あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)
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朝井リョウ節全開
この作品について感想を書くこと自体が浅ましいとすら思うほどに心まで響きました。
登場人物の心情描写、言語化能力、小説としての構造どれもが素晴らしいです。
まさしく読む前の自分には戻れない一作です。
Posted by ブクログ
正しくありたいと思う欲求って抑えられないよね
そもそも正しくありたいって思うこと自体がおこがましいような気もするね〜なんか理想主義?
自分の意見が正しいと思った時は、自分の想像力から飛び出る人達を無視してるってことなのかな
Posted by ブクログ
とても好きなジャンルの小説でした。終盤のヒートアップする会話シーンがとくに良かった。
あくまで思いやりを背景にした他人への正しさの遂行でも、誰かにとっては迷惑の可能性があって、
そうならないよう予防戦を張って接したとしても、自分の想像には限界があるから結局可能性は残るし、だったら初めから干渉しない方がいいとも思うので、何が正解かわからない。
仮に自分の思う正しさが間違いなら、
目指すところは完全中立、意思なし寡黙人間なのか?と思ってしまった。
でも「明日死なないため」に、人には"つながり"が必要であって、自分が逃げれば自分が死んじゃう。そこが難しい。完全に他者を理解することはできないし、自己開示が苦手という人もいる。
そんな中で提示されているのが話し合いなわけだけど、今の世の中、正しさの線引きなしでどれだけの人が純粋な話し合いができてるのかなと感じた。
人とのコミュニケーションにおいては白紙にお互いに色を塗っていく地道さと謙虚さが大事だと思う。
「自分が想像できる"多様性"だけを礼賛して、秩序整えた気になって、気持ちよくなる」ことにならないよう気をつけたい。
Posted by ブクログ
YouTubeで好きな芸人がこの本について喋ってたので気になって買った。
朝井リョウの作品を読むのは初めてだったが、読みやすかったし、多様性について一歩踏み込んだ内容で面白かった。
やっぱり私はその時代特有の社会テーマを題材にした作品が好きなんだなって思った。
Posted by ブクログ
十数年ぶりの小説、何を読もうかと本屋をしばらく彷徨っていたら目に飛び込んできて、とりあえず購入。
「長編小説」との文字を見て、読書初心者の私は読み切れるか不安だったが、何かの縁かと思い。
結果大当たりだった。すごく面白く読めた。
今まで「人は何をするにも理由がある」と、相手の背景をとりあえずは想像して生きてきた人生だったが、その思考にももちろん限界はあった。「意味がわからない」の一言で片付けてきた領域を解説されたような、見せつけられたような小説だった。
本当に読書初心者の感想で申し訳ないが、「作者ひねくれてんな」とも思ってしまった。ちょっと笑うまであった。ほんまごめん。許して。
Posted by ブクログ
心の中に一石を投じるどころか、大岩を沈められるくらいの衝撃を感じた。今後その岩は私の中に居座り続けると思う。人が何を考え何を感じているかを自分の想定外である事を前提として考える手札が加わった。が、正しさに関する輪郭は視点によって変わるし、難しいなこれ。
Posted by ブクログ
強烈だった。
分からないこと、理解出来ないことを、自分なりに自己解釈しなくてもいい。分からないものは分からない、理解出来ないものは理解できない。それ以上それ以下でもない。「理解しない」と「尊重しない」は別。
分からないものに出会うと落ち着かんから、
「この人は過去にこういうことがあったから、こうなったんだろう」
「本当は寂しいんだろう」
「こういう性格だから仕方ない」
みたいに、相手を自分が理解できる物語の中に置こうとする。
もちろん、それが相手を思いやろうとする想像力になることもある。だから自己解釈そのものが悪いわけじゃないと思う。
しかしその自己解釈や、思いやりが自分を守るためになっているかもしれない。
「分からない人がいる」という不確実さを抱えておくより、「この人は○○だからこうなんだ」と分類できた方が、自分の世界は秩序を保てるから。
どれだけ人生を遡っても理解できない事もあるし、理解できない、分かり合えない人間もいる。でもそれを自分なりに解釈するのではなく、ただそこに在るという事実を認める。それが時に尊重に繋がるのかな…
自分の世界があってもいい、相手の事を目を背けたくなるような事まで知りたいと思う。知って自分が安心できるように解釈して秩序を整えたい。自分が共同体に属してる人間と、自分で認めたい。周りから認められたい。そう思うのはもうしょうがない。これが人間の傲慢さかもしれない。それでも相手は知られたくないことを知られる権利もないし、それを必ず受け入れて貰おう、理解してもらおうと思ってるかも分からない。搾取される権利もない。分からないものは分からない、分かろうとする事自体が傲慢な場合もある。それでもそこに在るという事を認識する。それでも世界は回り続ける。
読めば読むほど正欲がわからない
違う世界線の人たちが読み進めていくうちに交じり合い、夢中で読み進めた。
多様性から外れる人たち…
この本を読むまでいかに自分の考える多様性が狭いものだったか思い知らされる。
読み終わっても多様性とは?正欲とは?わからない。もやもやが残る。
そのもやもやこそが正しい理解なのかもしれない。
最後の解説がこのもやもやを上手に言語化してくれてとてもよかった。
