【感想・ネタバレ】正欲(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)

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Posted by ブクログ

朝井リョウさんは天才なんだなと思いました。
こんな凡人が評価するのも恥ずかしいほどに。

多様性を認めろという意見は
多様性を認められないという多様性を認められていない

多様性を認めろという一文だけでこの矛盾が発生しているとずっと思っていました。

それをこんなにもわかりやすく小説に落とし込み、多様性という流行り言葉の危うさに警鐘を鳴らし、読者に問題提起を突きつける。

自分が多様性の中の多数派でない人間だったらと主人公たちに感情移入させる文章術に脱帽。
これを読んだ人は決して他人事にはできなくなる。

読んだ後には戻れない、
このキャッチコピーの通り。
正しさってなんだ。
自分に都合の良いものを正しいとしているだけではないか。
これからもイチオシ小説として推していきたいと思える小説でした。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

この本を読み終えたら『多様性』なんて安易に口にできなくなる

どんな他者に対しても私は理解しているなんて思っているのならば、それはなんて烏滸がましいことだろう

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

自分が当たり前と思い込んでいることは他の人にとっては当たり前じゃないことだったり、
思い込みの怖さを知った。
物事を普段自分の視点からでしか考えていない、自分の枠の中に無理矢理当てはめて考えていることに気付いた。
枠にはまらない人の苦しさがあること、今までの価値観がすべて変わった。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ペースを落とさぬよう、積読ではなく気になっている作家さんの本を新しく買って読もうと思い立って、書店で手に取った二作目、『正欲』。
(本当は同作者の『イン・ザ・メガチャーチ』が読みたかったけど、出向いた書店では見本の一冊しか残ってなかった)

初めて触れる作家の一作目って、その方の印象全体を決めてしまいがちだから慎重に選んだ。結果、朝井リョウさんの私の第一印象は、「なんだこの化け物作家」という畏怖、畏敬
でとりあえず固定されてしまった。

当事者じゃなければここまでマイノリティ側の社会への恨み辛み、諦めや絶望の感情をどこまでも細分化して筆に乗せられないのではと思うのは私の読書歴が浅すぎるからでしょうか。第三者目線だから冷静に書けるものなのでしょうか。天才はいくらでもいる。だけど作品の中の当事者たちの言葉には確かに強い強い熱と、同時にキンと冷えた冬の水のような絶望を感じた。

群像劇というタイプの本もほとんど読んだことがなく、まるでしりとりリレー形式で全く別の世界線を生きている人たちの人生が数珠繋ぎのようにひとつに集約していく様は見事だなと感嘆しました。ひとりひとりの人生に深みがあって、主人公が変わっても混乱せず、面白く読み進めてしまう。ミステリーではないはずなのにとある人物たちの心に抱えた共通の謎に迫っていく感覚は、胸が逸りました。

そして自分が日々感じている社会との距離やマイノリティさ、人生の生きづらさと言ったものが結局は誰かの同情を誘える程度の生温いもので、今時の社会にはありふれている問題のひとつで、容易く分類出来る悩みで構成されていて、そのくせあまりに抽象的で、輪郭のないものだと思い知らされました。小説家さんにこんなこというのもなんだけど、朝井さんは恐ろしいほど言語化の鬼だなと思った。

“多様性“という言葉はなんとなく都合のいい言葉だなという印象しかなかったのですが、“多様性”という言葉自体、それに該当しない人間が自分の常識から外れた存在を都合よく、理解したい部分だけ理解するためだけの都合のいい言葉で、当事者であればあるほどその言葉のせいで無遠慮に擦り寄られ、覗き込まれ、時に抉られ、ずっと真綿で首を絞められるように苦しめられるという仕組みには考えさせられました。

