朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレこれをどんでん返しって言うんじゃないのかっていう。
一人称の小説を読んでいても、これが主人公の目線を通して描かれた物語だと意識する機会は少ない。
その見え方しかしていないのだから、主人公から見て悪役なら悪役だと思うし、主人公が正しいと思っているのなら正しいと、読者の目線も語り手と同一になっていく。
それが覆された時の気持ち良さがもの凄い。そこら辺のミステリーより余程どんでん返ししてる。
だって観察眼に自信を持つ主人公と同じ目線になって、読者も知らず知らずのうちに「ああそういう人間っているよね」って優越感に浸ってると思うのですよ。自分のことなんて微塵も考えずに。
ほぼ登場はしていないギンジのこ -
Posted by ブクログ
朝井リョウさんを知ったのはYouTube、お喋りが面白くて清潔感のあるカッコイイ人だなぁ、、、と思い、イケメン(顔だけじゃなくて醸し出す雰囲気を含めてイケメンとする)好きな私は早速調べる。
イン・ザ・メガチャーチが本屋大賞ノミネート中と知り、絶対面白いじゃん!買おう!となるも、その前にエッセイ読んだ方がいいよ〜とたくさんの書評を見て、本作の購入を決意しました。
やばい、面白い。
一章ごとに区切られていてとても読みやすいし、普通に声出して笑ってしまった。
こんなに売れっ子で素晴らしい先生なのに、私みたいな失敗もしているんだー!って身近に感じられたし、なによりトイレ事情。トイレ大事。トイレ大好き -
Posted by ブクログ
生産性と成長を過度に追い求める共同体への皮肉を、圧倒的な言語化で描ききった作品。ある意味で『イン・ザ・メガチャーチ』をも超える衝撃。
神なき世界では、共同体の多数派が神の代替となり、「なんとなくの空気」を生み出す。生産性と成長が正義とされるその空気の中で、そこに寄与できない者は浮かび上がることができない。そうした状況に置かれた主人公の心理が、○○○の視点でユーモラスに皮肉たっぷりに描かれている。
そんな中、同じくマイノリティの立場にいながら、主人公とは異なるスタンスを取る人物もいて…。「否定形の意思表示は結局誰にも伝わらない。やがてそうしたものに自分たちは乗っ取られる」とマイノリティサイド -
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ネタバレ食欲と睡眠欲と物欲は人を裏切らない(が、性欲は人を裏切る)。
異性に性欲を抱くことができないマイノリティが、明日死なないために繋がりを得るためにはどうすればよいか。マイノリティ同士で理解し合い、コミュニティを作るしかないのか。大也は、マジョリティから理解される必要はないと考えている。
わしも性癖の極北とか最終処分場とか言われる界隈に身を置いているし、お金を出してそういうコンテンツを買っているが、それは女性や裸体に向けた性欲と抱き合わせのものだ。だから「人間の身体そのものには一切欲情しない」という登場人物たちの気持ちは分からない。無理だと思う。あ、でもクリリンがフリーザに殺されるシーンには興 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公と自分がすごく似ているタイプの人間だ。人間失格を読み、これは私の事ではないかと錯覚した中学生の頃を思い出す。
主人公の立場で安全な所から物語を傍観していた我々が、ラスト30ページ、いきなり当事者となり追い詰められる。こんなに読んでいて苦しくなる小説は初めてかもしれない。
自身もTwitterの裏垢で愚痴を書き、不幸なフリをして承認欲求を満たしている。自分は他の人とは違う、かわいそうな人間。誰か認めてくれるはず。という感情には見覚えしかない。
ラストが変にハッピーエンドっぽくないのもリアルで良い。さすが直木賞。想像を上回る良い作品に出会えて幸せ。