あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)
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朝井リョウ節全開
この作品について感想を書くこと自体が浅ましいとすら思うほどに心まで響きました。
登場人物の心情描写、言語化能力、小説としての構造どれもが素晴らしいです。
まさしく読む前の自分には戻れない一作です。
Posted by ブクログ
多様性を尊重することは、全ての違いを知って理解したり受け入れたりすることではなくて…マジョリティがマイノリティを受け入れるっていう感覚も何か違くて…
様々な価値観を受け入れて、否定せず、共に心地よく生きる方法を考えていくことなのかな。難しいね。
私が思う「普通」を他人に押し付けないようにしたいなと思ったし、無意識に押し付けてしまっていないか気をつけようと思った。
Posted by ブクログ
価値観や正しさの明確な基準は存在しないのだと思いました。その基準は自分を形成してきた過去経験や環境によるわけで、多数派である事が正しさを形成しているという視点は持ち合わせておらず、ちょっとした衝撃でした。YouTubeを観るのもちょっと躊躇ってしまう、悪い事してる、そんな感覚に陥りました。
世界観が少し変わってしまい、自分の判断基準を発動する前に一度立ち止まってしまう、そんな思考に変化させられた本でした。
いちいち当たり前を疑ってしまう、少し面倒くさい人間になってしまったかも知れません、、、。
面白いか、面白くないか?と聞かれたらもちろん面白い部類に入れてしまうけれど、そんな枠に収まらない衝撃作です。
Posted by ブクログ
自分にとって「普通」とは何なのか。そのことを何度も問い直される作品だった。
私たちは他者を見るとき、無意識のうちに自分なりの物差しを使っている。しかし、その物差しや基準も、これまでの人生で経験してきたことや、身につけてきた価値観、そして偏見の積み重ねによって形づくられたものなのだと思う。
だからこそ、自分には理解できないものに出会ったとき、それを「自分にも理解できる何か」に置き換えることで安心しようとしてしまう。
けれど、それは本当に相手を理解したことになるのだろうか。
理解できないものを、こちらが理解できる形に落とし込んだ瞬間、むしろ相手が本来持っていたものを削り落としてしまうこともあるのだと思った。「分かり合うこと」や「多様性を認めること」といった、一見正しい言葉さえ簡単には使えなくなる。
人は他者との共通点を見つけることで安心し、つながっていく。しかし、その共通点が極端に少ない人は、どこに自分の居場所を見つければよいのか。
その孤独や息苦しさを、ここまで人物の内側から描いていることに圧倒された。
読むほどに、自分が当たり前だと思っていた「普通」の輪郭が揺らいでいく。
他者を理解するとはどういうことなのか、そして本当に理解することなどできるのか。
簡単な答えを与えず、こちらの物差しそのものを問い返してくる一冊だった。
Posted by ブクログ
がちで面白かった。群像劇をあまり読まないから初めて読んだ。さまざまな視点からことを見れるということと、現代の世で謳われている多様性という言葉ととの組み合わさったとき、新しい解釈が見れて面白かった。
Posted by ブクログ
「理解すること」と「受け入れること」は別だということに気付かされた。
自分も無意識に誰かを”普通じゃない”と判断しているんだろうな。
ただ、理解はできても、今まで自分の中の「普通」の概念を変えるのはなかなか難しい。
Posted by ブクログ
これが陽キャが書いたことが空恐ろしい、才能と奥行き。各キャラの解像度が高く、別の人が書いたかと思うくらい各キャラの文体、雰囲気も異なる気がする。後半心が苦しくなりつつも一筋の光が見えたと思います。あとがきまで面白かったし、今後の考え方に影響するような本でした。
Posted by ブクログ
他人を理解しようなんてそもそも烏滸がましいことかのかなと思った。自分の知ってる感情とかに他人を当てはめるのとかも意味がないとしたら、なんとなくのコミュニティが相性が合うもの同士なんだろうな。
Posted by ブクログ
おもしろい。読んでよかった。
自分がそうではないことに、いわゆる普通側であることに、ラッキーで恵まれてるなと他人事のような感想を持ってしまう。この話を面白いと思えるのは自分があちら側ではないからかな。
自分の考えを押し付けず、ただ放っておいてあげたいよな。
物語として、もうちょっと救いが欲しかったな。大也が気の毒。
Posted by ブクログ
面白くて慌てて読んだ。
性的な倒錯のある人間、その人を理解したいと思う人間、そういうのがあるとも想像しない人間など、様々な視点から語られる。研ぎ澄まされた言葉と概念の連続。これはすごい。