私も何度も社会との繋がりを諦めて、人間との繋がりを諦めてきた側として、マイノリティのその更に狭く暗い場所に押し込められて、明日を生きたいと願うことすら許されない主人公たちの心の叫びに共感をしてしまったり、だけどその度に、無意識に理解する側に立とうとしている自分に嫌悪感が湧いてしまったりと、読みながら自分がどんな目線でどんな感想を抱くことも烏滸がましいと感じるようになってしまう。それくらい自分の中に深く突き刺さって、そして突き放された作品でした。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。私は正欲を読んでから、気軽に多様性という言葉を言えなくなった。読んだ人みんな分かると思うけど。
帯にあったけど、読む前の自分には戻れないよねぇ。暴力的に自分の中に入り込んでくるよねぇ。
私は共感できるような登場人物はいない。最初傍観しながら第三者目線で読んでた、マイノリティの気持ちも分かりますよって気持ちで。そしたら、殴られたねぇ。なんで気持ちを理解する側なんだって。
2回目読んで、八重子と諸橋くんは最後分かり合えそうだったんだと初めて気付いた。途中から八重子のことちょっと引きながら読んでたけど、大事な登場人物だった。あぁ〜面白かった!

どうして朝井リョウさんはこんな本も書けるんだろう。まじで何者なんだろう。同じ時代で、この人の新作を読めるのは最高だ。

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

正欲について考えさせられた。
一人ひとりの正欲があるから正解にたどり着くことは絶対にないし、どれもが正解でどれもが不正解

だから決して他人の欲について自分の正欲を押し付けることなどあってはいけないんだなって思った。それは相手を傷つけることにも繋がる。

自分の欲は普通でない。世間から外されている。誰とも分かり合えない。だから話す必要も無いし関わろうともしない。そうなるとこの世界をたった一人で生きていることになる。

そうじゃなくて。
わかって貰えないって思うかもしれないし、言う必要も無いと思うかもしれない。
けど生きていく上でやらなきゃいけないことは
ただただ話し合うこと。何度も。
「この終わらない性交渉でしか、人と人は繋がり続けることができない」
この言葉が刺さりすぎた。

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作の学びの中から、今回私が注目したのは、何を書いているかではなく、「何を書いていないか」
である。
その参考例として私がピックアップした登場人物は、検事役の寺井啓喜だ。

まずはじめに、「何を書いていないか」に触れる前に、どんな人物かという彼の価値観を紹介してみる。

啓喜の他には、水嗜好の性癖がある夏月、佳道、大也の視点があるので、啓喜のことを、古い価値観の頑固な親父という悪者のような立ち位置で読み進めた方もいると思うが私は違うと思う。

この物語に彼の価値観が入ることによって、特殊キャラばかりで進行していくような、ふわふわした展開にならずに、リアリティを保つための重石のようなキャラになっているのではないかと感じるのだ。

「普通から外れると、一気に犯罪までいくぞ」というような価値観

p38
泰希も、由美も知らないのだ。検事として相対する被疑者のほとんどが、そこで踏みとどまっていれば、というルートから外れてそのまま、法律の定めるラインを軽々と飛び越えていったことを。


その価値観ゆえに、不登校の息子に対して学校へ行けと相手の理解を示さない。そんな状況が序盤は描かれる。 


そしてこのシーン。

・息子のやるYouTubeの動画内に
 出てくる、膨らます事ができな
 かった風船に言及する啓喜


p170
「あの風船、膨らませられたんだな」
「ああ、あれ」
由美が、啓喜の手元から携帯を取り返す。
「なんとかなったの」
――なんとかなったの。
俺が膨らませられなかったのに?


