朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある舞台女優と、彼女のファンクラブを取り仕切る女性の会員、そして新しく加わった会員。3人の女性の語るそれぞれの人生、悩み、苦しみ、そして悟り。自分にも少なからず心当たりがある人の心の嫌なところがむき出しになるので、うっとなるけれど、最後はそれぞれが自分の人生を取り戻せるような終わり方で良かった。
3章の舞台女優のお話が特に好きだったし、共感できた。本来は羨ましがる要素などないのに、不幸なエピソードを持っていて、みんなから注目を集めることができる人、そこに強烈な物語と理由を生み出せる人をずるいと思ってしまう感情。どん底を知ってるからこそ人に優しくなれる、ってよく言うけど、じゃあどん底を知らない -
Posted by ブクログ
「健やかな論理」にやられた。
直前まで健やかだった人々が自殺する突拍子もなさが、納得できるのだ。普通の構成だったら違和感しかないだろうな。この作品では、その唐突な行動を自然な流れとして描いている。
ある日、急に死にたくなるのではない。意識の底でずっと流れていた希死念慮に気づいてしまった途端、その流れに乗るのが自然だと感じてしまうのだ。
「もういいかなと思った」というセリフにはリアリティーが溢れていた。
「そんなの痛いにきまっている」は、著者のメインテーマである性癖が描かれている。マジョリティーには見えない当たり前の壁。多くの人には見えず、素通りできてしまう空気の壁なのに、著者の描くキャラクタ -
ネタバレ 購入済み
一気に読める!!
朝井リョウさん、5冊目かな。相変わらず、サクサク読める展開。会話しながら、脳内思考が繰り広げられるところが、臨場感があって好き。私はユリちゃん側の熱量の低い人だから、推し活で楽しんでいる人が羨ましかったけど、やっぱりバランス良く推さないと人生詰むわな、、、。視野が狭くも広くもバランス大事。個人的には、アイドルプロデューサーが冷静すぎて、リアルに感じた。てか、最後の終わり方!!続き書いてーー!!バレるのかな。家族関係の再構築できるのかな。あー気になって寝られなくなっちゃった。これが、視野の狭くなる感覚かな。朝井リョウさんの自叙伝が個人的に一番面白いよ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ<備忘録・ネタバレあり>
直木賞作家でメディアでもよく目にしていたので「なんかシュッとしたイケメンインテリ若手作家」という印象だったが、このエッセイを読んで結構変わった。
飾らないというかちょいダサ痛エピソードが満載で、その可笑しい描写に著者のサービス精神をムンムンに感じる。(ちょっと狙いすぎと感じるところもあったけど^^)
まず巻頭の年表から面白い。「小6で小説を新人賞へ初投稿。受賞するつもりで日々を暮らす」「クラス名簿を基に執筆したバトルロワイアルを夏休みの課題作品として提出。職員会議の議題デビュー」など、短文から著者のキャラクターがうかがえて身近に感じる。
視力が悪いことなど、今とな -
Posted by ブクログ
解説で書かれていた、アイドルは自分の代弁者、成り代わりというのが真理かな、と。なりたいけどなれなかった自分、手に入れたいけど手に入れられなかった自分が抱く不足感を満たすために、理想そのものとしてアイドルを見る。だから自分の欲と異なる言動をとられてしまうと裏切られた気になってしまう。
自分が何を好きなのかがわからなくなった主人公の気持ちにはとても共感。YouTube等が普及して、お金をかけずに手に入れられる物が増えた分、選び取らずに捨てることにも躊躇がなくなった気がする。サブスク契約はしてるのに、見たいものが浮かんでこなくなる。お金を払って手にするものを選ぶって、値段以上の価値が生まれるのか -