朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレこんなに笑ったエッセイは初めて。今年は朝井リョウの年になるかもしれない。
文章が軽快。そして自虐的だが自信家、楽天的でド根性。そんな感じ。人間味あふれる感じがよかった。エッセイを読むと、なぜか自分と比べてしまい、この人はすごいな、私はそれに比べて…と思ってしまったことがこれまでに何度かあるが、この本はいい意味で全然そんなことにはならなかった。もちろん、行動力など私には到底及ばないと思わされるのだが、この人は偉ぶっていないというか、私と同じようにほかの人からの視線を気にしていて、その中で一生懸命生きているというのを上手に言語化して書いてくれているから、ついつい親しみをもって読んでしまう。
楽し -
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雄介のイタいかんじ、めちゃめちゃ伝わってきた。友達にいたら引いちゃうと思うけど、じゃなんでコロコロ生きがいを変えちゃダメなのかはわからない。
でも、人から感じる胡散臭さとか信用できない感じって、雄介みたいに自分の見栄とか理想を優先して追求しまくって、周りの人を自分を輝かせる照明的な存在としてしか見れてない人から醸し出されるものなのかなって思った。
自分が何をしたいか、どうなりたいのか、何が好きか、みたいに自分の考えを感じられるようにならないと生きがい地獄からは逃れられないような気がする。人を勝手にランクづけして、負けた勝ったを無意識に判断するの心当たりありすぎてキツかった。今もやっちゃってるか -
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ネタバレ同性愛者は社会的にどういう立場にいて、なぜそのようになっているのかということを共同体の価値観という視点から考えさせられる。即ち神に依らない場合の善悪の判断は結局共同体の価値観によって決まるということ。例えばSDGsとは人間が共同体として今後100年程度の生活を維持するためのものであり、まさに共同体としての価値観に基づいている。
資本主義の共同体での金銭調達能力は人間社会における生殖活動と同様に共同体の拡大を目指すもので、その能力に欠ける個人は共同体から排除されうることは一般的によく理解できる。端的には仕事ができなければ職がなくなるということである。それに比べて家族や学校といった共同体の目的は -
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特殊性癖である夏月にさえ想像できないような人がそこには沢山いる。
夏月は思う。
多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。時に吐き気を催し、時に目を願りたくなるほど、自分にとって都合の悪いものがすぐ傍で呼吸していることを思い知らされる言葉のはずだ。
「今日の治療を見学して、盛り上がる気持ちはわかる。これまでの自分の視野の狭さを搬するために、今まで蔑ろにしてきたものに過剰に寄り添ってみたくなる気持ちもわかる」
性愛とは性を愛することでもあるけど、同時に性を通じて誰かを愛することでもある。同じように、私たちは「正しさ」を愛すると同時に、「正し -
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かなり面白いから、とすすめられて読んでみたら、『何者』で人の心をえぐり倒していった朝井リョウがこんなにユーモラスな人だったとは。
繰り出される自虐エピソードが面白くて正直で、調子にのってしまう朝井さんの心の声と対象的なその場の空気を想像すると震える。笑
余計な一言を言っちゃったりテンションが上がって周りが見えてなかったと反省したり、誰でも覚えはあると思う。 ネガティブ思考だけど行動力と好奇心は旺盛でサービス精神の塊、というアンバランスさも魅力的だし、見習いたい。
渾身の『肛門記』はとても参考に(?)なった。
(写真とセルフ座薬の場面がとてもお気に入り) -
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今まで見たことない視点からの小説だったから、新鮮で面白かった。
ただ、所々で専門書を読んでいる気持ちになった。
興味はあるのだけど、難しい言葉が羅列されすぎていて読むのに疲れてくる感覚。
文字を追っているだけの時間も、まぁまぁあった。
敢えてそういうふうな作りにしている気もしたし、この作りにすることで物語を通して伝えたい意図みたいなのが何となく分かる気もする。
最後まで救われないなぁと思ったけど、救われる救われないの話でもないんだろうなぁという感じ。
読みながら自分の考えと照らし合わせてもみたけど、何か1つの明確な方向が決まることはない気がした。
終盤に近付くにつれ若干主人公の気味の悪さみたい