感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年12月23日
初めて読んだ朝井リョウ作品。この本をきっかけに、今では一番好きな作家の朝井リョウと出会えた。
とある一日に起こる様々な出来事を、時系列順に描く連作短編。どこかしっとりした筆致が、「最後の卒業式の日」という設定とマッチして美しい。当時中学生だった私は、登場人物たちの甘酸っぱい感情になんなく身を委ねて...続きを読む読んでいた。
作者の2作目でありながら、初期朝井作品の特徴が全て詰め込まれた名作。
Posted by ブクログ 2023年11月01日
細かな表現が自分の心に百発百中でヒットする。
そしてどの話もエモい気持ちにさせてくれる。
どうでもいいけど私は小説の最後のページの最終行を読み終わったときに絶対に鳥肌がたつ。
その度合いはその小説の良さのバロメーターでもあるのだが、やっぱりこの小説はどの話も鳥肌がエグかった。
個人的には「エ...続きを読むンドロールが始まる」「寺田の足の甲はキャベツ」「夜明けの中心」がよかった。
Posted by ブクログ 2023年09月16日
それぞれの卒業式が描かれていた。
登場人物たちの掛け合いの、ギャグ線が高くて、とてもいい学校だと思った。私も通いたくなった。
朝井リョウさんの作品を初めて読んだが、言葉がとてもうまい。
Posted by ブクログ 2023年04月15日
ザ・青春といった感じの作品。読んでいて爽やかな感じがあるし、こんな青春っぽいことをしてこなかった自分としては若干の憧れの高校生活だなぁと。廃校になる高校の卒業式という題材も現代には高校の統廃合なども多く、ありそうな話ではありますし、次の日には取り壊される校舎から思い出される想い出や様々な思いが文章か...続きを読むらすごく伝わってきて、朝井さんの人物や心情の描写のうまさを感じた。
Posted by ブクログ 2023年03月13日
★5.0
「伸ばした小指のつめはきっと、春の先っぽにもうすぐ届く。」
私の一番好きな作家さんは朝井リョウで、その中でもこの作品はトップレベルにお気に入り。
さて、先程の一文、実は冒頭部分なんです。なんですか、初っ端からこの破壊力!
こんな素敵で胸をギュッと締め付けられるような表現が詰まっているん...続きを読むです。
この作品は、7人の卒業を控えた少女達の物語。中でも一番のお気に入りは、「在校生代表」という物語です。
主人公の亜弓が在校生代表として送辞を読むのですが、その送辞の中で生徒会の先輩である田所先輩に告白をするという、それだけでもう胸キュン間違い無し!なのに、途中からは送辞だということを忘れてしまうぐらいに内容に引き込まれていきます。
亜弓が、田所先輩を好きになっていく過程。
先生までもを利用して、どうにかして先輩と近づきたいと奮闘する姿。
それでも恋が叶わないと知ってからも、先輩を想い続ける健気さ、強さ。
そんな亜弓に感情移入して、思わず泣きそうになってしまいました。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、そんなことはどうでもいいと思えるほどに、私はこの作品を愛しています。
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「黄色いライトで照らされた、瑞々しいレモンのような彼の頬に線を引くように、涙が一筋伝っていました。そこから光が放たれているはずなのに、私には彼の涙に光が集まっているように見えました。」
「田所先輩に近づきたかったんです。一冊のノートに顔を寄せ合って、たまにおでこをぶつけてしまったりしたかったんです。」
「その頬を撫でるみたいに落ちていく涙の筋が、流れ星の軌跡のようで、とても美しかったからです。」
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他にも、卒業と同時に別れることが決まっている男女がわちゃわちゃとふざけ合うところから別れ話にもっていくまでの流れや、
