朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み始めたときはタイトルの「死にがい」がピンとこなくて、生きがいじゃなくて死にがい?と思っていたけれど、終盤まで読み進めてタイトルに納得。
「ありのままの自分」「人それぞれ」みたいな言葉をよく聞くようになった今の時代でも、他人からの評価やコミュニティ内での自分の立ち位置が気になるのは変わらず、たぶんみんなが薄っすら生きづらさを感じているんだろうな。
雄介が他の人に比べて主張の仕方というか生き方が下手なだけで、誰にでも少なからず共感できる部分はあるはず。
この作品で海族と山族の対立として書かれていた問題は、そのまま日本人と外国人だったり、男と女だったりにも当てはめられるわけだけど、相手をそう -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店に並んでいるのを見て、内容が面白そうだったので購入。
帯に書かれていた『オチにやられる本ランキング1位』の印象とは少し違ったが、皮肉っぽい少しダークな笑いがあったり、現代のSNSや人間関係への解像度があまりにも高かったり、かと思えば最後には各話の脇役同士でオーディションが開かれるフィクション感の強い展開があったりと、最後までまったく飽きずに読み終えることができた。
個人的に一番好きなのはシェアハウさないの何かがおかしいけれど、最後までそれに気づくことはできない不穏な空気感。あとはリア充裁判も読みながらなんだか他人事ではなくてソワソワした。
この表紙も意味ありげだが、何か意味があるのかな? -
Posted by ブクログ
推し活はあくまで物語の舞台というだけであり、本筋は他者への嫉妬や羨望、劣等感など、誰もが心の奥で抱いてしまう、だけど認めたくないような人間の歪みと言える部分だった。
3人の登場人物が交わっていくようで、交わり切らないところが少しもどかしくなる。
もっと長編でもいい。
うわっそういうこと?やられたー!が何個かあるのが楽しい。
3章目。いじめや病気、恵まれなかった家庭環境など、物語になるような過去を持っていないことに劣等感やコンプレックスを抱くつかさの描写が印象的だった。
それを自分も考えたことがあったから。
自分の人生にはこれといった挫折や不幸がないなぁと思ってたんだよな。
ないからなん -
Posted by ブクログ
自分達の年代が子供の頃は、まだ「スター」とされる人達が存在する時代だった。何万人、何十万人の中から選ばれた特別な存在こそが「スター」だという考えは今もある。だから、自分もどちらかというと登場人物の尚吾の様な考え方でYouTuberを捉えている。でも、結局それは、新しい価値観に順応できていない自分が、新しいものを頭から拒否して取り入れていない結果でもある。
「他を貶すより、自身のやっていることのよいところを見つけていくこと」と千紗の考え方が、新しい価値観が出現した時に大切になってくるのかも知れない。
選択肢が多過ぎて、正しいことも間違っていることも、人によって異なり、自身で選択していくことが難し -
Posted by ブクログ
個を尊重する世の中に見せかけて、まだまだ学歴とか年収がわかりやすい生きがいとして認識されていると思う
世の中の指標に則ったら則ったで、結局その指標のトップになれん人が大多数やから、その指標だけを頼りにすると身近な人との比較に走る
そこまでは誰しも経験するとして、そこから逆張りで開き直るか、言い訳して腐るか、粘るか、自分を受け入れて別の軸を立てるか
開き直ってもいいけどその開き直りに他の人巻き込むぐらいなら1人で腐る方がマシ
自分は勝っとるつもりでも、その承認のために他の人巻き込むのも同じく
ダサい生き方はしたくないな
自分の美学ぐらいは貫いて生きていきたい -
Posted by ブクログ
5編の短編。
でも、全部のお話の登場人物に少しずつ繋がりがあるので、読み進めるほどに繋がりがわかって、同じ出来事を別の人の視点から見れて楽しい。
大学生や専門学校生や予備校生が主人公で、みんなそれぞれ悩んでいる。自分は人とは違うし特別だと思ってみたり、努力せず成功している人を羨ましく思ったり、でも実はその人も努力していたことを知って劣等感を感じたり。登場人物たちは人には隠している心の内面を小説の中で曝け出してくれる。
いろいろな人の内面を覗き見できる小説ってやっぱりすごいね!
共感したり涙したりきゅんとしたり反省したり、今作も感情が揺さぶられた。