朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
解説含め全6編、全て面白くて読む手が止まりませんでした。
「籤」
人生でハズレ籤を引いてきた女性が主人公。自分との共通点が多く、自分に置き換えて読んでいました。優しい人、できる人、女の人が損をする世の中に直面して、読んでて苦しくなりました。
それでも物語最後は、ハズレ籤を引いた人生の中でもがき、工夫し、今の自分を認めてあげる。
亡くなった母の言葉を思い出して、これが自分の人生なのだと受け入れて前に進む姿に救われました。
全体的に出てくる男性がどうしようもない人が多く、「男って…」と思ってしまった…。
男性=弱い、女性=強いというイメージを持ってしまう。
読んでいて、昔バイト先の主婦さんがイライラした雰囲気を纏っている男性店長のことを見て、
「男性って理不尽を受け入れられない人が多い」
と言っていたことを思い出した。
私が女性だからそう思うのかな…。
次読むときは男女の偏見なしで物語を楽しめるようになっていると嬉しい。 -
Posted by ブクログ
スクールカーストを題材にその世界で生きる高校生を描いた物語
桐島はいういわゆる「一軍」に所属しており彼が部活に出なくなることで、周りの人間に影響を与え物語が動き出して行く
高校という狭い世界でのカーストはその世界を生きる者にとっては重要な基準であり、嫌でも認識しないといけないが、それぞれの目線での悩み・葛藤が描かれている
この作品ではある人物からの視点で、好きなことに没頭する美しさを「ひかり」と表現している
その世界では優れてるとされている者は「ひかり」に憧れ、自身が抱える虚しさを残酷に照らし、浮き彫りにしていた
高校だけでなく、社会に出てからも直面し、心を抉ることがある題材である
生きるのは大変だが「ひかり」を放ちながら生きたい -
Posted by ブクログ
ネタバレ他の方のレビューで、「何者」にこの続編(?)「何様」があると知り、早速読みました!
「何者」に出てきた学生たちが、その後どうなったかが描かれてるのだろう、と思って手に取ったら、さすがの朝井リョウさんはそんな単純なシゴトしてなかった!もうちょっと複雑で、例えば「何者」に出てきた「サワ先輩」をそのまま描くのではなく、サワ先輩を好きになりそうな女性目線で描いてたり、ミズキさんのお父さんと出会った女性を描いてたり。あと、ギンジの甥っ子目線だったりいろいろで面白かった。
1.水曜日の南階段はきれい
光太郎の高校時代の思い出。光太郎が、「何者」でなぜ瑞月さんの想いを受け入れなかったのか、「忘れられない人がいる」って言ってたけど、それってどういう女性なのかが描かれている。
2.それでは二人組を作ってください
「何者」の理香が、なぜ出会って早々の男と同棲を始めたのかが描かれている。理香は「何者」で描かれていた通り、やっぱり生きづらい子なのね。自然と、「友だちと二人組を作る」とかができなくて、真面目過ぎて。で、なんやかやでルームシェアをする友達が見つからず、出会って間もない男の人と暮らすようになるんだけど、その男(隆良)が、「何者」よりも薄っぺらい感じに描かれてた笑。
3.逆算
11月生まれの自分って、逆算すると両親がクリスマスに仕込んだ子なのではないか?って考えている女の子の話。読んでいて、ん?クリスマスに仕込んで11月生まれってことはないよな…と思いながら読んだら、そういうオチだった。
4.GINJI
ギンジの甥っ子の話。ちなみに母がGINJIの姉。で、父はお堅い商社マンで、どうも昔からGINJIのことをバカにしているっぽい。商社の仕事は、まだ日本では手に入りにくいものを輸入したりして、人の役に立つ仕事なんだ!だけど表現者とかいうの?なにあの仕事?息子よ、お前はちゃんと人の役に立つ仕事をする大人になるんだぞ…。
で、甥っ子はおじさんの舞台を観に行って、意味わかんね~って思うんだけど、一緒に行った彼女は、舞台で出てきたフレーズをちょっと覚えてて、救われたりする。
仕事って、人の役に立つ仕事って何だろう…って考えさせられるストーリーだった。
5.むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった
真面目に正しく生きて、一生懸命に仕事をしている正美という女性が、むしゃくしゃして最終的に不倫しちゃう話…って言ったら身もふたもないけど笑。その相手が、「何者」の瑞月のお父さんで、瑞月が「うちのお母さん、ちょっと弱いんだ、心が」って言ってたのがどういうことなのかわかる。
まぁ、不倫くらいすればいいんじゃない?って思っちゃう。
6.何様
「何者」の集団面接のシーンで、元気に笑いをとっていた男子学生のストーリー。彼は無事に就職したけど、社会人になったらなったで、いろいろ悩むわけで…っていう話。
これちょっと、入社一年目で人事部に配属になって、採用面接を担当するとか、そんなことあるの?って不思議に思った。彼は都内で一緒に就職した彼女と同棲してるんだけど、彼女も一生懸命に働いてて、お互い仕事が忙しくて、すれ違い…ってほどじゃないけど学生時代とはちがって現実との闘いが日々あり、生きていくって大変!!!って思った。
ちょっと思ったのと違ったけど、どれも独立した短編として十分読み応えがあり、「何者」に続けて読んでよかったと思いました!