朝井リョウさんの書く文章が好きで新作が出る度に買っていますが、この作品は1位2位を争うくらいに好きです。LGBTQという言葉が世の中に知れ渡ってきた昨今、言葉を知っていると言うだけで本当の意味では理解出来ていないのでは?と考えさせられる作品でした。
SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。
多様性という言葉は、魔法のように全てを見通すことのできる美しい言葉ではない。けして交わることができない他者がすぐ隣にいるという絶望を突きつけるための、恐ろしい言葉だ。
正しさについて
自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。
多様性という名の暴力
普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容ではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)
近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。
分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。
これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。
多様性の外側にある多様性を知る
他者を理解するって本当に難しいことですね…
多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。
Posted by ブクログ
多様性の時代と言われるが、性的なマイノリティは直視しづらい。
性的なことだけでなく、自分が多数派に属しているか、確認しないと不安。
こういうのは日本人特有なのか?
どうあれだれかと繋がっていること
緩くとも繋がりがあることが感じられると嬉しいもの。
人はひとりででは生きていないから。
Posted by ブクログ
多様性がテーマの物語です。
これまでなんとなく思ってきたもやもやした複雑な気持ちを見事に言語化されて気持ちが良かったのと同時に、人間の醜さに向き合わされ何とも言えない気持ちになります。
多様性という言葉は昔は「個性を尊重しよう」などという言葉で言われていた気がします。それを聞くたびに「よく言うよ」と。扱いやすくて自分が受け入れられる個性以外は欠点だなんだと拒絶するくせにと思ってました。
本書の登場人物の様に水に興奮するという程の特殊性はなくても、例えばちょっと口数の少ない性格なら「暗い」「存在感がない」「いてもいなくても変わらない」と言われがちです。で、クラスのちょっと目立つ奴はよく「俺ってコミュ障だから」とか「陰キャだから」とか言っておどけるじゃないですか。あれ本物のコミュ障からしたら腹立ちますよね。
夏月や佐々木や大也はそれ以上に虐げられてきた上に誰とも共有できない個性を持っているわけで、その鬱屈した想いは察するに余りあるものでしょう。
救われないだけならまだしも、その存在価値が否定され、生きる世界が脅かされるのだから殺意を抱くのも無理もない。多様性や個性などという言葉はマイノリティの中のマジョリティが都合の良い世界を作っているだけなのに。序盤は彼らの想いの方がよくわかるかもと思ってました。
でも最後の方の20ページにもわたる大也と八重子の攻防はそんな価値観をもひっくり返すものでした。
「生まれ持ったもののせいにして自分が一番不幸って言ってれば楽」
「(大也の様に)取り残された側だってどっかで誰かを一方的に消費して対等じゃない関係を築いてたはず」
「普通の人だって欲望を満たせない自分とどうにか折り合いつけて生きてる」
「苦しみは皆同じでそれに吞み込まれないように生きていたいだけ」
それら一言一言が胸に刺さり、「そうだよな。見えないだけでみんなそれぞれ苦しんでる」と、当たり前のことに気づかされます。
二人が最後に少し心を許しあったように見えたところが救いでした。多様性というワンイシューで構成されているため途中でダレそうになるところはありますが、ストーリー性というよりも自分の心と向き合わされるという意味で心に刺さる作品でした。読後は道端で鳩に餌をやってる人にもなんか寛容になる気がします。
Posted by ブクログ
読み始めた当初、正直なところ少し後悔しました。
ああ、なんだか辛い。
逃げたい。
でも、そんな私だからこそ読むべし。と気持ちを入れ替えて再挑戦。
欲は人に話さないし聞くこともないし、知りたいとも思わない。だからわからないまま私は暮らしてきたのでしょう。
今もわからないけど、本にして届けてくれたから、もしかしたら少しは想像を馳せることはできるかもしれません。
最後まで読んでよかったです。
Posted by ブクログ
ダイバーシティという言葉がもてはやされることに、どこか違和感を感じていた中で、自分なりの考えを深める一助となりました。
いろいろな人や考えがあり、それを認めていくことに異論は無いのですが、極端に「人は人」を認めてしまえば、私が正しく無いと思うことも認めざるを得ずその考えが社内通念になれば秩序が乱れる恐怖を感じていました。
だけれど、この作品を読んでみて結局は世の中は自分たちが許容し得る範囲からはみ出すもの理解できないものを理解できる言葉でラベリングし、排除する仕組みが働き秩序を保っているのかなと感じました。結局正しさの中で生きたいから。
Posted by ブクログ
はじめての朝井リョウでした。なかなかに重い。物語は大団円では終わらず、問いを発して後は読者に託すといった感じ。世間的に言う「多様性」を超える「異常」までを考えると、そこの境目とそこへの対処、自分の異常性をどこで折り合いをつけるか?重い宿題。