日頃の生活で何を語るにしても、本当に無意識に誰かを傷つけてるんだろうなと思った。家族がいること、何にしても。だからといって何も語れないというわけではなく、大事なのはスタンス。八重子は立派だよ。
Posted by ブクログ
物凄く考えさせられる内容で読み応えもあり、面白かった。
一見、どこかの普通の家族•大学生•若手社会人の物語が描かれている中で、社会で一般化されている性欲、その中に秘めているそれぞれの正欲が語られている。
最初の事件の描写から、この物語はどの様に終着するのか分からなかったが、展開に驚かされると共に読後は考えさせられるものがある。
人によって、正しさや欲は違う。それを分かろうとしても分かってもらえない。共有しないほうが楽だけど、誰かと分かり合えることで繋がりや生きる意義を見出せることもある。ただそれを多様性という形で、分かった様な姿勢もまた誰かを傷つける。かと言って、塞ぎ込まずにそれぞれの正しさをぶつけることで見える本音や考えもある。色々と考えを巡らせるものの答えはないのだなと。
ただそれぞれの人にしか分からない考えがあるのだろうということは認識しておくことも重要だなと感じた。
私がこの感想の中で、「普通」という表現も無意識に出てしまうのももはや社会で無意識に形成された「正しさ」であり、この物語で言う自身の「正欲」であり、誰かを傷つけてしまう可能性があるということも認識しないとなあとも思う。
Posted by ブクログ
『正欲』を読み終えてまず感じたのは、これは「多様性」を描いた小説ではなく、「理解できないものと、私たちはどう向き合うのか」を描いた小説だということだった。
読み始めた頃は、それぞれ別々の人生を歩む登場人物たちが描かれる群像劇という印象だった。検事、不登校の中学生、大学生、シングルマザー。一見すると何の接点もない人たちの物語が淡々と進んでいく。しかし読み進めるにつれて、それぞれが「普通」という価値観に苦しみ、自分を隠しながら生きていることが少しずつ見えてくる。そして終盤、それまでバラバラだった物語が一本につながった瞬間、この作品が本当に描きたかったものがようやく理解できた。
印象的だったのは、本作が「多様性は素晴らしい」と簡単な結論を出さないことだった。近年、多様性という言葉を耳にする機会は増えた。しかし、その言葉の裏で私たちは「理解できる範囲の多様性」しか受け入れていないのではないか。本作はそこを鋭く突いてくる。自分とは違う価値観を認めることと、自分には到底理解できない価値観を否定しないことは、まったく別の話なのだと痛感させられた。
読んでいて何度も考えたのは、「普通」とは誰が決めているのだろうということだった。結婚して子どもを持つこと。恋愛をすること。学校へ行くこと。働くこと。私たちは無意識のうちに、それらを「当たり前」として生きている。しかし、その当たり前に当てはまらない人もいる。本作は、その人たちを特別な存在として描くのではなく、一人の人間として丁寧に描いている。だからこそ、自分がどれほど「普通」という物差しで他人を見ていたのかに気づかされた。
また、この作品は「理解すること」の限界も描いているように感じた。人はよく「理解したい」と口にする。しかし、本当に理解できることばかりではない。価値観も、生き方も、欲望も、自分とはあまりにも違う人がいる。その現実を前にしたとき、大切なのは無理に理解したつもりになることではなく、「理解できない」という事実を受け入れた上で、その人の存在を否定しないことなのかもしれない。本作は、その難しさから決して目をそらさない。
終盤の展開は衝撃的だった。しかし、その衝撃はどんでん返しがあるからではない。読者自身が「自分は理解ある人間だ」と思い込んでいたことに気づかされるからだ。読み始める前と読み終えた後では、「多様性」という言葉の意味が大きく変わっていた。誰かを受け入れることは簡単ではない。その現実をここまで真正面から描いた作品はあまり見たことがない。
読み終えたあと、自分ならどうするだろうと考え続けていた。本当に理解できない価値観を前にしたとき、自分はそれでも相手を尊重できるだろうか。きれいごとでは答えられない問いだからこそ、この作品は長く心に残る。
『正欲』は、社会問題を扱った小説でも、価値観を押し付ける小説でもない。「普通」とは何か、「理解する」とは何かを読者自身に問い続ける物語だった。読後に残るのは爽快感ではない。自分がこれまで当たり前だと思っていた価値観が静かに揺らぎ、その揺らぎが簡単には消えない。それこそが、この作品の本当の魅力なのだと思う。
Posted by ブクログ
自分がマイノリティ側にいるとか、
明日死にたくないとか、
考えさせられることがたくさんあった。
勝手に理解する側になっちゃダメだよな〜…みたいな。
読めば読むほど正欲がわからない
