朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ【きっかけ】
生殖記を読み、ちょっと衝撃だったので、以前から気になっていて、評価も高め、映画化もされたということで、暗い気持ちになりそうな予感を押し殺して、Audibleで聴くことに。
【読後】
なんだろう、この救われない感じ…。作中の誰にも共感できず、最初から最後まで、とにかく苦痛でした。しかし、マイノリティをテーマに、ここまで重く、苦しい気持ちにさせられるというのは、やはり、凄い小説なのか。
コメントも書きづらい。作中の誰を、私が不快に思ったとして、それを言葉にすれは、知らずに誰かを傷つけてしまうのか?と、言葉を飲み込まざるを得ないような風潮が、「多様性」を許容する理想の世界なのかなぁ?だ -
Posted by ブクログ
1人のアイドル大好き人間として色々考えてしまうことがあった。まずこの小説の時代背景がすごく懐かしいと思った、熱愛で坊主、握手会で刃物を持った男、やば〜〜い、懐かし〜〜〜〜〜〜!!!!あったな〜、そんなこと。この頃からアイドルの在り方は小さくはない変化をしてきたし、それは私の彼らを見る目に関しても同じことだけど、それでも恋愛というとてもパーソナルな部分に関してはいまだに着地点が見つけられない。だからとにかく片目を閉じて、彼らが見せたいと思ったものだけに焦点を当てるのが今の自分にとっての正解、ってことにしている。
それにしても、アイドルって気が狂った人間にしか出来ないよな、とも思った。アイドルとい -
Posted by ブクログ
「マイノリティ(それも、かなり特殊な)」と「ダイバーシティ」をテーマにした作品。
マイノリティにはマイノリティの悩みや苦悩があるなんて、考えたこともなかった。
例えば、小児性愛者。
小児性愛者=気持ち悪い、とか、変態、とか、そういう見方しか持っていなかった。
もちろん、子どもを性の対象にして己の欲望を満たそうとすることには不快感しかないし1㎜も許せないが、幼い子にしか興奮しない、すなわち幼い子でなけれぱ欲情できない、というのは見方を変えれば気の毒でもある。
自分は特殊性癖を持っていないので完全に理解することは出来ないし、作中で大也が「理解してもらおうだなんて思っちゃいない」と言っていたように -
Posted by ブクログ
ネタバレ前買えなかった桐島。正欲に続けて朝井リョウ2連発。
読み終わっての一番の感想。これデビュー作か…。
高校生特有のあの人間関係、教室の雰囲気、授業や放課後、部活の描写、、、あれはたしかに、高校卒業したての大学生やからこそ描けた?にしても、まだそんな大人にもなってないような状態で書けるもんなんかあんな文書が。すごいなあ
読むまでは、タイトルだけずっと知ってて、桐島くんが部活辞めるんやなあ、くらいしか知らんかった。
読んでみたら、あれ、桐島くん視点はないんや。桐島くんが部活辞めたってことが、高校生活の日常に起きて
それが次々に波紋を広げていくっていう
これ、高校生の時代に読んでたらどう感じたやろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『桐島、部活やめるってよ』は、人気者でバレー部キャプテンの桐島が、突然部活を辞めるところから始まる物語。そこを起点に、彼の周囲にいる高校生たちそれぞれの視点でストーリーが展開していく。
朝井リョウがよく用いている“群像劇形式”の原点があり、視点が変わっていくことで同じ事象の見え方の違いに気付かされるこのスタイルが好きだなあと改めて思った。
本作で特に印象に残ったのは、高校生特有のヒエラルキー構造だった。思春期に芽生える嫉妬や羨望、見栄、劣等感、そういった感情が解像度高く描かれている。後書きにもあったけれど、当時大学生だった朝井リョウが、ここまでリアルに高校生の“嫌な部分”まで切り取っているこ