朝井リョウのレビュー一覧
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色々と考えさせられる本だった 。
最後にかけて話が1つになっていく感じが面白かった !!
この小説読み終わった直後は心に重りがついた感覚( •︠ˍ•︡ )
気づきが沢山あった。
この本を読んで
生まれながらに持ったそれぞれの〝正〟があるんだなって、自分は多数派なんだなって、でもそうじゃない少数派の人達のことを一概にも否定しちゃダメだなって勉強になった。(人に迷惑をかけるようなことじゃなければ)
最近は恋愛対象が異性じゃなくても受け入れられる世の中になってきたな〜って感じてたけど、
この本に出てきた本当の少数派の人たちからしてみれば〝多様性〟って本当に都合良い言葉だよなって感じた。
正解がないか -
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各登場人物の視点での物語進行のなかで、時々現れる海族山族という物語が不穏さを感じさせる。それもそのはず、この作品は「螺旋プロジェクト」という海族山族の対立の物語を8人の作家が描いた競作であり、この朝井リョウさんは対立という構図が表面上は消失した平成という時代を表現している。
学校では成績を提示したり、運動会での順位付けが行なわれなくなったゆとり教育が主流となり、テレビではSMAPが「ナンバーワンよりオンリーワン」と唄っていた時代、そのような競争や対立が失われていく状況を憂う一人の主人公として堀北雄介が登場する。彼はスポーツ万能で成績も良くクラスの人気者であったが、やりがい・生きがいを求めるこ -
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ネタバレ巻末のつんくの感想は、やはりプロデューサー視点だなという感じで、実際に作ってきた人の書評だった。
読み始めは、幼馴染と最後武道館で剣道かアイドルのコンサートどちらが行われるか、みたいな話しの流れになるかと思いきや、異なる終わり方だった。
印刷の発注の下請け会社の人の話しとか、ちょっとなんでこれ話しに入れたのか、振り返ってもあんまりわかってない。
アイドル同士がグループ内でたこ焼きパーティするような仲って、実際にあり得るのかなという疑問は読み進めながらあった。
背負わされすぎる足枷の多さに対して、夢を売る仕事だから。というのは、やはり酷なことに感じられる。一挙手一投足見られて、そこまでス -
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第22回小説すばる新人賞
どうやら映画とは展開が全然違うよう。
小説は結末らしい結末がなく、閉鎖的な学校生活の日常を描いていて、学校生活がまるで人生の全てのような時があったなと思いだされた。
誰もが経験するスクールカーストがリアルに描かれている鋭い作品。
だけど大人になった今はルックスや運動神経で決まるスクールカーストなんて関係なく、全く違う視点から評価されていくのを知っている。
だからこそあの特殊な時期を描くことに意味があるのだと思うし、これからの子どもたちには無事に乗り越えて欲しいと思う。
映画の主題歌、高橋優の「陽はまたのぼる」が大好きで、この小説を読むと聴きたくなった。 -
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audibleにて。朝井さんの著書は何冊か読んだことがあるが、本質を捉えた鋭い表現で現代の人間を描くと思う。ブッ刺さる表現が毎度心地よくて癖になる。
本書は朝井さんの日常の失敗談、恥ずかしい話など等身大の姿を見れるエッセー集。面白い、本当に面白い。どの話も情景が浮かんで引き込まれるし、自虐ネタが盛りだくさんでニヤニヤしながら聞き入った。自身も経験したことがあるような、あるあるな状況が多く、すごく共感できる。それをユーモアある表現で、笑い話としても昇華できるところは素敵だなと思えた。
audibleでは特に声優の渡辺 紘さんのナレーションによって臨場感がさらに増し漫談を聞いているような気分で楽し -
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生きていれば自分ではどうにもできないことに陥ることがある。それは、はずれくじのように起こることも少なくないからやるせないし、辛くて救いようがない。自分では間違っているとわかっていても、簡単には抗えない大きな存在に従い、飲まざるを得ないことまである。
この短編の物語のような状況のみならず、もっと様々な八方塞がりなケースが存在していて、それには誰もが陥る可能性があるが、人によって本当にあらゆる受け止め方があるのだろう。ただ、人が苦しさをあまり感じずに生きていくには、呼吸をするように素直に本音を吐き出すことができるような存在がそばにいてくれることが必要なのではないだろうか。それを見つけられない私