朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔から祖父に連れられ、映画に触れ、
本物にこだわり続ける尚吾と、
島育ちで映画は大学に入るまでほとんど見たことがなく、美しいもの、心動かされるものそのものを映像として残したいと考える鉱。
正反対の2人の主人公が、本物が何なのかわからなくなった、様々な価値観が溢れる現代で自分たちの進む道を探る物語。
矛盾と葛藤。
正解のない世界。
質を求めれば原価が合わなくなり、利益がなくなる
自分の仕事感も問われているような作品だった。
朝井リョウの作品にはまり、読み続けているのですが、読後感がみんな考えさせられる物が多いなあと
じゃあ、私はどうする?と問われているようで
そういうところが好き。
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Posted by ブクログ
朝井さんの故郷である岐阜への旅のお供に。
朝井さんは時代を風刺した作品を書かれるのが上手い人だなと思っており、なるべく新刊とされているうちに読むことで、内容をより新鮮に感じることが多いなと思っていました。
そのため、約10年前に単行本として発表されたこの作品に対して、懐古的な感想を持つだろうと思っていました。
ところがどっこい、2025年に読んでもとっても新鮮!
AIの進歩が凄まじいここ数年を生きている現代人が感じることを10年前に予見してたのか?
それとも人間は10年前から同じようなことをずっと考えながら今まで生きてきたのか?
というようなことを思いながら読み切りました。
結論、朝井さ -
Posted by ブクログ
テーマは一つのことに没頭する「推し活」や「沼」
です。
単なる趣味という領域を超えて、私財を投げ打って
まで一つの物事にハマることが、最近は割と
ポジティブに捉えられています。
それでもその感情を理解できない人は一定数存在
し、「他にやるべきことがあるだろう」「もっと現実
を、世界を見渡せ」と言います。
一方で推し活の同志は、そんな声は全く耳に入ら
ないかのように互いの連帯を強めていきます。
この両者が合わせ鏡のように物語が進んでいきま
す。
そして、その推し活を煽る側も登場し、まるで
新興宗教の布教活動のように信者、つまり推す側の
人を煽っていきます。
しかし本書のキモは単に、現代 -
Posted by ブクログ
・バレー部のキャプテンである桐島が部活をやめることで、周囲の人にちょっとずつ影響を与える。短編集でそれぞれの視点で描かれている。
オーディブルでも聴き、特に小野憲章さんが語るパートは、詩やエッセイのようにも聞こえて耳が心地良かった。
特に好きだったのは、短編の中で唯一バレー部の話である小泉風助の章。
なぜなら私もかつて高校のときにバレー部かつベンチメンバーだったからである。
不在の桐島の代わりに試合に出られる。桐島がいないのは残念だが、内心自分が試合に出られて嬉しい。しかしコートに入ると居心地が悪くも感じる。この、高校生ならではの思春期のもどかしさを絶妙に表現している。
そして、バレー経験 -
Posted by ブクログ
「推し活」を軸に、物語を作り自分を使い切らせる側と、物語に熱中し、自分を使い切る側。
「視野を広げることはときに人を孤独にし、逆に視野を狭めることで共同体や信仰を得て幸福に近づける」
「視野を拡げれば拡げるほど、人は孤独になっていく。視野を狭めれば狭めるほど、他人から“異様”だと思われる。どちらに進むにしても、完璧な正解はない」
「どの角度から見ても本質的に正しい答えなんてない。可能な限り本質的でありたいと視野をどんどん広げていくと、いつの間にか誰の姿も見えないほど自分だけが遠ざかってしまう。そうなると何の行動にも出られなくなる…」
視野を広げると、正しさの軸が増えすぎて、行動の根拠 -
Posted by ブクログ
ずっと読みたいと思っていた本を、今年中に読みたい目標冊数達成のために大急ぎで読んだ。
ところどころ内容や表現にくらった。
絶対にまた読み直したい本。
死にがい、生きがい、今生きている意味を見出してしまいがちなのは私もそうで、それが良い悪いは言語化できていない。
私も、この期間は何をやり抜きたい、何かを成し遂げたい、何もやっていない期間は嫌だ、という気持ちがある。
目の前の対立に目を向けるのではなく、どうしても繋がってしまう今のために背負っている歴史に目を向けるという考えは納得した。
雄介の、「ドリンクバーくらいすぐ命注ぐ」性格は、私は持ち合わせていないため見習いたいと思った。
メモ