朝井リョウのレビュー一覧

  • イン・ザ・メガチャーチ

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    神や宗教の代わりに推し、陰謀論、果ては仕事そのものも信仰対象になりうる現代社会。今のカオスも、他者と話が噛み合わない孤独感も、「生き方」の宗教戦争の新たな形といえるのかもしれない。
    圧倒的な筆力に唸りながら一気読みした。
    これから我々はどこに向かうのだろう…。

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    2025年11月29日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    いやーーー、朝井リョウさんは毎回いいとこ突いてくるよなー笑
    今回も最高でした。

    誰かに認めてもらいたい。誰かに縋りたい。
    小説なのに、妙に現実味がありすぎる。
    推し活は宗教に近いのかも。同じ価値観、自分の居場所、同じ目標。素敵なことでもあり、脅威にもなりうるんだと気づいて、怖くなった。

    そして最後には、読者に、
    「今の世界、どうみてる?」「あなたはどう考える?」って私たちに問いかけてくるような感覚が残る。

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    2025年11月29日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    推し活にのめり込む人
    推し活を仕掛ける人
    かつて推し活にのめり込んでいた人
    を三者三様の視点で描いた群像劇。

    入り口はキャッチーなのに、
    草むらをかき分けていくと徐々に真理めいたものに辿り着いた感覚。

    幸せの基準が増えた現代では、
    前代的な価値観以外の選択肢が増えた反面で
    正解のルートを見つけづらい。

    だからこそ何かに没頭して、
    視野を狭めた状態に陥るのは楽で手っ取り早い。

    朝井リョウの、時代を切り取る解像度の高さはすごい
    と同時に本当のこの人ってどこにあるんだろう?
    と考えると恐ろしくもなる

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    2025年11月29日
  • 世にも奇妙な君物語

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    短編集みたいな感じなので非常に読みやすかった、展開もしっかりしてて、とても満足できた。特に最初の話は、この本の世界観というか、世にも奇妙な君物語という本の入り口としてとてもインパクトのある話になっていて好きでした

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    2025年11月28日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    ここにきて今年イチの面白さだった。
    登場人物たちが推す対象にのめり込むあまり視野が狭くなって行く様がありありと感じることができた。
    そしてそれが仕組まれているためだった事も…
    自分にも刺さる部分があり、構成、文体などやはり朝井リョウは天才だと思う。ラストも秀逸でした。
    最高に面白いのでぜひ皆さんにも読んでほしいです!

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    2025年11月28日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    ネタバレ

    オーディブルにて視聴。
    平成の高校ならではのノスタルジックな風景と、未成熟な人間関係の残酷さがとても写実的に群像劇おして描かれていて最高でした。
    どの主役の登場人物も基本的に言葉を意図して選んでいて、聴いていて心地よかったです。
    映画部の子の話が自分の学生時代と重なり、聴いていてとても切なかったです。
    朝井リョウの作品は2作品目ですが、なんでこんなにも人間の解像度が高いのだろう、人生何周目だろうと思ってしまいます。これからも読んでいきます。

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    2025年11月28日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    ネタバレ

    おもしろかった!!!!
    推しのために積む、っていう経験をしたことがないから"ファンダム"の人たちの気持ちが正直全然分かってなかったけど、この本で仕組みを知れて、今流行りのあらゆるものに当てはめてみたくなった。
    澄香やtomoyoの布教のシーンは小説なのにつらつらと話をされているようなスピード感があって、ちょっと怖かったなぁ。
    久保田さんの一歩踏み出し前向き展開かと思いきや、まさかそっちはバッドエンドとは...

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    2025年11月28日
  • 正欲(新潮文庫)

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    ただただエグい。
    理解出来ていないのに理解したつもりになって「分かるよ」と伝える事の残酷さ、無責任さ。どうしたらこんな小説書けるんだろう。また読みたいと思うのに感情がまた激しく揺さぶられるのが怖くて読めない、、、

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    2025年11月27日
  • 正欲(新潮文庫)

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    ネタバレ

    朝井リョウさんの紡ぐ言葉が好きだ。
    物語としての展開はもちろん、登場人物一人一人の心理描写、発言に引き込まれた。

    自分と同じ価値観の人は存在しない。だからこそたくさん経験を積んで、想像力を働かせて、相手に寄り添える人間になりたいと思っていた。
    でも自分の想像の及ばない世界がまだまだ無限にあるって思い知らされた。

    今回の性癖の観点とは全く違うけど、私は世間一般的なレールには乗れなくて、いつまでこの孤独と1人で戦わなきゃいけないんだって思っていた。
    夏月の年末年始のシーンから読む手が止まらなくなった。
    私ももう何年も季節を感じていない。クリスマスもお正月も苦手だ。世界は一緒に過ごす相手がいる人

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    2025年11月28日
  • GOAT Summer 2025

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    ネタバレ

    絶対値段のケタが違ってると思う。5,100円と言われても納得の内容の濃さ…!3ヶ月くらいかけて読みきった。
    文芸誌自体ほぼ読まないのだが、いろんな作家さんをお試しで読めるところが最高。ここから次の読書につながりそう。
    黒い紙がきれいで、やぎもかわいいです。

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    2025年11月27日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    孤独で寂しい気持ちを埋めるには、視野を広げるよりもむしろ思いっきり狭めた方がいい
    そして我に返らないようにして、できるだけその対象に集中し活動する
    宗教と推し活は同じ構造だね
    時間とお金と労力をつぎ込めば、心に平和をもたらしてくれる
    集中する対象が家族なら正解っぽいし、人のためになる活動なら美しい感じがする
    この本に出てきた人たちは、お金使い過ぎでまちがっちゃってる感じがするけど、やっぱり楽しそうでうらやましく思えてしまう
    世の中にはあの手この手で沼にはまらせて、購買意欲を高めたり、寄付をさせたりするものにあふれているから、一旦冷静になろうという注意喚起の本なのかな?

