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Posted by ブクログ 2023年02月13日
最後のおはなしまではどれも面白かった。
高校生の一人称にしては自己の心情に対する解像度が高すぎたり、直喩が巧すぎたりして、文章の陰にプロ作家がちらついてしまうきらいはあるが、ああ、青春だなあ、なんてうっとりしたりキュンとしたり笑ったりしながら読めた。
JKだったころの私は、この作品に出てくるJKたち...続きを読むのように男子ののどぼとけとか足の甲とか四肢の筋肉に注意を払った記憶がない。
もしかしたら私は変なJKだったのかもしれない。(たぶん、それはそう。)
掛け値なしに面白かったのだ、最後のおはなしまでは。
いや、勘違いとか読み飛ばしてるだけのような気もするんだけど。
最後のお話で、卒業する彼らの同級生がひとり、高校生活最後の年に校内で事故死していることが分かる。
しかも亡くなったのは剣道部のエースで書道の達人、学校内では結構な有名人のはずである。
ということは、それまで登場した語り手の彼女らは、同級生が死んで一年も経っていないのに、それを作中思い返すことなく、終わりゆく自分の学校生活や恋に思いを馳せている。
私はそこに、薄ら寒さを感じずにはいられなかった。
恋物語の本筋とは逸れた同級生(または先輩)の死の描写は、雑音なのだろうか。
彼と付き合っていた子と、彼の友人だけしか、彼を思い返さないのだろうか。
青春とはそういうものだ、と言われれば、そう……なのかもなあ?
私が読み飛ばしただけなのかどうか確認したいが、紙本だから面倒くさい……
※追記
ちょっ……とだけ出てきてたね。
うーん、まあそんなもんなんかなあ。