【感想・ネタバレ】正欲(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)

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朝井リョウ節全開

この作品について感想を書くこと自体が浅ましいとすら思うほどに心まで響きました。
登場人物の心情描写、言語化能力、小説としての構造どれもが素晴らしいです。
まさしく読む前の自分には戻れない一作です。

#深い #タメになる #共感する

1
2026年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

衝撃的。多様性に対する考え方が変わる。ガツンときた。

自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなーー。

これに尽きる。
多様性とは自分とは違う他者を理解することではなく、自分の理解を超えた他者が存在することを認めることである…と感じた。


物語冒頭、逮捕された3人がなぜ逮捕されたのか…全然分からないまま物語は進む。むしろ物語は容疑とは逆ベクトルは進んでいく。
あの結末へどう繋がるのか、想像もできないところが凄い。
検察の寺井は自らの性欲から目を逸らし、他者の性欲も否定し、そしてこの物語に終止符を打つ。この物語を否定することでテーマを際立たせるキーマンとなった。
八重子は"多様性"に理解を示すが、それがとことんズレていることで作者の主張を際立たせる脇役。身勝手な行動に正直イライラし、大也には同情する。
大也、佳道、夏月は主人公であり、人に理解されない性癖を持っている。それはアダルトサイトで検索しても出てくるようなものではないし、完全に私の理解を超えたもので、この設定が作者の腕だと思う。読者でも彼らに共感するものはほとんどいないだろう。
物語のラスト、逮捕された佳道は何も語らない、そして夏月も何も語らない。語ってもどうせ理解されないのだ、という感情がありありと感じられる。
そう簡単に理解できるものではないのだ。理解できないということを理解する必要がある…そう学んだ。

0
2026年06月13日

Posted by ブクログ

とても難しかった
今まで考えもしなかった少数派の困難や内面的の歪み等について考えさせられた
想像し得えない多様性のことは考えもせずに拒否してしまっていたであろう自分は「正欲」を読んだことによって何かがほんの少しでも変わったように思えた

0
2026年06月13日

Posted by ブクログ

映画の方は1年ほど前に見たが小説は初。朝井リョウは久しぶりだったが衝撃を受ける作品だった。
途中から顕著だが登場人物が意志を持って動いている。本当に「生きている」。一人一人が信念から行動しており、その情熱がひしひしと伝わる。それに加え、彼の文章にも殴られる。小説を書くのがうますぎる。会話の中に挟まれる文が真髄を捉えすぎていて開いた口が塞がらない。結論が出ない話ではあるが、それでいいと思わせられる。『何者』もそうだったが朝井リョウは現代に求められすぎている作家だなと。東野圭吾や村上春樹とは違った形で現代小説の権威となるべき存在だなとこの作品を通して感じた。

0
2026年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分は無意識のうちに正欲者だったのだと思い知った。しかし、自分のマイノリティさの欠片も理解している。このバランスが難しい。

読んでよかった作品でした。
要は想像力。綺麗事は難しい。
朝井リョウさんの作品は、読んで傷つき、視野を広げろと言われることが多い。それが心地良い。

0
2026年06月10日

Posted by ブクログ

自らの正欲に固執するほど恐ろしいものはないと知ったと同時に、多様性を謳う人程、自らの正欲を振りかざして多様性の本質を理解できない人がいるのかな?と思った。また、不登校、引きこもり、発達障害等の人と出会ったとして、可哀想だなとかやばい人なんだなで一蹴してしまう人も存在することも、悲しいが変えられない事実。

結末も悲惨で胸にくるものがあった。もし周りに水を性の対象としてみる人がいたら、本書を読む前の私は理解し難く、その人を特異なものとして扱ってしまったかもしれない。

諸橋の多様性の中のマイノリティにすら属せない心情や孤独感は理解できる部分はある。かといって、そういった自分は世界から切り離されていると塞ぎ込んでしまうのもまた違うのか…。
終盤の八重子と諸橋のやりとりは、悲しいとかいうかなんというか、心に来るものがあった。
どう表現すればわからないくらい深い内容だった。