    やってきたことよりやら

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    2025年11月30日
  • 生殖記

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    ネタバレ

    尚成が最終的に人生レベルでしっくりきた思想が「異性愛者が持つ特権意識を引き剥がす」なの、理屈が通っていて良いな。全体を一貫するテーマが全くブレずに物語の根幹を支えていて説得力がある。

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    2025年11月27日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    SNS布教が当たり前になった現代の推し活ファンダムの光と闇を、鋭く描き出した風刺作品。
    推し活と宗教は紙一重で、人は誰しも知らないうちに何かに依存しながら生きている。その事実を、物語は静かに、しかし強烈に突きつけてくる。

    推す側と推される側、立場は違うのに似た孤独を抱え、同じような「物語」にのめり込んでしまう姿は、苦しいほど胸に刺さった。
    私自身、かつて無理な推し活で辛い思いをした経験があるからこそ、主要人物のひとりと年齢も性格も近いこともあり読みながら何度も感情移入してしまった。

    そして改めて思うのは、朝井リョウさんの観察眼の鋭さ。特定のオタクではないとインタビューで明言していたのに、こ

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    2025年11月27日
  • 生殖記

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    朝井リョウの最先端。テンポよくて最高に面白いですが、相変わらずザクザクと価値観を抉っています。マイノリティへの解像度がまた一つ上がりました。ありがとうございます!

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    2025年11月27日
  • 生殖記

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    ネタバレ

    いやまさかの視点!題名からなんとなくそうなのかな?と思いつつもいざ分かると面白い。
    まるで他人のような、そんな語り口調で進められるのが淡々としていて好きだった。

    尚成の「しっくり」を知った時と颯のセクシュアリティを知った時は超驚いて、まさかの?!となりました笑笑

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    2025年11月27日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    この物語では、三人の登場人物がそれぞれ「孤独」とどう向き合うかが描かれる。

    澄香はアイドルに自分を重ね、久保田は自分でつくり上げた物語を信じることで、行動する力を得、孤独をまぎらわす。
    一方で絢子は、陰謀論という巨大な物語にのめり込み、同じ信奉者たちの中に居場所を求める。
    3人とも、孤独から逃れるために物語を必要とする存在として描かれている。

    ただ、物語に深く入り込みすぎると搾取されたり、倫理的に問題のある行動に走ってしまう。
    だから視野狭窄は危険だ。

    でも、物語を信じて突き進む人は、たしかにキラキラして見える。自分を後押しできる強さを持っている。
    「物語を信じすぎる人生は危ういけれど、

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    2025年11月27日
  • そして誰もゆとらなくなった

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    朝井リョウさんのエッセイ。

    エッセイだと知らずに読み始めた。
    誰しもが日常を過ごす中で経験した恥ずかしい出来事があると思うが、著者の日常は輪をかけて面白く、そして汚い(排泄的な意味で)。

    ただ、それでも何か非日常な機会があれば、とりあえず何も考えずにやる、というスタンスは誰にでも真似できるものではなく、著者のユーモアはそういった経験の積み重ねなんだろうなと思った。

    本を読みながら思わず吹き出してしまったのは初めてかもしれない。
    疲れている時こそ読みたい一冊である。

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    2025年11月26日
  • 正欲(新潮文庫)

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    リビドー、つまり人間の行動となる根源的欲は人それぞれ。だがしかし行きすぎる欲望は危険だと考え、無秩序な欲は制御される。これが正欲。
    多様性の時代が謳われているが、それは正しい側の人間が想像できる範囲内で、マイノリティを受け入れてあげるよと偉そうに謳っているだけ?
    自分が想像する範囲にとどまる時点で正欲だ。正欲を批判するのも、受け入れるのもすべて正欲。
    難しい。

    《自分の想像力の及ばなさを自覚していない狭い狭い視野による公式で、誰かの苦しみを解き明かそうとするな。》

    この小説を読んで、特殊性癖の有無に関わらず、他人のことなんか分かるはずがないと思った。分かろうとするなんて傲慢かもしれない。

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    2025年11月26日
  • イン・ザ・メガチャーチ

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    ページを捲るたびに三人の登場人物がそれぞれの物語にどんどん飲み込まれていく様が凄まじい。特に会話と思考が重なる描写が圧巻。寂しさは人を狂わせる。

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    2025年11月26日
  • 何者

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    ネタバレ

    ずっと、自分や、私のまわりの誰かのことを言われているようで、居心地が悪かった。
    最後理香に詰められている時、自分も大ダメージをくらっていた。
    かっこ悪いことを認めること、それがこの本の学びだ。

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    2025年11月25日