朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
朝井リョウさんが「誰にも知られたくないことを書く」と言われていたことを思い出す。
「拓人の陰湿さ」と「光太郎の明るさ」が対照的だった。
拓人が就活上手くいかない原因は、思考が運命になっているのかな。
拓人のツイートに「わかる〜」と思ってしまう私も思考に気をつけよう。
朝井リョウさんの内側にも「拓人の陰湿さ」が潜んでいるのかもね。誰にも知られたくない内側。
いや、作家だから、無いものもいくらでも創作できるかも?
朝井リョウさんの小説を読めば読むほど、朝井リョウさんという人物に魅力を感じる。
引用
マザーテレサの名言
思考に気をつけなさい。思考は言葉になるから。
言葉に気をつ -
Posted by ブクログ
朝井リョウ氏と自身の肛門との戦いの記録…。
と、言えなくもないエッセイ三部作の第二作。
日常に埋もれそうなことを、しっかり描く筆力に圧倒される。朝井氏が解像度高く日々を観ているからこそ描くことのできる世界なのだろう。
肛門が…、眼科医が…など、繊細な描写で絶妙なツボをついてくる文章の中に、サラリ入ってくる。活字に関わるプロとしての、言葉
「本は、言葉とともに、視点を与えてくれる。世界を見つめる視点を増やすことは、今あなたを苦しめている相手を倒す武器にはならないかもしれない。だけど、あなたの心がある一点からの圧力によって押し潰されそうになったとき、目には見えない盾を構築する要素にはなってく -
Posted by ブクログ
アイドルが人気を博しているのは数十年もの間変わらない事実であるが、その周りを取り巻く環境は大きく変わっているんだなと改めて実感させられました。
愛子がイメトレと称して夜な夜な他のアイドルのライブ映像を見るときに、当たり前のように夜中まで観てしまえるくらい、何が好きなのか分からなくなってしまうくらい溢れている無料のエンタメ、音楽を聴くのにもわざわざお金を出してCDを買わずとも、スマホさえあればお金を払わずに簡単に聴きたい音楽にアクセスできてしまう。
スキャンダルだって、昔は週刊誌記者が追える範囲でのみだったのが、仲間だと思っていた人や、見ず知らずの他人から向けられるカメラや発せられる情報でい -
Posted by ブクログ
父を亡くした6人兄弟のそれぞれの視点から語られる物語。
優しく、でもつよがりな母と愛情深い父。
兄弟それぞれの学校でのエピソードなどは高校生の自分にはすごく想像できるし、共感できることが多かった。
長女の琴美には1番感情移入できた。
琴美に対して父が囁いた、琴美が生まれてきた日のことは忘れない、琴美が私たちを家族にしてくれた。という言葉を見た時、私も長女だからそう思ってもらえたのかなって思った。文章でこんなにも泣きそうになるなんて思わなかった。いないはずの父の声が記されていて、その言葉ひとつひとつが温かくて、優しかった。
著者が書いた年と同い年だったこともあってリアルを感じた。