0
2026年06月10日

Posted by ブクログ

頭を殴られるような作品。水に性的興奮を覚える人の題材に驚き、実際に類似の事件があったことにまた驚き・・・。
朝井リョウの作品は初読だったが、世間が抱える問題をこちらに提示しつつ、解決策も救いもない内容は気持ちいいほど残酷だった。

ラストで諸橋や佐々木のバックグラウンドを理解した上での同情心が芽生える一方、矢田部に関しては嫌悪感を抱いてしまった。ただ、彼も尊重されるべき多様性の一つなのでは?と気づいた時に何が正しいのかわからなくなった。

0
2026年06月08日

Posted by ブクログ

浅井リョウさんの作品をこれからどんどん見ていきたいと思わせてくれた作品。

『普通』『多様性』この二つの言葉を気軽に使いたくなくなる。
・自分 をわかってないくせにわかった風のやつが1番ゆるせない

これは本当にそう

間違いなく、多様性に対する価値観を根底から覆してくれる。

子供できたら絶対に読ませてあげたい

0
2026年06月07日

Posted by ブクログ

自分のこれまでの言動で、正欲に基づくものも多かったなと感じた。
誰かを深く傷つけたり、無意識に自分自身を苦しめていたのかもしれない。多様性を受け入れるということは、多様性を受け入れないことを受け入れないってことなのか。
自分はひとりなのか。誰かとのつながりを求めているのか。
生き方について深く考えさせられた。

0
2026年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正欲とは、正しい側であろうとする、正しい側にいようとする欲求、自分がいる側が正しいと考えたがる欲求のことか。

そういう欲求があるから、常に、自分は正しいよな?と不安になってしまう。

一見正しくない行動にも、どんな背景があるのか、覚悟をもって一度寄り添うべきなんだろう、と思うが、そんな覚悟を持てる人は多くない気がする。 多くないというか、集団としての維持?コスト、活動?コストが高すぎて、そういう集団は淘汰されて消えていくのかもしれない。


明日からも生きていきたいという前提に立っている人だけに向けられた言葉

三分の二を二回続けて選ぶ確率は九分の四であるように、〝多数派にずっと立ち続ける〟ことは立派な少数派である

0
2026年06月07日

Posted by ブクログ

性欲と正欲。動物の本能的な部分を残しながら頭が発達した人間の矛盾が生んだ正しさのぶつかりあい。人間が発達する中で、群れをなす中で生まれた社会性というマジョリティ、という名の暴力。でも時にそれは逆転し、聖域にもなりうる二律背反。。
双方の立場を読者側から見ていて、どちらが正しいかと決める行為自体がまさにその本の中に描かれらている正欲であり、この本の着地はそういう自分の立場を考えるところになく、人間社会の構造を示しているだけに過ぎないのかなと。こうして正欲と正欲が交差しながら、歴史は刻まれていくのだという人間社会である以上変わらない真理を教えてくれた気がしている。この行為の繰り返しである世の中で大切なのは、「対話」。理解し合うのでもなく、ただただ「在る」というのことだけをわかっておくこと、内容が理解できなくても、存在を頭に入れておくこと、その交わりが大切だということ?と自分に問いかけるが、それすら確証が持てない。
この本を読むと、言い切ることに妙に慎重になる。そうでない側の事を考えるからだ。
でも、この本が私にもたらしてくれた、紛れもない事実として、自分の発する言葉が影響しうる範囲の広さ、そしてそれは時に暴力にもなり聖域にもなる事。その事を知れたのは紛れもなく事実。知れたという事実。それを私は知れてよかった、という「正しさ」の中で着地した。
でも今ふと思い出したけれども、こういう影響しうる想定というのは、あくまで自分の頭の中の部品でしか構成されず、その枠の外にあるまだ知らない感情は考慮されていないんだ。だからこそ、こうやって本を読んだり、他者との対話で想像力の幅を広げていきたいと感じた。それでこそ、八重子と大也のような、なぜか素直に「うん。」と言えたような、正欲のぶつかり合いの先にある折り合いが見つけられるのかなと思った。

