朝井リョウのレビュー一覧
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前作『何者』と比べて低評価が多い印象でしたが、私は好きでした。
テーマも就活に関わらず、『何者』の登場人物の深いところを描いていて、本作だけ読んでも楽しめます。
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』
は、やるせなさでいっぱいになりました。
ずっと真面目に正しく生きている人よりも、怠惰で奔放な過去があるのに更生した人の方が認められるってこと、あるある!って思います。
常に優しい人よりも、冷たい人がたまに見せる優しさに破壊力がある感じと同じ?
優等生のつまらなさみたいに扱われるけど、本来すごいことなのに、なんだか理不尽。
『それでは二人組を作ってください』
は理香が痛々しくて、かわい -
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ネタバレ評価の高い作家の、評判のいい作品でしたが、わたしには合いませんでした。
両親を事故で亡くした小学校3年生の太輔は、「青葉おひさまの家」で暮らすことになりました。
実はその前に伯父夫婦に引き取られたのですが、暴力という虐待行為を受けたため、施設入所となったのです。
小学生から高校生まで何十人もが暮らしている施設ですから、割と大きい施設だと思いますが、太輔は1班のメンバーとして、共同生活を送ります。
1班は太輔と同じ年の淳也、淳也の妹で小1の麻利、お母さんの暴力からの一時避難的入所の小2の美保子、親戚に病気の弟の入院費用を託し、自分はここに入所した中3の佐緒里の5人。
まずこの5人で大部屋って -
Posted by ブクログ
若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん -
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夏に新島の空港の本棚にあったのをちょっと読んで、続きが気になって石垣島で買った。
動きも人数も多いチアを文字だけで表現していて文章力の高さを感じた。とてもすごいが、あまりに馴染みがないので光景のイメージはなかなか難しかった。一番はじめにイラストつきで用語の紹介がされているので、行ったり来たりしながら読めばなんとか……。あと私は半年かけてちまちま読んだが、むしろ一気に読むのが良いのかもしれない。とにかく私の読解力が追い付かなかったので、アニメか映画も見てみたいなと思った。
筆者の作品はシリアスな雰囲気のものばかり読んでいるので、真っ直ぐな若者を描いているのが新鮮で面白かった。終盤みんなの思い -
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高校時代を思い出して、懐かしんだり、恥ずかしくなったり。
触れるとくすぐったいけど、触れていたい甘酸っぱい短編集。
あの頃の僕らにとっての社会は、学校という単位の中にきっちりと収まっていた気がする。何もかもが学校の敷地の内側に収まっていた。自分の存在や地位、キャラクターは、学校という社会に完全に依存していたし、一方で学校も僕ら生徒に依存して存在していたと思う。
僕や友人は、僕のギターの腕をそこそこ認めていたし、あの子の美貌は学年皆が絶対的なものだと思っていた。でも、大学生になって、僕のギターの腕はかなりへなちょこで、あの子より可愛い女の子は山ほどいることを皆知る。
そんな世間知らずで、内の世 -
Posted by ブクログ
考えさせられた。久しぶりに小説から人間関係や自分自身についての学びを得た気がする。
人と自分は違う、等身大の自分を受け止める。昨年小説を読み漁り何とか自分の悩みの解決法を探していた自分が人間関係と自分自身に対して得たことがこの2つだった。
今回もいくつか自分の中で響く言葉があった。その中で感じた自分の中で最も大切にしていることは誠実さだと思った。私は自分が発する言葉に疑問を持つことが多々ある。1番〜、好き、嫌い、苦手、得意などである。1番は本当にそれ以外考えられないのか?出会ってないだけでは?好きなものが本当に好きなのか?嫌いな部分はないのか?どこが好きなのか?嫌いなものは本当に嫌いなのか?な