あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)
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朝井リョウ節全開
この作品について感想を書くこと自体が浅ましいとすら思うほどに心まで響きました。
登場人物の心情描写、言語化能力、小説としての構造どれもが素晴らしいです。
まさしく読む前の自分には戻れない一作です。
Posted by ブクログ
正欲
・つながりは抑止力だ
ただ生きているだけでこちらに迫ってくるものより、人目を忍んで世間を掻き分け突き進まないと辿り着けないものに触れていたい。
・多様性とは自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。
・自分を社会に引っ掛けておいてくれるものが何もない。
・マジョリティ側に生まれ落ちた故に自分自身と向き合う機会が少なく、ただ、自分がマジョリティ側であると言うことが唯一のアイデンティティとなる。特に信念のない人ほど、自分が正しいと思う形に他人を正そうとする
・いつだって幸福より不幸の方がしっくりくる
・社会の流れの市場になれている安心感
・多数派であるということに安住し自分という個体について考える機会に恵まれないのは一つの不幸かもしれない
・自分には必要だったのは、大きな目標や目的のようなゴールではなく、自分から溢れ出る情報一つ一つに耳を澄ませじっと向き合うことのできる自分だった。
・自分の奥底にある異物、自分でもよくわからないものをわからないままに晒し合える時間にしかない安心感
・自分はまともである、正解であると思える唯一の拠り所が”多数派でいる”ということの矛盾
・多数派に立ち続けることは立派な少数派だ。
・自分の幸せのためにお互いを利用している関係はふと崩れてしまう。
・自分が想像できる多様性だけ礼賛して同情求めたり同情して、秩序を整えた気になるな
・正欲は誰しも持っている。
・人それぞれ正欲が違う前提で、生きていくすべは2つ。
①異質な正欲を晒し合える関係・社会を作り上げる
②正欲をぶつけ合って対話することで.方向性は違えど一般的な模範的正欲とのギャップ度合いを思いを馳せ拠り所とする。
③正欲は人それぞれ違うとこを前提として、共感を求めず対話する
あなたが求めているのは「理解されること」より、「わからないまま一緒にいられること」なのかも
理解できないものが残っていることを、お互いに許容できる関係
理解できることを、相手を尊重するための条件にしない。
・不幸の方が楽?
幸せを感じても、別の角度からその幸福の不完全さが見えてしまう。
幸福を感じることと、幸福を正当化することが混ざってしまう。
大事なのは、幸福を感じているときに、その幸福が完全ではないことを知りながら、それでも幸福を感じていていいと思えること。
Posted by ブクログ
何者から引き続き、誰もが持つ大小様々なものを極例で浮き彫りにする説得力が神掛かっている。何を食べたらそんなにも両極端のものを解像度高く(少なくともそう感じさせるように)書けるのか、そして同時にそれが両極端でない事すら描けるのか、意味がわからない。苦しいけど楽しい、気が滅入ってるのか元気が湧いてるのかもわからない、そこが好き。あと卑屈っぽい語彙と章ごとのバトンタッチも。
Posted by ブクログ
「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
多様性尊重ためには「対話」が必要だけれども「対話」できる得る事柄は社会的・集団的倫理から排除されないことのみ。結局はマジョリティの想像の範囲内。
マジョリティが自身の考えが集団で共有している倫理の範囲内(正欲)であることか確認するために、同じもの同士で話し、違うものを腫れ物として扱う。
マイノリティ同士での「繋がり」に居場所をつくることとなる。
現代は障害や性別などの多様さを当たり前のものとし始めている。
これまで不利益を被ってきた人々が救われているのは事実であろう。
しかし、障害や性別にカテゴライズされないもの、つまり性癖や性格、価値観などはいかがなものか。
自身の「正欲」が「正欲」であると過信してないだろうか。その過程において他者を排除してないだろうか。
多様性、素晴らしい考え方であるが、とてつもなく複雑で困難で、汚い部分に触れることとなる。
理解しようとする過程に価値があり、その困難な手続き(対話・衝突)を支え得る寛容な姿勢が必要であろう。
この本に出逢えてよかった。
Posted by ブクログ
正しいこととは何か?
