朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SNSよりもリアルの方が繋がれるはず、
AIが作る作品は心がない、、
そんな、世の中に溢れる一般論や、自分の中にある一般論をバッサリと切られるような感覚を覚えた作品だった。
ラストの畳み掛けとこの後味は、まさに朝井リョウ。笑
リアルの繋がりが、すべて本当とは限らないし、案外表面的にしか関わりのない人の方が、さらけだせる気持ちだってある。
便利さが、人とのつながりを希薄にすることもあるけど、その便利さは、誰かが誰かを思う故に生み出されたものだったりする。そして、そこから生まれるつながりもまた、存在する。
結局のところ、根底にある、人が人を思う気持ちは変わらないのかもしれない。
表面的な世界も、人工的に作られた世界も、すべては誰かが誰かを思うからこそ、存在するものだから。
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Posted by ブクログ
思いがけずすごい好きな作品に出会ってしまった。
6人兄弟がそれぞれいいキャラで、それもこれもお父さんを失ってしまって、それぞれが乗り切るために色んなことを諦めたり悩んだりして今に至っていると伝わる描写が多かった。
真歩の話が好きだった。
お父さんとの思い出がたくさんある上の兄弟達も、それぞれ葛藤や寂しさがあると思うが、その中でもあまりに思い出が少ない真歩は真歩なりに、みんなの寂しさも感じ取ってしまうんだなと思った。
いつもの朝井リョウ先生の作品と少しテイストが違かったが、安直に「それから」が書かれてないところが、心の中でみんなの幸せを祈れるから好きだなと思った。 -
Posted by ブクログ
小説のあらすじに「読む前の自分には戻れない」とあったけど、本当にそうで、価値観変わるほどの衝撃を受けた。
この世に生きる全ての人に読んでほしい。
人間誰しも生きていくうえで持ち合わせている「欲」の話。
多様性を受け入れようなんて言っている時点で、あなたは正しいほうの人間なんでしょうね、おめでたい人間ですね、あくまでも理解する側の人間なんでしょうね、といわれてるようで、そんな自分の考えの浅はかさにやるせない気持ちになった。
簡単に、共感できるとか、そういう気持ちも分かるよ、なんて言えなくなる。
ただ、佳道と夏月の会話で一番印象に残っているシーン
「その人、ひとりでいないといいね」
「誰も、ひとりでいないといいよ」
このことを、ただただ祈って生きていくしかないと思った。 -
ネタバレ 購入済み
色々な意味で刺さった
INFP気質があり、学生で、現在進行形でオタク仲間とオタ活に励んでいる自分には深く深く刺さりました。途中の描写は少し、いやかなりダメージを負いながら読みました。でも、その痛みも含めておもしろかった。
印象に残っているのは、久保田さんと道哉がカフェで会話しているシーン。道哉の台詞がつらつらと続く中で、「つまり何が言いたいの?」と思いながら読んでいたら、まさに同じようなことを久保田さんが漏らしていてびっくり。この時の道哉のような台詞って意図的に書けるものなんだ、と唸りました。朝井リョウさんの文章力に脱帽です。 -
Posted by ブクログ
再読。朝井リョウの本の中で1番好きかもしれない。表題作は、薫子の気持ちも、薫の気持ちも双方理解できることが多く、最後の言い合いのシーンはどちらの言葉にも共感した。渡辺くんとの出来事を回想し、「10分間の休憩も、ホットミルクも、あのときの私にはいらなかった。だけど、だからといって、いらないと切り捨てることをしないだけの想像力が、相手が大切にしているものを自分の中の正しさで排除しないだけの想像力が、今の私には身についている。」というフレーズがとても良かったし、こういった想像力は自分にも欠けている部分があるなと感じた。ずっと大切にしたい言葉。
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Posted by ブクログ
とにかくはちゃめちゃに良コスパな文芸雑誌第二弾。今号はテーマを「悪」と定め、悪にまつわる様々な物語が読める。
収録作品の中の上村裕香著「全身政治家」がめちゃくちゃ人を喰った話で面白かった。
とにかく顔がいい若きシゴでき市長から直々に生い立ちについてのインタビュー記事の依頼を受けた主人公。しかし話を掘り下げていくと奇妙な齟齬に気づく。勇気を出して本人に伝えると…。とにかくこの市長のキャラがいい。ビジュ良すぎる顔でシリアスに暗い生い立ちを語ってからのこのオチはもはやコント。しかしこれによって主人公が自分自身の過去と対峙する展開はちょっと感動してしまう。
こういう話大好き。