朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【時代そのものが厳しくなっていく中で、推し活は趣味というより福祉に近い存在なのでないか。】
【今、推される側も推す側も、優しさを求めている気がする。推す側が求めているのは優秀な運営と良質な供給です!あと潤沢な在庫とランダムグッズの廃止と良席!】
【我を忘れて何かに夢中になっているほうが、楽だからです。ずっと我に返ったまま生きるにはこの世界は殺伐としすぎていますし、人間の寿命は長すぎますから】
【熱量の低い百万人より、熱量の高い一万人】
【男同士って、仕事とか勉強とかそういう明確な目的がないと昼間に会ったりしないですよね】
【雑談って多分、ケアなんですよ】
【メガチャーチっていう巨大教会】
【第 -
Posted by ブクログ
いやぁ~、重い内容でした。読んでて、しんどくなるから、なかなか読み進められず…読み終わるまで時間がかかった。昨今の推し活に今ひとつピンと来てない私は、どこかで推しがいる人達が羨ましくも感じていたけど…推しがいなくて良かったと思ってしまった。と言うか、自分がなぜ「推し活」に馴染めないのかも、この小説を読んでやっと理解した。
「好きなアーティスト」って言うと、すごく個人的な感じがするのに、「推し」って言葉に変換すると、急に横の繋がりを感じさせる、って言うか…その第三者との繋がりが羨ましくもあり、面倒くさそうでもあり、自分には馴染まなかったんだな、とやっと分かった。
登場人物の立ち位置は全く違うのに -
Posted by ブクログ
今回もヤラレタ!
物語で社会をグサりと刺すこの人の表現にはいつも魅了されるのです。
時代や社会の捉え方がうまいし、なにより界隈のことも解像度高く表現されてるから違和感ないんですよね。
このまま読み進めていて大丈夫…?と思い始めた後半1/3からのスピード感。
文字しかないのに、文字の渦に呑み込まれ、煽り立てられ、じりじりと逃げ場がなくなっていき、いつの間にかこちらも窒息しそうになっている。
俯瞰して読み進めていたはずが、点と点が線になり、具体と抽象を繰り返す中でいつの間にか大きな渦に飲み込まれていて、最後の怒涛の畳み掛け。
ほら、推し活ってギャップで落ちるって言うじゃないですか。
朝井リョ -
Posted by ブクログ
視野を狭めると集中できる、集中できると安心するし満足感を得られる。生きてる実感を得られる。
自分の手の届く範疇であれば、のめり込める物があること、のめり込む力があることは幸せだと思う。
視野が拡いと言えば聞こえは良いが、結局自分だけでは何にもなれないというか、何かにのめり込めない、常に一歩引いて見えてしまうというのは寂しい気もする。
正解は無い中、自分で正解を作って目指す、または正解にする力があれば楽しめる/幸せになれるのか。
無責任に「ああでもないこうでもない」とアドバイスをくれる周りを納得させられる物語を作れるのか。
今の自分には、物語に巻き込まれる側でも何でも良いから満足感を得ら -
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分厚い一冊だったが、読み終えたあとに強い余韻が残る作品だった。
『正欲』は、複数の登場人物がそれぞれの人生を生きる中で、「ある一つの欲」を軸に静かに交錯していく物語である。
この作品が真正面から描いているのは、いわゆるマイノリティの欲だ。
それは声高に主張されることも、理解を求められることもない。むしろ多くの場合、当事者は「理解されたい」とすら思っていない。ただ、知られずに生きていたいだけなのだと感じさせられる。作中には、その欲を抱えたまま、誰にも打ち明けられず、静かな悲しみの中で日常を送る人物たちが描かれている。
印象的だったのは、その欲自体が法に触れるものではなくても、一度世間の目に晒 -
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ネタバレ推し活という現象を、若者の「つながりへの渇望」や「何かの役割を担いたいという欲求」から読み解き、現代社会を鋭く分析した作品。
第一章から「なるほど」と思わされる推し活に対する分析が次々と展開され、小説の序盤が苦手な私でも、最初から引き込まれてスラスラと読むことができた。
「神がいないこの国で人を操るには“物語”を使うのが一番良い」
この言葉に象徴されるように、本作ではマーケティングを宗教になぞらえた“メガチャーチ・マーケティング”に、さまざまな立場の人々がのめり込んでいく様子が描かれる。
現実世界でも、結果としてのオタクや陰謀論者はよく目にするが、「人はどのような過程でそこに至るのか」とい -
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朝井リョウさん、かなり期待して読んでしまったので少しだけ期待はずれ。いや、後半はとても良かったんだけど、前半が私的に読んでて進みが遅かったり夜だと眠くなったりで、読み終わるかな、と思ったことも。後半千紗ちゃんとの会話からぐっと入り込んだ。
良かったところはここ!↓
『全員が細分化された中にいるから、』
『どうしてあいつのほうが認められるんだって嘆いても、別の空間を批判する資格は誰にもないし、そんな時間に意味はない』
『でも、素晴らしいものは越境する』
『どんな相手に差し出すときでも、想定していた相手じゃない人にまで届いたときに、胸を張ったままでいられるかどうか』
『それが、この世界と向き合う -
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生殖本能視点で物語が進行し、語りがとてもユニークだった。
本作で度々取り上げられる共同体感覚。
全ての人は共同体に属しており、人は共同体に貢献することで、幸せを得ることができるというアドラー心理学による考え方。
素晴らしい考え方であり、自分自身アドラー心理学の本を読んだ際には感銘受けたのだが、本作を通して自分が共同体というものについて、深く理解できていなかったことに気付かされた。
近年重視されている多様性という言葉。
これまで共同体から見ないふりをされてきた人達の視点からしたら、勝手で上から目線な言葉なのだということに気付かされた。
共同体内にも優劣があり、大多数の意見が反映され、少数の意 -
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自分の思う多様性は、相手の思う多様性に当てはまらない、ましてや世界の多様性と同じわけがない。
性的なものでもなんでも、「思う」から欲求なのであって、思うこと自体を変えることはできない。
世の中の大多数が性的感情を抱くのは異性である。その感情を抱くのが同性、どちらにも、、というのが受け入れられている。今でこそ当たり前のことだ。その対象が小児だったら?人ではなく物質だったら?「ロリコン」「キチガイ」と世間から指を刺される。大多数が自分の多様性からはみ出たものは理解しようとせず、煙たがる。まるで自分が正しい側に立っているかのように。
ではなぜ人は正しい側に立とうとするか?それは、不安だからだ。不 -
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ネタバレ朝井さんについて、なんとなく若い男の人だということはぼんやり知っていたが、特段知識はなかった。読後にYoutubeなどでお顔を拝見し、シュッとした陽気な金髪の兄さんだということがわかった。ゆとり世代らしく、にこにこしていて話し方も柔らかく、知性的な人だと思った。
この本は、2014年に文庫本として刊行されたエッセイ集である。
学生時代から社会人になって数年の著者の体験談が赤裸々かつユーモラスに描かれており、文体や内容、ページ数(総P271)的にもかなり読みやすい作品だった。続編に「風と共にゆとりぬ」「そして誰もゆとらなくなった」があり、ゆとり3部作と呼ばれているらしい。頭も神経も使わずに気楽