朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「正欲」と話の流れが似ていた。異性愛のマジョリティと同性愛のマイノリティ。この本でもマイノリティがマジョリティに存在を認めてもらうという構図への疑問が呈されている。
抜粋↓
「理由もないのに強い気持ち」は、実は共同体や種の拡大、発展、成長に関係していることが多いです。
例えば子供をうみたい、とか。ほんと、あれなんでそう思うんだろう?
スルーしていた小さな違和感みたいなものを、丁寧に拾って言語化しているところがやっぱり朝井さんってすごいなと思いながら読んだ。
読後もふと考える、自分って何のために生きてるんだっけ?
拡大、発展、成長に寄与していないとソワソワしてしまう。別に成長なんてしな -
Posted by ブクログ
再読。1度目は奇抜な設定に呑まれていたのかそこまでハマらなかった記憶なのだが、再読しこの本の恐ろしさに気づき、魅了された。
グサグサ!ザクザク!斬られる。
インザメガチャーチと重なる部分もあり、その点においても再読を楽しめた。
メタofメタで研究したこの世界の解説書ってかんじ。宇宙人とかに、この世の生活を伝えるならこんな感じになるんだろうなーと思った。
自分のライフステージや置かれる環境によって、受け取り方が変わっていきそう。
会社で、今期の目標は?とか聞かれるたびにうるせえなって思ってたし、目標とか成長とか変化を求められることに最近うんざりしてきてる。
現状維持で、今のレベル以上の仕 -
Posted by ブクログ
かなり皮肉のこもった作品に感じた。
自分の物差しで測って、理解した気になられるのはすごい腹が立つ。
人に自分の夢や目標を語ったときに言われる言葉
「俺ら(君)にはそんな能力ないよ」
勝手にそっちの枠組みに自分を収めないでほしい。
私の可能性をあなたの尺度に当てはめないでほしい。
自分の夢を追うことをめんどくさいと感じて辞めたマジョリティに入れないでほしい。
マイノリティの中のマイノリティでいいから。
ほっといてくれれば勝手にこっちで決着つけるから
と、まぁこのようなことが最近あったわけで、「よくいう世間一般」からズレた道を生きる人には共感できる部分がある本だと思う。
-
Posted by ブクログ
自分達の年代が子供の頃は、まだ「スター」とされる人達が存在する時代だった。何万人、何十万人の中から選ばれた特別な存在こそが「スター」だという考えは今もある。だから、自分もどちらかというと登場人物の尚吾の様な考え方でYouTuberを捉えている。でも、結局それは、新しい価値観に順応できていない自分が、新しいものを頭から拒否して取り入れていない結果でもある。
「他を貶すより、自身のやっていることのよいところを見つけていくこと」と千紗の考え方が、新しい価値観が出現した時に大切になってくるのかも知れない。
選択肢が多過ぎて、正しいことも間違っていることも、人によって異なり、自身で選択していくことが難し -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は、家電メーカーの総務部総務課に勤務するゲイの達家尚成、33歳。そして、その主人公に寄生(?)する生殖本能が語り手という斬新な設定の小説。
ぶっ飛んだ設定ではあるが、生殖本能が主人公の生き方に対して軽妙にツッコミを入れていくスタイルは嫌いではなく、共同体の拡大、発展、成長にのっかるのか、のっからないのかといった人間の生き方に対する深い洞察も垣間見られ、期待を裏切らない面白さだった。自分なりの「しっくり」を追求し、他人からの介入は基本受け流す主人公にあきれる思いも持ちつつ、その受け流しスキルはなかなかのものだと感心した。
ただ、生殖本能が語り手なのに、性欲など性自体の話にはあまり踏み込まれ -
Posted by ブクログ
自分は人と違うということを幼い頃から認識していると、人は自然と老成していくのかもしれない。多くの人とは違う、マイノリティであることを人に知られないよう、知られても最小限の傷で済むよう、自分で自分の言動を監視して俯瞰で世界を見るようになるから。
私は物心ついたときから母親が肺の持病があった。母親が心身ともに辛そうな姿は何度も見てきたし、いつからか酸素チューブを付けないと日常生活を送ることが難しくなった。母親が走っている姿は一度も見たことがない。自転車を漕ぐ姿もプールで泳ぐ姿も想像がつかない。一番記憶にあるのは私が高校生のとき、数歩歩いたら止まって肩で呼吸をして、また数歩歩いて、を繰り返して歩を -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学生の就活から見える人間模様のお話。
登場人物それぞれが呟くTwitter(現X)のツイートにも触れながら、人の心のモヤモヤしたところがうまく書かれていたなぁと思った。一気読みしてしまう作品。
拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良、ギンジ…
私は1番瑞月の気持ちに共感できたなぁーと思った。
そして、瑞月の内定を祝う集まりの時に、会社に所属して働くことに対して良く思っていない隆良に対し瑞月が畳み掛けた言葉の羅列がすごく説得力があった。
「十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。これから目指すことをきれいな言葉でアピールするんじゃなくて、こ -
Posted by ブクログ
疲れたとき、落ち込んだとき、生活がルーティン化して刺激が足りなくなったとき、朝井リョウさんのエッセイを読めば嫌でも笑ってしまう。三部作最終章ということで、どうしても読み終わりたくなくて、少しずつ少しずつ、数ヶ月かけて楽しんでいたのに、ついに読み終わってしまった。
絶対的に旅に向いていないのに無謀な旅に挑戦する朝井さんに勇気をもらい、常にちょっとネガティブで自虐的なところに笑わせてもらい、常に人を気遣い低姿勢な彼に尊敬の念を持ち、そして最終的に「あー楽しい読書した」と思わされる。
ロスに移住した友人を訪ねていく章で、お腹の弱さについての記述の中に、彼女が自分の居場所を見つけられて良かったとい -
Posted by ブクログ
個を尊重する世の中に見せかけて、まだまだ学歴とか年収がわかりやすい生きがいとして認識されていると思う
世の中の指標に則ったら則ったで、結局その指標のトップになれん人が大多数やから、その指標だけを頼りにすると身近な人との比較に走る
そこまでは誰しも経験するとして、そこから逆張りで開き直るか、言い訳して腐るか、粘るか、自分を受け入れて別の軸を立てるか
開き直ってもいいけどその開き直りに他の人巻き込むぐらいなら1人で腐る方がマシ
自分は勝っとるつもりでも、その承認のために他の人巻き込むのも同じく
ダサい生き方はしたくないな
自分の美学ぐらいは貫いて生きていきたい