朝井リョウのレビュー一覧
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ナンバーワンよりオンリーワンだと言われた平成という時代。けれど、自分で自分自身の価値を見出せる人はいったいどれだけいるのか。まして子供達にそれができるのか。大人ですら、難しいのに。
競争をなくしたことで生まれた新たな生きづらさ。競争から漏れた、のではなく、価値を見つけることから漏れてしまった人たち。
ありのままでよい、と言われても、結局は誰かと比べて、誰かに見つけてもらわなくては、生きるのは難しい。
競争から解放されて自由になったはずの平成という時代の生きづらさの根底にあるのは何なのか、それが見事に表現され、章が進むごとに相関図がはっきりとし、ピースの1つ1つがはまっていくような感覚でした。 -
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ネタバレファンダム経済。以前はオタクという概念で括られて、世の中からすれば影のような存在、アングラな部分がありましたが、今は性別問わず公言してできるまでのコンテンツに成長しましたね。アイドル、アニメ、映画、興行収入は過去と比べても極端にといったようにも思えます。みんな、何かにすがって生きていたのか、拠り所がありながらも現実のストレスとか向かい合いながら、発散できるもの、本当に好きなものを追って生きてきたのかとも思えます。みんな何か好きなこと、没頭できることはあるかなと。それが何かは各々なのですが、社会に投げかけた印象があります。考えるほど、この本は深いなと思いますね。
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多様性とは何か。マジョリティとはなんなのか。を考えさせられた。
特に印象的だったのは、我々は「みんな、正しいか。合っているか。多数派なのか。まともなのか。」を気にしながら、不安を抱えながら生きているのだという考え。
目にする事象は同じでも、それをみてどう解釈するかは人によって異なる。蛇口から流れる水を見てなんとも思わなかったり、綺麗だと感じたり、性的に興奮する人がいる。
私はなんとも思わなかった、と発言して、周囲から同じようなリアクションをもらえれば、自分はマジョリティであることがわかる。同じことを思う仲間がたくさんいるのだと安心する。そうして自分の居場所をみつける。
私もこれまでそうしてき -
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ネタバレ300ページもあるエッセイ集だが、テンポがよく良い意味で中身がないためあっという間に読めた。笑える話が多いため、静かな空間での読書はおすすめしない。
朝井さんの感性には思わず笑ってしまった。
海底の散歩中、暇だと思うのが面白すぎる。また、その感性は遺伝のようで、感受性の低い朝井家のエピソードもある。それも面白い。
手術中、暇だと感じるのもとてもいい。手術中、そんなことを思ったことなどなかったから、そのような考えがあることにおどろいた。
このエッセイ集は、日常、プロムナード、肛門記の三部作になっており、プロムナードは連載媒体にあわせて真面目な文体だ。
中でも興味を引いたのは朝井さんが合唱曲の -
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AIの感想の通りなんだけど、結末が本当に「そうきたかww」だった。
あくまで物語の設定ではあるけど、子供って本当に親を見てるんだなって思うし、純粋な捉え方の表現が面白かった。
個人的には第三話が好きだった
★★
「子どもに降りかかる情報をせっせせっせと振り払うより、たくさんの情報を浴びた子どもが何を選び取り、何を捨てていくのかを見守り、ときに助言をするのが親の役目ではないのだろうか。」
★★
この言葉は親としての自分も考えさせられたし、与え過ぎずに子供に自分の考えを主張できるようになってもらいたいと思えた。
そして自分もそうなりたい40代父親。。 -
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ネタバレ章ごとに、語り手が変わる。章の最後の文のキーワードを、次章の冒頭に使っているのが面白いなと思った。
世の中を構成する最小単位は、
恋愛感情で繋がっている異性同士の二人組であり、
それを基に様々な制度が構築されている。
大多数が、まずはその単位になることを目指して動いている、または周囲の声によって動かされている。
一見、多様性という言葉で最小単位を広げることで、
誰一人取りこぼさない社会を作れるのでは、
と思ってしまう。
でも実際は、何でもかんでも最小単位になる資格が
ある訳ではない。
結局マイノリティの中のマジョリティにならなければ
認めてもらえない。
あまりに少数派で理解されないもの、
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理解してあげられるという傲慢さと理解なんてされるわけがないなんて考える諦観さの軋轢を書いたような作品。
自分でも自分のことを気持ち悪いと思う、望んでこんな形で生まれてきたわけではない。そんな登場人物たちの心情を読むごとに今ならこの人たちを理解してあげられると自分の中で傲慢さが増してくる、でも絶対に理解はできないのだろう。
ただ、どんな事情があれど、自分を理解してくれたり同じ境遇の人たちが近くにいてくれることで明日を生きる理由になっていく。
正解である唯一の拠り所が多数派であるということは本当に情けないが、そうだよな、、となった。
明日から何かできるわけでもないけど、そういう人達がいるということ -
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考えさせられ、非常に頭が痛くなった。
言葉にするのが難しいが備忘のため、書き記しておく。
個人的な話だが、他人と比較することで落ち込みやそれに対する向上心が生まれるなど、他者の影響によって感情の起伏があることが一つの悩みとしてありました。ですが、この本を読み、自分の良い解釈をすると、様々な性欲を持った方々がいることを知り、少し驚きを感じたと同時に、人としてだったり総合的に比較する必要はないんだなとも感じることができた。
これは自分の中で正欲がベースとして考えたものなので他者にこのような話をすること傷ついてしまういる人もいるかもしれないが、自分ではこのような整理をすることができた。
また、今