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彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。
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Posted by ブクログ
心の葛藤とか、かっこいい言葉ではなくて、腹黒さ、ズルさ、情けなさ、恥、イタい、劣等感、のような、心の奥にしまって蓋をしておきたくなるような気持ちを取り出して分解して手に取って眺めるような事を主人公たちがしているのを読んでつい、自分も同じことをして、はぁぁ〜となってしまう。
「何者」や「どうしても生きてる」や、朝井リョウさんの作品で何回かそれをしてみて、分かっていながら今回も笑
私はアラフォーなので「まぁみんなそんなもん」とも思えるけれど、そういえば19歳ぐらいの時はもっとナイーブで、一つ一つしっかりダメージをくらっていたなぁと思った。
はぁぁ〜となりながらも、希望の光が一粒、あるところがよかった。
Posted by ブクログ
作者の爆笑エッセイを読み、ラジオを聞いて朝井リョウさん像があるにも関わらず、作品を読んでも作者は見当たらない。そこにはちゃんと登場人物がいる。
何よりも好きなのは、自分が主人公になったと錯覚するほどの心理描写文。その時々の気持ちによって、風景を見てどのように感じるのか全然違う「それ」を見事に書いて閉じ込めているようで好き。
短編小説だけど、登場人物同士に関係性があって、ある小説では「クール」な女性として描かれている子が、主人公になった小説では葛藤を抱いていたり…それぞれ世界をどのように見ているのかを経験できる作品で好き。
1番心に刺さったのは「もういちど生まれる」。
ストーリー性がいいのはもちほん、始まりの文章が好き。
2026.4.28
Posted by ブクログ
若さゆえの劣等感や嫉妬、他者との比較によって生まれる複雑な感情が印象に残った連作短編集
『ひーちゃんは線香花火』
大学生の男女の人間関係を通して、友達という関係の曖昧さや、何気ない言葉が持つ力について考えさせられる作品だった。
そもそも友達とは何なのだろう。恋人のように明確な約束を交わすわけでもなく、偶然知り合い、いつの間にか友達になっている。そんな曖昧な関係だからこそ、互いの認識や期待にずれが生じることもある。
特に印象に残ったのは、「そんなのたいしたことじゃない」という言葉。
人は必ずしも悩みを解決してほしいわけではない。自分が抱えている問題を、誰かの一言によって小さくしてほしいと願うことがある。
しかし、この言葉は時と場合によって、人を救うこともあれば、相手の気持ちを逆なですることもある。
問題そのものは何も変わらなくても、信頼する相手から言われることで気持ちが軽くなる。一方で、真剣に抱えている悩みを軽く扱われたと感じれば、かえって傷つくこともある。
そして、そこには誰もが持ち得る無自覚な加害性も潜んでいる。悪意がなくても、何気ない言動によって誰かを傷つけてしまう可能性がある。
だからといって、相手の気持ちをすべて察することなどできない。
友達という曖昧な関係性の中で生まれるすれ違いと、一つの言葉が持つ救いと残酷さ。
身近な人間関係を描きながら、普段は意識しない感情の機微について考えさせられる、面白い一編だった。
『燃えるスカートのあの子』
大学生時代の淡い恋愛感情。
滑稽で、痛々しくて、どこかむず痒い。
「私は絶対にあいつには勝てない」
そんな感情を抱く登場人物たちの姿は、まるでダウ90000のキングオブコントでやってたコントのようだった笑
『僕は魔法が使えない』
再婚を考えている母親と向き合おうとする物語。
それはきっと、足し算よりも簡単で、ほうきに乗って空を飛ぶよりも難しい。
母親と向き合うことは、まるで魔法を使うほど難しく感じられる。
しかし、カレーだって隠し味さえわかれば、ほんの少しの工夫で魔法を使ったかのように美味しくなる。
誰もが魔法が使えないのではなく、その使い方を知らないだけなのかもしれない。
『もう一度生まれる』
「もう一度生まれる」では、美しい双子の姉に対して劣等感や嫉妬を抱く妹の姿が描かれる。
双子だからこそ、どうしても比較してしまう。その苦しさには理解できる部分がある一方で、どこか被害妄想めいたところも感じた。
ただ、自分では誰からも相手にされていないと思っていても、実際には自分を見てくれている人がいる。
他人との比較にとらわれるあまり、そうした存在に気づけなくなることもあるのかもしれない。
『破りたかったものすべて』
他者の理想になろうとして、無理をしながら生きる主人公が印象的だった。
この問題は、夢や目標を応援することだけに限らないと思う。
もっと広く考えれば、恋愛など人とのコミュニケーション全般にも通じる話ではないだろうか。
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