きてきた人生だったが、その思考にももちろん限界はあった。「意味がわからない」の一言で片付けてきた領域を解説されたような、見せつけられたような小説だった。
本当に読書初心者の感想で申し訳ないが、「作者ひねくれてんな」とも思ってしまった。ちょっと笑うまであった。ほんまごめん。許して。