朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごく良かったなー。
アイドルが武道館ライブを目指す話。エンタメ小説かと思いきや、これがなかなか深かった。
ネットの誹謗中傷に反応しないスキル、そんなのはじめから備わってるわけないよね。ちょっとしたことで大炎上してしまう世の中だから、人の注目を集める立場の人は本当に大変。
「正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ」
「何かを選んで選んで選び続けて、それを一個ずつ、正しかった選択にしていくしかないんだよ」
自分で選んだ人生、良いも悪いも自分次第だと私は常々思っているのだが、まさにそういうこと。
誰のせいにもせず、進んでいくしかない。
個人時に高校剣道全国大会 -
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Posted by ブクログ
ネタバレまずやはり朝井リョウさんの書く物語は面白いなぁと感じた。なぜこんなに私は面白いなぁと感じるのか考えたとき、人が持つ人に知られたくない、自分でも気づきたくない、心の柔らかい部分に刺さる話だからだなという結論に自分の中で至った。
短編6つのうち物語としては「水曜日の南階段はきれい」が好きだった。
自分に特に刺さったのは「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」。自身も正美側に近い人生であったので共感も多かった。
また、最後の「何様」も同じく心に残った。社会人になってまだそこまで年数が経ってない人は特に共感するものがあると思ったし私も本気の1秒を自分の中に見つけたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ雄介のこと、すごく嫌だなあ、こういう人苦手だなあと思いながら読んでいたけど、後半気づいたら智也よりも雄介に感情移入してた。
「俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ。死ぬまでの時間を、生きていていい時間にしたいだけなんだ。」って台詞が印象に残った。生きていていい理由とか価値が欲しいっていうのはすごくわかるけど、雄介はそれを自分で生み出しにいくところが、人とは違うところなのかな
産まれてきたくなんかなかったと思ってしまうから、「生きがい」とか「自分が生きていていい理由」とか、いつも考えてしまうけれど、答えは出ないし、「生きているだけでいい」と短期的には思えても、やっぱり納得できないし、 -
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Posted by ブクログ
やっぱり朝井リョウは裏切らない。
嫉妬や独占欲、承認欲求などの感情の変化を言語化するのが上手すぎる。女性の感情や機微な人間関係を、なぜ朝井リョウはこんなにも的確にそして面白く書けるのだろう。
すべての注目をかっさらってその場の主人公になっちゃう目障りな人っているよね〜、誰かのためっていうフリをしながら実際は全部自分のために行動してるってこと結構あるよね〜、と共感しっぱなし。
そして登場人物たちに共感している自分の性格の悪さを突っつかれているようにも感じた。
朝井リョウの小説を読んでいると、毎度自分の腹黒さや性格の悪さなどを指摘されているようで、「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝罪と反省の言葉ば -
Posted by ブクログ
「世界地図の下書き」という素敵なタイトルに惹かれて読み始めたが、この小説に「世界地図」は出てこない。児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らす子供たちの話である。
両親が交通事故で亡くなったあと、預けられた親戚の家で虐待を受けて「おひさまの家」に来た大輔。同じく両親がもういない淳也と麻莉の兄妹。母親の虐待を受けている美保子。両親がおらず、弟が入院していて、遠方の親戚から経済的援助を受けている高校生の佐緒里。この5人が同じ1班として、「おひさまの家」で一つの部屋を共有している。自分を守ってくれるはずの親を亡くしていたり、親に傷つけられたりと心に傷を負った子供たちだが、施設の中では互いに心配しあ -
購入済み
SNSで話題になっていたので読んでみた。
それぞれの人にとっての正欲とはなにか、考えさせられる。
多様性とは何か、についても。
もう時間空きすぎてほぼ忘れてるからまた読みたい。