前半の描写ではなんとなく家庭がうまくいっていないシーンしか描かれていないのに、この一言で
「あれ?由美もしかして浮気してる?」
となる。この、
「ダッシュ なんとかなったの まる」

で、読み手に浮気を予感させるというのが本当にすごい。
その後も「浮気」や「不倫」等の直接的な言葉を使わず(つぶさに見ていないが多分使ってない)、悪い予感をほのめかすように描いている。
そして次の展開では、さらりとしか描かれていなかった右近がいよいよ登場し、悪い予感を膨らませる。


・カメラの機材をセッティングし 
 に、啓喜の家にきた右近と側
 にいた由美、泰希の姿を見て
 

p270
親子みたいなシルエットだ。
啓喜がそうおもったとき、泰希が一瞬、後ろを振り返った。
そして、啓喜の手を見つめたまま、右近の手をぎゅっと握った。


たまらないシーン。
言葉にされていない行間の部分。
浮気相手かもしれない右近と
その男に信頼を寄せているような泰希



他にもある。
終始、部下や家族に対して頑固な考えを押しつけた啓喜が、後半でやり返されてしまう場面だ。

・電車の中で、啓喜に叱りつけ
 られた部下の越川が、話題を変 
 えるシーン

p406
「そういえば」
ガタン、と、大きな音が鳴った。(略)
「息子さんはどうなったんですか」

なぜこのタイミングでそんな質問をしてきたのか。(略)

「学校、まだ行きたがらないんですか」


世間体を気にする啓喜に対して、遠回しにやり返す感じがたまらない。
ここでも越川の心理描写が特にあるわけではなく、啓喜本人はやり返されている自覚がない。

そして極めつけがここ。
特殊性癖を否定する啓喜に対して
由美がやり返すシーン。

p470
啓喜は、由美に覆いかぶさり、腰を動かしながら、由美の瞳が涙で満ちていくのを見るのが好きだ。
(略)
想像するだけで股間が反応しそうになる。
由美は視線を動かさない。
「涙を流す人を見て性的に興奮するなんておかしいよね?」
由美に両目を覗き込まれる。
「それって、通常ルートから大きく外れた、バグだよね?」


遂に本人から、あなたも十分特殊性癖ですよねと突かれている。

今まで、直接的な表現を避け、音楽でいう裏拍を取ったような描写だったのに、ひっくり返して表打ちで一気に書ききっているのだ。
膨らんだ風船に針を刺すような驚きがある。


この読み手の心理状態を操って何を書いて、何を書かないかを決めてる感覚(技術)が本当にすごい。




右近と由美に関しては、実際に浮気したのかそうでないのかは最後まで書かれていない。
基本的には何もなかったと受け取るのが普通だが、書かないことで含みを残している。

他にも啓喜以外でいうなら、捕まった犯人達がその後どうなったかも書かれていないし、なんなら
細かいところで好きなのは寝具店で働く夏月が値段を見て帰った夫婦に対して
「この夫婦は必ず次回マットレスを買いにくる」
と確信している描写があるのに実際に買いにきたかは書かれていないのだ。気になってしょーがない笑



ラストシーンは八重子がスマホを眺めて終わるシーン

p498
――私のことも、繋がりのうちに数えておいてね。
(略)
両目を善意で輝かせた友人が“頭おかしい人の暴走”と断じたニュースは、いつの間にか、ブラックアウトした画面の奥へと消えてしまっている。


私的には佳道と夏月は「繋がり」を保ったハッピーエンドだったので、大也と八重子に関しては
「繋がりたかったけどさすがに小児性愛はアウトだわ」
っていう、バッドエンド的な心理で終わっていてほしい。
可能性は低そうだが、そうとも取れなくない微妙な書き方をしてくれている。

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

この本を読んでさらにマイノリティの方との関わり方が自分の中で分からなくなった感じです。もはや相手をマイノリティと思うことすら差別であるくらいに感じます。

頭の整理が付かなくなるような深い内容の本だが、自分の感じとった本の主張をまとめると、
正しい価値観というものはなく、自分なりの基準で相手の背景を考慮することが大事なのではないか。これを今後の対人場面で心がけたいと思いました。

以下好きな部分
「3分の2を2回続けて選ぶ確率は9分の4であるように、多数派にずっと立ち続けることは立派な少数派であることに。」
「Aを見てBだと『感じる』ことに、口出しできる人は誰もいない」

