朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ朝井リョウさんの本を読むのは初めてでした。
就職活動を通して、現実とSNS、建前と本心そういう人間の黒い部分が見えてくる物語。
心当たりがたくさんあって苦しかった。帯で書いていた通り、ラスト30ページ物語が襲いかかってきてすごい刺された気がする。
私の中の見られたくない部分をどんどん暴かれている気がした。
就活が終わってから読んで本当に良かったと思う。
就活をやる前だと、この微妙な空気感はわかんないし、やってる途中だと読みながら病むと思う。
就活終わってすぐだからこそこの序盤の空気感が共感でしかない。
最後の方で、時系列、時間軸がよくわかんなくなっていたけど、全員が5年生ってところで鳥 -
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ようやく読むことができました。
朝井氏が『何者』で直木賞受賞後、第一作目となるこちらの本『世界地図の下書き』は、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことになった子ども達を描いた作品です。
すごく読むのに勇気が要りました。
だって、様々な事情を抱えて親と離れて暮らす子ども達を直視できるのか不安で……。
やはり途中で何度も読むのをやめました。
そして、辛くなっては朝井氏の『風と共にゆとりぬ』を読み、正気を保たせました。(推奨)
どうしてそこまでしてこの本を読もうと思ったのかと言いますと、知り合いの子が児童養護施設に一時保護されたからです。
朝井さんならきっと子どもの気持 -
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とても面白かったが、とても難しい作品だ。
まず自分がこっち側(まとも、多数派だと思っている側)にいる(いようとしている)ことを思い知らされる。飲み会の席で自分に起こったプライベートな出来事を披露するのは、「大丈夫だよね?この程度は普通でみんなもやっていることだよね?俺って異分子じゃないよね?」という確認作業だというのも納得だ。人によっては眉をひそめるかもしれないような内容も、みんなが笑って「マジか~!」なんて言われると許容範囲なんだなと安心しているのだ。本作はそういう披露を出来ないような深い闇(性癖)を抱えている人の苦しみを描いた作品だ。
それにしても、と思う。世の中には既にAVをはじめとす -
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ネタバレメモを残しながら読みたくなる本だった。朝井リョウさんの作品は『正欲』に続けての2作目。語り手の立場設定が斬新というか、予想とかの範疇を超えていて、本当にいい意味で頭おかしい人だと思いつつ読んだ。前半はメモしつつ、後半はメモに疲れて、のんびり読めたと思う。尚成は最後まで周りにはカミングアウトしないし、周りも踏み込まない。その設定がハッピーエンドではないリアルな現実なんだと思った。しっくりくる目標ができたという視点で言えば、尚成にとっては1番のハッピーエンドなのかもしれない。
『割とすぐ、生まれた意味とか生きる理由とか自分の価値とか、そういう暇ゆえに生まれる余計なことを考え始めたりしますよね。』 -
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タイトルは「性欲」ではなく、「正しい欲」と書いて『正欲』。この言葉の置き方が、もうすでに怖いなと思いました。
人間には、理性では簡単に抑えられない欲があります。リビドーと呼ばれるような、根源的なうずきのようなもの。けれど一方で、社会には「こうあるべき」「こういう欲なら理解できる」「こういう多様性なら受け入れられる」という、正しさの枠があります。
この小説は、その枠の外側にある欲を描いている作品でした。
物語は、複数の登場人物の視点を行き来しながら進んでいきます。それぞれが、自分の中にある欲や違和感、孤独、諦めを抱えています。読んでいて、自分とはまったく違う人たちの話のようにも思えるのに、 -
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朝井リョウってみんながちょっと思ったことあるような、でも人に知られたくないような図星を書くのが上手いよね。
もうすぐ就活が本格的に始まりそうだから読んでみたけど、本当にその通りすぎて頭が上がらない。
ESとかって建前を並べてるだけでその人の個性なんて伝わらないし、ましてや文字制限があればありきたりな表現で終わっちゃう。
特に印象的だったのは、みづきさんの「自分1人で人生の線路を見つめなきゃいけない」ってセリフ。
せっかく頑張ってES書いたのに通らなくて、頑張ってるのになんでって思うけど、そんな過程は相手にとったらどうでもいいもんね。
まず自分を表現するってまじで難しいし。
初対面の人の印象に -
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伏線回収も多くて、また最初から読み直したいと感じられた。
読後がすっきりしない。内容がよくわからない、というよりは、それぞれの登場人物の生き方や考え方に共感できるところが多くて、自分の軸が定まらなくて、すっきりしない。
その点で、現代に生きる私たちの価値観がよく描かれているように感じた。
私は智也の生き方に近いと思っていて、生きがいとなる軸がずっとあったが、育った環境が違えば雄介のようになったとも思うし、同じ環境だったとしても誰かを傷つける側に回った可能性もあったなと感じていた。だから、雄介や智也が自分の人生を振り返る過程で、共感してしまう点が多かった。
ナンバーワンよりオンリーワンの思想にな -
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同性愛者の主人公、尚成の生殖器が語り手というのがものすごく斬新。
でも斬新なだけじゃなくて、同性愛者、異性愛者に関わらず全ての人に向けて生き方を問いかけてくるような作品。
文中に度々出てくる、社会の「拡大、発展、成長」…私も興味ないな〜。
できるだけ楽な仕事をこなして、お給料だけ貰えていれば全然満足なんだよなあ。
尚成のように自分なりに「しっくり」くる生き方を、一度突き詰めて考えてみようかな。
異性愛者主体の社会の中で生きるための「次」を模索する尚成も、それが当たり前であるかのように社会に貢献するのに積極的な樹や大輔も、社会を変えるために行動を起こす颯も、ただぼんやり生きているだけの私から -
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初めての朝井リョウは、「イン・ザ・メガチャーチ」だった。
そして「スペードの3」を読み、今回やっとデビュー作である。
タイトルにある桐島くんは、一切登場しない。
「桐島くんが部活をやめる」という一つの事象が、同級生たちの「高校生活」という小さな世界を揺れ動かす。
桐島くんがどんな人なのか、それは各章の主人公や登場人物たちの目を通してしかわからない。
そして、どうして桐島くんが部活をやめてしまつまたのか、本当のことは誰にもわからない。
そして、高校という彼らにとっての世界では、上とか下とか、目立つとかダサいとか、そういうのが全ての基準であり、法律だ。
その感覚が、かつて高校生だった私にももちろん -
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なぜ、朝井リョウはここまで鮮やかに人間模様と心理をチョキチョキと切り取ることができるのか。
どの話も心がちくちく突かれるのだが、最後の短編「籤」が、自分の今の状況と合っていて、やられた。
「人間は、男はこんなにも醜くてどうしようもないんだって曝け出してる風でいて、どこかで、だから仕方ないよね許してね、ここまで曝け出したっていう勇気のほうを評価してねって開き直ってる感じが嫌なんですよ、私」p.293
みのりは思う。
何でも洗いざらい吐露すること、人間が抱く醜さを抉り出すことが"誤魔化しのなさ”、”嘘のなさ”、快感を生むほどの"正直さ”だなんて褒めそやされるのは、暗転