【感想・ネタバレ】少女は卒業しないのレビュー

あらすじ

今日、わたしは「さよなら」をする。図書館の優しい先生と、退学してしまった幼馴染と、生徒会の先輩と、部内公認の彼氏と、自分だけが知っていた歌声と、たった一人の友達と、そして、胸に詰まったままの、この想いと――。別の高校との合併で、翌日には校舎が取り壊される地方の高校、最後の卒業式の一日を、7人の少女の視点から描く。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1つ目の短編が最高だった。恋をしている人の目線から見えるものの表現がリアルすぎ。先生への憧れを抱く瞬間あるあるって感じ。小説で自分を投影することってあんまりないけど、この短編はマジで共感できる。先生が先生という枠にはまりきっていない部分が見たくなる感覚が1番よくわかる。溢れる直前の真水みたいな目で見てくれるかもしれないっていうのが凄い想像できる。朝井さんの文章は痒いところに手が届く。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少女は卒業しないは、読み終わったあとにじんわりと温かい余韻が残る、とても素敵な青春小説だった。

物語は卒業を控えた短い時間を描いているだけなのに、その中に詰まっている感情の量がとても豊かで、自然と引き込まれる。大きな事件が起こるわけではないけれど、だからこそ一つひとつの気持ちが丁寧に伝わってきて、「ああ、こういう時間あったな」と自分の記憶と重なる瞬間が何度もあった。

登場する少女たちもそれぞれに魅力があって、誰か一人に強く寄り添うというより、「いろんな気持ちがあるよね」と優しく受け止められる感じが心地いい。恋や友情にきちんと答えが出るわけではないけれど、その曖昧さも含めてリアルで、逆にそれがこの作品の良さになっていると感じた。

そして何より印象に残ったのは、卒業前のあの独特な空気感。終わりが近づいているのに、どこか実感がなくて、でも確かに何かが変わろうとしている――そんな繊細な時間がすごく上手に描かれていて、読んでいるだけで胸が少しきゅっとなる。

派手さはないけれど、その分だけ静かに心に残る作品で、「今ある時間を大事にしたい」と思わせてくれる一冊だった。読後には優しい余韻と、少しの切なさ、そしてどこか前向きな気持ちが残る、そんな心地よい読書体験だった。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

朝井リョウさんってどちらかというとドロドロしたような人の心の嫌な部分を書くことが多い印象だったけど、こちらの小説では卒業を控えた高校3年生の切ないような淡いような恋愛の話を書かれていて新鮮だった。
その中でも朝井リョウさんらしい例えを含む表現によって、透き通っているような文に感じた。
そして毎回のごとく書き留めておきたい文章がいくつもあったので、以下抜粋。

ーーー私が身振り手振りをつけることによって、たまに重なる影は、手をつないだり、腕を組んだりしているようにも見える時がある。絶対に私ができないことを、のっぺらぼうの私はいとも簡単にこなしてしまう。

ーーー目的地に向かって、まっすぐに歩いて行くことができるならば、その人はきっと、大丈夫だ。

ーーー二人には、それぞれ、未来があった。こんな重しなんか置かなくても、どこにも飛んでいかない未来が、ちゃんとあった。

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2026年04月02日

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