明日からどういうふうに生きていこう、じゃあこの本に書いてあった〇〇を心がけて生きていこう!とか、そういう結論ではない。この本を読み終えた私はもっと重くなると思いきやなぜかスッキリしていて、それは、生き方の答えが本にあるのではなく、自分の中にあって、それを自分で理解して、共有して、ただ人類はそれの繰り返しだという、無意識に理解していた人間社会の構造を再確認したに過ぎないからかなと思った。
明日も、ふつうに、また生きる。



いや、ちゃんと考えたら、その人間社会の構造の中でしっかりと愛が描かれていた。正しさのぶつかり合いの中で、マジョリティに押し除けられるマイノリティ側から見た不条理さの中に、確かに2人の間には「いなくならないから」という言葉の中に愛があった。
この本は、人間という100%は分かりあうことの出来ない「もがき」と引き換えに、だからこそ成り立つ「愛」を描いてるのかもしれない。

そう考えると、愛は正欲を選ばないなと思った。こっちの考えになれば愛される、愛が存在する、とかではない。愛はどこにでも存在しうるもので、それが人間同士の性欲と結びついた時に初めて人類は繁殖するけれど、他に性欲を感じる人たち同士の中にも愛は確かに存在した。それが、この本の唯一見つけづらい希望なのかもしれないと思った。

0
2026年06月06日

Posted by ブクログ

烏滸がましいが、この本に別のタイトルを付けるとしたら、「正癖」、「多様性」この辺りだと感じた。本書は、それぞれ3人の視点から特殊性癖を持つ人々の生きづらさを書いたものである。多様性という言葉がマジョリティの言葉になり、そのマジョリティが受け入れられるかどうかの尺度となっている、みたいな表現があり、とても考えさせられた。結局人間は、自分たちが想像し得る考え方や価値観しか許すことができず、それ以外のマイノリティにすら入れない人達というのはやはり理解されないまま、異物として存在するしかないのだろうか。

0
2026年06月05日

Posted by ブクログ

 『イン・ザ・メガチャーチ』と同様に、社会に浸透しつつある「なにか」に対する著者の慧眼が、遺憾無く発揮された作品。
 本当に本当に、読み応えがありすぎる。1冊の小説からとは思えない以上の発見、反省、思考、困惑、感動が生まれてくる。
 「多様性」という言葉は、昨今では立派な市民権を得ていて、多くの人が生きやすいより良い社会の形成のため、理解、実践して然るべきといった存在となった。一方で、その言葉が持つ包括性の裏には、定義の曖昧さや実現可能性への懐疑が常に付き纏う。
 そんな多様性の、いわばダークサイドについて、本作では「性欲」を通して考えさせられる。すんなり共感できる点ももちろんあれば、思わず息を呑んでしまう点も多々ある。
 解説も含めて、本作を読んで思ったことの大きなひとつ。それは、「性欲」よりも「正欲」の方が、人間の持つ要素としてより恐ろしく、コントロールし難いということだ。

p.s. 前後の登場人物のセリフがバトンのような「繋がり」を見せていく構造は、純粋にお洒落で面白かった。

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2026年06月05日

Posted by ブクログ

「多様性」がテーマの物語という前情報を持って読み始めた。

いわゆる「多様性」を称賛するような風潮は嫌い。
男は男、女は女 それが大多数であることは長い歴史の中で変わらない。
LGBTQは大いに結構だが、それを他人に押し付けないでほしい。活動家の印象が悪すぎる。
ルッキズムの排除なんて絶対に不可能。

という思想を正直持っているが…

読み始めてすぐに、どうやら単純なLGBTQ称賛がテーマではなさそうということは分かった。安心した。

「おじさんだって恋がしたい」
本筋とは外れるが…少し考えるところがある。
恋というと大袈裟だけど、おじさんだって、既婚者だって、子持ちだって、「あの人いいな」があっていいじゃない。

何にでも恋愛要素求めてしまう、これも一つの多様性として認めてくれや。

小説家の心理描写というのには感心させられる。
今まで自分が無意識に考えていたけど、言語できていない、しようと思ったことのない感情の動きを、言語化する。

だけども、仮に本書のようなことを現実の人間が常に考え続けていたら、多分、何も喋れなくなる笑
時には性欲に任せて、バカになってもいいから、何も考えずに行動することもいいもんだと若者に言いたくもなる。ある意味「正欲」だよ。

