朝井リョウのレビュー一覧

  • スター

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    信念を貫いて自分のスタイルを崩さずにコツコツ積み上げる努力家と、世の中のやり方に沿ってアウトプットする手段をとりいち早く世に知らしめたいという世渡り派か。
    どちらが正しいなんてないし、自分の信じたやり方が世の正解と交わることなんて誰が決めるのか。
    比べられないものを比べ続けてたら、いつか本当に切り捨てちゃいけないものを捨ててしまいそうになる。
    クオリティ優先でなく、いかにバズらせられるかという現代の風潮が物語っているようであった。
    サブスクだとか限定だとか完全食だとか流行り物だとか、今だけ騙されていたいって思うこと、私も無意識に惹かれてることあるなって自覚しました。
    人間同士の摩擦によるズレの

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    2025年05月27日
  • 世界地図の下書き

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    自分が何不自由なく暮らし誰かの逃げ場を奪っていないか。

    自分が誰にも話せないことがあるように、周りの人も話せない悩みは少なからずあって、心の中では怯えている・助けを求めている・辛く逃げ場を求めている・求めることすらできなくなっている人が周りにいないか。

    いつも接する人の本当の思いに踏み込んだりはしないけど、少し想像力を持って接しないと、辛い思いをさせてしまうかもしれない。

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    2025年05月25日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    面白い本だった。面白いというのは、腹を抱えて笑ったという意味ではなく、興味深く考えさせられたという意味での面白さだった。
    表題作ではユッコと合理主義者な薫という二人の異なる価値観をもった女の子の過去から現在を描く。薫は子どもの頃から、自分の物差しでいらないと切り捨てたものは一切手をつけない。
    自分の体験の話だが、「おれは将来プロゲーマーになるから。家庭科、体育、音楽、美術、理科…とかは必要ないから受けない」と言っていた中学生を頭の片隅に思い出していた。中学校で習う全てのことは人としての土台になるもので、そこから徐々に自分の得意を見つけてそこを伸ばしたりするものではなかろうか。これはいらなかった

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    2025年05月24日
  • 武道館

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    ネタバレ

    アイドル好きには是非読んで欲しい。

    この世に正しい選択なんてない。
    正しかった選択として、選択した方を正解にするしかないという愛子の考えに深く共感した。

    アイドルをアイドルたらしめてるものって結局なんなんだろう。ほんとに異物な存在だなと感じ、同情した。

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    2025年05月21日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    価値観や考え方は人それぞれ、というのをこの物語を通して何度も痛感させられた。
    どんなに言葉を尽くしても分かり合えない。自分がいつだって正しいと思い込み、それを相手に言い聞かせようとする。
    たとえ親しい間柄でも、相容れない意見にぶつかり合うことだってある。
    相手は偏った考えを持っていて、だから自分の常識を教えてあげないといけない、そんな傲慢さを誰しもが持っている。
    自分の軸を持つのは大事だけど、正義にとらわれすぎない柔軟さも大事だと思った。

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    2025年05月20日
  • 何様(新潮文庫)

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    水曜日の南階段はきれい

    夕子さんの文章のところで泣いた。
    伏線回収が爽快超えて美しすぎる。
    静かだけど、自分を強く持ってる人に憧れる、、!
    返す言葉が一つ一つ刺さるし、その場で答えなくても全部の質問を覚えてるのもすごいと思う。

    夢を公言する主人公。
    自分の中で外からの力に負けないように持ち続ける夕子さん。
    二人とも素敵だった。

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    2025年05月17日
  • もういちど生まれる

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    19歳の少年少女たちの連作短編。何気ない会話のやりとりがとてもいい。片想いしている相手はまた別の相手に片想いしていたりして。迷ったり悩んだりしながら日々を一生懸命生きているそれぞれがきらきらしていて眩しい。

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    2025年05月17日
  • 武道館

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    武道館ライブを目指すアイドルグループNEXT YOU。前に読んだ同じくアイドルを題材にした綿矢りさの「夢を与える」のちょっと後味悪い終わり方になるのかと思いきや…朝井リョウらしい読後感にさわやかさ溢れる希望に満ちた終わり方だった。

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    2025年05月17日
  • スター

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    細かい。とにかく細かい。
    荒れ狂う時代の波によって変わってしまう価値観と質を根幹にドラマが構築され続けてて、若者からするとホントに良く、作者が議題を見定めていることが伝わる。生半可な観察眼ではない。
    一方で構成はシンプル。
    会話が多くてその中でひとつひとつ紐解かれていくイメージ。ただし扱いものがモノなので理解するのに時間を要するときがあるし、見解の域を出ないので共感できない時もある。
    でも説得力は抜群。

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    2025年05月15日
  • 世界地図の下書き

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    児童養護施設で暮らす4人の小学生と1人の高校生のお話
    ひと言では表せられないほどの理不尽を背負わされた子どもたちが、知恵を搾ったりおとなたちに抵抗したりして世の中を知っていく、知っていってしまう
    無邪気な子どもたちの描写に見え隠れする各々の苦悩が読んでいて涙を誘います
    読めて良かった

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    2025年05月07日
  • スター

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    「質か、量か」
    「伝統を守るのか、時代の流れに乗るのか」
    「ニーズに応えるのか、作り手が届けたいものを作るのか」