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

文庫なのに500ページもあるこの本。内容も相まって読み終えた後の疲労感がとてつもない。
でも、読んで良かった。
正しさって、正義って、〝ルートから外れない〟って何なんだろう。それが何の意味を持つのだろう。それらが社会を救うこともあるけれど、苦しみを生むこともある。個人が深呼吸しながら、のびのびと生きられることが大切なことなのに、正しさを振りかざして、生きる世界が途端に窮屈に感じてしまうことが往々にしてあるのではないだろうか。

「今日はちゃんと季節があったし、社会の中にいる感じがしたし、しかもそれでいて性欲もあったの」
「もう、卑屈になるのも飽きたから」もう、卑屈にすっかり飽きたのだ。生きていきたいのだ。この世界で生きていくしかないのだから。楽しみたいものを罪悪感を抱かずに楽しみ続けるための方法を、今のうちに見つけ出しておきたいのだ。

これほど切実で、文章に暖色が見えるような思いを抱けるまでに、どれほどの時間を要したんだろう。
人間の想像の範囲に及ぼないことは、数多くあるのだと思う。わたしは、周りにいる人たちの、価値観や考えを完全に理解することは出来なくても、〝そういう考え方もあるんだ〟と受け取れる人で居たいと思う。

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2026年01月26日

Posted by ブクログ

正しく居ようと思えば思うほど、人は自己を失っていき、そして繋がりも失っていく。本書を通して、自分の想像力や視野の狭さを自覚すると共に、いかに自分が正しくありたいか、変だと思われたくないかという正欲に満ちた人間なのかを思い知った。本書は永遠に完結しないし、自分自身を簡潔に説明出来るようになることも永遠にないと思う。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

自分自身、意気揚々と「多様性」という言葉を用いて私たちは理解がありますと厚かましく寄り添おうとする善意の裏にある悪意に当事者が苦しんでいることに気づかない気楽な人々の1人なのだと思い知らされた。

世界は自分が想像しているよりもはるかに広い。
色々な性癖や考えを持った人がいる。
どんな人でも寄り添いますと謳っていても、本当に"ヤバい"奴はその範疇にない。
なんとも勝手ではあるがこれが現実であることに変わりなく、この現実で生きていくしかないのだ。

マイノリティとマジョリティ、双方が主張する言い分がどちらも正当なものだからこそ、この二つが共存する世界の難しさが痛いほど伝わった。

「多様性」という言葉が軽々しく多用される時代になったからこそ全ての人に読んでほしい一冊。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

正欲モンスターにならないようにしなきゃ、と思った。しかし正欲モンスターの人を正欲モンスターだと言うこともまた正欲モンスターになりうる。
この本の感想は完結しない。逐一更新していくのだろうと思った。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

三代欲求は裏切らない

読んでてすごい刺さった
就職する時に知ってたら違う道に進んでたと思う

283ページの15行目が全てだなと思った
この本読んで一番共感した

この言葉に尽きる
ずっと自分が思ってたことを言ってくれたと思う


多様性とは性癖とは色々考えさせるけど間違いなく記憶に残る本

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

・当人にとっての「正しさ」を押し付けること、そうでないことを諦めること、その両方に対して疑問を投げかけられる。どちらか片方に寄り添うのではなく、あくまで問いを投げるという姿勢。その慎重さに著者の優しさと思考の深さを感じる。

・この物語では社会からは理解されない、異常者と言われてしまうような立場の人間の苦悩が描かれている。と見せかけて、寺井や八重子のような、一般的に「正しい」側に立っているとされる人間の苦悩も同時に描いている。ただ偏に、「理解されない弱者はこんなに苦しんでいたんだ!可哀想でしょ?」では終わらないところが好きだ。私は人に理解される性癖しか持っていないし、確かに夏月や、佳道のような苦しみは抱いたことがない。そんな、彼らからすれば正しい岸の上に立つ私だって、悩むし、苦しい。そんな、違う岸に立つ者同士が、理解はし合えなくても、共存はできるのではないか。八重子と大也の口論は、そんな想像をさせられるとても良いシーンだったと思う。

