朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『桐島、部活やめるってよ』は高校生の話だけど、ヒエラルキーは、大人になっても続くよね。
常にヒエラルキーからは逃げようという立場をとっていても、世の中には、びっくりするぐらいヒエラルキー重視の人物が現れる。
そして、あの人達って無理やり引きずり込もうとするんよね。
あれは何なんだろう。
放っておいてくれないかな。
巻き込まれがちなの私だけ?
ヒエラルキーって、品がないよなー。
もっと品のある環境で生きたいのだけど、そんな環境にまだ行き着いたことないかも。
「かすみ」の立場が1番共感するけど、きっと「かすみ」は「ゆみちゃん」から、いずれ避けられる運命じゃないかと予想する。
アンチヒエラルキ -
Posted by ブクログ
ネタバレSNSを利用する自分にとって、身に覚えのある指摘が多く、心苦しくなった。
SNSに投稿された140文字よりも、それに選ばれなかったいくつもの言葉にこそその人らしさがあるのではないか、というサワ先輩の言葉は共感しつつも、いくつもの言葉の中でその140文字を選んだことにもその人らしさは出ているだろうと思った。
もちろんSNSだけで人となりを判断してはいけないが、SNSがその人の一部を表しているのは確かだと思う。
対面では楽しく話せる人がSNSで自分と違う考えを語っていると、次に会うときに身構えてしまうことがある。SNSだけで判断してはいけないと思いつつ、SNSでのイメージを払拭するのは難しいし、完 -
Posted by ブクログ
『桐島、部活やめるってよ』を読んだ。
青春の“中心の不在”を描いた物語として、やっぱりこれはすごい。桐島が登場しないという大胆な構成の中で、彼の“いない存在感”がすべての登場人物の内面を浮かび上がらせていく。誰もが桐島という名を通して、自分の立ち位置や弱さを見せつけられている感じがした。
学校という小さな世界が、まるで社会そのものの縮図のように機能していて、彼の不在は人間関係の“ほつれ”を一気に露呈させる。何かが崩れていく音が静かに聞こえるような、そんな緊張感のある読書体験だった。
男子たちの描写も痛いほどリアルだ。
バレー部の菊池は焦燥に飲まれ、野球部のキャプテンたちは自分のポジションを守