当たり前って何か?
普通って何なのか?
誰がどうやって決めるのか?
一般常識や価値観の押しつけが
どれだけ暴力的なのか考えさせられる。
Posted by ブクログ
えぐい小説だった。と思った。
ここまで踏み込んだテーマを扱えるのか。
しかも書き方が普通に上手い。ただそれだけでは人気になりきれない。
この小説が人気であることは、これが時代にとても即しているからというのがひとつの大きな要因だと思う。これを受け入れる人が増えているという時代の変化を感じる。
佳道、夏月、大也たちに感情移入させられる。
そして後半になるにつれ八重子がおめでたくて正義感に浮かされているやつだと思ってしまう。
そうやって印象の高低もコントロールされていたと思う。けれど八重子の人生では八重子が正しいんだと思う。というか、手の上で転がされるように主人公たちを正しい、八重子は浅はかだと思わされるのが癪なだけかもしれない。
人は皆違う。
では、その人の個性、生まれ、そして欲は、どこからは「正」しくて、どこからは「犯罪」なんでしょうか。
社会に「犯罪」だと線を引かれた人は、どうやって生きていき、どうやってその欲を解消すればいいんでしょうか。
多様性、ジェンダー論という言葉を聞くようになった時代で色々な存在がrevealされてきた。そうした人たちと現行の法律の折り合いの悪さ……いや、恐らく昔からその時代に生きていた全ての人が納得できる善悪の定規や法律など無かったはずで、それは時代やメインな価値観が変われば後から悪かったことにされたり可哀想だったことにされたりする(隠れキリシタンや、戦時に平和を願った人など)。
授業で一度だけ聞いたことがあった。
小児性愛者が、自分の欲を叶えるのは社会的にいけないことだから、必死に抑えていて苦しいのだというインタビュー。
でも多分そのインタビューは多くの人は知らなくて、ネットでは「ぺド」と略され絶対的な悪とされている。
でも、そう呼んでいる人たちは、自分が時代の価値観に合わない側になった時にどうするんでしょうか。
そして呼ばれている人は、それを正しいと信じているのか、それとも社会の側と同じく悪だと「把握」しているのか。それを考えたことはあるのでしょうか。
私は幸い大学で触れたことのあるテーマが多少絡んでいたけれど、このような題材と出会いが無かった人が呼んだらショッキングかもしれないね。
追記
「マイノリティの中でもマイノリティ」が主人公だったけど、「マイノリティの中でもマジョリティ」の人だって世界を恨んだり苦しかったりしてるよ。と思ったけど、それは八重子が終盤で似たようなこと言ってたわ。あれは八重子がヘイトキャラで終わらないためだけでなくそういう読者からの非難への予防線だったんだろうか……というメタ推察。
Posted by ブクログ
人以外に興奮すると、それはつまり"変態"や"異常者"になるのか。多様性を認める世でも、それは認められない世なのだ。自分の好きはそっと、密かに自分の心の中で育めばいい。あなたもわたしも。
Posted by ブクログ
「多様性」って言葉は、どこまでいってもキリがないものだなと思った
「多様性」と「異常」ってどこに境界があるの?
水とか、風船が割れる瞬間に性的感情を抱く人がいる。その人が望んでそうなってるわけじゃなくて、本能的にそう感じてしまうのなら、それはマジョリティが描く性欲とかけ離れているから「異常」なの?