「正しい命の循環」の中にいるのか、自分は?と問うてみる。

自分に一般的に見て特殊な欲はないように思うが…
性的興奮に関しては全て「女性が」とか「女性の」が枕詞に…

まだ自分が1番求めるフェチに出逢ってないだけなのか?とも思う。
こういうのは幼少期の体験、幼少期からの感覚によるところが大きいのだろう。
そんなに興奮できる存在があるのはある意味羨ましいとも思ってしまうが。

後半、同じ嗜好を持つ者同士が繋がりを広げようとするが、なぜか少し寂しさを覚えた。
なんとなく、夏月と佳道、やっと分かり合えた2人だけの秘密というシチュエーションにドキドキしていた。
私は、「2人だけの秘密フェチ」なのか?

「本当に繫がりたい相手とは、あんな場所で堂々と手を挙げて存在を確認し合えるような人ではない。誰にも見られていない場所で、こっそり落ち合うしかない誰かなのだ。」
うーんなぜかドキドキする。やっぱり「2人だけの秘密フェチ」なのか?

本書を通して自分の嗜好を少し知れたのかもしれない。

この物語は手に余る。
解説で述べられた通りだ。

この本を読んだ人と感想を語り合いたいが、どんな言葉を使ってもなんかしっくりこないだろうし、結論は出ないし、本当に深く語るならとてもセンシティブな話題になるだろうし、心から信頼できる人としか語れないだろうなと思う。

でも、語ってみたい。

中途半端に語っても面白くないと思う。語るなら照れもなく、タブーもなくて、対等に。
もしそうなれる人がいるなら、その関係は一生涯大切にしたい。

0
2026年06月06日

Posted by ブクログ

友達に「絶対共感できるよ」とおすすめされて読み始めた本。
どんな本なのだろう、と興味津々で読み始めたけれど、これほど感情移入し没頭するとは思っていなかった。
日常生活において自分はマイノリティ側だと自覚し、都合良く利用される「多様性」という言葉に嫌気がさしつつも、利用してきた私にグサリと刺さった。


佐々木のセリフである
「いつか何かのきっかけで、これまで築いたものなんて全部壊れるだろう」
というセリフと
夏生の
「地球に留学してるみたいな感覚なんだよね、私」
という言い回しが頭から離れない。
私が抱えていた社会への違和感、形容し難い重苦しい感覚ををこの2人が上手に言葉にして照らしてくれたようだった。
2人の言葉に出会った時の感動は忘れられない。

そして、佐々木が経験した中学時代の修学旅行のシーン。
このシーンはかなりリアルで驚いた。
実は修学旅行で佐々木と似たような経験をしかなり苦しかったため、思い出して軽くトラウマに苦しんだ…
そして描写力に驚くと同時に、本の向こう側で苦しんでいた佐々木に手を伸ばして「繋がりたい」と思えた。

この作品はマジョリティが見たいと感じる表面的な「多様性」「個性」という言葉と実際の「多様性」のギャップを上手に描いた作品だと思う。
あくまでマイノリティの一員のように感想を書く私も表面的に物語を見て語ってしまっているのかもしれない…。そんな不安が読後に襲う面白い作品だった。

0
2026年06月10日

ネタバレ 購入済み

読めば読むほど正欲がわからない

違う世界線の人たちが読み進めていくうちに交じり合い、夢中で読み進めた。

多様性から外れる人たち…
この本を読むまでいかに自分の考える多様性が狭いものだったか思い知らされる。
読み終わっても多様性とは?正欲とは?わからない。もやもやが残る。
そのもやもやこそが正しい理解なのかもしれない。
最後の解説がこのもやもやを上手に言語化してくれてとてもよかった。

#泣ける #切ない #深い

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2025年02月08日

購入済み

朝井リョウさんの書く文章が好きで新作が出る度に買っていますが、この作品は1位2位を争うくらいに好きです。LGBTQという言葉が世の中に知れ渡ってきた昨今、言葉を知っていると言うだけで本当の意味では理解出来ていないのでは?と考えさせられる作品でした。