・寺井は、正欲に塗れている。自分の理解の外にあるものに、歩み寄ろうという発想がない。だけど、私は寺井の視点を読むとき、どうしても彼に同情的になってしまう。彼の考え、言動は正しいからだ。子供が登校を拒否してYouTuberとして生きていくと言い出すこと。それを応援する姿勢を取る妻。そのことに懐疑的になるのは、大人なら普通のことではないだろうか?しかし、寺井の態度は家族には受け入れられず、家庭は崩壊していく。だからといって、寺井までが一緒になって子供を応援する態度を取ることが本当に「正しい」のか?そうとは思えない。寺井が、受け入れる必要はないと思う。ならば、寺井はただ、理解の外にある何かに迎合するのではなく、相手の言葉に耳を傾け、理解しようとする姿勢を持つことが必要だったのではないか?受け入れる必要はない、理解する必要もない。ただ話を聞く姿勢を持つことが必要だったのではないか?「多様性」という言葉には暴力的な響きがあると作中では何度も描かれている。それは、理解できないものも理解しなければない、受け入れなければならないというニュアンスが含まれているからだと思う。理解しなくてもいいから、対話をする。その絶妙な距離感が、必要な気がする。

・奥さんがボランティアの人と不倫してたぽいのは本当に可哀想。それを正当化して被害者ぶってたのもすごく嫌な気持ちになった。作中ではどちらかといえばヒール的な位置で描かれてた気がするが、でも寺井、おれはお前のこと嫌いじゃないぞ……

・東畑先生の解説がとても良かった。著書の「カウンセリングとは何か」を読んだ時にも思ったが、比喩がうまい。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

多様性と簡単に言うべきではないのかもしれない
色々考えさせられる
法律や社会の規範は、多数派だけのものなのかと思ったり、、、、
本にすごい影響されやすいみたい

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

"多様性"ってなんだろう…
私自身も、多様性多様性と言いつつ、結局は受け入れる側になっていた気がします。
改めて、多様性について考えさせられました。

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2026年01月31日

ネタバレ 購入済み

読めば読むほど正欲がわからない

違う世界線の人たちが読み進めていくうちに交じり合い、夢中で読み進めた。

多様性から外れる人たち…
この本を読むまでいかに自分の考える多様性が狭いものだったか思い知らされる。
読み終わっても多様性とは?正欲とは?わからない。もやもやが残る。
そのもやもやこそが正しい理解なのかもしれない。
最後の解説がこのもやもやを上手に言語化してくれてとてもよかった。

#泣ける #切ない #深い

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2025年02月08日

購入済み

朝井リョウさんの書く文章が好きで新作が出る度に買っていますが、この作品は1位2位を争うくらいに好きです。LGBTQという言葉が世の中に知れ渡ってきた昨今、言葉を知っていると言うだけで本当の意味では理解出来ていないのでは?と考えさせられる作品でした。

#タメになる

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2025年01月19日

QM

購入済み

SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。

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2024年09月25日

cnm

購入済み

多様性という言葉は、魔法のように全てを見通すことのできる美しい言葉ではない。けして交わることができない他者がすぐ隣にいるという絶望を突きつけるための、恐ろしい言葉だ。

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2024年07月18日

購入済み

正しさについて

自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。

#ダーク #共感する

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2024年05月02日

購入済み

想像していた以上に面白かった。
個人的には八重子が一番好きでした。
彼女の視点があるのとないのとでは大違いだと思います。

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2023年12月18日

購入済み

多様性という名の暴力

普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容ではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)