先生に恋してしまったけれどそれは叶わない恋で、自らの手でその恋を終わらせようとする切ないけれど強い意志が感じられるところなど、
挙げ出したらキリがないほどに、そういう一つ一つがこれでもかっていうぐらい丁寧に、繊細に描かれているんです。
ストーリーを楽しむというよりも、一文一文を噛み締めるように読みたくなる、そんな私の大好きな作品です。
Posted by ブクログ 2023年03月17日
映画を見に行き、原作を読みたくなって再読。
とは言っても、以前読んだのは中学生のときで、内容はあまり覚えておらず。いつの間にやら彼女たちの歳を通り越してしまっていた。明らかに感じることは変わった。
Posted by ブクログ 2023年01月06日
ある高校を舞台に、様々な生徒の視点で綴られる連作短編集。
高校時代にしかない、「痛いほど切実できらきらした何か」が眼前に迫ってくるようで、読みながらあの頃の教室の、あるいは中庭の、あるいはグラウンドの空気を吸っているような気持ちになる。
切ないけどおすすめ。
Posted by ブクログ 2024年02月01日
「屋上は青」「在校生代表」「ふたりの背景」が特に好き
青春っぽい感じで、読み進めるうちに学校の輪郭が見えてきて面白かった。
さくっと読めるからまた読みたい
Posted by ブクログ 2024年02月25日
すごく甘酸っぱかった。
どの話もTHE青春という感じで、それぞれの別れがあって、思いがあって、それを違う話でそれぞれ描いているのがすごいと思った。
Posted by ブクログ 2023年09月27日
映画を観てから読んだので、映画のその感じを想像しながら読みました
個人的に寺田は原作読まないと彼の良さが伝わらないと思った、読んでよかったっす
Posted by ブクログ 2023年07月08日
朝井リョウが2010年~2011年にかけて雑誌「小説すばる」に発表した連作短編小説の文庫版。2023年2月には実写映画が公開されました。取り壊しの決まっている地方の高校を舞台に、最後の卒業式を迎える7人の少女の「別れ」を描いた作品。全体で群像劇とも読めるし、独立した短編としても読めます。大人と子供の...続きを読むちょうど境目にいる高校生たちの青春の1ページを見事に切り取った内容です。同じテイストで最後まで行くかと思ったら、最後の短編だけ毛色が異なりフックになっています。
Posted by ブクログ 2023年06月17日
朝井リョウさんの作品は、いつもちょっと読みづらい。というのも、うまい表現だなとかステキな喩えだなとか、読んでる間に何度も思考が脱線してしまうため。この作品は1行目から炸裂していた。
まさに青春の1ページをめくるっていうベタな表現が似合う作品。275ページ、全てのページに青春が詰まっていた。
中学でも...続きを読む大学でもなく、高校の卒業式を舞台に選んだのが絶妙。高校時代って、責任の重さとか自分で道を選択できる自由度みたいな部分がちょうどいい気がする。中学はちょっと不自由だし大学は自由過ぎる感じがするし。子供でもなく大人でもないというか、子供でもあり大人でもあるみたいな時期で、それなりの責任感とか若さ故の無鉄砲感とかごちゃ混ぜになってて。そんな高校時代の卒業式を切り取りつつも、表題の通り「卒業しない」少女達それぞれのスタート地点が描かれていて、各話の読後感も良かった。
各章のクロスオーバーが緩〜く回収されていく部分も、余白を想像で楽しむ心地良さがあって良かった。
Posted by ブクログ 2023年04月22日
読みたい本、欲しい本がたくさんあります。
でも我が家、財政難(いつものことですが泣)
そのため、本棚から積読本を。
2012年に購入していた一冊です。
しかもハードカバー。
当時の私、リッチ…!笑
帯は、
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「桐島、部活やめるってよ」の感動ふたたび...続きを読む!!
