朝井リョウのレビュー一覧

  • 桐島、部活やめるってよ

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    この世の全てのことが学校の中で完結してると思い込んでる…そんな学生時代
    今思うとホントに狭い世界で、勝手に逃げ道がないと思いこんで、だから必死で人間関係を構築する
    がんじがらめだ
    「真っ白なキャンパス」確かに悪魔の呪いだな
    「下」と思っている人間が、じつは「上」からは
    「上」と思われてることもあると思うと
    お互いの歩み寄り次第なのかなと思う
    この世界ではそれが一番難しいんだろうけど…
    ただ、かすみの存在にすべて救われた気がした

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    2026年08月15日
  • チア男子!!

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    朝井作品は、だいぶ前に『桐島、部活やめるってよ』を読んだきり。
    私にとっての二作目は、朝井さんにとっても、第二作だったとのこと。
    本作は2010年に刊行されている。
    もう十五年以上前だ。

    物語が転がり始めると、語り口も軽やかで、登場人物たちがべらべらしゃべりはじめ、スピード感のある展開になる。

    が、この小説、はっとする描写が多い。
    一馬のやさしくなった声を聴いた晴希が「心の近くをひっかかれたような気がした」と感じる描写。
    水や光の描写が美しい。
    夜の屋上でペットボトルの水を投げて渡すシーンの「水が夜の光を受けて自由に波打つ」。
    こうしたものがなければ、ただのウォーターボーイズの二番煎じになりかねない。

    描写力のたしかさといえば、チアの演技の部分もすばらしい。
    どういう動きなのかがよく分かる。
    そして、その技をする上で演技者がどんなことを考えているのか、どんな身体感覚を伴うものなのかも伝わってくる。
    文庫は最初の「チア辞典」で、それぞれのわざの図解があるのも、チアにまったく知識がない自分のような読者にはありがたい。

    チアが「人を応援することで、周囲から応援される」スポーツであり、競う相手でさえ「敵」ではない、というあたりは、より今好まれる考え方なのかもと思う。

    欠落を抱えた主人公が、仲間を募ってチームを作り、成長していくというストーリー自体は、青春物の黄金パターン。
    映画でも、漫画でも至る所に見られる。
    最後は、全国大会で演技をしながら、それぞれの人物がこれまでを振り返っていくという語り方になっていくが、なんとなくそれは漫画や映画っぽい手法だな、と思った。

    楽しく一気読みできる作品。
    とはいえ、登場人物の多さは、やや負荷が大きかった。チームが16人だというのはこの種目に規定される要素だと思うが、16人の人物を頭に入れて読むのは大変かもしれない。
    オリジナルメンバーの溝口、トン、イチロー、弦、翔あたりまでは自分もヨユーであった。
    サク、タケル、陳、金、尚史はどんな人物かだいたいイメージできる範囲にいるが、銀、銅となると、かなり怪しい。
    それぞれ個性的に描き分けているんだけどね。

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    2026年08月13日
  • どうしても生きてる

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    どの話も、自分が今抱えていることの何かしらのヒントになるような感じがした。

    〇健やかな論理
    自分に見えないものがずっと積もってるんだよ。最後の1滴が何なのかは、誰にも分からない
    ・・・ストレスに感じることが積もり積もって、最後爆発することってよくある
    あるとき何の前触れもなく世界から消えてしまいたくなる時があるように、なんの前触れもなく、この世界にいる誰かを想う自分の存在を強烈に感じることがある
    ・・・人の気持ちって色んな感情が混ざりあっているし、死にたいと生きたいも混ざりあってて良いんだなって思えた。どんな感情も混ざりあってていいんだなって

    〇籤
    昔の自分を見ているようだった。相手のことを見てこれまで人生でなんもなく過ごせて幸せだねって思っちゃってた自分。でも、みんなそれぞれ事情があるんだなって今は思えるようになったなって自分の成長を感じられた。
    私もこれまで色んなハズレ籤を引いた気がするけれど、だからこそ色んな学びを得られたり、自分が今選んだ仕事につけたり、工夫を身につけられたなって感じた。これまでの人生で自分でしか経験できなかったことがあったからこそ今の自分に繋がってるんだろうなとも思えた。印象に残ったフレーズ・・・全部繋げて、リボンにするのだ。そうすれば、つらいときには包帯としても使える。人生を美しく包むのも、たくましく補強するのも、いつしかこの手でつかみ取っていた。だからきっと大丈夫。これまでみたいに、不安で不安でたまらないまま、大丈夫になるまでどうせまた生きるしかない。

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    2026年08月11日
  • 世界地図の下書き

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    朝井リョウさんの児童文学を初めて読んだ。
    子どもの頃は世界が狭くて、家族のいるところと学校しか居場所がないと感じてしまう。
    学校でいじめられていると、親に申し訳ないという気持ちからそれを言い出せなかったりする。
    家族に守られていないこの小説の主人公たちは、彼ら同士で支え合い、前を向いて自分自身で決断して進んでいく。
    居場所といってもそれは人なのだとつくづく思う。
    『あたしたちはあたしたちみたいな誰かとまた出会える』
    何度も出てくる映画の一場面のように、そう思えたらいつでも前を向ける。

