朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
就活の話。自分はスゴい人間だ、何者かであるんだとアピール出来るところは何も無い人生を歩んできたので、就活に取り組んできた人達は精神をすり減らし自分と向き合い友人同級生に疑心暗鬼になり、大変だったんだろうなあと思いつつ
高校生の時に就活は絶対自分には向いていないからと看護学部を選んだ自身の選択に大感謝なんて考えたりした。
何者でなくても、泥臭く生きていかないといけない。って書いてあった気がする。
あと昨今の冷笑は良くないよっていうメッセージは胸に刻み込ませた。
本当に読んで良かった。朝井リョウの、最後に主人公を窘めるというか、第三者からの視点をツラツラ述べるところがハッと気付かされるものがあって -
Posted by ブクログ
心を抉られるような感覚だった。
就活を始める前に読んで起きたいと思い読み始めたが、正解だったように思う。自分が内定がもらえない状態で読んでいたら、しばらく動けなくなるくらい酷く落ち込んだだろう。
常に冷静なかっこいい自分でいたくて、熱くなっている人たちのことを遠巻きに見て「恥ずかしい人」と馬鹿にして、自分はいつか「何者」かになれると漠然と信じている。「何者」かになるための対価など払うつもりもないくせに。自分が特別ではないことを薄々感じながらも必死に見ないふりして、1番恥ずかしいのが自分であるとも気づかずに。
拓人は私だ。だからこそ、この物語は私にとっても再生の物語である。かっこわるい自分 -
Posted by ブクログ
朝井さんの書き方で現代社会の不条理や、成長至上主義などなど、面白く皮肉っていて、考えさせられながらもサクサク読み進めることができた。
50を過ぎて尚成と同じように「省エネでいこっ」とか「自分とかないし」(どこかで読んだやつ)って生きてる。考えようによっては主人公は究極の進化体、行き着くところなのかもしれない。
以下首もげそうなくらいうなづいたフレーズ。
「きっと皆、実は気づいてもいるんですよね。企業も国家も個人も、永遠に"今よりももっと”を達成し続けるなんて、不可能だってこと。そのうえで、"今よりももっと”をやめるわけにはいかないということ」
「時代ごとに現れるスローガ -
Posted by ブクログ
今作のクリエイターについての物語の感想として、創作者でもないたかが受けての一人として自分語りをすることが恥ずかしいことなのは承知の上で自分語りをさせてもらうと、以前は映画を年間150本、加えてドラマやアニメも複数見るなど映画好き、エンタメ好きだと自負している。だけどここ数年、転勤や出産などでなかなかまとまった時間がとれないこともありYouTubeや SNSなどに余暇時間が偏っている。そのことで自分に対して残念で悔しい気持ちになったりもした。以前はTikTokのショート動画や縦型ショートドラマに対して眉をひそめていたが自分も多忙を言い訳にして『本物』から遠ざかっていることに嫌気がさしていた。本作
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Posted by ブクログ
深い。言語化がうますぎる。感情の機微を繊細かつ正確な比喩で表現されていて、文章がするっと自分の感情に重なってくる感覚があった。鮮やかな生の話ではなく、タイトルどおり、ぎりぎりのラインでかろうじて保たれている生の話が綴られている。短編集だけど、一つ一つの内容が重くてこころにずっしりとおもりがのしかかるかんじ。不完全燃焼の話もあるけど、それがいっそう現実感を掻き立てる。なかでも一話目の話が1番印象に残った。きっと心のどこかで私も似た感情を抱いて生きてきたからだと思う。
「いつだって少しだけ死にたいように」
「いつだって少しだけ生きていたい自分がいる」
「こういうことがあった辛くてたまらないもう死