廃校が決まった地方の高校、
最後の卒業式。
少女たちが迎える、
7つの別れと旅立ちの物語。
この「さよなら」は、
きっと世界の扉をひらく。
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「桐島、部活やめるってよ」を20代そこそこで読んで、
たぶんその流れで本作も購入したんだろうなあ。
数年前に「何者」、最近「スター」を読んでいたため、
本作の青春、優しさ、青臭さみたいなものが新鮮でした。
そっか、こういう話も書いてたのかあ、と。
「何者」も「スター」も個人的には、
刺激的というか、ハッとする部分、刺さる部分があったので。
同じ学校、同じ制服、同じ一日、そして同じ時間を生きているのに、それぞれに「別れ」や決意があって。
同じ時間、空間を共有しているはずなのに、
胸に秘めている想いや葛藤は全然違うんですよね。
わかっていても、改めて思いました。
胸がきゅっとなりますね、30代後半の私が読んでも。苦笑
たぶん、精神年齢はまだ思春期。笑
(体力と気力は年齢相応。苦笑)
本作は…変な裏切りがなくて、
ひとりひとりの葛藤や悩みがあり、
その後どうなったんだろう、というとこをは見えずに、
別の同級生の物語に移っていきます。
それがなんかよかったです。
具体的な決着はわからなくても、
違う主人公と同じ空間で笑っている彼女がいるから。
私の学生時代は友達も少なかったし、
人見知りだったし、
感情的すぎたこともあったなあと、
結構生きにくい時間が多かったから、
こんなに素敵な青春時間を追体験させてもらえて幸せでした。
仕事帰りの電車(疲れて勉強はできないので、帰りの電車は小説を読んでます)で、良い時間を過ごせました。
Posted by ブクログ 2023年03月23日
卒業式に関わる少女7人の短編集。
少しずつ時が流れていく様子がなんとも切ない。卒業式は別れの儀式のようで寂しい、でも、そこから枝分かれしていく人生を見るとなんとも晴れやかな気持ちにもなる。甘酸っぱい思い出や、辛かった思い出が蘇ってきた。
Posted by ブクログ 2023年03月18日
総じて若い…と思った。
青春いいなぁと思いつつ、朝井さんの表現の巧みさがうかがえた。話の所々で言葉遊びがあり、同じセリフを違う場面で繰り広げながら話が進む。
そして、短編ではあるものの、それぞれの時系列は同じで所々歯車が噛み合っているのも面白いと思った。読み進めるうちにその学校についてわかってくるよ...続きを読むうな、長く居たような、そんな感覚になる。
読者も物語の一員になったかのように楽しめる作品でした。
Posted by ブクログ 2023年03月03日
まともな高校生活を送ってない者としては少し新鮮な気持ちで読めた。
人生これから!!な子達の一生懸命な今が詰まった一冊。
屋上は青、ふたりの背景が特に気に入りました。
Posted by ブクログ 2023年03月02日
映画があまりにも良くて、帰り道本屋に立ち寄って1日1遍ずつ読んだ。
言語化したくないくらいあの時の気持ちが溢れかえってとてもいい時間だった。
間違いなくあの頃の感情が今の自分の基盤になっている。
料理部部長の話がやっぱりいちばん好き。
Posted by ブクログ 2023年02月22日
明日から実写映画が公開されるので、読み直しました。
映画では原作の7つの物語の中から4つが抜き出されているよう。
料理部部長のストーリーと、在校生の送辞のストーリーが合わさって、料理部部長が答辞を読む話になるみたいで、そこが楽しみ。河合優実が演じるのもまた。
あとは、最初の図書室の先生との話。...続きを読む
藤原季節が先生役なのでより楽しみ。
Posted by ブクログ 2023年02月13日
最後のおはなしまではどれも面白かった。
高校生の一人称にしては自己の心情に対する解像度が高すぎたり、直喩が巧すぎたりして、文章の陰にプロ作家がちらついてしまうきらいはあるが、ああ、青春だなあ、なんてうっとりしたりキュンとしたり笑ったりしながら読めた。
JKだったころの私は、この作品に出てくるJKたち...続きを読むのように男子ののどぼとけとか足の甲とか四肢の筋肉に注意を払った記憶がない。
もしかしたら私は変なJKだったのかもしれない。(たぶん、それはそう。)
掛け値なしに面白かったのだ、最後のおはなしまでは。
いや、勘違いとか読み飛ばしてるだけのような気もするんだけど。
最後のお話で、卒業する彼らの同級生がひとり、高校生活最後の年に校内で事故死していることが分かる。
しかも亡くなったのは剣道部のエースで書道の達人、学校内では結構な有名人のはずである。
ということは、それまで登場した語り手の彼女らは、同級生が死んで一年も経っていないのに、それを作中思い返すことなく、終わりゆく自分の学校生活や恋に思いを馳せている。
私はそこに、薄ら寒さを感じずにはいられなかった。
恋物語の本筋とは逸れた同級生(または先輩)の死の描写は、雑音なのだろうか。
彼と付き合っていた子と、彼の友人だけしか、彼を思い返さないのだろうか。
青春とはそういうものだ、と言われれば、そう……なのかもなあ?
