朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“正的な欲動は訓練することができず、その訓練もあるいは過剰になったり、あるいは不足しすぎたりする。”
正欲が支配する社会に適応できずに孤独になった学生時代を思い出しました。 何が間違いで正しいかは誰にも分からない。 あらゆる事象は事実とは異なり歪曲して解釈されてしまったりするし、自分も含め決めつけで人を判断してしまったりすることがあるし、ますます世界には正解なんてないんじゃないか、、と思い知らされました。
文庫になったのでようやく読んでみましたが、文章も美しく時間を忘れるほど読み入ってしまいました!
最後の、現在の世間から見れば“異常”とされる関係である佳道と夏月の歪だけど美しい絆に心揺さ -
Posted by ブクログ
どうしてこんなに色々なタイプの人間の心情をピンポイントに書き分けられるんだろう、というのが最初の感想だった。
高校生における「上」と「下」のグループ。
それぞれの立場が胸にせまるほどリアルに描かれていて、のめり込むように読んでしまった。
序盤の章で出てきた人物が、後の章で別視点から書かれていたり、読んでいくうちに物語全体の輪郭がはっきりしていく物語だった。
自分が好きと思ったものは、人が何と言おうと好きでいい。自分の中に確固たる「やりたいこと」がある人物は、見た目がどうであれかっこいい。
物語全体から、そんなメッセージを受け取りました。読んで良かったです。
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Posted by ブクログ
BS番組「あの本読みました?」の文芸誌特集で取り上げられているのを見て興味を持ち、まずはこの第2号を取り寄せました。
朝井さん、一穂さんをはじめとする既読の作者だけでなく、名前は知っていても未読の作者もずらーッと並ぶラインナップで、「もっと読んでみたい」という気持ちが駆り立てられました。
特に今号では「悪」をテーマにした短編に引き込まれました。話の中身も紙質を含めた本の装丁も興味深く、ウキウキしながらページを捲っていきました。
雑誌をこんな気持ちで読むのは、幼いころに手にした漫画の月刊誌以来ではないかなと思ってしまいました。第3号の方ももちろん手に取りたいと思います。 -
Posted by ブクログ
いやー、とても面白かった。
現実に身近にあるけど、なかなか会えない人たちの「心の叫び」みたいなのを知った気分になれた
離婚した妻が引き取った娘とのWEB面談
推し活友達の30代女性
会社の人を家に入れることはないが、オタク同士となれば、会社の人どころか初めて会った人だって家に入れてしまう。。。こんなにも心のハードルが下がるのは、何故??
我を忘れて何かに夢中になっているほうが、楽だから、、、
ずっと我に返ったまま生きるには、この世界は殺伐とし過ぎているし、人間の寿命は長すぎる!
中年期の男性は孤独に弱い傾向にあります。あと、これまでの人生における後悔。この二つを刺激する物語には、特に呑 -
Posted by ブクログ
朝井リョウさんの本が好きで、これまでに何冊か読んできました。エッセイも面白いと聞き、2025年時点で刊行された最新のエッセイである本書に興味を持ち、読み始めました。
小説とは異なり、少しぶっ飛んだ人となりが垣間見え、朝井さんのことがより身近に感じられる一冊でした。お腹が弱いことや旅行でのエピソード、物事の捉え方にも親近感が湧き、文章そのものもとても面白かったです。
この一冊を通してエッセイの面白さを改めて感じ、他にも興味を持った作家のエッセイに手を伸ばしてみたいと思うようになりました。自分の読書の幅を広げてくれる、良いきっかけとなりそうな一冊です。 -
Posted by ブクログ
上手い!面白い!
相変わらず、お腹?いや肛門話がますます大輪の花を咲かせ、カッコいいダンスレッスンを受講し一回目で心折れまくったり、勿体無い精神が発動したのでバンジージャンプに挑戦して白目剥いたり、師走の中クリスマスケーキをホールで五個続けて食べたり、おもしろ海外旅行の予定を組んで自分で同行者の友達にトイレ税を払ったあげくトイレを詰まらせたり、、、
私の一生分の面白いことを100倍やってるし、それをエッセイ三部作に残してくれるなんて、なんて素敵な人なんだろうか!
エッセイを読んでから、YouTubeで朝井氏を検索しまくり、寝る前に10分観ることが日課になるほど、ファンになってしまった。
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