朝井リョウのレビュー一覧
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「おれこの本読んで就活頑張ったんだよね」
8年ぶりに会った高校の友人は大手銀行に勤めていて、若いうちから全身脱毛やらICLやらをしていたり、良いところに住み、毎年旅行に行ったりとかなり充実しているようだった。
一方自分の就活はというと、まさに迷子になって間違ったトンネルに入り、挙句の果て間違った出口に出てしまったため、新卒の会社は1年で辞めてしまった。
当時この本で出会えていたら変わっていたのかなぁと発行年月を見たら、自分が就活を始めた月に出版されていた。
所詮、当時の自分はそういったところにアンテナをはれるほど視野も広くなければ感性も豊かではなかったのだ。
おそらく出会っていたとし -
Posted by ブクログ
転職して、仕事に慣れなくて、家族ともうまくいってなくて。
そんな今の自分が読むべき本だったと思う。
人からの評価が得られないフィールドに移り、自分自身の価値は何なのか、そもそも自分のやりたいことって何かとか、そんなもんあったのかなとか、自分にできることと、生きてくこと(稼ぐとか、最低限の人とのつながりと)のバランスに目を背けたり。そういう今の自分の危うさと物語の人物たちを重ね合わせて読んだ。
物語のなかの登場人物たちは答えは提示してくれず。いやそもそも、人から与えられた答えに納得できる性質なら今の危うさに至ってないし、答えは与えられるものじゃないのはわかってる。これからも情けない自分と向き -
Posted by ブクログ
ネタバレヒトが生きる世の中の風潮(拡大や成長を無意識に促す文化、人はそれぞれも多様性を謳う文化)について、同性愛者という孤独を感じながら生きる主人公とそこに潜む生殖体を通じて、生きることは何なのか。語っている斬新な小説だった。
本来であれば恐らく重い内容な気がする。世の中の拡大や成長に馴染めず、自分から受け入れられないものだと感じて秘密を抱えたり感情に蓋をしたりしながら生きていくことの重さ。それを日常起こり得ているシーンから第三者目線で考えさせられるものがあった。
ただ、その内容を生殖体が第三者として面白おかしく解説したり突っ込んだりしながらストーリー展開していくのが、小説の流れに明るさとポップさが加 -
Posted by ブクログ
自分が持っていないもの。誰かが持っているもの。
他人が持っていない何かを持っていると、優越感を覚えるし、自分が持っていないものを誰かが持っていると羨望や嫉妬を覚える。
「モテる」「モテない」の対立構造の中でわたしたちは「モテる」側に立とうと、意識の中で自分を正当化したり他者を貶めたりしてしまう。
社会の中で自己を位置付けるのは生存に不可欠だからこそ、わたしたちは他者よりも優位に立とうとする。
でも、ほんの一側面しか知らない他人と、(自身ですら理解できているとか限らない)自分の比較なんて、本当に意味に乏しい思考なんだろうなあ。
わたしたちは自分のためにしか生きることができない。
だから自分 -
Posted by ブクログ
・今刊行されているエッセイのシリーズが次で終わりか…と残念になるくらい、面白い(笑える)。
・「肛門記」はこのシリーズの集大成の様な品格を感じた(読んでいる今の時点で)
・しかしこんなに大(便)で苦労している人だと思わなかった。マジでシレッとしてんな、って感じ。
・でも、自分も、その傾向があっただけにその苦労はわかる(今は年齢のせいか、ちょっと落ち着いています)。
・本人の気持ちを考えると簡単にまとめるのはちょっと気がひけるけど、大(便)の苦労はまだ平和だな、と感じた。
・読んでいる自分が今殺伐とした気持ちなだけに、そのコミカルな悩みにホッとする。(そして笑う)。 -
Posted by ブクログ
朝井リョウらしさ全開の短編集であった。
ユーモアもありつつ社会問題にメスを入れるような鋭さも持ち合わせていた。
世にも奇妙なということで非日常な出来事が起こるのかと思っていたがそんなことはなかった。
それでもどんでん返しや伏線回収が満載で面白かった。
「シェアハウスさない」ではシェアハウスに住む4人の衝撃の共通点が明らかに。
伏線回収もどんでん返しもかねた秀逸なラスト1行に感嘆。
良治に対する浩子の無神経な感じは少し癪なようにも感じた。
"さない"の意味が気になるところ。
「リア充裁判」では知子のお姉ちゃんが国の定めるコミュニケーション能力に似合わないために理不尽な課題