私が読み飛ばしただけなのかどうか確認したいが、紙本だから面倒くさい……
※追記
ちょっ……とだけ出てきてたね。
うーん、まあそんなもんなんかなあ。
青春
匿名 2023年02月03日
こんな世界とは無縁の学園生活を送っていたけど楽しめた。嫉妬で斜めからの気持ちが沸いてきてもおかしくない世界。でもそんなのは無かったな。
Posted by ブクログ 2023年01月28日
少女は卒業しない / 朝井リョウ
途中までキュンキュンしてたのに最後の短編で涙腺持っていかれた…
廃校が決まった高校の卒業式のお話。7人の少女それぞれの視点の短編。「卒業式」をとりまく切なさや愛おしさや、別れを目の前にした時の大胆さが、高校時代の青春が、全部蘇ってくる作品だった。
Posted by ブクログ 2024年03月31日
先日観た映画版が良かったので原作も。
映画はそれぞれのエピソードが結構変わってたんですね。びっくり。
図書室の先生に恋した女の子のお話(エンドロールがはじまる)は、切なくてキュンキュンして、最後ちょっと泣きそうになった。
映画を先に観てしまったからか、それ以外のエピソードは、映画のほうが良かった...続きを読むな〜と思ってしまった。
Posted by ブクログ 2024年02月18日
朝井リョウさんの本を隅から隅まで読むと決めて、手に取った小説。
特に印象に残ったフレーズをまとめる。
・好きでした。過去形にして無理やりせりふを終わらせればやっと、エンドロールが始まってくれる。
・あたしたちは十八年も生きてしまった。離れたくないと喚くほど子どもじゃない。だけど、まだ十八年しか生き...続きを読むていない。離れても愛を誓えるほど大人でもない。
・この校舎から夜の波が引いていく様子を、じっと見ていた。
とある高校の卒業式をテーマにした、短編小説集。全体的に、切ない比喩表現が多くて、一つ一つの言葉が魅力的な作品だなと思った。
最後の短編の、香川と駿の感情のすれ違いが印象的だった。みんなこんなすれ違いをして生きている、切ないな。切ない。
Posted by ブクログ 2024年01月20日
『桐島、部活やめるってよ。』の姉妹書という感じ。表紙も構成もよく似ている気がする。
自分の高校時代と比較していろいろなことが記憶の中から蘇ってくるのが面白い。
オムニバスなので一話あたり40ページくらいでどうしても内容が薄いなと感じてしまう。
少しリアリティに欠けるかなとも思った。卒業式の送辞であん...続きを読むな話し方をする人はいないだろうし、夜の学校に忍び込んだらたまたま知り合いに遭遇っていのもどこか少し冷めてしまう。
Posted by ブクログ 2023年03月20日
同じ校舎で、卒業する生徒たちの短編物語。
一番最初の先生と生徒の恋は淡く切ない話だった。先生が結婚してなくて、結ばれることを期待してる自分がいた。
最後の話も印象に残り、彼氏や憧れであった友達を目の前で亡くした心はどれだけ辛いものか。何も手につかないのは共感できる。