朝井リョウのレビュー一覧
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17歳という輝かしい未来を想うような、現実を見始めるような、楽しい今を目一杯楽しむ、楽しめない自分を認めたくない、でも認めなくてはいけない、色々な自分を見つめる、歳を重ねた身からは輝いて見える、そんな瞬間を上手に切り取って提示してくれる作品。
朝井リョウ氏は若者の表現がとても上手いと思います。そしてこの作品はその力がいかんなく発揮されている。
タイトルにある桐島くん、その本人は登場せず、周囲の人物視点で物語は進む。
タイトルも確かに桐島の周囲の噂話だもんな。そしてそれだからこそ、桐島がそのコミュニティにおいてなかなか重みのある人物だったんだなと感じさせられる。そんな奴いたよなぁ。
桐島はバレー -
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別の本の記録で話したと思うが、
私はバイセクシャルだ。
今まで、同性とも異性とも関係を持った。
私の生殖器は、いったい何回目の「ヒト」なのだろうか。
作中に出てくる「同性愛者には生産性がない」という発言をした議員。
朝井リョウのいいところは、事実をちゃんと架空の世界に落とし込むところだ。
おかげであの発言があった時、私が何を思っていたか思い出すことができた。
バイの私は、あの時
「そもそもそ両性愛なんてアウトオブ眼中か」
と思ったのだ。
結局、異性と付き合えば生産性が生まれ、同性と付き合えば生産性のない人間になるだけ。
同性愛者と比べて、全然いいじゃん。
なんて思えなかった。
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ネタバレ評価の高い作家の、評判のいい作品でしたが、わたしには合いませんでした。
両親を事故で亡くした小学校3年生の太輔は、「青葉おひさまの家」で暮らすことになりました。
実はその前に伯父夫婦に引き取られたのですが、暴力という虐待行為を受けたため、施設入所となったのです。
小学生から高校生まで何十人もが暮らしている施設ですから、割と大きい施設だと思いますが、太輔は1班のメンバーとして、共同生活を送ります。
1班は太輔と同じ年の淳也、淳也の妹で小1の麻利、お母さんの暴力からの一時避難的入所の小2の美保子、親戚に病気の弟の入院費用を託し、自分はここに入所した中3の佐緒里の5人。
まずこの5人で大部屋って -
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武道館を目指すアイドルのお話
スキャンダル、炎上、卒業、脱退、アイドルだって普通の女の子!恋愛もしたい、ラーメンも食べたい、遊びにも行きたい!そんな欲求をおさえ夢に向う日々。なんのため?誰のため?夢のため?アイドルの裏を見たようで面白かった
推しには、有名になってほしい、夢を叶えてほしい、ヒロインにしてあげたい、幸せになってほしいと願う反面、ちっとした出来事で、勝手に裏切られたと、SNS炎上、心ない攻撃、不幸になれ、悲劇のヒロイン、そんなファン心理が矛盾しているような、そんな世界なのかなって
昔NHKで「だから私は推しました」ってドラマあって地下アイドルとファンの話で、推しがいる生活は人生を豊 -
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若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん -
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夏に新島の空港の本棚にあったのをちょっと読んで、続きが気になって石垣島で買った。
動きも人数も多いチアを文字だけで表現していて文章力の高さを感じた。とてもすごいが、あまりに馴染みがないので光景のイメージはなかなか難しかった。一番はじめにイラストつきで用語の紹介がされているので、行ったり来たりしながら読めばなんとか……。あと私は半年かけてちまちま読んだが、むしろ一気に読むのが良いのかもしれない。とにかく私の読解力が追い付かなかったので、アニメか映画も見てみたいなと思った。
筆者の作品はシリアスな雰囲気のものばかり読んでいるので、真っ直ぐな若者を描いているのが新鮮で面白かった。終盤みんなの思い -
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Posted by ブクログ
多様性が叫ばれる時代だけど、私たちが思いも及ばないような欲を持つ人(例えば、水に性的に興奮する登場人物)たちは救いとれないんだなぁ。
きっと私の祖父母の時代の、例えばゲイの人たちは、捕まってしまった3人のような思いを抱えていたのだろうな…
時代によって人々の認識や常識は変わっていく。
異性愛は良くて、小児愛はなぜだめか?
そんなの社会のルールやその時代の認識で変わったりもするんだよなー
司法も『異性愛者を正とする社会』に合わせたものになってるから、それ以外の人を本当の意味で理解して次に繋げるものになればいいんだが、難しいんだろーなー
検事やってるお父さんこどもともっと向き合おうよ…
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Posted by ブクログ
ネタバレ朝井リョウさんってどちらかというとドロドロしたような人の心の嫌な部分を書くことが多い印象だったけど、こちらの小説では卒業を控えた高校3年生の切ないような淡いような恋愛の話を書かれていて新鮮だった。
その中でも朝井リョウさんらしい例えを含む表現によって、透き通っているような文に感じた。
そして毎回のごとく書き留めておきたい文章がいくつもあったので、以下抜粋。
ーーー私が身振り手振りをつけることによって、たまに重なる影は、手をつないだり、腕を組んだりしているようにも見える時がある。絶対に私ができないことを、のっぺらぼうの私はいとも簡単にこなしてしまう。
ーーー目的地に向かって、まっすぐに歩いて -