朝井リョウのレビュー一覧
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とにかくはちゃめちゃに良コスパな文芸雑誌第二弾。今号はテーマを「悪」と定め、悪にまつわる様々な物語が読める。
収録作品の中の上村裕香著「全身政治家」がめちゃくちゃ人を喰った話で面白かった。
とにかく顔がいい若きシゴでき市長から直々に生い立ちについてのインタビュー記事の依頼を受けた主人公。しかし話を掘り下げていくと奇妙な齟齬に気づく。勇気を出して本人に伝えると…。とにかくこの市長のキャラがいい。ビジュ良すぎる顔でシリアスに暗い生い立ちを語ってからのこのオチはもはやコント。しかしこれによって主人公が自分自身の過去と対峙する展開はちょっと感動してしまう。
こういう話大好き。 -
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ネタバレ・ラスト40ページ鳥肌がたった。伏線は、確かにちりばめられていた。海外留学して1年浪人している理香や瑞月、1年休学していた隆良と、普通のような人物に見える主人公がなぜ同時期に就活をしていたのか違和感をもたずに読んでいたため主人公が就活2年目だと知った時は衝撃だった。
・それにしても「何者」ってタイトルもまさか主人公のこと指していたとは。最後にこれまで主人公が抱えていた悪意を全部投稿で振り返るところも恐ろしさと面白さが同時に込上がってきた。でも爽快感はあった。主人公は悪意抱えていながらも「大人」とか「団体戦」的なことを意識してか本人には敢えて言わなかったから、最後に理香が弾けてすごい気持ちよかっ -
Posted by ブクログ
※オーディブルにて聴了
三部作の最後の作品。本当に面白く聞かせてもらった。朝井さんの人間性というかなんとも面白い生命体だなと感じた。この作品で特に面白かったのは、クリスマスケーキをシーズン中にホールで5個も!?1人で!?予約して!?食べるということ。そりゃ太るよ〜ってツッコミながら、というか、どうやって気持ち悪くなく毎日食べられるのだろうかとも思った。そんな生活しているのに、ちゃんと自分の健康にも気を遣っているのも良かった。ケーキを毎日食べ続けたら身体にどんな影響があるのかも絶対にわかっているはずなのに、自分の欲望に真っ直ぐなのも良かった。
トイレを頻繁に行くことは最初の作品から散々面白おかし -
Posted by ブクログ
ネタバレ就活未経験だけど面白い......なによりラストで傷跡残していきやがる。
就活は海原に放り出されるような、そんな怖い印象があった。実際、「自分がどの位置にいるか分からない」「誰も支えてくれない」という点は「やっぱりそうなんだ......」という声が出た。
自分は俯瞰する側にいたい。思えば当たり前ですやん。だって、就活って周りの人と能力を競うから、他人と比べて自分が勝ってると思わないとやってられない。でもそのアンチテーゼ的な立ち位置にいるのが、光太郎なんでしょうね。他者をあまり見下さず、知らず知らず周りから神様扱いされる人。父いわく、あるあるだそうで、それを知ったらため息が出た。
理香の -
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ゆとり三部作の最新作。直木賞作家となり、その後も次々と話題作を世に出している著者に、こんな可哀想なことがたくさん起きてたんだ〜と同情しつつも笑わずにはいられなかった。
「何で私の人生はいつもこうなんだろう」「神様が『お前の人生、そんなうまくいくわけねえだろ!』って、我に返らせてくれる」とあるが、本当にその通り。神様は朝井氏をいじめるのが好きなんだなぁ。著者はそれを見事にエッセイへと昇華しているから強い。
これまでのエッセイ同様、半分くらいトイレにまつわる話で、会ったことのない36歳男性のトイレの話でも朝井氏の書いたものなら楽しく読めてしまうのがすごい。
トイレにまつわる話はあまり他人としない -
Posted by ブクログ
ご本人がさくらももこさんのエッセイを好きなように、何も考えたくない時、ただ笑いたい時、ついつい朝井さんのエッセイを開いてしまう。と言うより、エッセイが好きになったのは、このゆとりシリーズのおかげだと思う。
お腹の調子は相変わらずなようで。そしてついつい吹き出して笑ってしまうので、本当に電車の中や公共の場で読むのは良い意味で危険。分かっていながら、ついつい読み進めたくて通勤のお供に読んでました。きっと電車内で私の近くにいた人は不審に見えてたんだろうな。マスクをしているものの、笑いを堪えて震えてる人がいると。
これで完結?なんてちょっと寂しいので、まだまだ新たなシリーズで続いてほしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先に3作目である『そして誰も〜」を読んでいたので、この巻の『肛門記』は早く読みたいと思っていました笑
期待通り、いやそれ以上に痔に悩まされていた朝井さんの闘病記が丁寧に感情豊かに記録されていてお腹を抱えて笑いました。職業病ですよね。
この頃の朝井さんは専業作家になることを決めて会社を退職するなど、環境ががらりと変わる過渡期でもあります。
当時の悩みや朝井さんがどんな思いで兼業作家をされていたのかなどを少しでもうかがい知ることができたことが嬉しかったです。
しかしエッセイを読んでしまうと、書かれる小説がシリアスであればあるほど、その落差に唖然とさせられるというか…。(いい意味で)
月並みな