Posted by ブクログ
現代は多様性の時代らしい。この本を読んで、自分の嗜好以外のすべてのものを受け入れたり、理解する必要はないが、他人の好きなものを否定しないことと、他人が自分と同じ嗜好であると決めつけたりしてはいけないと思った。
うまく言えないば、多数派ではなく少数派の人たちは、生きづらさをかかえて暮らしているのだな、と思った。
Posted by ブクログ
人間標本読めなかったから場面がころころ変わるタイプで初めて読めたかも、最初は登場人物が理解できなかったけどだんだん区別できた
これも苦しかったなーみんな色んな欲で苦しんでて生きづらいと感じてる人がここまで感じてると思わなかったなー少しの秘密がここまで生きるのを大変にさせてしまう世界と人がマイノリティ側から感じることができた、最後の方でマジョリティにいてもずっといるのは難しいし他者からのマジョリティの評価によってみんな苦しんでるのが分かった、繋がりを大切にする八重子が1番強くてかっこよかった対話を大切にしていきたいなー(2026.8)
Posted by ブクログ
皆、いろいろなことを抱えて生きてるんだなぁ。
ほんとの自分、ほんとの気持ちをさらけ出せることってないな。
安易に何でも言えない…
気づかないうちに相手を傷つけたり、悲しませたり。はたまた反感をかっていることもあるんだろう。
そんなこと言ってたら人間関係築けない…
難しいけれど、相手をちゃんと理解しようと努力するしかないんだろうな。
相手がポロッと漏らす言葉だったり、ふと見せる表情の変化だったり。
せめて、自分の大切な人達に対してだけでも真摯に向き合わなくては。
自分の価値観が正しいと押し付けてしまいがちな私。
自分の正解が相手の正解ではないこともある。
Posted by ブクログ
多様性という便利な言葉は、自分の想像の中を越えない。
理解しようとする行為は、自分の考えの中に異物(自分が知らない考え)をどれだけ許容できるか、ということなのかもしれない。けれども、無理に理解しなくても、理解できなくても、「自分には理解できないものが存在する」ということを理解するくらいには留められるかもしれない。
知らない世界があることを知ることはできる。それを知ることで、自分の中の多様性の枠は広がる。否定せず、干渉せず、隣同士ただ共に在る「共存」はできる。
マジョリティに立ち続けることは、それ自体が立派なマイノリティになる。だからこそ、誰しもが理解ではなく、存在を認めること。それが共存の最低条件なのかもしれない。
Posted by ブクログ
正欲と性欲。人間の欲、突きつけられる正欲に押しつぶされながら生きていくしかない大也達を目の当たりにして、自分の欲と向き合わされる。
人は誰しも性欲があり、そして色々な正欲と向き合って生きていくしない。性と正が多方面から描かれて、言葉でまとめるにはあまりに自分の言葉が拙く感じる。自分もマジョリティにいないと感じつつも、マジョリティに属せるように、大きなゴールを目指せるように、明日死なないように、生きている人は沢山いるんじゃないかと思う。きっと自分もそう。
正欲を確かめあう2人のシーンはとても美しかった。いろいろな性と正が絡み合う社会で、やっぱり人の温もりを繋がりを求める。それが人間なのかな、、、、まとめきらないな。
結局は社会の大きな正欲の犠牲とならざるを終えなかった登場人物達。自分の理解が及ばない世界にいる人達との繋がりを考えていきたい。
Posted by ブクログ
異常性癖が原因でマイノリティに属している人達の物語と受け取った。
彼らはいかなる日も自分をジャッジし、絶望しながら生きてきたのだろう。
その息苦しさが痛いほど伝わってくる。
「自殺の方法を一度も調べたことのない人の人生は、どんな季節で溢れているのだろう」という文はあまりにリアルすぎる。
ラストの夏月の伝言は本作の希望そのものだ。
逆に自分自身と向き合う機会のなかったマジョリティ側の人間の末路は悲惨なもので、実際にありそうなマジョリティからの転落例だった。
多様性という言葉には時に上から目線な空気が纏わりつく。
実際、作中人物のように響かない人、煩わしいと思う人も少なくないだろう。
多様性が魔法のワードでないことは留意したいと改めて感じた。
正欲がマジョリティ側の唱える「明日死なないこと」だけではなく、「気持ちを共有できる仲間との繋がり」でもあるのは本書を通し感じた事だ。
ただ後者はどこかの誰かの都合や、犯罪行為によりいとも簡単に踏みにじられる。
規制、言論統制へと舵を切った現代はひどくつまらなくなり、人の居場所を奪い続けている。
Posted by ブクログ
人間は社会的な動物なのだから、どこかのコミュニティに属さないと生きていけない
生きていけないとは、コミュニティへの“繋がり”を求めてしまうと言うことだろう
それが、社会的に当たり前とされる繋がりだったら、そのような正しい繋がりを求める欲を生得的に持ち合わせているのだとしたら、生きるのが楽でしょう
生まれながらに社会からは受け付けられない欲を持ち合わせたマイノリティはどのように人間的に、生物的に生きることが出来るのでしょう
社会から認められないマイノリティの多様性を、法制がどのように包み込めるのか、
非常に難しい現実をぶつける、そんな作品でした
1つ、「〜まで◯日」の文言に何かギミックがあるのかと楽しみにしていたが、特に何もなくて残念だった
と書いてふと思ったが、
社会のタイトルが改称しようとそこに或る問題・現実は変わらない と言うことを示しているのか?