#タメになる

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2025年01月19日

QM

購入済み

SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。

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2024年09月25日

cnm

購入済み

多様性という言葉は、魔法のように全てを見通すことのできる美しい言葉ではない。けして交わることができない他者がすぐ隣にいるという絶望を突きつけるための、恐ろしい言葉だ。

0
2024年07月18日

購入済み

正しさについて

自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。

#ダーク #共感する

0
2024年05月02日

購入済み

想像していた以上に面白かった。
個人的には八重子が一番好きでした。
彼女の視点があるのとないのとでは大違いだと思います。

0
2023年12月18日

購入済み

多様性という名の暴力

普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容ではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)

近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。

分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。

これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。

#深い #共感する

0
2023年11月16日

購入済み

多様性の外側にある多様性を知る

他者を理解するって本当に難しいことですね…

多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。

#泣ける #切ない

0
2023年09月13日

Posted by ブクログ

コロナを経て、バグ個体に対してもあまり突っ込んで関わってくる人は会社などでは居なくなったので少しマシになったかなと思ってたけど、社会全体で見ると大して変わってないよな〜って
普通の選択をしていないことを心の中では大丈夫かこいつと思われてるなって思う
結局はなんとかしてやり過ごして生きていくしかないん

八重子の様に自分が良い方だと思っている方にひとりぼっちの人を連れてってあげなきゃ理解してあげなきゃってされるのは怖い

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「自分が想像できる"多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
「自分にはわからない、想像もできないようなことがこの世界にはいっぱいある。そう思い知らされる言葉のはずだろ」
八重子のなんだかズレているミスリードと
寺井の一切許さない姿勢が視野の幅を広げている

世間一般の指す"多様性"は、あくまでマイノリティの中のマジョリティという想像できる範囲を指す言葉。
マイノリティの中のマイノリティという想像できない範囲は、人間は理解不能で怖いため除外する。

"多様性"に除外された人々は、根本が違うため、生きていくには、普通の人が想像できる範囲の人のフリをして、正欲を持ってるフリをして嘘をつき続けないといけない。
本音を言ったところで一蹴され有り得ないと言われるから。そんな世界だと繋がりも生まれなく、生きていたって苦しいだけ。
"多様性"に除外された人々の気持ちや状況を今まで想像したことがなかった。
性癖がいかにデリケートな話題か、とても考えさせられた。

今までは、私も小児性愛者などは社会から除外されるべきと考えてきた。
この本では、水が性欲対象である3人が出てきて、いや勝手にしてください、こちらには害もないし何も問題ないじゃないかと思ってしまった。
でも実際に自分で性欲を満たそうとすると、過去に逮捕された人もいて。もし、この本の内容が水性愛者じゃなく小児性愛者だったらと思うと、、理解できないこともあるんだな、正義と対極である裏側の人も正義はあってだな、、みたいなのを思い浮かんだ


文庫本だとp413〜415、ハード本だとp315〜317が共感しすぎてしんどい、、

自分は正しい、あの人はおかしいという自分の軸がない若者とか見苦しい。でも自分もそうだったのでとてもわかる。年齢と経験を重ねれば、それ自分勝手で見苦しいよと気づいてと思っちゃう、、のは何だろう

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

大也と八重子の会話がすごく好き
特殊な性欲を持った人たちの話
正しいとされてる側になんの疑問も持たずにいられる人はいいよね
ありのままでいたいと勇気をもらえた作品でした

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

多様性。令和の時代に入って、安易にこの言葉を使ってしまっていた自分を省みるきっかけにもなった。マイノリティを尊重する風潮の出てきた社会だが、この本の登場人物みたいに生きづらさを抱えている人は沢山いるんだと思う。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

多様性。
みんな違ってみんないい、様々な価値観を受け入れましょうみたいな言葉だと思っていた

この本を読んで多様性とは。
人によってその物差しは違う
正しいとは普通とは
自分が考えも及ばない世界があると知った
視野が広かった気がする

けど、共感するには難しかった...!

