あらすじ
彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。
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どの話も、あ、わかるってなる。見栄張ってるところとか、他人の努力を信じられず、自分だけ頑張ってるって思っているところとか、ぐずぐずしていることへの罪悪感とか、でも頑張ってる人見たら素直に認められないででも羨ましいところとか、ほんとにグサグサ刺さってここまで自分に近い作品に初めて会った。
「あと20年経っても、私、鮭焼いてると思うよ。そう言うことだと思うよ、きっと」
この文が言い得て妙の極み。全部内容を知ってもう一回これ読んだらじわじわくる。朝井先生の一文一文が丁寧でとても好き。
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朝井リョウさんの作品は人間の決して表には出せないようなマイナスな感情を上手く表現するなぁと思った。
全5章で様々な登場人物が出てくるが、それぞれの章で描かれる人物が繋がっていくのが面白かった。
登場人物は高校生大学生の若者。
何者かになりたいと、他人と比較し、劣等感を感じる。誰もが通る壁で、あの頃を懐かしく感じたし、まさにこの本で描かれるような悩みもあったなぁ。
「自分の目で見て、初めてわかることって、あると思うよ。」
インターネット等色んな情報が飛び交う現代社会やなおいて、真実を見失いそうになることは多いけど、自分の目で見て考えることが大事なのだと大人になった今、大切にしていきたい考え方だ。
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19歳の少年少女たちの連作短編。何気ない会話のやりとりがとてもいい。片想いしている相手はまた別の相手に片想いしていたりして。迷ったり悩んだりしながら日々を一生懸命生きているそれぞれがきらきらしていて眩しい。
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大学生の自意識、悩み、青春、夢みたいなものがすごく瑞々しく描かれていた。みんながみんな、何かしらの悩んでいて葛藤してて、でも逃げずに向き合っているのが眩しかったしかっこよかった。私もこんなに直向きに生きてみたいと思った。
短編集だけどそれぞれが関連し合っていて、読み進めていくうちに、こことここが繋がってたんだ!さっきの話ででできた人、こんな一面もあったんだ!という発見があったのが面白かった。
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連作短編集。朝井リョウはエッセイの方が好きで小説はそんなに追ってなかったのだけれど、昨日読んだ読書人のインタビューが良かったので『もういちど生まれる』を読む。ひとつめの「ひーちゃんは線香花火」で泣いてしまった。言葉選びが本当に繊細ですき。
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登場人物の一部がつながっているのが読者にだけ分かるスタイルで、読ませる。あれ、この人実はこんな一面があるんじゃないの?人物を本人、他人、また別の他人から捉えることで、更なる想像力を掻き立てられる。衝撃のデビュー作から2年目、当時大学在学中であった著者の感性が余すところなく生かされた1冊。
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何者かになりたいと考え出す時期である大学生あたりの若者を中心に物語を描く作品。
大人と子供の狭間、モラトリアムな時期をよりリアルに描いており、あの頃特有の少しぐちゃぐちゃとした内面を各キャラクターごとに表現できていて、面白い。
また各章の人間関係の連鎖も見てみて非常に興味深かった。
⭐︎4.2
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自分の中の自分を模索する、自分が自分である振りをする。少し背伸びをして。
自分を求めても自分はみつからないのに、そこに、みな、躍起になる。大勢の中で、自分の居場所が欲しい。しかもできれば良い位置で。それを与えくれる何かが、外から何か降ってきて、自分の世界をひっくり返してくれるんではないかという期待。大学生、それは独特な時間を指すのかもしれない。
これぞ、青春というやつか。という世界観に、どこか疑問を持ちながら、青春なんてちょっとと、斜に構えるところ。そして、それもまた、青春と言えるのもしれないところ。作者らしさが出ている。
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人の表裏を短編小説の主人公を切り替えながら表現。話の登場人物だった彼女、彼が次は主人公で心の内が表現される。
他人から認識されている人格と自認している人格の差
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入り込んで読めた。今まで自分が見てきた風景が綺麗で切なく、美しく表現されていて良かった。
その人にはその人なりの地獄があり、皆葛藤しながら生きているんだなと改めて感じた。
