朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ私にはこの文章がとても合っていて、スルスルと読んでしまいました。文章が綺麗な上に比喩表現の多さ、読み応えがありました。
八重子と大也が罵倒し合うシーンが一番好きです。結局八重子は大也のことを何も知らず、そしてもしかしたら誤解してるまま…大也と離れることになってしまいました。
けれど、多分八重子は一度でも異性と心をぶつけ合うことができてそこだけは悔いはないのかなとも思いました。
逆に児童ポ◯ノについては、かなり考えさせられました。
そして、水フェチでそこまで悩むか?とも思いましたが、登場人物を水フェチにしないと、(他の挙げられてる例だと逆に)一般的には嫌悪感が勝って読者は話に入れないのだろう -
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『時をかけるゆとり』の改題前のものらしいこの作品。ゆとりシリーズ三部作の一作目。知らずに二作目から読んでしまった。その二作目に出て来た眼科医さんがとても気になり、早速一作目も読んでみる。
この一作目の方が断然面白かった。そして気になっていた眼科医。期待を裏切らない面白さだった。何せ、この本で一番大笑いしたところが、眼科医とのエピソードでエンヤが出てきたところだったのだから。読んで良かった。
そして、学生時代作者が行った大島への旅行での盆踊りについての章は、楽しい中にもしみじみとした趣があり心に残った。
その地域の盆踊りなどの行事を受け継いでいくことの意味を考えさせられた。学校の音楽の授業で -
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シェアハウさないは、推察しながら読んで楽しめた。先読みすることなく、作者の意図するタイミングでもしかしてと疑問を持ち、やっぱりと感じる感覚が心地良かった。再読して最後までの流れがほんとにきれいで、伏線も自然ですごいなと感じた。
立て!金次郎は感動する場面もありながら、それでは終わらないところが、朝井リョウさんだなと感じた。最後のオチも好き。
脇役バトルロワイヤルはこれまでの物語もすべて含みつつ、一つのドラマのような要素もあっておもしろかった。これも最後のオチがさすがだと思った。
何度も読み返したい、おもしろい本だった。読書を始めたい人にもおすすめの本だと思う。 -
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ネタバレ推し活や陰謀論に巻き込まれていくようすを、主要人物三人それぞれの視点で描いた物語。
作者の現代の解像度の高さがすごい。
オタクの話し方とか、運営の搾取の仕方とか、まわりとうまくいっていない大学生の感じとかお金がない人の感じとか。
とくに澄香のその、大学で周りとうまくいっていない感じが分かるからこそ苦しかった。
ただ最後はある種いい居場所ができてよかったのかな、とも思う。
主要人物はみな救われない結果にはなったが、澄香だけはまだなんとかなる、と思ってしまうのは少し自己投影してしまっているからだろうか。
物語があることの強さ、は本書であったサバ番はもちろん、ほかの消費行動でも感じることだ。
モ -
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ネタバレ2冊目 言葉は難しいからまだ自分の感情を言葉にできない。
いろんな立場の人の言葉を見て、ほとんどの人の言葉に納得した。寺井啓喜の感覚はわたしは理解できていて、息子の新しいことをするという不安定な状態の考えだけで小学校を休んでYouTubeをやるとか心配でしかなく、言葉の端々に嫌な雰囲気を出してしまう。寺井啓喜はわたしの母とも似ていて、でもその感覚はちゃんと私に継がれていることを改めて実感させられた。
佐々木佳道や桐生夏月、諸橋大也、のパートは知らない性の世界でずっと不思議な気持ちがしてた。嫌悪感はなく、理解はできず、でも孤独な気持ちが晴らされる夏月と佳道のセックスのシーンと大也と八重子 -
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男子バレー部のエース・桐島が部活を辞めるそうだ――。そんな噂話が波紋を広げる。桐島が居なくなったことでレギュラーメンバーに変動があった部内、帰る時間を合わせる必要がなくなった友達、その周囲の人間関係。直接にせよ間接にせよ、桐島が部活を辞めることで彼らの日常が揺さぶられる。桐島に替わってリベロのポジションを得たことで、桐島が見ていた本当の景色を知る風助、桐島の友達に恋するブラスバンド部部長の亜矢、クラスカーストの下位にいるが信頼できる友と映画制作に燃える涼也、精神病の母を持つ実果、何となく情熱を持て余している宏樹…。みんな自分の世界が一番って顔しているのに、常に人の目を気にしている。身の内から迸
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ネタバレ2025/60
面白かった〜〜〜〜〜。
久しぶりにイッキ読みしてしまった。
朝井リョウさんの本をもっと読みたくなった。
生殖本能が語り手という斬新なアイデア
いったいいつどうやって思いつくんだろう。
生殖本能の軽口が面白いし可愛すぎて、笑いながら読んでた。この個体、レスどころかネバーなのに。
確かに何が欲しいか分からないとか、自分が子供が欲しいか悩んでるなんて「優雅な悩み」なのかもね。満開の桜の中にいる人は、自分が綺麗なものに囲まれているって気が付かないから。
日本には国教もないし、明文化されたルールは少ないはずなのに「なんとな〜くの空気」で決められたことがたくさんある。すごく分か -
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ネタバレ「正欲」の時も独特なタイトルだなーって思ってましたが、今回もそう思いました。てか、ほんとに「生殖記」やないかい!と冒頭を読んで心の中でツッコミました(笑)ポップな語り口なのが面白くてツボでした。
すべては資本主義から来ている悩みとか、わかりやすい表現だなと思いました。ずーーーっと、今より良くを続けていくって大変ですよね。資本主義社会にいる限りは、新商品を生み出し続けないといけないし、人間も「拡大・発展・成長」に貢献し続けなければならない。どの企業も分かっているけど考えないようにしているというか。もう完成形なのに、「これ、いる?」って性能をちょっと足して新商品出すとか、スマホ業界がすぐ思い浮かび -