近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。

分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。

これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。

#深い #共感する

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2023年11月16日

購入済み

多様性の外側にある多様性を知る

他者を理解するって本当に難しいことですね…

多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。

#泣ける #切ない

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2023年09月13日

Posted by ブクログ

自分は理解できる側でいたいと思ってしまうな
自分の想像力なんて及ばないようなことが世の中にはあって、という表現ですら到底いきつかないほどどうしようもなく意識できないことがあって。
誰かを傷つけるのが怖いと思うのは、
誰かに嫌悪感を抱いてしまうのがすごく嫌なのは
そう思うことが、
自分も否定される存在なのかもしれない
誰かにとってはすごく不快な存在で見下されるのが当然の人間なのかもしれない
という考えに無意識につながってしまってるからなのかな
何よりも自分が自分に否定されたくない
けど自分というのは社会を通してしか形成されてないから、自分が自分のこと好きでいられればいいじゃん、なんてそんな考えで片付けられない。
八重子の辛さと大也の辛さどっちもわかるしどっちも卑屈で嫌だし、どちらにも気持ち悪いところあるし理解できるところもあるし。
辛さのバトルみたいになっちゃってる
辛さ対決は嫌だな、負けたくない、相手の辛さも自分の辛さも別物で、お互い違うけど思いやり持ちあって頑張ろうなんて、そんなこと本当にできるの?
別物なのにどーしても比べてしまうのはどうしてなんだろう、おんなじ辛いっていう言葉で表してるからかな
この本のどこかに書いてあったけど
言語化されてない物事の方が世の中には多くある
効率化のために一つ一つはぜんぜん違う物事を同じ言葉でグルーピングしてるから
複雑になってるんじゃないかなーと
言語化が諸悪の根源のような気が。
どれだけ細かく定義しても、言語なんかじゃ表しきれないことがたくさんあるよ。
というのを言葉で考えてる時点で大きな矛盾

否定されたくない
不快な感情持ちたくない
何かを不快に思うのは自分を否定してることにつながってつらい
でもみんな認め合って仲良くしようともいかないな
嫌悪感は確かに存在するから
じゃあ、幼児が好きな性癖の人も、犯罪犯してなかったら認めるの?って話になってしまう
気の毒なオプション
これも私の感情なのかは疑問が残る
社会の中で培われた一種の洗脳のようなものなのか
それとも洗脳するものすら存在しなくて、
最初から自我なんて、本当の自分とか
まっさらな考えとか、自然発生的な感情とか
そんなものなんて存在しないんじゃないか、
ぐるぐるぐるしてるうちに思考停止してしまう

何にも本当じゃないなら
効率的に生きるために、大きな流れから外れているものはバグだと捉えて
排除するのもそれはそれで良い気がする

面倒なオプション搭載は窪美澄さんでも出てきた表現だったかな
面倒
もっと可哀想な人がいるからちゃんと頑張らなきゃと思うことも
もっと可哀想という表現に疑問を持つことも
全部めんどくさそう
今まで社会と周りの環境に触れる中で培われた、
一見理解してる風の、自然に生まれました!と言わんばかりに存在感を放っている価値観の数々が、
その一つ一つが理解されないままに脳内で無秩序に絡み合ってて、アホみたいに身動きが取れない

すごく共感したし、
この本の主張とは関係ないかもしれない随所の表現が胸にストンと落ちて、まるで自分が今まで心の中で使っていた表現かと思うくらいピッタリハマって
読んでよかったなって思ったけど
多様性という表現を盾に、自分の想像できる範囲の、そして不快に思わない範囲のものだけを取り囲んで、それだけをピックアップして都合の悪いもののの排除を助長するような人たちを批判している内容を読んで
それはそうなんだけど
安易にそれに傾倒するのは怖いというか。

佐々木の職場のウザいジーさんに対して
読者誰もがうぜえって感じたかもしれないし
そんなふうにしか物事を考えられないジーさんの生い立ちまで想像して可哀想なやつと感じた人もいるかもしれないけど、
そうやって不快感や同情を無意識に持って
一段上から見るのは
違う視点から見たらそれこそ驕り高くて
自分が一番ものをわかってると自己陶酔していることにつながるのかもしれないと思うと
ちょっと怖いな

批判されてもいいじゃん自己陶酔しててもいいじゃん
って言う人もいるけど
堂々と生きるなんて難しくて、
相対的なものしか世の中には存在しないけどやっぱり絶対的に正しいものが欲しい。安心したい。