その対象がたまたま児童だと、「多様性」では済まされない犯罪という明確な境界がある。けど、物的証拠だけでは、その人の根本の考えとか感情は置いてけぼりにされちゃうんだよね。
でも、もし私が最後の3人が「児童ポルノ写真所持者」とゆう情報しかなかったら、とてつもない嫌悪感を抱くと思う、多様性でもなんでもないよねこれ。
何が正しくて、どこまでを受け入れるべきなのか、
明確な答えは分からない。ただ、その「分からなさ」そのものを突きつけられたことが、心に残ったことだった。
「多様性を理解する」ということは、全てを肯定したり、理解したりすることではなくて、理解できないものを前にして、それでも簡単に切り捨てず、自分自身の嫌悪感や偏見も含めて考え続けることなのかなと思った。
Posted by ブクログ
小説のあらすじに「読む前の自分には戻れない」とあったけど、本当にそうで、価値観変わるほどの衝撃を受けた。
この世に生きる全ての人に読んでほしい。
人間誰しも生きていくうえで持ち合わせている「欲」の話。
多様性を受け入れようなんて言っている時点で、あなたは正しいほうの人間なんでしょうね、おめでたい人間ですね、あくまでも理解する側の人間なんでしょうね、といわれてるようで、そんな自分の考えの浅はかさにやるせない気持ちになった。
簡単に、共感できるとか、そういう気持ちも分かるよ、なんて言えなくなる。
ただ、佳道と夏月の会話で一番印象に残っているシーン
「その人、ひとりでいないといいね」
「誰も、ひとりでいないといいよ」
このことを、ただただ祈って生きていくしかないと思った。
読めば読むほど正欲がわからない
違う世界線の人たちが読み進めていくうちに交じり合い、夢中で読み進めた。
多様性から外れる人たち…
この本を読むまでいかに自分の考える多様性が狭いものだったか思い知らされる。
読み終わっても多様性とは?正欲とは?わからない。もやもやが残る。
そのもやもやこそが正しい理解なのかもしれない。
最後の解説がこのもやもやを上手に言語化してくれてとてもよかった。
朝井リョウさんの書く文章が好きで新作が出る度に買っていますが、この作品は1位2位を争うくらいに好きです。LGBTQという言葉が世の中に知れ渡ってきた昨今、言葉を知っていると言うだけで本当の意味では理解出来ていないのでは?と考えさせられる作品でした。
SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。
多様性という言葉は、魔法のように全てを見通すことのできる美しい言葉ではない。けして交わることができない他者がすぐ隣にいるという絶望を突きつけるための、恐ろしい言葉だ。
正しさについて
自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。
多様性という名の暴力
普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容ではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)
近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。
分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。
これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。
多様性の外側にある多様性を知る
他者を理解するって本当に難しいことですね…
多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。
Posted by ブクログ
途中で、メインじゃないと思ってた人たち含めて全員が正欲に囚われていることに気がついた瞬間が一番テンション上がった。何度も頭を殴られた。勧めてくれたお友達に感謝!
Posted by ブクログ
私は、性的指向についてではないけど、いろいろな方面で多数派ではないと思う。
読み終わって思った、私は誰かと繋がりたいのか?誰かにわかってほしいのか?
ただ放っておいてほしい、が一番しっくりくる。
評価しないで敵意も向けないで。あなたや社会に害をなさないから、私が存在することは脅かさないで。
そうは思うけど、同じ状況の人と繋がりたいのかと言われると、別になーと。
