朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ読む手が止まらないという言葉通り、先が気になって仕方がなくて一気読みしてしまった。衝撃が強い。同性愛者を扱ってこんな展開になるなんて、朝井さんの脳内はどうなっているんだ。
『正欲』の時から変わらず、朝井さんは大衆や多様性に敏感でかなり遠くから見ているなという印象。結構皮肉的に描きながらも批判文ではなくて、ただ風呂敷を広げてみせてそれを読んだこちらの思考を問うような終わり方だったと感じた。研究論文読んだ後のような感覚。
『正欲』の後本作を飛ばして『イン・ザ・メガチャーチ』を先に読んでいて、朝井さんの「二部作のような感覚」というコメントがずっと気になっていたのだが、「仕事でも家庭でも社会貢献活 -
Posted by ブクログ
「生殖し次世代を残さないヒトは生きている意味はあるのか」
「正欲」はもやっとしたけど「生殖記」は少し“しっくり”きた。お堅そうな装丁とは一変ストーリーテラーはまさに「生殖」の記という斬新さ、しかも語り口調はお調子者。それが付いてる本体は同性愛者で自ら異端である事を自認してうまくこの世で立ち回る術を探し続けている。生殖としてのお調子者でなくただ単に性格がお調子者な様子なので、お堅いとおもって手に取った人はあまりの斬新な設定に何か違うと思いそうな本である。でも大元は「生殖し次世代を残さないヒトは生きている意味はあるのか」というテーマで、それをわかりやすく書いてる。そもそもヒトはそこに生きてるという -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった…!!
初めは、いきなり主人公がSNSに色々載せる人に対しての批判から始まるから、「アァ…」って私にドンピシャで槍が刺さってたんだけど、途中から私も共感できるような批判を友人にしだして、「わかるわかる〜!!^^」って楽しく呼んでたのに、最後に主人公諸共、特大ブーメランで私の心をズタズタにされて終わった、、、
友人同士の会話とかの書き方がやっぱすごく面白いし、なにより一人一人の人間のキャラが本当にリアルに作られてて、いるいるって感じで脳内でドラマを再現しやすいのが本当に楽しい
(その分やなことがある度に私の心のダメージも大きいけど!)
「想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。 -
Posted by ブクログ
作者の爆笑エッセイを読み、ラジオを聞いて朝井リョウさん像があるにも関わらず、作品を読んでも作者は見当たらない。そこにはちゃんと登場人物がいる。
何よりも好きなのは、自分が主人公になったと錯覚するほどの心理描写文。その時々の気持ちによって、風景を見てどのように感じるのか全然違う「それ」を見事に書いて閉じ込めているようで好き。
短編小説だけど、登場人物同士に関係性があって、ある小説では「クール」な女性として描かれている子が、主人公になった小説では葛藤を抱いていたり…それぞれ世界をどのように見ているのかを経験できる作品で好き。
1番心に刺さったのは「もういちど生まれる」。
ストーリー性がいいのはも -
Posted by ブクログ
ネタバレありがとうございました。
最後の千紗の言動がすごいな。ずっと影を潜めてたけど、尚吾との距離が遠くなってて、それはそもそもの二人の距離のせえで、そして彼女はそこに問いと答えを持ってて。読んでてゾクゾクした。
それまでも特に195ページ以降、浅沼と尚吾、絋とMOVE社長、占部と尚吾、泉と尚吾と絋、鐘ヶ江監督と尚吾。これらの対立、対話が話そのものの本質、「状態と中身」であり「あるものをないものに、ないものがあるものに」だった。
尚吾と絋が映像作ってフィニッシュかと思いきや全然そうじゃない。むしろ最後の千紗の言動に打ち砕かれる。
最近同じように感じていたのが、AI。作詞作曲してもらって配信をして -
Posted by ブクログ
私は何者でも無いし、何者にもならない。
ただ世界の傍観者として、静かに生きていきたい。
生きていると、そんな「傷つかない場所」に辿り着くことがあると思う。
だけど、『何者』という小説は、そんな場所にようやく辿り着いて、息を潜めていた私の魂を、容赦なく引っ叩く作品だった。
私も「何者」かになりたいに決まっている。
でもその為に必要なもがきは、私の心を容赦なくずたずたにする。常人には到底耐えられない呪いがかけられている。
カッコ悪い自分を外に出しまくって、たくさん悪口を言われて、その分たくさん褒めてもらえることもあって、泣いたり笑ったり感情をたくさん外に出して、そんなこの世界の、冷静にな -
Posted by ブクログ
面白かった。でも感情と思考が追いついていない!
少しずつ読み進めていこうと思ってたのに先を知りたい気持ちが溢れ出まくってしまい、買ったその日に読み終わった。勢いのままページをめくりまくったので、じっくり味わうように読めてはなかったと思うけど、それでも感じるものがあった。現実では目を背けたくなるような思考回路を何もかも暴かれたし、自分に向けられた言葉のように思えてしまって、良いとか悪いとかではないよく分からない感情になっている。大学3年生の今、就活生という立場でこの本を読んだつもりだったけど、就活を抜きにしても見てられない自分に改めてご対面してしまった感じ。良いとか悪いとかではないんだが。会話