性欲との対比で食欲、睡眠欲が出てきたけど私も三代欲求は大好き
原始的な反応には思考の入り込む隙間があんまりない、感謝。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは難しい内容ですね。。
こんなにもレビューが難しいとは思ってなかったです。

多様性、、
マジョリティ側が作った「多様性」という言葉にどれほどの意味があるのでしょうか。

マイノリティ側が欲してすらいない(そっとしておいてほしい)多様性という枠組みはマジョリティ側が想像しうる範囲でしか機能しいないのだと思います。

そう考えると結局、少数派のためじゃなくて多数側、自分のためですよね。

少し話の主軸とはズレますが、不登校の息子とどう向き合うかってめっちゃ難しくないですか?

寺井啓喜の気持ちも分かるんです。古臭い考えかもしれないですが、父親ってそんな感じじゃないですか?

自分の「正欲」にすごい自信があるというか、現実主義というか。。


自分の「正欲」が明日死なないことに結びつかないとき、社会から排斥されるのだと思います。

「明日死にたくないと思いながらこの世界を歩いたらどう見えるか知りたい。
本当は、ただそれだけなのかもしれません。」


無自覚ながら、明日死にたくないと思っている自分自身はなぜか無性に寂しいです。

手を取り合えない人間がいるということを当然のように突きつけられるから。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

朝井リョウの作品を初めて読みました。

描写がリアルで、生々しさを感じました。
校舎裏で蛇口を蹴り合うシーンがとても印象的でした。

いわゆる少数派の性的嗜好について考えさせられました。現実このような人もいるのでしょうし、満たしようがないものもたくさんありますよね。

他の作品も独特なものが多いようなので、読んでみようと思います。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

例えば街を歩くとします。この一文から引き込まれた。ぐっと読者に何か普通の小説じゃないぞと思われる文章力に感嘆した。
多様性、つながり、他人に対してわかった気になるな、多数派、少数派。問題提起が様々な角度からなされていて、考えさせられました。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

本書は性についての欲を題材に物語が展開していくが人間の感性はそれに留まらず、もっと多岐にわたると思った。
自己を振り返ってみても、まさに今この感想を書いている電車内で、他人と微かに衣服が密接しているのを、過剰に気にしすぎる(気持ち悪いと思う)感性や、人の声色に敏感なところなど、何故ソレが好きなのか、何故ソレが嫌いなのか。自身でも説明し尽くせない生まれ持った根幹の癖。
多様性を謳いながら多数決によって決まる社会の理不尽さを丁寧に暴いてくれている、本書自体が「繋がる」希望になりえる作品です。

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

特殊性癖である夏月にさえ想像できないような人がそこには沢山いる。
夏月は思う。
多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。時に吐き気を催し、時に目を願りたくなるほど、自分にとって都合の悪いものがすぐ傍で呼吸していることを思い知らされる言葉のはずだ。

「今日の治療を見学して、盛り上がる気持ちはわかる。これまでの自分の視野の狭さを搬するために、今まで蔑ろにしてきたものに過剰に寄り添ってみたくなる気持ちもわかる」

性愛とは性を愛することでもあるけど、同時に性を通じて誰かを愛することでもある。同じように、私たちは「正しさ」を愛すると同時に、「正しさ」を通じて他者を愛そうとする。それを「正愛」と呼んでもいいのかもしれない

いろんな癖がある。それを抱えた人がどうして苦しいのか。自分が異端だから、という理解は浅くて、異端故に社会に存在する場所がないということ、ひいては誰かと繋がるという事が成立しないということ。癖の話が出てから何となく感じ取っていたけど、二人のセックスごっこの場面ですごく言語化された。癖があろうと無敵だろうと、やっぱり人は人と繋がると安心する。
でも性癖でない欲もあって、悲劇のヒロインでなく社会に溶け込みたくない層も一定ある。そう考える余地も十分にある。人が何を求めてるかとか、何が真っ当かとか、やっぱり自分の物差しになってしまう。知らないことの方が多いということを戒めに持っておくしか、当面の解決策はない。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