違う世界線の人たちが読み進めていくうちに交じり合い、夢中で読み進めた。
多様性から外れる人たち…
この本を読むまでいかに自分の考える多様性が狭いものだったか思い知らされる。
読み終わっても多様性とは?正欲とは?わからない。もやもやが残る。
そのもやもやこそが正しい理解なのかもしれない。
最後の解説がこのもやもやを上手に言語化してくれてとてもよかった。
朝井リョウさんの書く文章が好きで新作が出る度に買っていますが、この作品は1位2位を争うくらいに好きです。LGBTQという言葉が世の中に知れ渡ってきた昨今、言葉を知っていると言うだけで本当の意味では理解出来ていないのでは?と考えさせられる作品でした。
SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。
多様性という言葉は、魔法のように全てを見通すことのできる美しい言葉ではない。けして交わることができない他者がすぐ隣にいるという絶望を突きつけるための、恐ろしい言葉だ。
正しさについて
自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。
多様性という名の暴力
普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容ではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)
近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。
分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。
これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。
多様性の外側にある多様性を知る
他者を理解するって本当に難しいことですね…
多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。
Posted by ブクログ
朝井リョウ先生、初読。
クセがなく様々な比喩がとても面白い。
どちらかといえば"多数派"の立場で読んでいたけど、所々共感できる部分もあった。
読み進めて出会った文章、
「みんな本当は、気づいているのではないだろうか。
自分はまともである、正解であると思える唯一の依り所が"多数派でいる"ということの矛盾に。
三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、"多数派にずっと立ち続ける"ことは立派な少数派であることに。」
「まともって、不安なんだ。
佳道は思う。
正解の中にいるって、怖いんだ。」
本当にその通りだった。
読み終えて抱いた感情の細かい部分は自分でもよく分からないけど、ずっと考えることをやめたくないと思った。
十人十色
Posted by ブクログ
公園で水あそびをしている子どもたちをみるたびに思い出す。
「ふつう」とか「多様性」とかを何かを考えるたびにこの本に引きずり戻される。
頭の片隅から消えない本。
Posted by ブクログ
現代社会における「正しいもの」に属しないものは徹底的に排除することが本当に正しいのか、「多様性」という言葉の無責任さを痛感しました。
何度も読むのを諦めそうになりましたが(あまりにも現実的で…)、最後まで読んで良かったです。
Posted by ブクログ
一見全く関係ない人物が「誰にも言えない欲望」や「生きづらさ」を通じて少しずつ繋がっていく物語。
「多様性」と言う言葉一つで表されてしまうがその多様性にも含まれないような人々の苦悩や生きづらさは計り知れないものだと感じた。世の中が決めた「正欲」から外れた物をもつ人は正欲を持つ人に打ち明けることもできず、認めてもらえない、多様性と皆は言うのに。
Posted by ブクログ
本物の多様性。
今まで自分も理解あるつもりでいたけど、あくまでそれはマイノリティの中のマジョリティであったことに気が付かされた。読み進めていくうちに自分の今までの行動が全て嫌になってくる、なんとも言えない読後感。
最後めっちゃ壮大にまとまってて、すごいけど逆にモヤッとするところもあったかな笑
単純でわかりやすいのに、複雑で難しい問題
Posted by ブクログ
多様性を大切にしようという風潮、対してマイノリティのマジョリティの部分にしかスポットを当てられてない世の中は確かに綺麗事だなと実感した。
夏月と佳道のようにこれまで生きづらかった世の中に対して、どうにか順応し肯定しようとする姿勢をしていたが、世の中には結局受け入れてもらえない切なさ、やるせなさがとても辛いと感じた。
多様性って言葉がいかに浅はかで安直な言葉なのだと気づけた。
世の中には自分が想像できない欲の持ち主はいるんだなと実感した。
