朝井リョウのレビュー一覧
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多様性という便利な言葉は、自分の想像の中を越えない。
理解しようとする行為は、自分の考えの中に異物(自分が知らない考え)をどれだけ許容できるか、ということなのかもしれない。けれども、無理に理解しなくても、理解できなくても、「自分には理解できないものが存在する」ということを理解するくらいには留められるかもしれない。
知らない世界があることを知ることはできる。それを知ることで、自分の中の多様性の枠は広がる。否定せず、干渉せず、隣同士ただ共に在る「共存」はできる。
マジョリティに立ち続けることは、それ自体が立派なマイノリティになる。だからこそ、誰しもが理解ではなく、存在を認めること。それが共存 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正欲と性欲。人間の欲、突きつけられる正欲に押しつぶされながら生きていくしかない大也達を目の当たりにして、自分の欲と向き合わされる。
人は誰しも性欲があり、そして色々な正欲と向き合って生きていくしない。性と正が多方面から描かれて、言葉でまとめるにはあまりに自分の言葉が拙く感じる。自分もマジョリティにいないと感じつつも、マジョリティに属せるように、大きなゴールを目指せるように、明日死なないように、生きている人は沢山いるんじゃないかと思う。きっと自分もそう。
正欲を確かめあう2人のシーンはとても美しかった。いろいろな性と正が絡み合う社会で、やっぱり人の温もりを繋がりを求める。それが人間なのかな、、、 -
Posted by ブクログ
異常性癖が原因でマイノリティに属している人達の物語と受け取った。
彼らはいかなる日も自分をジャッジし、絶望しながら生きてきたのだろう。
その息苦しさが痛いほど伝わってくる。
「自殺の方法を一度も調べたことのない人の人生は、どんな季節で溢れているのだろう」という文はあまりにリアルすぎる。
ラストの夏月の伝言は本作の希望そのものだ。
逆に自分自身と向き合う機会のなかったマジョリティ側の人間の末路は悲惨なもので、実際にありそうなマジョリティからの転落例だった。
多様性という言葉には時に上から目線な空気が纏わりつく。
実際、作中人物のように響かない人、煩わしいと思う人も少なくないだろう。
多様 -
Posted by ブクログ
「推し活」界隈の人達のお話
推し活を宗教のように見立てている
主な視点自分物は3人
意識だけは高く、海外志向だけれども、自分の能力や実力、気質とのギャップに悩む女子大生 武藤澄香
舞台俳優の推し活だけが生きがいで、共通の推しで意気投合している事だけが救いの三十代派遣社員 隅川絢子
音楽会社に勤めているが第一線からは離れてしまっていて、妻とは離婚し、娘である武藤澄香とオンラインで顔を合わせる事と留学費用を出して上げる事がが繋がりと感じ、一人寂しい生活を送っている 久保田慶彦
3人は殊更善人でも悪人でもなく
それぞれの不幸せを抱えた人達
そんな3人+αの推し活との関わり
推される側は、 -
Posted by ブクログ
まず大前提、私自身全く”推し”というものに傾倒していません。
SNSも辞めたぐらいなので、それらからは距離を取っていると自負しておりました。
が、何故か共感と理解ができる。
どなたが書いていたけど、朝井リョウは神の視点だと。
そこまで大袈裟でないにせよ、よくもまぁここまで、あらゆる登場人物に対して、肯定と否定を巧みに使い分けるなぁといった印象。
ダサい言い方をすれば、言語化が非常に巧い。
ある程度の年齢になると、
今までやってきたことじゃなくて、今までやってこなかった事が返ってくる
という言い回しに唸った。
もう小説というより、ドキュメンタリーとかそっち系だと思います。
唯一小説足らし