自分自身の性癖が周りには理解されないものであるとわかっている人間、人間は決まったルートを歩まなければ、思考が曲がってしまうと考えている人間。どうにか正常でいようとする人間。
多様性とはなんなのか、私たちに見えていることはなんなのか、複数人の視点から描いていく。

朝井リョウさんの文章を初めて読んだ本だった。
わたしは異性愛者、同性愛者などあまり偏見がない方だと思っていたが、多様性という言葉に浸っていた1人なのだと実感させられ、頭を殴られたような気分だった。
わたしも孤独を感じるが、この本のように永遠に孤独を感じて生きている人がどれだけいるのだろうかと思うと心がうたれた。
わたしが見ている社会の狭さ、偏った考え方、全てを理解することの難しさ全てを考えさせられる一作だった。

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2026年01月25日

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多様性とはあくまで想像できる範囲内にとどまるということ。
異常者を認めるべきなのか。それが犯罪になる場合はどうするのか。考えられる作品だった。

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2026年01月24日

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まとも。普通。一般的。常識的。
自分はそちら側にいると思っている人はどうして、対岸にいると判断した人の生きる道を狭めようとするのだろうか。
多数の人間がいる岸にいるということ自体が、その人にとっての最大の、そして魄一のアイデンティティだからだろうか。だけど誰もが、昨日から見た対岸で目覚める可能性がある。まとも側にいた昨日の自分が禁じた項目に、今日の自分が苦しめられる可能性がある。
自分とは違う人が生きやすくなる世界とはつまり、明日の自分が生きやすくなる世界でもあるのに。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

好きなとこ


自分はまともである、正解であると思える唯一の拠り所が"多数派でいる”という
ことの矛盾に。
三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、"多数派にずっと立ち続ける"ことは立派な少数派であることに。

沈黙は彫刻刀に似ている。冷蔵庫の音や隣の部屋の生活音、外の世界を人や車が道り過ぎていく音ー それまでもずっとそこにあったはずの音たちを、空間からはっきりと削り出す。その場にあったのに感知できていなかっただけの何かを、突然表出させてしまう。


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2026年01月24日

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世の中には自分が想像もつかないような"フェチ"が数多あること、気付かぬうちに『自分はマジョリティでマイノリティを"受け入れてあげてる"』と
上から目線になり、そのマイノリティはマイノリティの全てではなく一部であること…
読んでハッとさせられました。

 自分の狭い世界の物差しで、物事を正していくのではなく、対話を恐れず視野を広げることが大切だと気付かれました。
でも難しい気もします。

だって私はマジョリティ側の人間でいることに安心している視野の狭い人間だと思うから。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

何かで見たが、多様性が問われる時代で、ジェンダーに該当する方に「理解して欲しいか」という質問をしたら、「放っておいて欲しい」という返答をしていた。
色んなことを「受け止められる」と思う時点で、本質的に多様性というものを理解出来てないんだな、と思った。
相手が「受け入れて欲しい」と思っていない時点で、それは自己満足なのかもしれない、なんてことを考えさせられる小説だった。

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2026年01月20日

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寺井のような考えを持っている自分を痛感。
学校に行くことが正義と思っている自分が確かにいいることに気づかされた。
自分の子供が不登校になったら、同じ対応をしてしまうのではないかと怖くなる。

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2026年01月21日

購入済み

自覚

自分になかった考えを、この本を通して知ることが出来た。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

マイノリティについて考えさせられたけど、少し難しかった。自分の当たり前の世界が当たり前じゃない世界があって、正しい欲望など存在しないと認識した。三大欲求以外にも無数に欲望があり、そのどれもがその人にとっては正欲だと感じた。
本当の意味での多様性は難しい、、ただ人間(自分も)は無意識のうちに「繋がり」を求めていて、全ての行動がそこに通ずると思った。

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2026年01月30日

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