多数派ではないだけで、まぁそういう人いるよねってくらいの立ち位置だからそれほど息苦しくないのか、私の性質なのか。3大欲求というだけあって性的指向がマイノリティ側だと心身に与える影響が大きいのか。
読み終わってからも色々考えを巡らせている。
マイノリティとかそういうこと考える余地なく生きてこられてる人(途中死んじゃう彼みたいな)は、この本を読んで何を思うのか聞いてみたい。
Posted by ブクログ
登場人物が自らの切実な性癖や葛藤を吐露している場面が強く心に残りました。どれほど切実な思いであっても、周りの世界は何事もなかったかのように淡々と過ぎ去っていく――その描写の冷徹さと静けさにハッとさせられます。
「理解し合えること」の綺麗事だけではない、社会のリアルと孤独を突きつけられた気がします。自分の中の「普通」や「正しさ」を揺さぶられました。
Posted by ブクログ
なかなか読んでいて心苦しくなる作品だった。読み進めるほど喉に石でも詰まっていくような感覚を覚えた。自分の中の正しさがあり、それを他者に強要していることに身に覚えがあり、多数決で勝つ側にいがちな自分だからだろう。自分の少ない人生経験のなかでも他者の性的嗜好にどうこう思う自分がいて、思い出しては嫌になった。
自分を顧みる作品であり。言語化は困難だが、正しさとはなんだと。登場人物たちアクアフィリアの人たちがどうにか生きるために繋がっていく様はよかったねと素直に思った。しかし、この気持ちも理解してあげる側に立った上から目線なのかもしれない。マイノリティーの思いや視点を理解するなんてできないんじゃないかと思った。しかし、同じ社会で生きていくためにどうするべきなのか。今後の人生でこういったマイノリティーと関わることがあるのかわからないが自分にできることはただただ否定も肯定もせずそんな人もいるのかと視野を広げ続けることなのではないかとおもった。
Posted by ブクログ
なかなかに考えさせられる小説。
登場人物の事情を知っているから味方?みたいな目線で読めるが、ニュースとか現実で見たり聞いたりすると私は自身の正欲でその人たちを判断してしまうんだろうなと感じた。
Posted by ブクログ
映画から入ったが、内容の濃さが全然違った。各人物の話がスイッチの仕方も上手い、どんどん読み進めたくなる。稲垣吾郎はハマり役だったんだなと実感。
Posted by ブクログ
いわゆる道徳的な感想、読んだ後に持つことを推奨される感情を、ゆるさないね。理解し合いましょうでも想像し合いましょうでもないもんな。100字ちょっとでは感想書けない本。でも、読んでよかったなとは思った。
Posted by ブクログ
マジョリティは本当の意味でマイノリティのことを理解しきれないし、マイノリティは自分以外を「マジョリティ」と括りがち
でもそれぞれに救いもある終わり方だったな
Posted by ブクログ
「読む前の自分には戻れない」がとてもよくわかる。
盛り上がりはないので読中は淡々としているけれど、読み終わった後、「自分は?」と考えずにはいられなかった。感想を書くために思い返してどんどん熱くなってきた。
Posted by ブクログ
非常に興味深く、同時に、一度読んだだけでは理解しきれないほど難しい作品でした。
「多様性」という言葉を掲げながら、その多様性に否定的な人を認めず、攻撃してしまう。そんな光景に自分自身も辟易することがあったので、本作にはとても共感できる部分がありました。
自分が「正しい側」にいることを周囲と確認するために異分子を攻撃したり、性について下品に語り合うことで「普通」の側にいることを確かめたりする。その描写には、なるほどなと思わされました。
特に印象に残ったのは、「正しい側」を引き続けること自体が、立派なマイノリティなのだということ。
多様性とは何なのか。
普通とは何なのか。
そして、正しいとは何なのか。
読み終えても簡単には答えが出ませんでした。
たぶん、もう一度読めばまた違ったものが見えてくる。そんな作品だと思います。
Posted by ブクログ
内容的には、そんな人いるならば、怖い。と思ったのが正直なところだけど、そういう人もいるのが現実なのだと思うと、他者理解とか多様性とかそんな言葉で片付けて良い世の中ではないと思ってしまう。。怖いを怖いで終わらせてはだめと、突き刺されたように思えた。普通とは何か、自分の価値観は何か、人にどう思われるか、人間社会で生きるには考え続けなきゃいけないんだなあと思った。読んで良かった本!