Posted by ブクログ
これまで、自分たちの性癖が外に知られることのないよう、息を殺してきた人たちが、同志とつながるために、ほんの少しだけ紐を解いた。その一瞬に通報されてしまったことが、何とも無念。
恋愛の話は、人との距離を縮めるための便利な話題とも言えるけれど、「異性を好きになる」という前提で話を振ることは、それ以外の人を阻害してしまうリスクもあるね。
Posted by ブクログ
『自分が多数派でないと不安』
ここが読んでいて一番ズシンと響きました。
多数派だから自分はおかしくない、つまりは自分はまとも側の人間だと認識する。
そして、無意識のうちに少数派はまともではないと決めつけ、異物として排除される。
この物語は理解できた、面白かったなぁと簡単に言えるものではないです。
物語はバッドエンドかもしれません。
ただ、本当の繋がりを得た夏月達を少し羨ましくも思います。
そう思うのもこちらの勝手なエゴなのでしょうか。
Posted by ブクログ
どうせ、本当のことを言ってもムダだから、何も言わない。
耳にイタすぎる。
そうしてしまう態度について、自分に対しても思い当たる節があるし、周りの人がそうしていることに対するストレスにも心当たりがある。
朝井リョウはいつも心をえぐってくる。
つらい。
なのに読んでしまう。
それを求めてる自分がいる。
これもまた、私を傷つけて、そしてまた一つ新しい経験を与えてくれ、私を強くしてくれた。
Posted by ブクログ
人気作家の朝井リョウさんがどんな表現をしているのか興味を持ち、最初に選んだのがこの「正欲」だった。
世の中にこれだけの性癖があること、生きづらさがあることに気付かされたが、ここまでも歪んで捉えている人ばかりなのだろうか。
特殊性癖だから生きづらいという書き方だけど、特殊でなくとも人は皆、何かしらに悩んでいると思うし、社会のとの関わり方を考えていると思う。
悩みが自分だけだと悲観的になっている間は自ら他者との間に境界線を引いてしまうだろうし、他者の理解に乏しい考えだなと思った。
朝井リョウさんがここまで人の心の中を書き出すのは何故だろう、日々ご自身が考えていたことなのだろうかと疑問が深まる一冊だった。
Posted by ブクログ
別にそこまで秘密にして生きていかなければならないものでもなくないか~?というのが感想であるが、それは私が周囲の人間に恵まれてきたからなのだと思う。
どこまでが許されるラインなのか、時代、個人の対外的性格、周囲の人間等々時と場合によるよね。もっと踏み込むと異性愛者であっても内面に問題を抱えている場合異常性癖を持っている人はるかに生きづらい。作中出てきた人たちは異常性癖が問題なんじゃなくて自分は他人と違うと線引きしちゃったことが問題で、それってそういうスタンスをとると誰でも孤独になるよね。という普遍的な話なのかなと思いました。
Posted by ブクログ
また男性作家が性的な話書いてるよ〜きも〜読むの失せるわ〜と冒頭を読んで思ってた自分を殴ります。
すみません。朝井リョウさん。
あなたはそれすらもひっくり返しちゃうんですね。
念頭に児ポの話かよ〜と萎えながら読んでいると「どうやらそうじゃないっぽい…?」とハテナがたくさん浮かび 中盤から終盤にかけてそのハテナが回収されるというら鮮やかな運びでした。
面白かったなあ。