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    2026年08月11日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    8人の作家による短編集。
    朝井リョウ以外全く知らない作家さん達の作品、初めて読みましたが面白かったです。

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    2026年08月10日
  • 何様(新潮文庫)

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    「何者」のアナザーストーリーである本著は、何者から少し大人になった人たちの社会の中で生き抜く人たちの葛藤。社会の中で評価される自分が、一方では評価をする側にいる。
    「何者」はまだ、若者のもがきの中に何者かになれるかもという希望や自信もあったが、「何様」は、大人になり社会を生き抜く辛さや苦しみ、失望に感情を揺さぶられる作品。
    解説の若林さんと同じく、私も正美に共感した。特に、特に印象に残らなかったと評価を下される時の正美の心の痛みを自分とシンクロする部分があった。

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    2026年08月10日
  • 武道館

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    ネタバレ

    『これが正しい!なんてことはない。』という正しさをガツンとぶつけられてる感じがした。
    正欲を読んだ時と同じような気持ち。
    波奈がステージで観客に背を向けてメンバーに伝えた言葉、胸を打たれたよ…

    きちんと自分で考えて選択し続けることの大切さを感じた。
    これは自分で選んだことで誰も責められない。と思えるような選択を。
    周りから失敗と思われようと、きちんと自分で選んだと思えていれば正解に変えていけるはず。

    有名人の中にはこんな気持ちの中で恋愛したり、週刊誌に撮られたりしてるのかなぁとリアルに想像した。
    自分が自分じゃなくなりそうでこわい。

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    2026年08月09日
  • もういちど生まれる

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    なかなかに面白い、そして読みやすい。すぐ読み終わっちゃった。
    一人ひとりを別の視点から見れるのが面白いね。椿はだれがみてもかわいいのね。ナツ先輩なんか好きだなぁ。
    1番好きなお話はやはり「もういちど生まれる」かな。書き出しがすごくてどうやったらそんな文章かけるの!?と驚き。堀田先生ナイスぅぅぅとなり。梢もかけがえのない一人の人なのだよ。と伝えてあげたくなった
    ところどころ私の知らない(知らないというか縁のない?)大学生像が出てきて焦りましたが^^;
    大学生のうちに読めてよかったね

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    2026年08月09日
  • 世界地図の下書き【電子特別版】

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    ネタバレ

    優しくて、強くて、切ない物語。これまで読んできた朝井リョウ作品とは少し作風が違っているように感じた。
    言語化できない自分のブラックな面を上手に表現してくれる朝井作品を求めて手にしたので少し思っていたのと違ってはいたが、子ども達の繊細な心情を見事に表していて、物語に没頭できた。
    実際の児童養護施設での様子は全くわからないが、せめてどうかこの子達のようにかけがえのない仲間達と共に安心できる暮らしを送れていますように。いじめや虐待はきっといつの時代も無くなることは無いのだろうとは思うけど、それによって辛い思いをする子どもが一人でも減りますように。色々我慢して強く生きてきた子達が、大人になってから人一倍幸せになれますように。

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    2026年08月08日
  • もういちど生まれる

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    3.85
    もういちど生まれる、表題作以降で、分かってくる。
    私はもう人生の晩夏?初秋?くらいだけど、もしかしたら、、
    もういちど生まれることも出来るのかも、、、と勇気貰った。

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    2026年08月06日
  • 何様(新潮文庫)

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    青年期後期のアイデンティティの揺らぎを恋愛に交えて描かれている。

    個性と流動性を併せ持つ生物としての生きづらさが

    「あなたはもともと、そういう人間ですか?
    ついさっきまで思ってもいなかったことを手に取って、それを振りかざしているだけではないですか?」

    という文章にこめられていると思う。読者への問いかけであるようにも見える。


    自分と似ているから、あるいは似ていないから惹かれる。そんな2人の関係性が縮まる様子が読んでいて楽しい。

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    2026年08月05日
  • 武道館

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    武道館を目指すアイドルNEXT YOUの物語。

    歌って踊るのが好きでただアイドルを続けたい気持ち。

    アイドルとしてファンから求められる理想像や世間からのバッシング。

    一方で10代の女性ならではの好きな人ができてその人と向き合いたいという気持ち。

    両立しない中で、気持ち揺れ動いて悩む子やそれに応えようとする人、彼女たちの選択の違いが表れていて面白かった。

    何かを選んで選び続けて正しい選択にしていくしかない。という言葉がとても印象的だった。

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    2026年08月05日
  • 世界地図の下書き

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    朝井さんのエッセイを読んで久しぶりに小説を読んでみたくなった。
    登場する子どもたちの現実はそれぞれ重い。最後にそれが報われるわけではないけど、そこがいいと思った。

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    2026年08月04日
  • GOAT Summer 2025