0
2026年06月10日

Posted by ブクログ

とても面白かったが、とても難しい作品だ。
まず自分がこっち側(まとも、多数派だと思っている側)にいる(いようとしている)ことを思い知らされる。飲み会の席で自分に起こったプライベートな出来事を披露するのは、「大丈夫だよね?この程度は普通でみんなもやっていることだよね?俺って異分子じゃないよね?」という確認作業だというのも納得だ。人によっては眉をひそめるかもしれないような内容も、みんなが笑って「マジか~!」なんて言われると許容範囲なんだなと安心しているのだ。本作はそういう披露を出来ないような深い闇(性癖)を抱えている人の苦しみを描いた作品だ。

それにしても、と思う。世の中には既にAVをはじめとする性的なコンテンツが溢れかえっており、その中には強い嫌悪感を抱かせるようなジャンルも少なくない。アングラなものはともかく、大手を振ってその手のコンテンツが販売されているということはそれが認知され許容されているという事だ。何故なら法律で、もしくは多数派によって販売禁止となっていないから。だとすれば、本作の「水に性的な興奮を感じる」という性癖はそんなに嫌悪されるようなものなのか。誰にも言えないような深い闇なのだろうか。少なくとも私個人は水に興奮する人よりも、例えば排泄行為のAVに興奮する人の方が何百倍も気持ち悪いし許容できない。つまり多数派といっても結局は個々人で「異常」の境界線は異なっており、安易に使われている「多様性」も個々人によって許容範囲が違うということだ。

本作の結末はあまりにも気の毒過ぎる。しかも現在の社会を見るとありそうな(もしくは何度も起こっている)結末だから始末が悪い。こんな悲惨な結末になる前に軽いノリで「俺って水に興奮するんだよね~」「え~っ!マジか!?お前、変じゃね?ハハハハハ!」という感じで乗り切れないものだろうかと思うのは、やはり多数派(と思っている)の上から目線なのだろうか。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

タイトルは「性欲」ではなく、「正しい欲」と書いて『正欲』。この言葉の置き方が、もうすでに怖いなと思いました。

人間には、理性では簡単に抑えられない欲があります。リビドーと呼ばれるような、根源的なうずきのようなもの。けれど一方で、社会には「こうあるべき」「こういう欲なら理解できる」「こういう多様性なら受け入れられる」という、正しさの枠があります。

この小説は、その枠の外側にある欲を描いている作品でした。

物語は、複数の登場人物の視点を行き来しながら進んでいきます。それぞれが、自分の中にある欲や違和感、孤独、諦めを抱えています。読んでいて、自分とはまったく違う人たちの話のようにも思えるのに、ふとした言動や思考の中に、自分にもあるものが見えてしまう瞬間がありました。

読み終わったあと、綺麗に着地したという感じはまったくありませんでした。喉に魚の小骨が引っかかったような読後感が残ります。でも、それは嫌な引っかかりではなく、自分が普段あまり考えずに使っている「多様性」や「理解」や「受け入れる」という言葉に、もう一度向き合わされるような引っかかりでした。

特に考えさせられたのは、多様性という言葉の危うさです。

「多様性を尊重する」と言うとき、そこにはすでに、こちら側が理解できる範囲の多様性だけを並べて安心しているところがあるのかもしれません。LGBTQやマイノリティというラベルを貼ることで、理解した気になれるものもあります。でも、この作品に出てくる欲は、そういうラベルの外側にあります。名前をつければ整理できる、というものではありません。

もうひとつ心に残ったのは、人への「好奇心」の描かれ方でした。

「あなたに興味があります」という顔をしながら、実際には相手のことを知りたいのではなく、自分の好奇心を満たしたいだけの質問があります。聞くなら聞くで、聞かれた側への配慮や覚悟が必要だと思います。自分が想像できる範囲の答えだけではなく、自分がまったく想像していなかった答えが返ってくる可能性まで、引き受ける必要があるのだと思います。

それがないまま、人を掘り返すように聞くのは、失礼だし、ときに人を傷つけます。人に興味があるふりをして、本当は他者に興味がない。そういう当てつけのような好奇心の危うさも、この小説はかなり鋭く描いていました。

