朝井リョウのレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み刺さる側と分かっていながらも
かなり最悪な読後感だった。
でも、かなりおもしろかった。
昔ドルオタもしていたし、今もライブに行きやすくなるために上京して、私物グッズ入りガチャに6万使って、推しの音楽や言葉を勝手に人生の救済にしている時点で、自分の中に“信徒性”があること自体は前から自覚していた。
ライブ後に「神」と何度言ったかわからないし、作品や言葉を拡大解釈して、勝手に巨大な感情を抱いてしまう感覚も覚えがある。
ただ一方で、“推し”という言葉を安易に使いたくない気持ちもずっとあった。(現時点でドルオタではないから)
周りから見れば十分推し活をしている側なのに、「ただの消費や疑似恋愛とは違う」という意識でどこか斜に構 -
Posted by ブクログ
イン・ザ・メガチャーチ
著:朝井 リョウ
ファンダム経済・推しの文化を背景とした、大きくは3人の登場人物から構成されるある意味、日本特有の闇を描き出した本作。
全てがネタバレになりかねず、あらすじは割愛したい。
朝井リョウ氏の長編を読むのは本作が初めて。
著者と他の方との違いは、風呂敷の畳み方に特徴があるように感じた。多くの著者は、点や線や面で後半に怒濤の如く、伏線を文字通り部分的に回収していく。
朝井氏はその回収は点や面ではなく、全体として行間を含む全ての埃や雰囲気までありとあらゆるモノとコトを包んで回収している。丁寧な展開は丁寧な回収により相乗効果として、物語の深みを作っている。
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Posted by ブクログ
多様性を大事にしよう!みたいなそういい綺麗事を並べてる話なんだろうなと思って読んでみたらむしろその逆で、そういう安直な考えに対して認識を改めさせるそういう話で、ちゃんと読む価値があった。
最初の10ページ、わかる。と思った。
街を歩けば、英会話やダイエットなど、あらゆる情報が溢れている。それらはすべて「明日死なないこと」という一つの大きな目標に収斂されている。誰もが明日死にたくない、生きたいと信じて疑わない世界。
「結婚しない人は異常」「異性を好きになるのが普通」という世間の押し付けには、日頃からずっとモヤモヤとした生きづらさを感じていた。
でもこの本は、そうした目に見える違和感だけでなく、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分が痛いのなんてわかってる。
でも、それでも、理想像に近づくために、何者かになるために、自分は必死に頑張る。
これが結構刺さった。
おそらく私だけではなく、一定数の人間が抱いている感覚だと思う。この本が出てからかなり経つが、この言葉を心の中でひそかにモットーにしている人の数は、この本が出された当時よりも、今の社会の方がよっぽど多いのではないだろうか。
本書は、今の若者が持ちがちな冷笑的なマインドセットに警鐘を鳴らすと同時に、理香さんのように自らの痛さを自覚しながらもそれでも何者かになろうと努力し続けている人たちを暗に応援している、そんな優しい小説でもあると思う。
まとめると、
他人の線 -
Posted by ブクログ
ネタバレ俯瞰してみていたつもりだったのに、いつの間に立場が逆転してびっくりした。見下していた自分もまたそちら側の人間だったと思い知らされる。
あーこういう人いるいるって思うのが楽しくて、後半は特に読む手が止まらなくなった。拓人の周りにはまだ、サワ先輩とか理香さんとか注意してくれる人がいる環境だし、まだ大学生だったということが救いだったと思う。気づかないまま大人にならなくてよかったと思うし、こうして打ちのめされて大人になっていくんだとも思う。
どうしても自分のものさしでしか物事を見ることができないから、腹を割ってぶつかり合うことも大切だなと読んでいて思った。私自身、それが面倒で波風立たせずに暮らすこ -
Posted by ブクログ
とてつもないものを読んだ気分。前に読んだ正欲もすごかったが今回も予測がつかない話。途中泣きそうになりながら読んでしまった。なんとなく考えないようにしていたことを言語化してくれた感じ。
自分が今後どうしていきたいのか考えさせられた。
もうほんと、どうしたいのか自分は。
主人公の本体である尚成と同じ、ただ仕事をして、時間が過ぎてるのを感じてるけど自分の幸福度を考えないといけないと思ったし、抑圧され続けてしまって人ってこういう思考になってしまうんだと知れた。なんだか生きづらい世界に生きてる自分たち、それでも生きやすくしていきたいと思ってる個体との差が現れてしまって辛かった。
この本に出会えてよかった -
Posted by ブクログ
多様性という言葉を多用している世の中や人々。本当にこの意味を理解して受け入れて発信したり受け入れたりできている人がどれだけいるだろうか。
自分もその一人。深く考えず、なんとなく多様性っていいよねと漠然と思っていても、自分の知らないところで枠を作って周りに蔓延っている常識の中で生きて、その枠から外れていたり、外れそうな人とは距離を置いたり、
朝井リョウは三作目だが、どの本も価値観や多様性や、一見綺麗に見える言葉の奥底を紐解いてくれるような作品が多く、
気がついたら自分は周りの環境の中で生きているんだと思い知らされる。
世界への視野をグッと広げてくれる、別の角度の思考を提供してくれる感じがこの本も