Posted by ブクログ
異常性癖が原因でマイノリティに属している人達の物語と受け取った。
彼らはいかなる日も自分をジャッジし、絶望しながら生きてきたのだろう。
その息苦しさが痛いほど伝わってくる。
「自殺の方法を一度も調べたことのない人の人生は、どんな季節で溢れているのだろう」という文はあまりにリアルすぎる。
ラストの夏月の伝言は本作の希望そのものだ。
逆に自分自身と向き合う機会のなかったマジョリティ側の人間の末路は悲惨なもので、実際にありそうな転落例だった。
多様性という言葉には時に上から目線な空気が纏わりつく。
実際、作中人物のように響かない人、煩わしいと思う人も少なくないだろう。
多様性が魔法のワードでないことは留意したい。
正欲がマジョリティ側の唱える「明日死なないこと」だけではなく、「気持ちを共有できる仲間との繋がり」でもあるのは本書を通して感じた事だ。
ただ後者はどこかの誰かの都合や、犯罪行為によりいとも簡単に踏みにじられる。
規制、言論統制へと舵を切った現代はひどくつまらなくなり、人の居場所を奪い続けている。
Posted by ブクログ
読後感は良くない。それは、結局は自分自身も「分かりやすい多様性には寛容でも、一線を超えたら許容できない」側の人間だからかもしれない。水フェチだからギリギリ読み進めることができるが、あれが小児性愛ならと脳が勝手に変換してしまう自分がいて、その一人一人にはどうしようもできない衝動性があることは理解できても、それをより深く理解したり共感したりすることは難しい。臨床心理士による解説は非常に面白かった。
Posted by ブクログ
読んでるときは続きが気になって読み進めたけど、最後これで終わり?って感じ。
夏月はなんか共感できて好きだけど、八重子は嫌だな…
不登校の小学生は甘ったれてるよって思うし、その父親の検事の言う通りって思うことがたくさんある…そんな私は、この本が全然理解できてないかもしれない。
Posted by ブクログ
色んな欲や癖があって、「普通」を押し付けると苦しい人もいるよな、生きづらい人もいるよなと思うような1冊であった
でもそれを「多様性」の一言で受け入れて見て見ぬふりしたら狂ってしまうこともあるからある程度の「普通」の押しつけで守られていることもあるのかも、と自分は感じた
Posted by ブクログ
しんどい。世の中には想像し得ない世界がまだまだたくさんあって。見えないこと、知らないことがたくさんあるんだなぁと思いました。なんか息苦しい。こちら映像化されていますが、そっちも気になりますね。ガッキー。
audible
Posted by ブクログ
初朝井リョウ。テーマが面白かったし、文章も上手だなと思う。一見とても長い物語のようだけど、登場人物が少しずつ交代で動いて語っていくので、短編連作のように読みやすい。
多様性を謳っている社会でも認められづらい超マイノリティの人たち(ザックリ)がテーマなので、とても興味深く、考えさせられる点はたくさんあったけれど、「男性作家の作品だなぁ」と感じてしまう部分も多かった。
あくまでも個人的な好みでは、似たテーマなら、高瀬隼子さんの作品で感じる違和感の方がしっくりくる。
Posted by ブクログ
普段読書しない私でもよく聞くタイトルで気になっていた本。
1冊目にしては難しい内容だったかもしれない。
多様性を理解してるつもりでも、想像できるマイノリティに入っていないものが、私の知らない世界がたくさんあるのだなと。
マジョリティが想像できるマイノリティは所詮マイノリティの中のマジョリティなんだと。
マイノリティの中のマイノリティを持つ人は異常なのか。
その人たちは欲望を満たせないことよりも、それを言葉にできない孤独に苦しんでいるのかもと想像する力をつけたい。
相手が自分をすべて理解してほしいとは思っていない可能性があるということを心に刻んで生きていきたいな。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
「読む前の自分には戻れない」とまでは思えなかった。
読解力不足です。
Posted by ブクログ
星5の価値が絶対にある本だとは思うけど、面白くはなかった。正直に言うと、難しすぎて私には解釈しきれない部分も多く、読んでいて苦しかった。解説を読んで、朝井リョウ作品は意地悪というのが大納得すぎた。もう少し経験を積んでから読み直したい作品。
諸橋大也や、桐生夏月らからしたら、不快に思う意味での正欲の話だけど、私は最近変愛について考えることが多い。恋人のこと好きというよりは、恋愛という局面において、自分が正欲を振りかざしていて、なんとなくそのことを自覚していて苦しかったからだ。なんとなくだったけれど、自分の正欲の身勝手さやその欲がどのくらい正当なものなのかを考えていた。
正当じゃないと感じていたから、掴みきれてないから嫌だなーー。
自分が正しいと思う恋人の在り方をどうしても相手に求めてしまう。ズレがあるとイライラしてしまう。わかってても止められない。友達に相談すると、そう思うのは当たり前だよと言われる。語彙にできないけれど、世の中のカップルはどう成り立っているんだろうか。正欲のぶつけ合い??
そんな、寺井啓喜のような人に絶対になりたくない。ぶつけ合わないのが正しいと思っている節もある、それが私の正欲でもあるから難しいよねん。