朝井リョウの人物描写も印象的でした。大学の学祭実行委員会にいそうな人、そこで生まれる空気、善意と承認欲求が混ざったような言動。そのディテールがあまりにリアルで、どこでどう取材したらここまで書けるのだろうと、書き手目線でも興味深かったです。

みんながみんな、前向きに希望を持って生きているわけではありません。死にたいと思う人もいる。でも、死にたいわけではない人もいる。ただ、どうしようもなく生きている。そういう人たちが、無理に明るくならなくても、無理に社会の側にわかりやすく翻訳されなくても、なんとか存在していられる余白があればいいのにと思いました。

読後に「おすすめです」と軽く言える作品ではありません。
でも、「なるほど、そうきたか」と思わされる欲の描き方でした。

自分の想像力の外側にあるものを、想像できないまま、それでも考え続けるための小説だったと思います。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

難しい。頭ではわかっていても、心が納得してない感じ。
多様性っていうと「全部受け入れてます!みんな違ってみんないいよね!」みたいな感覚だった。でも、「全部」とか「違って」のレベルが各々違うもんだから、自分の知る物差しだけで想像するのはよくないな(よくなくはないけどもっと視野広げようね)って感じた。
自分の見て知る世界が全てではないな。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

朝井リョウさんの良さが詰まった1冊。多様性が謳われる世の中で、何が正しくて何が悪なのか。考えさせられる内容でした。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

常に全ての物事において多数派に居続けられると思うこと、それが実は少数派である文脈が印象に残っています。
私のなかの少数派が今後社会で非難されていかないか、率直に恐怖を覚えてしまいました。
その時に社会から即時的な理解や救済は得られないであると思うことから、違い考え方の同士と保守的に生きていくこと、今はそれが助かる唯一の手段であると考えました。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

かとちゃんに、価値観変わりましたって貸してもらったのだけど、あんな頑固そうなかとちゃんの価値観を変えるってなんだ?と思ってたけど、本当にそうでした。変わったというか、気づいていなかったことに気付かされた。言語化できて/されていなかった、自分の中にもかつてあった思いが言葉になって現れていた。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2025.07.08
正欲という言葉。
"せいよく"というとどうしても主に男女の性欲が真っ先に思い浮かんでしまう。
でもそれは他人にも共通する"欲"なのか、というテーマ。
そういう人もいるよな、と思った。
主人公の1人の啓喜の"せいよく"も知りたいと思った。
妻と大学生もどうなったのか知りたいところ。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

2026年8冊目
順序立て方がほんとうにうますぎる ニュース読んで気持ち悪。って思ってから、散々登場人物の気持ちがわかったような気持ちになったあとの、最後、結局自分は田吉と同じだったのかと気付かされる虚しさ。居心地の悪さ。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

⭐️3.5
「多様性」という言葉がすっかり社会に浸透していることは理解していたものの、「マジョリティ」や「マイノリティ」と結び付けて考える機会はあまりなかった。
結局のところ、価値観や好きな方向性が近い者同士が繋がればよいという意見には賛成だし、自分には理解できないものを単純に否定するのはやはり違う気がする。放っておいて欲しい人には無理に近づく必要もないとは思うけど、本音はどうなんだろうか。
……などと、浅いなりにも考えさせられました。
あと、「え?これ作者の言葉?まだ物語始まってない?」ってなった導入部は面白い!

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2026年06月13日

購入済み

自覚

自分になかった考えを、この本を通して知ることが出来た。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

結局何言いたいのか分からなかったが、共感する部分があった。

「1つの大事なことを隠すと、全て隠してるように感じる。会話は出来るが対話が出来ない。」

通じ合える人間関係が当たり前のようにあることに、幸せを感じた。大切にしたい。

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2026年06月14日

Posted by ブクログ

多様性という言葉の便利さやそれに対する人々の感情や行動の違和感が緻密に表現されていると感じた。
物語としてはそれぞれの登場人物のかなり極端な思考に疑問を感じる点が多く、それが問題提起としては効果的に作用しているように思うが、読者としては物語の波に乗れなかった感がある。

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2026年06月11日

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