    ニーズが細分化する中で絶対的なスターはいなくなった。自分のスターは他人にとっては知らない人。そんな時代に葛藤する作り手の姿に心の奥の方が熱くなった。連休前に読めてよかった。

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    2025年05月06日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    朝井リョウさんの作品はめちゃくちゃ刺さってしまう場合があるから結構心に余裕がないと読めないイメージがあったが本著もまさにそれだった

    自分の価値観、思想を押し付けるのはよくないというのはあるあるな説教だけど結局それが大事なんだとは思う

    これから色々な発展や変化があり文化も移ろって行くと思うがそれをどのように対峙すべきかを考える機会になった
    特にAIが生成した作品をどう受け入れるかは難しく感じる
    自分の好きな曲とか小説がAIの生成物だったと分かったらなんか落ち込みそうだし嫌いになりそう
    生成されるまでの過程を加味しないのであればこんな事は発生しないと思っている
    ラーメンハゲの言っている「客は情

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    2025年05月01日
  • もういちど生まれる

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    大学生の自意識、悩み、青春、夢みたいなものがすごく瑞々しく描かれていた。みんながみんな、何かしらの悩んでいて葛藤してて、でも逃げずに向き合っているのが眩しかったしかっこよかった。私もこんなに直向きに生きてみたいと思った。

    短編集だけどそれぞれが関連し合っていて、読み進めていくうちに、こことここが繋がってたんだ!さっきの話ででできた人、こんな一面もあったんだ!という発見があったのが面白かった。

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    2025年04月29日
  • もういちど生まれる

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    連作短編集。朝井リョウはエッセイの方が好きで小説はそんなに追ってなかったのだけれど、昨日読んだ読書人のインタビューが良かったので『もういちど生まれる』を読む。ひとつめの「ひーちゃんは線香花火」で泣いてしまった。言葉選びが本当に繊細ですき。

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    2025年04月29日
  • スペードの3

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    僕の好きな朝井リョウが詰まっていた。
    とくに、情景を伝える時の例えが秀逸な点と人間の捻くれた部分の解像度の高さに魅力を感じた。
    文章を読むだけで朝井リョウさんの本だと分かるくらい色が出ていた。

    スペードの3の意味は理解出来たけど、ハートの2とダイヤのエースの意味もあるのか気になった。

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    2025年04月26日
  • チア男子!!

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    ネタバレ

    登場人物みんなを応援したくなる。
    そして、応援しているこちらも力をもらえた。

    自分のミスでチームの仲間を怪我させてしまうかもしれない危険があって特殊なスポーツだけれど、
    だからこそお互いの絆や信頼関係の上に成り立っていて、唯一無二の素敵な競技だなと知ることができた。
    特に後半は涙なしには読めなかった。

    名言好きの溝口が1番好き。
    ノートに毎回書いていたのは偉人の名言ではなく、溝口本人の名言だったのも良かったし、
    誰にも弱音を吐くことがなかったのもすごく健気で、これからはたまにはチームのメンバーに本音を吐き出してほしいなと思う。

    読後に、朝井リョウさんがこの作品を描くために取材したという、

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    2025年04月20日
  • ご本、出しときますね?

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    いやー、面白かった。
    オードリー若林と作家二人との鼎談のテレビ番組を書籍化したもの。
    出演者の内面が見られるけれども、それが静かで、ただただ真面目な雰囲気な物ではなく、明るく面白い。作家というイメージは真面目で物静かで取っつきづらいなんて思っている人も居るでしょうが、そんな人こそこれを読んでみて欲しいです。
    作家だって明るく面白い普通の人なんだと思えます。
    でも、やっぱり何かについて考えたり、それを表現する事はとてもすごいと思いました。
    そんな人が3人も集まってトークをするんだからそれはそれは面白い。
    色々と読みたい本が増えました。

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    2025年04月05日
  • チア男子!!

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    やーこれは大変ブッ刺さりましたね。
    とても好みな作品というか、朝井リョウらしいユーモアといいますか、朝井リョウのこのユーモアほんとにツボというか、僕が個人的に大事にしとることなんで、すごく好きでしたね。
    朝井リョウっぽいなーっ思いながら読みよったけど、これ朝井リョウの2作目やけきっと今の朝井リョウの原点となったような作品なんでしょうね。だから何て言うの、2作目にしてけっこうできあがっとるってことなんでしょうかね。
    なんか偉そうやな俺、ごめん。
    まあとにかくこの、みんなで何かを作り上げて、周りの人を笑顔にする系のことが私大好きなので、とても刺さりましたね。嵐になりたいってまだ思っとるけな俺。聞い

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    2025年03月31日
  • わたしの名店

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    どなたの書いたお店も料理も飲み物もエピソードもとても良かった。
    目の前にお店があって実際に飲んで食べているようでした。
    それにまつわるエピソードもとても良かったなぁ。
    実際にあるお店ばかりなのでいつか行ってみたいな。
    皆さん作家なのでとてもいい文章なのですが、朝井リョウさんのエッセイ力はさすがでした。

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    2025年03月24日
  • 何様(新潮文庫)

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    短編集でどの作品も、よかったが、何様が心に残った。100%誠実でなくとも、1%でも何かを大事にできていたら、それで誠実といえるのではないかということ、心に刺さった。

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    2025年03月24日