朝井リョウのレビュー一覧

  • 少女は卒業しない

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    二人は一直線上にいるのではない。二度と交わることのない平行線上にいる。進学、就職、浪人、卒業とともに否が応でも各々の道に進まなければならない高校生たちの全七篇。いつか終わりが来るからこそ、青春時代の思い出は儚く尊いものなのかも知れません。

    僕自身、前期試験に不合格、卒業式の晴れやかな気持ちのまま4月を迎えることは出来ませんでした。ですが、残された数人の仲間と過ごした後期試験までの僅かな日々、静まり返った校舎で黙々とペンを走らせて感じた悔しさと緊張、歓喜は十年近く経った今では良い思い出です。

    本作品の登場人物たちほど物語性のある学生生活を送れた訳ではありませんが、過ぎ行く時間の中で様々な感情

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    2025年12月09日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    ネタバレ

    前田涼也と宮部実果が印象に残った。前田涼也のクラスカーストを感じて劣等感を覚えたり自分の惨めさを見ないふりする様子に共感しました。宮部実果は家庭環境が17歳少女が背負うにはあまりに辛い状況で、後半泣けました。どの子も周りの目を気にしたり、自分の立ち位置を考えて行動したり、我慢したり何かにイライラしたり。この時期特有のクラスや授業・部活の空気感が伝わってきて懐かしくもあり、自分を思い出して気恥ずかしくなりました。また何もない自分を感じながら受験勉強することやその不安、目標に向かう周りの人達を羨ましく思う気持ちなども思い出しました。

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    2025年12月08日
  • 何者

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    就活において自分の何をアピールするのか、企業選びに何を重視するのかが登場人物それぞれ異なっており、これまで経験したこと、育ってきた価値観がこんなにも色濃く反映されるのかと感じた。
    最後の理香と拓人のやり取りには、ひりひりするものがありぐっと惹きつけられた。と、読者という第三者の視点で読み進めていたら、理香の言葉に、「あなたは何者なのか?私たちを評価できるほど高尚な人間なのか?」といきなり銃口を向けられたような感覚に陥った。
    何者にもなれない、なれないからこそ、かっこ悪い自分のままできることをひたすらやるしかない。人に馬鹿にされたとしても、馬鹿にした人よりも確実に頑張っている自分であると胸を張れ

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    2025年12月08日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    生きる意味とは何か。そもそも生きる意味なんてないんだからナンバーワンになろうとせず、オンリーワンで自分なりの生き方や幸せを見つければいい。
    でも、オンリーワンな生き方も結局、今の社会でどう生きるかという制限のなかの自由な生き方でしかない。つまり、どこまでいっても他人と比較されたり、相対的にこの人の生き方はよい、この人はよくないといった価値観のある社会で生きている。その価値観は資本主義社会、多数派が異性愛個体であること、教育現場のシステムなど、当たり前になっている今の社会の構造によって作られていると思う。

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    2025年12月10日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    大好きな映画の原作として。
    面白かった。
    ちょっと自分には乗りにくいと思える文章もあったけど。
    映画は組立を結構変えてるんだ。
    スクールカーストの描き方が秀逸。
    ジョゼ、蒼井優、上野樹里といった固有名詞に意外に時代が近い。

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    2025年12月08日
  • ままならないから私とあなた

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    子供が生まれることを想像して、「分からないものが怖い」という感覚を味わった主人公のその後の行動が面白かった。

    ITとかで便利になった時間を何に使うかはその人次第だし、ITで時間が増えても結局その時間は別のことに使うので、それが有意義かわからないが。
    ただ、時代は変化するし、いまの時代での 無駄で有意義な時間 というものがあるのであろう。

    まだ理解できない部分、腑に落ちない部分があったが、一旦このまま保留にして、自分がこの先の人生でこの小説を思い出す日を待つことにしよう。

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    2025年12月07日
  • 世界地図の下書き

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    この本に登場する子達は、様々な困難を抱えている。両親が亡くなって引き取られた先から虐待された過去があったり、退所して大学進学する希望が大人の事情で破れたり。子ども時代から順風満帆ではない、挫折がある人生だけど、彼らが彼ら自身と一緒に暮らす子ども達を否定することはない。その姿そのものが希望だと思ったし「失敗してもやり直せば良いし、困難から逃げても良い」と言うメッセージが優しく寄り添っていて素敵だと思った。

