朝井リョウのレビュー一覧
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偶然本屋で手に取った一冊。
ままならない、という言葉の意味を正確に理解していないかもな、この本を読んだら感覚的に理解できるかも、などと考えながら、完全にタイトルで選んだ。
思うようにいかない、他者は自分の思い通りにはならないし、自分自身の人生でさえ、そう。
理解ができないような発想や行動をとる他者にも、自分と同じように、その人なりの感受性や価値観の構成要素がある。
人それぞれ様々な違いがあるからこそ、苦労もあるけど面白い。非効率さの中に味わいがある。私自身はそういった価値観の持ち主であるが、AIと共存していくこれからの世界を生きる中で、この本で生々しく描かれる対比構造の一節を思い出すことが多そうだ。そして、もし30年後に読み返したら、また全く異なる感想を抱くかもしれない。そんな予感にワクワクする。 -
Posted by ブクログ
文芸誌というものを初めて読んだ。
GOATは表紙も可愛いので知ってはいたけれど、なんとなく購入には至らず。
12月に2025Summerの第7刷が発行されたのを本屋で発見して、ついに文芸誌デビューとなった。
特集は悪。
ヒリヒリするような悪、わくわくするような悪、悪って面白い!
特に「あの子にしか行けない天国」は、一体この後どうなるのか?が気になってSTORY BOXで続きを読み漁った。
が、現時点で残念ながらまだ完結していない。
気になる!
早く先を読ませてくれ!
と思わずにはいられない…
魅力あるたくさんの作家の作品を読めるのが文芸誌のいいところだと思う反面、続きがあるとなかなか先を読めないのは歯がゆいところ。
とはいえ、今まで触れたことのなかった作家の素晴らしい作品に出会え、新しい世界を知ることができる喜びを知ったので、文芸誌にハマっていくかもしれないと思わせてくれた1冊となった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ泣いた、、、
お父さんが寝てる子供に向かって語りかけるシーン、ここで泣くのは鉄板だけど、
店を締める決断をするシーンも泣けた
人が死ぬとかじゃなくて、泣けるのはいいよね!
確かに派手さはないけど、各章じわぁっときたよ
それぞれの成長に心が温まる
いい小説だった!
ただ素直に1点だけ父親目線で気になったのが、笑
子供6人もいて病気になった
で残された時間で自営の飲食店の改造なんかして、
過労になるほど妻に負担かけるなんて
結構父親のエゴじゃん
自分だったらもっと家族の助けになるような実用的なことするな、って少し冷めた、笑
って自分は理論とか合理とかで、ドライに行動し過ぎなんだよねー
人を動かすのはこーゆー感情だよね
そんなことも沁みた素敵な小説でした! -
Posted by ブクログ
『時をかけるゆとり』の改題前のものらしいこの作品。ゆとりシリーズ三部作の一作目。知らずに二作目から読んでしまった。その二作目に出て来た眼科医さんがとても気になり、早速一作目も読んでみる。
この一作目の方が断然面白かった。そして気になっていた眼科医。期待を裏切らない面白さだった。何せ、この本で一番大笑いしたところが、眼科医とのエピソードでエンヤが出てきたところだったのだから。読んで良かった。
そして、学生時代作者が行った大島への旅行での盆踊りについての章は、楽しい中にもしみじみとした趣があり心に残った。
その地域の盆踊りなどの行事を受け継いでいくことの意味を考えさせられた。学校の音楽の授業で、恐らく最も興味を誘わないと思われるであろう授業内容の一つに、「日本の民謡や盆踊り」など、日本の伝統音楽の章がある。
その授業のときに、この盆踊りの部分を子供たちに読んでみたいと思う。夏の熱気、青春の日の喧騒と思い出、海の潮風など、巧みな文章から感じられる温度や香りと共に、継承していく大切さなんかも感じ取ってもらえるたろうか?