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いいもの食い、部屋へ行くのもいい 回文好き
失恋の話はなんか胸が痛くなるから読みたくないのがわかった。読んでて面白くはあるんだけどね。気分落ち込んじゃう
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自分の大学生活が懐かしく思えた。当時は特別なことは何もしてないし平和な学生生活やな〜と思ってたけど、そんな日々も今振り返ると青春やったんかなと思う。
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魔法使いにみえる魔法使いなんて、本当はこの世にいない というフレーズがすごく心に残った
誰かの視点では羨望の眼差しを受けていても、別の視点ではその人も何か悩みを抱えていたり、マイナスの感情を抱かれていたり。全てのパートが少しずつ繋がっていることで、そういう視点による見え方の違いみたいなものも描かれていて好きだった。
あとはやっぱり朝井リョウさんの文章が好き
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20歳を迎える5人の男女を描いた短編集。
かつて夢見た大人像と今の自分とのズレに違和感を覚える時期は、誰しもが通る道だと思う。また、その後も常に抱え続ける課題だ。20歳をとっくに過ぎた今も、私はその感覚を持ち続けている。
そういう意味で本作は、若者だけの物語ではない。
それぞれの短編がゆるやかな繋がりを持ち、登場人物たちは都度別の視点で語られる。誰かにとっての憧れの人物も、大きな劣等感を抱えていること、他人が羨むような立場の者であっても一人の人間であることが的確に語られているのが見事だった。
短編集という語り口ではあるが、没入力の高い一作だ。
LINEはあるが音楽配信サービスがないという、非常に限定的な時期を扱った作でもあり、歴史的一面を切り取っていて興味深い。
また、この手の文学作品にしては珍しく、主人公たちは明らかに「一軍」。バレー部やダンスサークル出身の朝井さんの経歴が生きている。読むたびに、ああ彼は真っ当に青春を過ごしたんだなと思い、目眩を感じた。
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全てが少しずつ繋がっている短編集。
若い頃に誰もが通る悩みがリアルで、とても懐かしい気持ちになった。若い時に読むのと大人になってから読むのとでは違う感じ方が出来ると思う。
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短編集。連作で、登場人物たちの関係が少しずつ重なっているので段々と親近感が湧いてくる。
登場人物たちが浮き世離れしていないのが良かった。小説の中の人、って感じはあるものの、言っていることや思っていることがすごく実感として理解できた。
文章の表現に、好きなものが多かった。『ひらがなで表すなら「あやめ」じゃなくて「つくし」みたいに、すべて一筆でさらりと書けてしまうけれどよく見るといろんな方向に開いているような、』とか『海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか。』とか、大好き。
何も情報ないまま読み始めたら、青春小説か恋愛小説みたいな雰囲気。ジャンルとしてはあまり好まないので、楽しめないかもーと思っていたけれどそんなことなかった。ひとつひとつのお話がどれも記憶に残りそう。若い頃に持っていた感情や持ちたかった感情がそこにはあって、モゾモゾするようなもどかしいような羨ましいような、何とも言い表せない気持ちになった。
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共感できるもの、できないものがあったように思う。若さゆえの驕りというものもあるように感じる。ただ、それが若さというものだったかもしれない、とアラフィフは思ったりもする。
最初の作品の鮭の描写がリアル過ぎて、その日の夕飯はもちろん焼き鮭。
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「若さゆえの瑞々しさ」
登場人物が繋がっていくところに、不思議な気持ちになる。
ある人から見たその人と、その人本来の姿は似ているようで全然違う。
「僕は魔法が使えない」が特に印象的だった。
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こうやってひとは死ぬんだと思った。残された者の両手にありあまるほどの「そのひと」を残したまま、そのひとはもう二度とひっくり返されることのない砂時計になる。両手に何もなくなっても、もう、そのままだ。
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大学を卒業して間もないからこそ感じられるこの物語の繊細さと尊さがあった。
ストーリーの重さとしてはどこか物足りなさもあって、
でも実際に彼らの生活にずっしりとした重さなんかなくて、
それでもどことなく感じる重さが心地よく描かれてる。
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エッセイ以外で初めて読んだ朝井リョウさんの本。
