朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ生殖器が語る本とだけ知って読み始めました。
また同性愛の話〜?!と思ったけど
生殖器さん目線だともっとスケールの大きい話でした!!!!!
尚成さんの幼少期の話はすごく心が痛みました。
颯さんの転職話のところでは号泣しちゃった。
私は圧倒的にマジョリティ側に立つことが多いです。
多様性!多様性!って色んなことを理解しようとしてるけど
それも傲慢だったかもしれないですね。
尚成くんが仕事が出来ない個体に対して邪魔だなぁと感じてるのは生殖器的には自然な感情と書いてあって安心しました。
これも多様性!と理解しようとしてるけど、実際には複雑な感情を抱きますからね。
性的マイノリティかマジョリテ -
Posted by ブクログ
朝井リョウさんが「誰にも知られたくないことを書く」と言われていたことを思い出す。
「拓人の陰湿さ」と「光太郎の明るさ」が対照的だった。
拓人が就活上手くいかない原因は、思考が運命になっているのかな。
拓人のツイートに「わかる〜」と思ってしまう私も思考に気をつけよう。
朝井リョウさんの内側にも「拓人の陰湿さ」が潜んでいるのかもね。誰にも知られたくない内側。
いや、作家だから、無いものもいくらでも創作できるかも?
朝井リョウさんの小説を読めば読むほど、朝井リョウさんという人物に魅力を感じる。
引用
マザーテレサの名言
思考に気をつけなさい。思考は言葉になるから。
言葉に気をつ -
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きっとレンズの向こうに映るバドミントン部の姿は、この目で見るよりも遥かに美しい。だけど、そのレンズを覗く映画部の二人の横顔は──
ひかりだった。
ひかりそのもののようだった。
『時代を切り取る作家』
どこかの対談動画でそう言われていた、朝井リョウ氏のデビュー作。
本作は第22回小説すばる新人賞受賞作であり、2012年に映画化された作品です。
『桐島』というバレー部の男の子が『部活を辞める』ことで起こる、周りの学生たちへの『余波』や『歪み』のような、微妙な変化を掬い上げて描かれた連作短編集でした。
読み進めている途中までは、なんとなくパラパラと読み進めていたのですが、『菊池宏樹 -
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朝井リョウ氏と自身の肛門との戦いの記録…。
と、言えなくもないエッセイ三部作の第二作。
日常に埋もれそうなことを、しっかり描く筆力に圧倒される。朝井氏が解像度高く日々を観ているからこそ描くことのできる世界なのだろう。
肛門が…、眼科医が…など、繊細な描写で絶妙なツボをついてくる文章の中に、サラリ入ってくる。活字に関わるプロとしての、言葉
「本は、言葉とともに、視点を与えてくれる。世界を見つめる視点を増やすことは、今あなたを苦しめている相手を倒す武器にはならないかもしれない。だけど、あなたの心がある一点からの圧力によって押し潰されそうになったとき、目には見えない盾を構築する要素にはなってく -
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序盤で語り手の正体が明かされた時、なんてチャレンジングな小説なんだと思いました。
朝井リョウさんは、過去作においても卓越した観察眼と考察力でスクールカースト・就活・多様性など様々な観点から「人間の本性」みたいなものを書いてきた作家さんだと思いますが、本作はまさにその真骨頂。
まさかの〇〇目線で語られるのは、まさに「ヒト」という動物の本性、本能、本質です。
人間は拡大、発展、成長を目指す永遠のレースから降りられなくなっているとか、「生産性のない人間なんていない」というような発言に対する違和感とか、今まで考えたこともなかったなぁ。
朝井さん節全開、ヒリヒリ感満載の1冊で、作品紹介にあるとお -
Posted by ブクログ
読んで『正欲』という題名が腑に落ちました。いや、腑に落ちたように思えました。でも多様性やマイノリティについて理解しているとはとても言えない自分がいます。自分に正直に生きても、何処からがそれが犯罪になるのか、裁かれる行いになるのか、その線引きはどのように誰がやるのか難しいですね。
「いなくならないから」という佐々木と夏月の繋がりがとても切なかった。それでも、人は誰でもいつかいなくなってしまうんだけどね?この歳になるとそう思ってしまいます。
右近ってどういう存在にしたかったのかなぁ。あのNPOは純粋な奉仕団体なんだろうか?小児性愛に繋がるのかと思って読んでしまいました。