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    また最近新しい号が出ていてちゃんと続いていることにホッとする。
    でも調べてみたらめっちゃ売れているらしい。今まであまり本を読んでなかった20~30代がよく手に取っているらしい。

    仕組み面白い、紙質へのこだわりも凄いし、何と言ってもめちゃ安い。これ、採算取れてるのだろうか。今時文庫本も普通に1000円する時代だけど?雑誌のキャラもめっちゃ可愛いので女子や可愛いもの好き男子にも絶対ささってそう。

    今回のテーマ悪は前回の愛より断然面白かった。自分は愛よりの人間だと思っていたのに悪寄りだった事に気付いて少し愕然とした。前回も書かれていた小川さん、ショートだとまた全然違う雰囲気醸し出してて割と好き。

    中に袋とじ(って閉じてないけども)みたいな付録的に野崎まどさんのGOAT忍法帖の巻物風が抱腹したww

    今号で初めて気づいた(遅)んだけど、大きなテーマ(今回は悪)については表表紙で、第二のテーマは裏表紙で紹介されてる、テーマが二つあったんだ(笑)

    前号でも感じたんだけど、とにかく510円の中が濃厚で50くらい対談とか忍法帖とか含めて
    あるわけで、好きも嫌いもゴンゴンに詰まってる。中弛みしたり、うえっ、こ、これは、、というのに出会ったり忙しい本である。また書かれてる作家さんたちは総じて皆さんお若く、同世代の購買が太いのも頷ける。
    これずっと続いてほしいなー。

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    2026年08月02日
  • どうしても生きてる

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    全てには共感できなくても、誰もが感じたことがあるなんとも言えない感情が絶対に一つは見つかる本だと思う。解像度が高すぎて、逆に読み返すのが辛い作品。

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    2026年08月02日
  • 何様(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「何者」のスピンオフの本著、前作の登場人物の過去やその後を描いていて、どれも心にチクっと刺さる話ばかり。あくまで本人視点で進んでくのは光太郎と里香だけで、他は更に遠い関係者の視点。沢渡はまだしも、登場が少ない烏丸の親族や最後の面接シーンの彼、話題のみの登場の瑞月の父の不倫相手など、かなり前作との関係は希薄に見えるものの、スポットで印象に残る人々の話。各々の葛藤が生々しく伝わってくる。光太郎と里香、沢渡は納得なエピソードで、かなり人間像がくっきりした。個人的に最後2作品。私だけでなく誰もが心当たりがあるような心情を主人公が持つものだから堪らなかった。「むしゃくしゃしたやった、と言ってみたかっ「何者」のスピンオフの本著、前作の登場人物の過去やその後を描いていて、どれも心にチクっと刺さる話ばかり。あくまで本人視点で進んでくのは光太郎と里香だけで、他は更に遠い関係者の視点。沢渡はまだしも、登場が少ない烏丸の親族や最後の面接シーンの彼、話題のみの登場の瑞月の父の不倫相手など、かなり前作との関係は希薄に見えるものの、スポットで印象に残る人々の話。各々の葛藤が生々しく伝わってくる。光太郎と里香、沢渡はさもありなんな発言や行動で、かなり人間像がくっきりしていた。個人的に何様」た」の主人公は、あの後救われたのだろうか。納得したのだろうか。「何様」の主人公は、誠実の意味を再解釈して妻に向き合ったのだろうか。気になる。あとがきの若林の解説のように、年齢を重ねると読み方が変わりそう。良作。

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    2026年08月01日
  • もういちど生まれる

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    5編の連作短編集。それぞれの登場人物たちにかかわりがあり一人ひとりを別の人の視点で見られる面白さがあった。「周りから見たらこうなのにホントはこうだったんだー」て感じ。
    19歳から20歳という年齢の危うさや漠然とした不安感がキラキラとした若さの中にあるのが懐かしくも思った。

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    2026年07月29日
  • もういちど生まれる

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    オーディブルにて。
    19歳の大学生たち周辺の短編集。若さゆえの将来の悩み、生きづらさ等が描かれている。
    朝井リョウ節炸裂。人間ドラマの小説なんだけど、哲学的に書く方法が本当に好き。突き刺さる。

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    2026年07月29日
  • どうしても生きてる

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    こんな状況になっても、どうしようもなくても、生きるしかない。そんな気持ちを抱える物語が、自分の奥底にある感情を上へ上へと押し出してくれるような気がしました。
    どうしようもないまま、終わる物語もあるけれど、最後の物語に関しては、自分自身そのものが上を向けるような、ここからどんな形にだって変えていけるような気持ちにさせてくれました。

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    2026年07月28日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    高校生時代のヒエラルキーが鮮明に思い出されて胸がチクっとした。とにかく熱い何かを持ってる奴が強い。
    周りを気にして周りに合わせた生き方をしていると環境がかわるとダメになる。

    自分基準、自分が心地よいと思う、自分の赴くままにいきるのがよいということかな。

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    2026年07月27日