こんなにも青く瑞々しいお話を書かれる方なんだ、とびっくりしました。
何者かになろうともがき、苦悩する若者達の物語。
人から見られる自分と、なりたい自分、本当の自分。
若くて何でも出来る時間と可能性を持っていながら、制限時間を感じ焦りを感じてもいる。
若者のリアルが詰まっている作品です。
タイトルにもなっている「もういちど生まれる」は好きではないけどすごく文学的で、この本のタイトルにぴったりだと思いました。
「僕は魔法が使えない」の中で出てきた黄金のカレー。
父親が亡くなって1年も経たずに母親が恋人連れて来たら普通に嫌だよね…。
葛藤なんてする必要なく、嫌だって口に出していいと思う。
人を失った悲しみはそう簡単に割り切れるものじゃないし、各々感じ方は違うから。無理に歩み寄らず時間に身を委ねて構わないと思う。
自分がもう大学生なんて遠い年齢になってしまったせいなのか…ここが一番胸に残りました。
作品全体通してですが…比喩表現がとにかく多い。
若者の焦燥感や心の機微を表現する為にわざとされているのか、この方の作風なのか…。
一作目なので判断が付かないのですが、長々と、繰り返し散りばめられる比喩をしつこく感じてしまい、読む手が度々止まりそうになりました。
エッセイはどれもすごく面白いので、他の作品にもチャレンジしてみたいと思います。
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【もういちど】生まれる。
何かになろうとする物語。
大学生というのは学生の終わりぐらいにやってくる時代だけど、義務教育ではない世界。
誰かに何かになろうともがく、あがいていく。
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前読んでて、読み切ったのに気づいてなかった笑
うーん、これいつ読み切ったんだろ
覚えてないのが悔しいかも
大学生のいたーい!!っていう感じがリアルに伝わってきて、しかも、飾らない気持ちでみんな話してくれるから、私も大学生の時こんなだったわ〜って思えた笑
痛くて浅はかな感じ、これも青春だなって思えた笑
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何者、正欲に引き続き!
朝井リョウさんの作品は、読んだあとにもやもやしてしまうところが癖になる。。自分の考えをまとめるのに時間が掛かって、何回も読み返してしまう。
比喩がすごく綺麗だった。
性別や性格が異なる人物たちの描写が巧妙。
他の登場人物が語る章も読んでみたいと思った
翔多が形容されていた言葉、「大学生っぽい」ってなんだろう。飲み会して、合宿して、バイトして、授業に遅刻するような?
対照的に描かれていた礼生やハルは、才能ある「特別」な存在で、大学生っぽくない。。?
でもそんな「特別」に見える人も、「何者か」になりたいっていう不安があって、理想と現実を埋めれない虚しさがあって、そういう葛藤そのものも「大学生っぽい」のかもしれないと思った
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二十歳前後特有のモラトリアムが生々しいほどに描かれていた。高校生とはまた違う、俯瞰してるけどそれでいて至らない若さ、甘さ、身勝手さ、痛さ、その幸福さ。最初の物語を読み終わった頃は「自分にはありそうでなかった話だな。」という感想を持ったが、2つ3つと読み進めるうちに共感している自分がいた。宝物のようなその感受性はたしかに自分にもあった。痛く苦しく、たしかに自分の中で暴れ回っていた。
虹色の眼鏡をかけた彼は元気にしているだろうか。
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様々な関係性の中でそれぞれの視点での悩み、葛藤を描いた作品。誰かのことを羨ましいと思っていても、その人も何かしらの悩みを持っている。自分にはない何かが他人にあるとそれだけで完璧に見えてしまう。
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20歳前後の若者たちの、どうにもならない感情や行動が詰まった全5編の連作短編。
今から十数年前ぐらいの時代の学生たちの空気感がたっぷりで、もう少し若かった頃のフレッシュさを思い出してしまう青春小説でした。
各短編ごとで視点は違いますが、それぞれ程良く登場人物のつながりがあるので、あまり時間を置かずに読み進めた方が良かったかもしれないです。
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大学生のそれぞれの葛藤、奮闘を描いた青春もの。恋に夢にそれぞれが一生懸命に生きている!!1話ずつで完結していると思いきや関係性が微妙につながっているのがとても面白い❣️
Posted by ブクログ
何ものにもなれない自分、あの子になれない私…とかの自分コンプレックスが詰まった本だった
短編の主人公5人それぞれのコンプレックスが細やかに描かれてて、共感できるところも多かった
匿名
比喩的表現の幅がすごい
最後の話がグサっと来ました。
特別でありたいでも何者にもなれない、20代前後の社会的に曖昧な立場で漠然とした不安、葛藤に悩まされる様を美しい文章で綴られていてよかったです。
それがたとえ逃げ道だったとしても選択には同じだけの勇気が必要なものなんですよね。