朝井リョウのレビュー一覧
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信念を貫いて自分のスタイルを崩さずにコツコツ積み上げる努力家と、世の中のやり方に沿ってアウトプットする手段をとりいち早く世に知らしめたいという世渡り派か。
どちらが正しいなんてないし、自分の信じたやり方が世の正解と交わることなんて誰が決めるのか。
比べられないものを比べ続けてたら、いつか本当に切り捨てちゃいけないものを捨ててしまいそうになる。
クオリティ優先でなく、いかにバズらせられるかという現代の風潮が物語っているようであった。
サブスクだとか限定だとか完全食だとか流行り物だとか、今だけ騙されていたいって思うこと、私も無意識に惹かれてることあるなって自覚しました。
人間同士の摩擦によるズレの -
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ネタバレ面白い本だった。面白いというのは、腹を抱えて笑ったという意味ではなく、興味深く考えさせられたという意味での面白さだった。
表題作ではユッコと合理主義者な薫という二人の異なる価値観をもった女の子の過去から現在を描く。薫は子どもの頃から、自分の物差しでいらないと切り捨てたものは一切手をつけない。
自分の体験の話だが、「おれは将来プロゲーマーになるから。家庭科、体育、音楽、美術、理科…とかは必要ないから受けない」と言っていた中学生を頭の片隅に思い出していた。中学校で習う全てのことは人としての土台になるもので、そこから徐々に自分の得意を見つけてそこを伸ばしたりするものではなかろうか。これはいらなかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ朝井リョウさんの作品はめちゃくちゃ刺さってしまう場合があるから結構心に余裕がないと読めないイメージがあったが本著もまさにそれだった
自分の価値観、思想を押し付けるのはよくないというのはあるあるな説教だけど結局それが大事なんだとは思う
これから色々な発展や変化があり文化も移ろって行くと思うがそれをどのように対峙すべきかを考える機会になった
特にAIが生成した作品をどう受け入れるかは難しく感じる
自分の好きな曲とか小説がAIの生成物だったと分かったらなんか落ち込みそうだし嫌いになりそう
生成されるまでの過程を加味しないのであればこんな事は発生しないと思っている
ラーメンハゲの言っている「客は情 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物みんなを応援したくなる。
そして、応援しているこちらも力をもらえた。
自分のミスでチームの仲間を怪我させてしまうかもしれない危険があって特殊なスポーツだけれど、
だからこそお互いの絆や信頼関係の上に成り立っていて、唯一無二の素敵な競技だなと知ることができた。
特に後半は涙なしには読めなかった。
名言好きの溝口が1番好き。
ノートに毎回書いていたのは偉人の名言ではなく、溝口本人の名言だったのも良かったし、
誰にも弱音を吐くことがなかったのもすごく健気で、これからはたまにはチームのメンバーに本音を吐き出してほしいなと思う。
読後に、朝井リョウさんがこの作品を描くために取材したという、 -
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やーこれは大変ブッ刺さりましたね。
とても好みな作品というか、朝井リョウらしいユーモアといいますか、朝井リョウのこのユーモアほんとにツボというか、僕が個人的に大事にしとることなんで、すごく好きでしたね。
朝井リョウっぽいなーっ思いながら読みよったけど、これ朝井リョウの2作目やけきっと今の朝井リョウの原点となったような作品なんでしょうね。だから何て言うの、2作目にしてけっこうできあがっとるってことなんでしょうかね。
なんか偉そうやな俺、ごめん。
まあとにかくこの、みんなで何かを作り上げて、周りの人を笑顔にする系のことが私大好きなので、とても刺さりましたね。嵐になりたいってまだ思っとるけな俺。聞い -