朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026年の本屋大賞受賞作。
朝井リョウさんといえば、なんでこんなに人の気持ちがよく分かるんだろう?っていうくらい心理描写が秀逸で、自分の心の奥底に隠していた気持ちに気付かされてしまうみたいなことがあったりします。
今作は"推し活"の物語ということで、朝井リョウさんが今の推し活をどのように描くのかをとても楽しみにしていました。
本作を読み、推し活ムーブメントを作り出す側の策略というものを初めて認識したのですが、推し活は必ずしも自然発生的に過熱していくものではないんだなと驚かされました。
推し自身の魅力ももちろん大事ですが、それに付随する物語に没入させ、視野狭窄に陥らせるこ -
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ネタバレ三者の視点から話が進んでいく。朝井リョウさんの作品は正欲に次いで、2冊目だけど、どうしてここまでに人の心理の内面が書けるのかと驚いた。そして、いろいろなことを考えさせられたり、はっとした。
Tomoyoさんの「基本的にメディアって、私たちの目を世界の真実から逸らすために使われている。〜このタイミングでそれを流行らせることがどの立場の人に都合がいいのか、一旦考えてみたほうがいい」
「日本の社会システムは十分に弱体化させたから、次は日本人自体を弱らせようとしているんだと思う」に納得。
広く見渡せば、自分も含め目先のあれこればかり考え、深いことや日本の行く先まで考えずにいる人が多いと思う。日本人 -
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「やっぱさ、人間って完全な無宗教状態で生きていくのって難しいんだよ。何かを信じてた方が楽っていうか。」
朝井リョウはモヤっとしていた、解像度を上げようともしなかったところを言語化して、今の時代を切り取り文章で表現する文才者。
小説として没入できる良作品でもあるが、あまりに言語化が的確かつ自分ごとに落とし込めてしまうので、三度現実世界に引き戻される感覚もあった。
それは、「自分は今どんな状態に陥っているか」を俯瞰せざるを得ない、非常に身近な話題だからか。
この本について深く考えてしまうほどに、朝井リョウという沼に入ってしまいそうなのがまた、視野を狭められてるというか、朝井リョウの術中にハマ -
Posted by ブクログ
推し活はあくまで物語の舞台というだけであり、本筋は他者への嫉妬や羨望、劣等感など、誰もが心の奥で抱いてしまう、だけど認めたくないような人間の歪みと言える部分だった。
3人の登場人物が交わっていくようで、交わり切らないところが少しもどかしくなる。
もっと長編でもいい。
うわっそういうこと?やられたー!が何個かあるのが楽しい。
3章目。いじめや病気、恵まれなかった家庭環境など、物語になるような過去を持っていないことに劣等感やコンプレックスを抱くつかさの描写が印象的だった。
それを自分も考えたことがあったから。
自分の人生にはこれといった挫折や不幸がないなぁと思ってたんだよな。
ないからなん -
Posted by ブクログ
ネタバレ「正欲」をよりコミカルな筆致で描かれていると思ったが、オブラートに包んでいるだけで、深刻さは変わっていない。シリアスな内容をギャグタッチの漫画にするような。
個体として発生しただけで生まれた目的は果たされている。オッケー!
子孫を残せればラッキー!
という視点というか、生き物はみんなそうだ、救いがあると思った。人間だけなんでこんなにめんどくさいんだろう。
気を使ったつもりが、傷つけたり神経を逆撫でしてしまうこと、いくらでもあるなと思う。
この小説を新聞で連載したことに大きく意味があると思った。1番伝えたい読者層に届く方法。
終わり方も、すごく急発進で前進するわけでは無いけれども、幸せだなぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ生きてるだけで偉い。こんな類の言葉を素直に受け止められない私にとって、下手な慰めよりも遥かに自分に寄り添ってくれたような、そんな小説だった。
生きがいを求めて生きているのは雄介で、死にがいを求めて生きているのは智也だと途中まで思っていた。表現される見た目や賢さ、性格でいつの間にか勝手に得ていたイメージが覆された。智也の病室から始まり智也の病室で終わるのが良い。
「だけど人間は、自分の物差しだけで自分自身を確認できるほど強くない。そもそも物差しだってそれ自体だけでこの世に存在することはできない。」
「ナンバーワンよりオンリーワンは素晴らしい考え方だけれど、それはつまり、これまでは見知らぬ誰か