だからといって自分がこれからそういう人たちに対して何かできることは無いけれど視野は広がって良かった。
Posted by ブクログ
多様性をテーマとした異常性癖を持つ人の話。
世の中の多数派は「自然と恋愛や性的な行為に興味が湧き、いつか結婚して子供を産むこと」である。そこから外れた人々、例えば恋愛に興味がないアセクシュアルや、LGBTなどは少数派にあたる。
「多様性」とは、世の中の多数派の人々が考えた言葉であり、「少数派の人々の意見も尊重してあげよう」ということである。ただ、ここにあたる「少数派の人々」とは、あくまで「多数派の人が考える少数派」のことである。かつ、「意見を認めてあげても、多数派の人が生きる社会に与える害が少ない人」のことでもある。
そのため、多様性という言葉に含まれる人々は、ゲイやレズなど、少数派の中でも多数派の人々である。
マニアックな異常性癖を持つ人や、小児性愛の人は含まれない。(理解の範疇を超えていたり、社会に害を与える存在であるため。)
では、多数派の人間に想像されもしない少数派の人は、どのように生きればいいのだろうか。人との繋がりを断ち、孤独に生きればいいのだろうか。
だが、少数派でも人間であり、欲が生まれる。誰かと繋がり、同じ感情を共有したいとも思う。その場合、どうしたらいいのだろうか。
本作は、そんな異常性癖を持った少数派の人と、それを取り巻く多数派の人との関係を描いた話である。少数派の人間がどうやって自分を隠してきたのか、人との繋がりを求めるためにはどうしたらいいのか、そんな少数派の苦悩を知ることができるかもしれない。
そして、この本を読んだあと、自分の目で見る社会のカテゴリーが少し増えるかもしれない。
Posted by ブクログ
水に興奮するという珍しい話であり、何が正しいか誤りかという、答えが無い論争を表す様が上手く感動した。
いかんせん白湯フェチの私としては久々に欲望をくすぐられる作品だった。
Posted by ブクログ
タイトル通り、正しい性欲に関する小説だった。
それをフックに、「正しさは存在しない、誰もが他人と異なっている」ということを丁寧に訴えている。と思う。
登場人物通しで議論が交わされるのが面白い。取り上げるテーマが同じでも、様々な視点から意見が投じられる。特に諸星と八重子の会話は印象的だった。
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Posted by ブクログ
ゆっくり読んで居たけど入院して一気読み。
八重子がこの世でいちばん嫌いな人種。
私が馬鹿だからか、朝井リョウが難しい漢字を使うのか分からないけれど、読めない漢字が何個か出てきて読むのに体力が必要だった。
Posted by ブクログ
多様性という言葉。私自身も、それを都合よく使っている一人なのでは?と、読みながら何度も考えた。
無意識のうちにでも、自分は理解する側だと思っていなかっただろうか。
自分が見たもの、知っているものが全てではない。想像も及ばないことが、世の中にはきっと沢山ある。
「理解する」ではなく、「想像する」。その想像の手前で、わかった気にならず立ち止まる。その大切さを、突きつけられる一冊だった。
Posted by ブクログ
全部の価値観をバチバチに否定されて私自身恥ずかしさと眩しさで目が覚めたような感覚。そして私は夏生と佐々木の関係がものすごく羨ましい。互いへの性欲で駆け引きするような関係ではなく、互いの存在が生きている意味になれる関係。どん底まで落ちたから手に入れられたのかしら。
Posted by ブクログ
現代人が抱える曖昧なモヤモヤを言語化する手腕には、冒頭から感嘆させられた。
途中でマイノリティ当事者たちが必要以上に自身を特別視していて、自己陶酔してるようにすら見えて読者として疲れや違和感を覚えたが、実はそれこそが本作の仕掛けだったように思う。こちらが感じたモヤモヤすらも正面から物語に投げ返され、作者の巧妙な構造の中に完全にハマっていたのだと痛感させられた。
Posted by ブクログ
読書初心者の自分には難しかった(笑)
ただ、展開はとても面白かった。
多様性という言葉は特に最近テレビなんかでよく耳にするけど、実際に自分が知ってることなんてマイノリティの中でもマジョリティの方で、なーんにも理解なんてしてないのかなと思った。ゲイの恋愛リアリティ番組を観て、考えが変わったわ〜なんて思ってたけど、そんなの世のごく一部の一部の一部のことしか知れておらず、それを理解するなんて到底、という感じなのかな。
佐々木夫婦はもっと上手く振る舞えないものかとか、そこまで孤立に思わなくてもと思ったりもしたが、実際これで自殺を考える方もいるんだろうと思うと当人にしか分からない苦しみがあるのだと改めて思った。
八重子は怖かった。
正しい欲、多様性、難しい。