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    2025年12月07日
  • 時をかけるゆとり

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    著者のエッセイは初めて読みましたが、面白かった!
    ユニークなエッセイは数あれど、朝井先生もまた文章の押し引きの妙といいますか、読み手へのくすぐり感が天才的でした。
    なんといいますか、遠い学生時代の記憶も甦ってきたりして、自分も時をかけちゃいました。

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    2025年12月07日
  • どうしても生きてる

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    健やかな理論

    別に死にたいわけじゃない。でも「もういっか」って思うことはある。そんなとき、手軽に死ねるツールがすぐ側にあれば、自殺も不思議じゃない。



    七分二十四秒めへ

    音楽を聴いていても映画を見ていても、何をしていても現実が迫ってくる。もう希望も何もないのなら、一時でもいいから現実から目を背けたい。だから中身のないくだらない動画を、今日も見るのだ。そのときだけは、救われるから。





    流転

    「好きなように生きる」ことと「嫌なことから逃げる」ことは違う。投げ出して逃げ出してばかりの人生では、どうしたって自分自身に対しての後ろめたさが付きまとう。


    遠い自分のために、時には信念を

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    2025年12月07日
  • 時をかけるゆとり

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    とても面白いです。
    15年くらい前の話で、ゆとり世代ももうそろそろ中年です。同世代の方が読むと特に面白いのではないかと思います。

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    2025年12月06日
  • 世界地図の下書き

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    ピュアっピュア!子供の、言語化できないもどかしさ、非力さを久々に思い出した感覚。なのに思いは真っ直ぐど直球だから、余計にもどかしい。

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    2025年12月06日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    久しぶりに朝井リョウさんの小説を読んだ
    「やっぱり好きだな」と感じた
    文章がすーっと頭の中に入ってくるから読みやすい
    それでいて考えさせられる

    価値観が違うからそれを押し付けあうのは違う気がする
    ただ、「ままならないから〜」の方は、努力型の雪子の性質を認めてあげることも必要なのではないかと感じる。だって幼い頃から雪子は薫の変?なところも認めてきてたから。

    現代風刺のような本、とても面白かった

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    2025年12月06日
  • 世界地図の下書き【電子特別版】

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    後半、少し中だるみしたが、サクサク読めました。今まで読んだ朝井さんのストーリーとは少し違う印象を受けました。

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    2025年12月04日
  • 何者

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    就活をめぐる若者たちの自己顕示欲や心の叫び。読んでいて胸にくるものがあった。自分にもある心の一部を見た気がした。

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    2025年12月04日
  • 時をかけるゆとり

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    同じく便意に司られている自分。

    遠い過去になった大学生時代の話より、社会人編で爆笑してしまった。痔の話も若手システムエンジニアの話も秀逸。

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    2025年12月04日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    学生時代からグループは自然とできて、そのグループごとに価値観があって、それが自分の価値観と合っているのか模索しているところに共感できた。

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    2025年12月04日
  • 風と共にゆとりぬ

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     この本を読んで何かを得られるわけではない(大変失礼)けれど、ただ純粋に本を読むことが好きだった頃を思い出せた。あの頃に戻りたくなった。
     戻りたい過去がある時点で私はなんて果報者。

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    2025年12月03日
  • 何様(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何者で拓人が「自分の人生の中に見つけたドラマがそんなにも大事なのだろうか」って言ってたけどさ、こんな初恋あったら大事にするに決まってんだろぉ!最高の初恋じゃねえか!!そう考えたら瑞月が不憫すぎる。

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    2025年12月02日
  • 何様(新潮文庫)

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    それぞれに共感できる部分があって、刺さる。「何者」も読み直して、より楽しめる。ゆとり三部作も大好きなので、朝井さんの価値観がたくさん入っていて嬉しかった。若林さんの後書きもよかったなぁ。

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    2025年12月02日
  • 桐島、部活やめるってよ

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    ネタバレ

    クラスによくいるうるさくて陽気な人も、大人しい人も、みんなそれぞれ社会とか人間関係の暗い部分をよく知ってるし人をよく見てるのかなと感じた

    桐島くんが部活を辞めたって聞いただけで、ひどく動揺する宏樹はそれほど桐島や映画部の2人みたいなひかりのような人に憧れを持っていたのかなと思った

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    2025年12月01日